口臭の原因となる臭い玉(膿栓)が取れるタイミングと取り方について
口腔ケアアンバサダー(社団法人 日本口腔ケア学会認定)の上林登です。
膿栓(膿栓)とは、扁桃腺の隙間に細菌の死骸や食べカス、唾液などが固まった白や黄色の塊のことです。臭い玉とも呼ばれ、口臭の原因になることがあります。
膿栓自体は無臭ですが、周りに細菌が繁殖することで悪臭を放つようになります。大きければ大きいほど、細菌が繁殖しやすくなるため、強い口臭を引き起こす可能性が高くなります。また、扁桃腺に炎症がある場合は、病巣そのものからも臭いが発生するリスクがあります。
膿栓は自然に取れる場合もありますが、取り残しがちならば自分で取り除く必要があります。綿棒やピンセット、うがい、シャワーなどで取り除く方法がありますが、無理な取り方をすると扁桃腺を傷つけたり出血するリスクがあるので注意が必要です。
予防するためには、こまめな歯みがきや口腔ケア、扁桃腺の状態観察が重要です。鼻呼吸の習慣化や、こまめな水分補給、睡眠環境の改善なども膿栓予防に役立ちます。自覚症状がなくても、定期的に医師の診察を受けることをおすすめします。
小さな異常があれば早期に対処することで、膿栓による口臭やトラブルを未然に防げます。適切な予防と対処を心がけましょう。
膿栓(臭い玉)とは
膿栓(臭い玉)とは、扁桃腺の隙間に溜まった細菌の死骸や食べカスなどが固まったもので、臭い玉とも呼ばれています。白や黄色の塊状になっており、扁桃の周りに付着していることが多いです。
膿栓ができる原因と症状
膿栓ができる原因は主に以下の3つが考えられます。
- 口腔内の細菌感染
- 扁桃腺の窪みが深く死角ができやすい
- 唾液の分泌が少なく、自浄作用が低下
症状としては、喉の違和感や臭いを感じることがあります。無症状の場合もありますが、放置すると膿栓が大きくなり、それ自体が原因で口臭が発生する可能性があります。
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膿栓と口臭の関係
膿栓自体は無臭ですが、その周りに細菌が繁殖すると悪臭を放つようになります。つまり膿栓は直接の原因ではありませんが、口臭発生の大きな要因になり得るのです。特に膿栓が大きければ大きいほど、周りに細菌が繁殖しやすくなるため、口臭が強くなる傾向にあります。
定期的に膿栓を除去し、扁桃腺周りを清潔に保つことが、口臭予防には欠かせません。また、扁桃腺自体に炎症がある場合は、膿栓だけでなく病巣そのものからも口臭が発生する可能性がありますので、医師による治療が必要になってくる場合があります。
膿栓が自然に取れるタイミング
膿栓は自然に取れる場合もあれば、取り除く必要がある場合もあります。自然に取れるタイミングを知っておくことが大切です。
膿栓は通常自然に解決しますが、その期間は症例により異なります。一部の研究では膿栓が消失するケースが報告されています。 (Yamashita et al., 2021)。
Moura et al. (2007)は、無症状の膿栓のケースを報告し、無症状の場合は治療の必要がないと結論付けています (Moura et al., 2007)。
しかしながら、膿栓が症状を引き起こす場合(例えば、食物の違和感、嚥下困難、痛みなど)、外科的な除去や他の治療が必要になることもあります。 (Lo et al., 2011)。
くしゃみや咳のときに取れる可能性
くしゃみや強い咳を した際に、喉の奥に付着していた膿栓が飛び出すことがあります。これは喉の筋肉の動きによって膿栓が押し出されるためです。くしゃみや咳が出る時は自然に膿栓が取れるチャンスなのです。
ただし、すべての膿栓がこの時に取れるわけではありません。大きな膿栓や強く付着している膿栓は、この程度の刺激では取れない可能性が高いです。
食事中に取れることも
噛んだり飲み込んだりする動作で、喉の筋肉が動くため、食事中に膿栓が取れることもよくあります。特に唾液の分泌が増えるため、膿栓が柔らかくなり取れやすくなります。
ただし、気づかずに飲み込んでしまう可能性もあるため、食後に口を確認するなどして、取れ残りがないか確認することをおすすめします。
自然に膿栓が取れるタイミングを見逃さず、こまめに確認することが大切です。ただし、取れ残りや大きな膿栓は自分で取り除く必要が出てくるかもしれません。
膿栓の取り方と注意点
自然に取れなかった膿栓は、自分で取り除く必要があります。しかし、無理な取り方をすると危険な場合もあるので、注意が必要です。
綿棒やピンセットで取り除く方法
細く柔らかい綿棒の先端や、ピンセットを使って膿栓をつまむのが一般的な取り方ですが、危険なのでおすすめできません。除去方法は、口を大きく開け、鏡を見ながら膿栓の位置を確認し、綿棒やピンセットで丁寧に取り除きます。
ただし、あまり奥まで入れすぎると扁桃腺を傷つける可能性があります。力を入れすぎて粘膜を痛めないよう、軽い力加減が重要です。無理に取ろうとせず、取れ残しがあれば耳鼻咽喉科での受診をおすすめします。
うがいやシャワーでの取り方
シャワー洗浄による膿栓の取り方(予防)は、毎日私が行っている安全なやり方なのでおすすめします。
強めに扁桃めがけてうがいをしたり、シャワーヘッドで洗浄するのも有効な膿栓除去法の一つです。水の圧力や洗浄力で膿栓を外から剥がすイメージです。
