【医師執筆監修】その不調、「腸のカビ」が原因だった!? 放置すれば腸に穴が開く!! 原因と対策!

腸内のカビをチェック

こんな症状はありませんか?

☑便秘(コロコロ便、毎日出ない)や下痢
☑疲れがなかなか取れない
☑おなか周りに肉がついてきた
☑甘いものについつい手がでる
☑アレルギーやアトピーがなかなか治らない
☑歯周病や口臭が気になる
☑飲み会の〆にはラーメンが食べたくなる

腸カビの症状

一つでも心当たりがあるなら、それは腸の中のカビが原因かもしれません!

私たちが目にするカビは、食物やお風呂に生えるカビが一般的なので、おなかの中にカビが生えているなんて言われても、にわかには信じられないかもしれません。

しかし、最近海外の研究機関や医療機関で腸に住むカビの報告や研究がなされています。
実際、検査で調べてみると腸にカビがいることがわかってきて、これが様々な不調の原因となっていることが報告されています。

執筆者 歯科医師 ファストロ滋子

カビとは?

そもそもカビは私たち人に住んでいる常在菌です。空中にも浮遊していますので、私たちは絶えずカビと接触しています。だからといって病気になることはありません。しかし、免疫力が低下したり、何らかの理由で体の中のカビが増えると悪さをし始めるのです。

さて、カビが繁殖するには条件があります。それは温度、湿度、栄養です。梅雨の時期では家の中でも、カビが繁殖しやすくなりますよね。

カビが好きな温度・湿度・栄養

身体の中は36℃〜37℃、湿度も適度にありカビにとっては住み心地がいいのです。特に腸はこれに加え、人間が食べたものが通る場所ですので、カビにとってのエサが豊富にあります。カビにとってこれほど住み心地のいい場所はないわけです。

ところで、カビがヒトに悪さをする有名なものに水虫があります。水虫は白癬菌と呼ばれるカビが原因で起こるものです。また、カンジダ菌と呼ばれるカビが原因で起こるものに、腟カンジダ症や鵞口瘡(がこうそう/口腔カンジダ症)があります。耳にした方も多いのではないでしょうか。

口腔カンジダ症

口腔カンジダ症

このうち腸では主にカンジダ菌の繁殖が問題となります。カンジダ菌は二形成菌と呼ばれ、酵母形と菌糸形の両方の発育形態をとります。
カンジダを顕微鏡でのぞくとこんな感じです。

酵母と菌糸

酵母           菌糸

酵母(イースト)とは、ビール酵母とかパン酵母などで知られているように、有機物(糖)を利用し、アルコールと炭酸ガスに分解しながら
分裂・成長する菌です。お酒やチーズ、みそ、醤油などの発酵食品作りにはかかせませんね。

一方の菌糸は、細長い糸状の姿をもつ菌類です。

カンジダは生体環境のpHの変化で
その状態を変化させ、適応させていきます。pHが低い時(酸性)は酵母の状態、
pHが高い時(アルカリ性)は菌糸の状態に変化します。

そして、カビがその形態を酵母(イースト)の状態から菌糸の状態に変化させると、根を張り、体に食い込むように増殖していきます。こうなると、カビは様々な悪影響を身体に及ぼし始めます。

食道の中のカンジダ

食道の中のカンジダ

不調の原因となるリーキーガットとは?

カビが原因で起こる症状の一つに「リーキーガット」と呼ばれるものがあります。リーキー(Leaky)とは漏れること、ガット(Gut)とは腸のことを指す英語です。

通常、腸の粘膜は一つ一つの細胞が隣り合わせに綺麗に並んでおり、細胞と細胞はタイトジャンクションという強固な結合でくっついています。しかし、このタイトジャンクションの接着が弱くなると、細胞間に隙間ができて、そこから腸内の細菌や毒素、食物などが漏れ出してしまうことがあります。この状態をリーキーガットといいます。

