
舌の色…黒い、紫、黄、白い、まだら
舌の色が赤ではなく、黒っぽいなど正常でない色で心配していませんか。舌の色は、人によって違うため、どんな色が健康な色で病気の舌なのかわからないと思います。
じつは、舌の色には個人差があります。健康状態によって舌の色が紫になったり、白っぽい舌になったりしますが、舌苔の量が増えると舌苔が黄色や茶色になり口臭が発生します。ですから、舌の色を見ただけで口臭がしているか判断することもできます。
また、抗生物質を長期服用すると、カンジダが異常増殖して、舌が黒く見えて不安になるかもしれません。このようなことがあると、「あの人の舌はピンク色なのに、わたしの舌は色が悪い。病気なのかしら?」と心配するのかもしれませんね。
今回の記事は、舌の色についてお伝えします。ぜひご参考にしてください。
この記事は口腔ケアアンバサダーの上林登が書きました。
関連記事>舌をピンクにする!?健康なピンク色にするための方法について
舌の色
病気になると、免疫力が低下するため舌が白くなります。中国医学では、舌診といって舌と喉を診察しますが、免疫力の状態を診るためです。詳しくは、『膿栓と舌苔は免疫力の低下が一番の原因!免疫を高める方法』をご参考にしてください。
健康な舌の色
舌苔ができて舌が白くなると口臭がきつくなるため、舌の色が白いことが恥ずかしく思う人が多いです。ところが、舌を見ると、健康な舌の色であることが多いです。
次の写真のように、薄らと白い膜が張っているのが健康な状態です。
薄く白くなっているのは、常在菌のバランスがとれている証拠です。それでも、舌がこすれたり、熱い食べ物を食べ、舌乳頭が角化すると舌が白くなりますが、これは健康な人でもよく起きること。そして、そのようなことから、たとえ白くなっても、直ぐにピンク色に戻ります。
もし、あなたの舌もこのようであればご安心ください。もし元に戻らない場合は、『舌磨きは歯磨きでやってはダメ。コットンにあるものをつけて磨く方法とは?』をご参考にしてください。
黄色の舌
舌には毛細血管が張り巡らせています。だから、血液の色が舌の色に反映すると考えるといいです。
舌が黄色くなっているときには、肝臓や胃の健康状態を示している可能性があります。 肝臓や胃が不調になると舌の色が黄から茶へと変化します。
舌苔が分厚くなると、口臭物質である硫黄化合物が舌苔に浸透し、黄色い舌に見えるようになることもあります。舌苔があると、喫煙や食べ物によっても、舌に色が付きます。たばこを吸うとニコチン・タールが舌につくので、黄色くなります。カレーを良く食べる人も黄色くなります。
紫色の舌
血行によっても舌の色は異なります。
血行が良いとピンク色に映ります。しかし、血行が悪いときには舌が紫色や黒ぽい赤色になります。中医学では、舌が紫色をしている人は、血液循環が悪いと言われているので、高血圧や脳梗塞や心筋梗塞などの血管病に気をつけましょう。
白い舌
喉に細菌が繁殖しているケースでは、喉に近い部分だけ舌が白くなります。舌苔ができるのは、ドライマウスや口呼吸が原因だと言われていますが、自律神経失調症の場合も舌苔ができやすく舌が白くなります。その理由は、交感神経が活発になり唾液量が減少するからです。
普段舌がキレイな人でも、疲れやストレスがたまり免疫力が下がると、舌苔ができます。その場合は、健康状態が良くなると元にもどるので心配ありません。
詳しくは、『舌が白いなら保湿ジェルをつけるのがおススメ。なぜおススメなのか・・・』をご参考にしてください。
風邪をひいたり暴飲暴食や睡眠不足によって、健康な人でも舌は白くなります。その場合は、休養して体調がもどれば舌はピンク色になるので心配ありません。
引用:舌が白くなる原因が何なのか知っていますか?
赤ちゃんの舌が白くなることがありますが、たいていは母乳やミルクのカスが原因です。まれに「鵞口瘡」が原因の場合がありますが、命に関わるものではありません。ご心配の場合は小児科にご相談ください。
過剰な舌磨きが原因
先天的に舌乳頭が長い場合のほか、後天的にも薬の副作用などによって、舌乳頭が長くなることがあります。
舌乳頭が長いと、その分汚れも溜まりやすくなり、細菌が増え舌が白くなりやすくなります。
後天的に舌乳頭が長くなっている場合は、舌磨きのし過ぎかもしれません。その場合は、舌磨きをやめることが大事です。舌乳頭が治癒されれば、治癒すると思います。
ドライマウスが原因
舌の表面にいくつかの溝ができている症状を溝状舌(こうじょぜつ)といいます。溝に食べかすなどの汚れがたまるので、舌も白くなりやすくなります。溝ができる原因としては、口呼吸や唾液量の不足があります。
舌に溝ができると、細菌によって炎症が起き、痛みや味覚障害が出ることがあります。詳しくは、『溝状舌(こうじょうぜつ)には舌苔が付き物!?溝状舌を治す3つの方法とは?』をご参考にしてください。
まだらに白い舌
舌がまだら模様になっているのを「地図状舌」といいます。舌苔の一部がはがれ落ち、地図のようになるので地図上舌と名前がついたのかもしれません。このように、舌がまだらになると病気ではないかと不安になると思います。
地図状舌の原因は明らかではありませんが、良性の変化で、幼児にはしばしばみられ(約15%)、大人でも1~6%にみられるといわれます。
まだら模様になる地図状舌は、子供に多く成人で成人もいますが、少ないのが特徴です。また、舌がまだらになる原因はわかっていませんが、一部ではビタミンB不足や遺伝、体質が原因だともいわれています。
舌がまだらになっても痛みがありません。まれに、舌がピリピリしたりしみる場合があるようです。でも、病院でも具体的な治療法がなく、経過観察するしかないようです。
地図状舌の変化は日によって、位置、形態、広がりを変えるのが特徴です。それぞれの病巣はたえず変化しますが、全体的にはきわめて慢性の経過を示し短期間での治療や、あるいは自然治癒は望めません。
白斑のある舌
舌に苔ができたり、舌の色が悪いと、舌癌を疑うかもしれませんね。舌癌の場合の腫瘍ができやすい部位は、舌の裏や縁で、前方に多いです。
舌癌の症状
- しこりがある(触ると硬い)
- 舌の一部分に色の変化が見られる(白い、赤いなど)初期の舌がんの特徴ですので、この時に分かると治療しやすい。
- 舌粘膜のただれができ続く
- 口内炎のような症状が続く
- しびれや麻痺がある
- 味覚障害がおきる
- 少しの刺激で痛むことがある
- 舌を動かしにくくなる
まとめ
舌の色を観察することで、病気であるか健康状態がわかります。紫色など舌の色が悪い場合には、一度、内科などを受診されると良いと思います。
病気ではなくても、体の免疫力が低下しているなどがあれば、舌が白くなり苔ができます。そのような場合には、舌苔(ぜったい)を取りできないように舌磨きなど口腔ケアも大切です。そのような場合には、『舌苔(ぜったい)を効果的に除去したいなら、知っておかなければいけない3つの調査結果』をご参考にしてください。