ただし、水圧が強すぎると扁桃腺を傷つける恐れがあります。また、シャワー洗浄でうまく取れない場合は無理に続けず、耳鼻咽喉科受診を検討しましょう。
無理に取ると危険な可能性
無理に膿栓を取ろうとすると、扁桃腺を傷つけて出血する可能性や、局所の炎症を引き起こすリスクがあります。耳鼻咽喉科の医師に相談し、安全な除去方法をアドバイスしてもらうことが大切です。
自分で取れない大きな膿栓は無理に取ろうとせず、医療機関で適切な処置を受けましょう。膿栓を取る際は、細心の注意を払う必要があります。
膿栓の予防法
膿栓ができやすい人は何度でも出来るので、予防することが重要です。
膿栓ができるのを予防するには、日頃からの口腔ケアと扁桃腺へのこまめな注意が必要です。予防次第では膿栓のリスクを大幅に下げられます。
こまめな口腔ケアが重要
口腔内を清潔に保つことが、何よりも大切な膿栓予防法です。歯みがきやうがい(特に喉のうがい)をしっかりと行い、細菌の繁殖を防ぎましょう。
特に歯周病や口臭がある場合は、細菌が多く存在する可能性が高いです。定期的な歯科検診や専門的な口腔ケアで、口内環境を改善することをおすすめします。
扁桃腺への注意と対策
扁桃腺の構造上、死角ができやすく、そこに細菌やカスが溜まりがちです。扁桃腺の状態を常に観察し、異常がないか確認しましょう。 扁桃周りの衛生が保てない場合は、扁桃摘出手術を検討するのも一つの対策です。ただし、手術には一定のリスクがあるため、医師と良く相談することが必要です。
耳鼻咽喉科や歯科での受診
自分では気づかない膿栓や、扁桃腺の異常を見逃さないためにも、定期的な医療機関の受診をおすすめします。 口呼吸がひどかったり、扁桃腺の腫れや痛みなどの症状がある場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
歯科検診でも口腔内の状態をチェックしてもらえます。 膿栓に気づいたら放置せず、専門家に相談することが賢明です。早期発見・早期対策が、膿栓を予防するカギとなります。
膿栓ができにくい生活習慣
膿栓予防には、日々の生活習慣も大きく関係しています。鼻呼吸を心がけることや、こまめな水分補給、適切な睡眠環境作りなど、些細な習慣の改善が重要になります。
鼻呼吸と口呼吸の違い
口呼吸をしていると、口から直接空気が通るため、扁桃腺が乾燥しやすくなります。一方、鼻呼吸なら空気が加湿され、扁桃腺が乾燥するリスクが低くなります。
鼻呼吸を習慣づけることで、扁桃腺の過乾燥を防げるだけでなく、細菌の侵入経路も減らせます。無意識に口を開けがちならマウスピースなどで口呼吸を防ぐ対策も有効です。
乾燥しないよう水分補給を
唾液が十分に出ることで、扁桃腺の清浄が保たれ、膿栓できにくくなります。そのため、こまめな水分補給を心がけましょう。 喉が渇いた時はすぐに水分を取るよう意識し、夜間も枕元に水を置くなどの工夫をするとよいでしょう。喉の渇きを感じなくても、適度な水分補給が大切です。
睡眠時の環境にも気をつける
睡眠中はのどが乾燥しがちです。加湿器を使ったり、エアコンの温度設定を見直したりと、睡眠環境の改善にも注目しましょう。
また、寝返りを打つ機会が少なく、同じ体勢が続くと、唾液が口腔内にうまく行き渡らなくなります。適度に寝返り体勢を変えることで、口腔内の唾液分泌を促せます。
生活習慣の見直しは膿栓予防に大きく役立ちます。些細な習慣改善の積み重ねが、予防につながる大切なポイントなのです。
膿栓除去に関する体験談から学ぶポイント
知恵袋などネット上にある膿栓除去の体験談を見ると、自力での取り方には様々なリスクが伴うことがわかります。
ウォーターピックでは扁桃腺を傷つけたり、綿棒では吐き気や出血を伴うケースもあったようです。無理な取り方をすると、かえって膿栓が悪化する可能性もあります。
一方で、耳鼻咽喉科での専門的な処置を受けた人の中には、痛みもなく費用も思ったより安かった、と感じた人が多数いました。しかし、一度治療で除去しても、その後何度もできたという人もいます。
体験談が示すように、膿栓の自力除去には十分な注意が必要不可欠です。大きな膿栓や取れ残りがある場合は、無理せず専門医に相談することが賢明な選択と言えるでしょう。 適切な方法で安全に膿栓を除去することで、口臭などのトラブルを防げます。自分に合った最良の処置方法を見つけましょう。
膿栓まとめ:自然に取れるタイミングと取り方
膿栓は自然に取れる場合と、自分で取り除く必要がある場合があります。 自然に取れる可能性があるのは、くしゃみや咳をした時、食事中などです。喉の筋肉の動きにより膿栓が押し出されるためです。
しかし、大きな膿栓は取れにくい場合もあります。 自分で取り除く方法としては、うがいやシャワーで吹き飛ばす方法がおすすめできます。ただし、無理な取り方をすると扁桃腺を傷つけるリスクがあるので注意が必要です。
取れ残りがある場合や、自分で取るのが難しい大きな膿栓は、無理せず耳鼻咽喉科を受診し、安全な除去方法を相談しましょう。 自然に取れるタイミングを見逃さず、定期的に口腔内を確認する習慣を持つことが大切です。取り残しがあれば適切に対処し、膿栓による口臭などのトラブルを防ぎましょう。
膿栓(臭い玉)の予防には「うがい」がおすすめです。うがい時に口臭予防歯磨き粉「美息美人」のアルカリイオン水を使うと、膿栓(タンパク質)が溶けて取れやすくなります。
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