下の写真を見てください。

口腔カンジダ

King’s college of London , muscosal&salivary biologyより

菌糸状になったカンジダが、
組織を突き抜けているのがわかると思います。これは口腔粘膜でのカンジダ菌ですが、腸でも同じようなことが起こっています。

こうなると、腸の細胞は傷つけられ、炎症を起こします。炎症を起こすと、細胞間のタイトジャンクションが緩み、リーキーガットを引き起こすのです。

リーキーガット

このようにリーキーガットが起こると、緩んだ細胞間の隙間から腸の中にいるバクテリア(細菌)やそれらが出す毒素、炎症性物質、未消化の食物などが身体の中に侵入していきます。そして、これらは血流に乗り全身を駆け巡ります。すると腸とは関係のない身体の部位で不調が起こる原因となります。

未消化のタンパク質が腸から漏れ出し血中の中に入ると、これがアレルゲンとなり、食物アレルギーの原因となります。また炎症性物質(炎症性サイトカイン)が漏れ出すと、各組織での炎症の原因となります。鼻炎やアトピーなどのアレルギーもその一つです。甲状腺で炎症が起きれば甲状腺疾患に、関節で起これば関節炎の原因となります。

また、最近の研究により、自閉症やADHD(注意欠如多動性障害)の問題を抱える人には、腸のカビが多くいることがわかっています。

リーキーガット全身への影響

腸カビドックHPより

カビが作る有害物質!

カビ毒

カビはマイコトキシンと呼ばれるカビ毒を放出しています。これらの中には発がん性のものもあるため注意が必要です。
また、カビはアセトアルデヒドもその代謝産物として出しています。

アセトアルデヒドはお酒を飲んだ時にできる成分ですが、これがうまく分解されないと二日酔いの原因となります。お酒を飲んでいないのに、頭痛や吐き気、頭がすっきりしないなどの症状があれば、それはカビのせいかもしれません。

頭痛がする男性

水銀

そして、あまり知られてはいませんがカビはその中に水銀を蓄えています。水銀は水俣病の原因となった神経に異常をきたす原因となるものですが、歯にアマルガムという銀歯がある方は要注意です。この銀歯には水銀が含まれており、その蒸発した水銀蒸気を好んでカビが取り込んでいるからです。水銀とカビは蜜月の関係です。

つまり、アマルガム銀歯の影にカビの存在あり、カビの影に水銀あり、ということになります。もう一つ付け加えるなら、歯周病や口臭がひどい方は、歯周ポケットにカビが潜んでいる可能性が大きいので、こういうことに詳しい歯科医院へ相談されることをおすすめします。

歯周ポケットのカビ

シュウ酸・酒石酸

カビはシュウ酸や酒石酸といった物質も作り出します。

シュウ酸は腎結石の原因として知られていますので、ご存知の方も多いと思います。シュウ酸は結晶化するとハリネズミの針のようにイガイガした結晶を作り、これが身体の組織にできるとき局所の痛みを起こします。

シュウ酸を多く含む食品に里芋やほうれん草、たけのこなどがありますが、ほうれん草やたけのこを食べて喉や舌がイガイガしたり、里芋の皮を剥いて手が痒くなるのも、このシュウ酸が原因です。

シュウ酸結晶

シュウ酸結晶

また、酒石酸は身近ではワインの瓶の底に「おり」として沈んでいる物質です。このワインのおりは特別に害はないとされていますが、酒石酸は身体の細胞の中では、エネルギーを生みだす回路(TCA回路)に入ると、エネルギー生成の邪魔をしてしまいます。

こうして、腸の中にカビが繁殖していると、頭痛や疲れなどの比較的軽い不調から、自己免疫疾患など、症状の重い病気まで様々な不調や病気の原因となるのです。

おなかのカビが増える理由

では、カビはなぜ繁殖してしまうのでしょうか?
カビの繁殖条件は温度、湿度、栄養という話をしましたが、一つはそのカビの栄養分をたくさん取ってしまうからです。

栄養(糖)

カビは主に糖を栄養にして生きています。ですので、甘いお菓子はもちろん、パン、うどん、パスタなどの炭水化物をたくさん取ると、それだけカビに栄養分を与えていることになります。

