歯磨きし過ぎのリスクと正しいケア方法
口腔ケアアンバサダー（社団法人 日本口腔ケア学会認定）の上林登です。
毎日の生活において、多くの人が口臭対策や口腔ケアの重要性を強く意識しています。そのため、清潔感を保ち、健康を守るため、多くの人が日常的に歯を磨いています。しかし、その歯磨きが適切でなければ、予想外のリスクを引き起こす可能性があることをご存知でしょうか？
「歯を磨けば磨くほど良い」というのは実は大きな誤解です。実際には、過度な歯磨きはエナメル質の損傷や歯茎のトラブルを招き、さらには知覚過敏や口臭の原因ともなることがあります。
この記事では、歯磨きの過度な頻度や方法が及ぼす様々なリスクと、正しい歯磨きの方法について詳しく探っていきます。正しい知識とケア方法で、健康な口腔環境を保ちましょう。
この記事は、歯科衛生士の上林ミヤコと上林登が監修し、Chat GPT-4が書いています。
歯磨きの適切な頻度
日常生活での理想的な回数
歯を守るためには、どれくらいの頻度で歯磨きをすべきか、この疑問は多くの人が抱えています。歯磨きの回数は個人の食生活や口腔の状態によっても異なりますが、一般的な推奨される頻度は1日2回、特に朝の食後と就寝前です。食後に歯を磨くことで食べ物の残渣や細菌の繁殖を抑え、夜の歯磨きは1日の汚れを取り去ることで口腔内を清潔に保つことができます。
・出典：読売新聞 第9回「デンタルヘルス・シリーズ」シンポジウム（来場者の主な質問に対する回答）-日本歯科医師会
一般的な勘違い
「歯を磨けば磨くほど良い」という考えが一般的に広まっていますが、実はこの考え方は間違いです。1日に3回以上の歯磨きや、食事のたびに歯を磨くことは、エナメル質を過度に摩耗させるリスクがあります。また、強く磨き過ぎることで歯茎を傷つけることも。適切な頻度で、正しい方法で歯磨きを行うことが、健康な歯と歯茎を保つ鍵です。
歯の汚れをしっかり取り除くために必要な歯磨き時間は3分ほど。長ければいいというのではなく、自分のお口の状態に合う歯ブラシ選びと磨き方ができているかどうかが大切です。
引用：【歯科衛生士監修】1回の歯磨き時間の目安。理想的な時間帯・タイミングは？-サンスター
歯磨きし過ぎのリスク
オーバーブラッシングとは？
歯磨きは口腔衛生の基本ですが、やり過ぎると「オーバーブラッシング」という状態に陥り、それに伴うリスクが高まります。
あなたの歯みがき、力を入れ過ぎていませんか？
・出典：歯の学校「大人のための予防歯科」-日本歯科医師会
具体的には、以下のような問題が考えられます。
・エナメル質の損傷:
エナメル質は歯の最外層を形成する硬い組織です。強く磨き過ぎると、このエナメル質が摩耗し、歯が黄ばんだり、虫歯になりやすくなる可能性が高まります。
・歯茎のトラブル:
歯ブラシの圧力が強すぎると、歯茎が剥がれるか、傷つけられるリスクがあります。継続的なオーバーブラッシングは歯茎の後退を引き起こすことがあり、それによって歯の根が露出することも。
・知覚過敏の原因:
エナメル質の摩耗や歯茎の後退により、歯の神経に近い部分が露出すると、冷たいものや熱いものを摂取した際に鋭い痛みが生じる「知覚過敏」の症状が出ることがあります。
・関連：家庭でできる知覚過敏への対策：痛みを和らげるための日常の口腔ケア
・口臭との関連性:
歯磨きをし過ぎることで、口腔内のバランスが崩れ、悪玉菌が増える可能性があります。これが口臭の原因となることがあります。
・関連：アルカリイオン水の秘密：口臭予防のメカニズムと正しいうがい手順を徹底解説！
歯磨きし過ぎの実例
歯磨きし過ぎによる影響は抽象的なものではありません。多くの症例や研究がこれを実証しています。以下は、いくつかの実例とそれに関連する研究結果を紹介します。
