口臭で悩まないために知っておいてほしいこと
口臭症の大きな問題は、口臭がしているということだけではありません。口臭がしていることで「他人に迷惑をかけているかもしれない」と妄想を抱き思い悩むことです。
口臭は他の病気とは違って、口臭がしているという自覚症状がありません。これは嗅覚に問題があり、自身の体臭や口臭には麻痺してしまうからです。
そのため、自分の口臭を気づくきっかけが、家族や友人から「歯を磨いている?」というように指摘されて初めて気づくことが多いのです。
自分の息が臭いことを知らなかったことで、「もしかしたら、他の人もみんな私のことを息臭いと思っていたのかもしれない。」と妄想を描いてしまうかも。
そのような妄想を思い描くことが多くなると、単なる口臭の問題ではなく精神的に悪影響を及ぼすことがあります。
今回の記事では、口臭症から精神的障害を引き起こさないようにするために、お伝えしたいことがあります。ぜひご参考にしてください。
被害妄想
現在、口臭で悩まれていて次のようなことを考えることがありませんか?
- みんなに嫌われている
- 馬鹿にされている
- 噂を立てられている
口臭を気にして、毎日このように妄想するようになっていたら注意が必要です。被害妄想は神経症を引き起こすからです。神経症になると、自律神経に悪影響を与えるために健康を害することにもなります。
関係妄想
被害妄想が続くと、妄想が膨らみ関係することすべてに妄想を抱くようになるかもしれません。それが関係妄想です。
関係妄想には…
- みんなが手で鼻や口を覆う
- 鼻を鳴らされた
- 鼻をすする
- 咳払いをする
- タバコを吸う
- 寒いのにわざとらしく窓を開ける
他人の行動を自身の口臭に関連づけて、「私の息が臭いから周囲が…するんだ。」というように妄想することを関係妄想といいます。
もし、これらのことが当てはまるようになっていたら、単なる口臭症だけではなく精神障害も起こす可能性が高くなります。
精神障害
口臭症の厄介なのは、口臭の問題と精神障害を一緒にしてしまうことかもしれません。正しく治療するには、別々に考えて対処することが必要なのです。
被害妄想や関係妄想が多くなると、うつ症状が起きます。良くあるのが次のようなうつ症状です。
うつ症状
- 家族や周囲の人に私が口臭をしているために迷惑をかける
- 私を産んでくれた母親や家族に恥をかかせる
- 私が悪い
これらのうつ症状が起きてくると、人と会うのがおっくうになり人間関係にも支障がでるかもしれません。そのため、退職や退学に追い込まれ引きこもることにもなります。
口臭症から精神障害を引き起こしても、一般的には統合失調症のような被害関係妄想や「毒を飲まされる」とか、「迫害を受けている」、「追われている」というような精神障害まではいかないかもしれませんが、自分を追いつめることで精神的に辛い状態が続いてしまいます。
口臭で悩まないためには
口臭症からうつや精神障害を引き起こさないためには、今回の記事でお伝えした事実を知っていただくことが大切です。
そして、その上で悩まないために、行なってほしいことがあります。
それは、正しいプロセスを踏んでほしいのです。
口臭症を解決するプロセス
- 歯科治療
- 口臭をチェック
簡易口臭チェッカーなどで客観的に自分の口臭レベルを知る - 内科や耳鼻咽喉科の異常を調べる
異常があれば治療を受ける - 正しい歯磨き方法
- 正しい舌のケア
- 喉(のど)のケア
- ストレスを軽減する工夫と努力
- 唾液を出す工夫と努力
今回の記事は、日本口臭学会の「口臭症治療の指針」を引用したものです。
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