食後おなかいっぱいなのにもかかわらず、ついついデザートに手が出てしまう、お酒の〆にラーメンなどを食べたくなるのは、もしかすると、おなかの中にカビが繁殖しているせいかもしれません。逆を言うなら、甘い物や炭水化物は、おなかのカビが欲しているということです。

炭水化物

それだけ自分の意思ではどうにもならないくらい、カビの糖への欲求は凄まじいのです。カビに脳を支配されているとも言えるでしょう。
特に小麦は小麦グルテンというタンパク質を含んでいますが、このグルテンは麻薬に似た作用を起こし、小麦依存症になりやすく、また腸にダイレクトに炎症を起こしてしまいますので、リーキーガットの原因にもなるので注意が必要です。

パンかご飯かで悩んだらご飯を、うどんかそばで迷ったら、そば(十割そば)を選ぶようにしましょう。

抗生物質の使いすぎ

また、カビが増える原因として、抗生物質の使いすぎがあげられます。

腸はその内面を広げると、テニスコート1面分にもなる臓器ですが、この限られた面積に様々な腸内細菌が住んでいます。腸内細菌は絶えず自分の住む場所を求めてその領地争いをしているわけです。

抗生物質を飲むと、抗生物質は感染の原因となる菌のみならず、腸の善玉菌までも殺してしまいます。しかし、抗生物質は細菌にはその効果があっても、カビには全く効きません。(カビは抗真菌剤が有効)。するとカビは領地を争う相手がいなくなるので、爆発的に増えてしまいます。

よく風邪や熱で抗生物質を飲む方がいますが、風邪の原因はウィルスですので、意味がないばかりか、逆にカビを増やしてしまうという悪影響が出てしまいます。抗生物質が悪いと言っているわけではなく、抗生物質は正しく使い、使用の際は腸内環境にも配慮することが必要です。

抗生物質

pHの変化

その他、カビを酵母の状態から菌糸の状態に変化させないことも大切です。
菌糸になるとダイレクトに腸粘膜に入り込み穴を開けてしまい、リーキーガットの原因となってしまいます。菌糸はアルカリ環境下で増えますので、腸内を酸性の状態に保つことも必要です。腸の善玉菌が作り出す短鎖脂肪酸が多いと酸性になりやすく、カビが菌糸になることを防ぎます。

短鎖脂肪酸とは、酪酸、酢酸、プロピオン酸などの総称で、善玉菌が食物繊維を分解して産生されたものです。これらの短鎖脂肪酸は腸の栄養源となり腸の蠕動運動を促進し、粘液を出し腸粘膜を守っています。ですので、酸性環境の観点からも、領地争いの観点からも、善玉菌を増やすことはとても大切になってきます。

こういったことから、善玉菌のエサとなる食物繊維(プレバイオティクス)を多くとることは、カビを増やさないために、また腸の健康を守るためには重要です。

植物繊維

カビが増えたらどうすればいい?その対策は?

ここまで、腸の中のカビがなぜ増えるかということについて見てきました。では、もし腸にカビが増えていたらどうしたらいいのでしょうか?

抗真菌剤を使う方法がありますが、これは病院でカビが原因の病名がつかなくては処方されません。しかし、実際には腸のカビという概念が日本ではまだ広く知られていないので、腸にカビがいるから薬をくれと言っても難しいのが現実です。でも落胆する必要はありません。基本は食事療法です。

減らすもの

前述した通り、カビにエサをあげないことです。糖はカビを増やす原因になりますので、甘いお菓子や、パンやうどん、パスタに代表される炭水化物、果物、はちみつ、清涼飲料水などは控えることが必要です。

しかし、ご飯を食べないことは他の観点からもあまりいいことではないので、ご飯はよしとしますが、食べ過ぎないこと、そして白米ではなく分つき米や雑穀米にして食べるようにしましょう。和食も砂糖を使っているものも多いので気をつけてください(煮物、卵焼き、すき焼きのタレ、酢飯、甘酢等々)。