・症例や研究をもとにした解説 :
一つの研究では、毎日3回以上の歯磨きを行っている人々が、2回以下の人々に比べてエナメル質の摩耗率が高いことが確認されました。特に、研磨剤配合の歯磨き粉と硬めの歯ブラシを併用している場合、この摩耗はさらに顕著になる可能性があります。
また、別の臨床症例では、一日に何度も歯を磨いている患者が歯茎の後退や知覚過敏を経験していることが確認されました。この患者は、歯医者から歯磨きの方法と頻度のアドバイスを受けることで、症状が改善されました。
・情報の整理 :
複数の歯科情報サイトやブログでは、オーバーブラッシングに関する警告やアドバイスが提供されています。多くのサイトで共通して指摘されているのは、歯ブラシの選び方や磨く力、そして磨き方に注意することの重要性です。また、一部のサイトでは、歯磨きの頻度を日に3回以上に増やすことのリスクについても詳しく説明しています。
しかし、オーバーブラッシングの根本原因は、歯磨き粉に含まれている「研磨剤」にあります。研磨剤無添加の歯磨き剤であれば、強く磨いてもエナメル質を削ることはないからです。ただし、歯茎が下がって柔らかい象牙質が見えている場合は、その例外です。象牙質は、無添加歯磨き粉でも磨き過ぎると、歯に傷をつける可能性があるので注意が必要です。
正しい歯磨きの方法
歯磨きは、口内環境を清潔に保ち、虫歯や歯周病のリスクを低減するためには不可欠です。しかし、正しい方法で行わないと、かえって口内の健康を害することがあります。
以下に、正しい歯磨き方法についてのポイントを紹介します。
歯磨きの際の注意点
・力の入れ方や歯ブラシの選び方:
歯磨きの際、強くこすりつけることはエナメル質を摩耗させる原因となります。やわらかめの歯ブラシを選び、優しく円を描くように磨くことが推奨されます。また、歯ブラシは3ヶ月ごとに新しいものに取り替えることが良いとされています。
・歯磨き粉の選び方:
市販されている歯磨き粉には、さまざまな種類や成分が含まれています。例えば、フッ素入りの歯磨き粉は虫歯予防に効果的ですが、過剰に使用するとフッ素過剰摂取のリスクが考えられます。また、知覚過敏に悩む方には、知覚過敏用の歯磨き粉がおすすめです。磨く際の刺激を和らげる成分が配合されています。歯の状態や悩みに合わせて、最適な歯磨き粉を選ぶことが大切です。
まとめ
私たちが日々行っている歯磨きは、口内の健康を守るために不可欠なケアです。しかし、その歯磨きが適切でなければ、予期せぬリスクを招くこともあります。
・リスク回避と健康な口腔の保持ポイント :
正しい歯磨きの方法や頻度を理解することで、エナメル質の損傷や歯茎のトラブルを回避することができます。特に、歯磨きの力加減や適切な歯磨き粉の選び方は、口腔の健康を長く保つ鍵となります。また、知覚過敏の原因となる過度な歯磨きや、口臭の関連性も理解することで、総合的なケアが可能となります。
・正しい知識の重要性 :
“知っている”と”正しく知っている”は大きく異なる場合が多いです。誤った知識や一般的な勘違いは、口内の健康を損なうリスクとなることも。この記事を通して、読者の皆様に正しい歯磨きに関する知識を提供できることを願っています。
参考文献/URL
- 「歯の健康」-厚生労働省
- 「かかりつけ歯科医を持とう 歯を健康に保つ秘訣」-厚生労働省
- 「う蝕治療ガイドライン第二版」-日本歯科保存学会
- 「食後30分間は歯磨きNG？ ジュースは歯を溶かす？ 歯科医が教える本当とうそ」-朝日新聞デジタル
- 「9割近い医師が間違った歯磨き粉の使用は口内トラブルに繋がると回答！綺麗な歯を保つために必要なケアとは」-PRTIMES