砂糖の多い食物と飲料

きのこは菌糸体を有する真菌(カビ)の一種ですので、多く食べ過ぎないことが必要です。

乳酸菌やビフィズス菌はカビに領地を与えないためにも増やしたいのですが、乳酸菌というと、真っ先にヨーグルトが浮かびます。しかしヨーグルトは牛乳から作っているので、牛乳に含まれるカゼインとやばれるタンパクはグルテンと同じように腸の炎症の原因となるので控えた方が無難です。

それよりも、日本古来の伝統食のぬか漬けや味噌などの発酵食品がベターです。ただし、納豆や麹に代表されるようにこれらの発酵食品はカビを発酵させて作っていますので、腸のカビ退治を本格的にする場合の一時期だけは避けた方がいいでしょう。
また、

積極的に摂りたいもの

逆に、積極的に摂りたいものもあります。抗菌作用がある食品です。その代表が、ニンニク、生姜、梅干し、わさびなどです。

お弁当に梅干しを入れるのも、お寿司にわさびを使うのも、まだ冷蔵庫がなかった時代に食中毒を抑えるための知恵でした。まだ科学が発達していない時代に、先人たちはその経験からこれらの食品に抗菌作用があることを知っていたのですね。

これらは、食中毒を発生させる菌の繁殖を抑えるほか、同じようにカビにも効果を発揮します。ニンニクや生姜はできるだけする下ろすなどして生で食べるようにしてください。

また、ハーブ類もおすすめです。ローズマリー、セージ、バジル、オレガノ、よもぎ、シソにも抗真菌作用があります。その他、香辛料のシナモンやクローブ、パクチー(コリアンダー)もおすすめの食材になります。

抗菌作用のある食物

もちろん、プロバイオティクス、プレバイオティクスも忘れてはいけません。
プロバイオティクスとは腸内フローラのバランスを改善し、人に有益な作用をもつ生きた微生物のことをいいます。善玉菌代表の乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌などがこれにあたります。

一方、プレバイオティクスとはプロバイオティクスのえさとなり
その働きを助ける物質のことをいいます。オリゴ糖や食物繊維がその代表です。

効果と効率の道具!

食事療法はカビを減らすために効果を発揮しますが、増えすぎたカビを減らすためにはこれだけでは限界があるかもしれません。その時には食事療法に加え、乳酸菌などのプロバイオティクスや上記にあげたハーブのエキスを抽出したものをサプリメントとして使用することは時間と効率も面からも役に立ちます。

腸の中のカビ

そして、カビは腸の中でバイオフィルムと言われる層の中に隠れている場合もあります。これがカビ退治を難しくしていますが、バイオフィルムとは口の中でいうと歯の表面につく歯垢(プラーク)と同じようなものです。

お口の中の歯垢は歯ブラシで機械的に除去できますが、腸の中はそういうわけにもいきません。ですので、このバイオフィルムを破壊する酵素を摂取することも時には必要になる場合があります。

おなかにカビがいるかチェック!

以上、おなかのカビが増える原因と対策をみてきましたが、一つだけ注意があります。それは、カビが死滅する時に、カビが抱えていた毒素や有害物質を一気に放出することにより起きるダイオフと呼ばれる副反応です。

この放出された毒素や有害物質が原因で頭痛やめまい、発疹などができる場合があります。ですので、カビの除去は一気に行わず、また有害物質が放出されてもそれを処理できる肝機能を有していることが必要です。

腸内のカビをチェック

以上、おなかのカビが引き起こす症状とその理由、そしてカビが増える原因と対策をみてきましたが、自分にもカビがいるか気になったかた方もいると思います。

おなかの中に本当にカビが繁殖しているかどうかは検査でわかりますが、自分で簡単にチェックできますので、下記の無料「腸カビ診断」を参考にしてみてください。

腸カビを診断する

執筆:歯科医師・分子整合栄養療法医 ファストロ滋子
オーラル ウェルネ スクリニック(往診対応)と予防医療サロン・プラジュナーを主催

12,000人が実践する"口臭対策"ネット

  • このエントリをはてなブックマークに追加する