口が苦いのは自律神経の乱れが原因
口腔ケアアンバサダー(社団法人口腔ケア学会認定)の上林登です。
「口の中が苦い」と感じていませんか?
口が苦くなる原因は、薬の副作用やドライマウスなど人により異なりますが、ストレスが影響していることがあります。
漢方では、口の中が苦くなるのは、「肝胆湿熱」や「心腎不交」が原因だと言われています。要約すると、自律神経が乱れることから、からだの内から悪い「気」が口に上がってきて、唾がネバネバし、口がすっぱくなったり、苦く感じるようになることです。
「口が苦い」症状に加えて、イライラしたり、ため息をつくなどの鬱症状が多いのを放置していると、自律神経失調症になるかもしれないのでご注意ください。
今回は、自律神経失調症の一症状としての「口が苦い」に焦点を当ててみたいと思います。
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口の中が苦い
唾液が減ると口が苦くなる
「口が苦い」と困っている人に聞くと、「唾液が粘つき口が苦いし、口が臭い。」と仰られます。
「口が苦い」と困っているのは高齢者に多いのですが、それは唾液量が減るからです。
唾液の分泌量が減ると、ネバネバの唾液になります。そして、口が乾き舌に白い(または黄色い)苔ができる。この舌にできる苔(こけ)のことを舌苔(ぜったい)といいます。
舌苔(ぜったい)は、口の中の汚れに細菌が繁殖してできたものです。だから、舌苔(ぜったい)の中では、細菌がたんぱく質を分解してニオイ物質が生成されています。
舌苔の取り方については⇒⇒『舌が白い人は舌苔です。舌苔を取り除く7つの方法とは?』
このニオイ物質(のちに口臭ガスとなる)が、唾液中に溶け込むので、「口が苦い」と感じるのですね。
この他にも、例外として喉から臭い痰(粘液)が出ていることがあります。この臭い痰(粘液)も唾液が少ないなど口腔乾燥が原因のことが多いのです。そして、舌苔(ぜったい)のときと同じように、ニオイ物質が唾液に混じることで苦く感じます。
臭い痰(粘液)について詳しくは『臭い玉が喉にできる人とできない人の特徴とは?その違いについて教えます』をご参考にしてください。
このようにして、口が苦く感じるのは、唾液の分泌量が減少しているなどで口腔乾燥が原因になっていることが多いのです。
ストレスが原因
ストレスは体の免疫力を低下させて口臭を起こします。口臭が気になったらストレスのサインかもしれません。
ストレスには、精神的なストレスと身体に直接かかる環境ストレスがあります。
仕事でのプレッシャーや人間関係、ノルマ、通勤、人事異動や転勤、仕事の過労、長時間のパソコン作業、暑さ・寒さ、シャワー、花粉、添加物、不規則な食事、騒音、蛍光灯、睡眠不足などのすべてが、人にはストレスになります。
思い当たることはありませんか?
ストレスが過剰にかかると、唾液の分泌量が減少します。唾液が出なくなると、口が苦い、口がパサパサに乾く、舌が白くなる、口臭が強くなる、舌が痛い、歯が浮くなどの症状が出るかもしれません。
自律神経失調症
自律神経ってなに?
自律神経のはたらきは、唾液の分泌、呼吸、消化、発汗・体温調節、など自分でコントロールできない機能をコントロールすることにあります。
自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあり、交感神経は身体を活発に動かすときに働き、副交感神経は身体を休めるときに働きます。これらが互いにバランスを取りながら身体の状態を調節しています。「意識」で動かすことができないのが「自律神経」だと覚えておいてください。
自律神経失調症
相対する2つの自律神経がバランスを取りながら身体の状態を調節していますが、このバランスが崩れることがあります。
その原因として、生活習慣の乱れで自律神経が興奮したり、ストレスによる刺激、更年期障害などが挙げられます。
自律神経失調症の症状
症状としては「口が苦い」のほかにも、眠れない、疲れやすい、ふらつく、目まいがする、顔がほてる、手足が冷える、動悸や息切れがする、胸が痛い、息苦しい、微熱が続いている、偏頭痛がする、耳鳴りがする、肩こり、食欲不振、胃痛、吐き気がする、便秘、下痢、不眠症、のどの違和感、頻尿や残尿感、手足がしびれる、倦怠感、関節痛、いらいらする、不安感…など多岐にわたります。
治療法
自律神経失調症の治療は対症療法になります。
抗うつ剤や精神安定剤、睡眠誘導剤などを服用して、気持ちを安定させ、ストレスの緩和を図ります。自律神経のバランスを整えながら、頭痛がある時は頭痛薬という具合に症状を抑える薬を併用します。
ストレスが減ると口の苦みはなくなる
自律神経を整えるためには、ストレスコントロールと、十分に睡眠を取るなど生活習慣の改善が大切です。
ストレスを減らしリラックスすると、唾液の分泌を促す効果があります。ストレスが原因で口が苦い場合には、リラックスするだけで、口の苦みと臭みが取れ、口がスッキリするかもしれません。
リラックスする方法はたくさんありますが、自分に合った方法が最も効果がでます。他人がうまくいったからといって負担があれば、それだけでストレスになりますので気をつけて下さい。
あなたがリラックスできる、楽しめることは何でしょうか?
一般的には、マッサージ、お風呂に浸かる、睡眠、ストレッチで心身ともにリラックスすることで、自律神経が整えられます。
また、食事療法としては、植物繊維が多い食べ物、酸っぱいとか辛いもの、発酵食品のほか、水分をとると自律神経を整えるためには良いそうです。
水を飲むと唾液量が増える効果があります。それだけでなく、水を飲むと唾液腺が刺激されます。だから、いつも私が、「小まめに少量の水を飲んでください。」というのもうなづけるのではないでしょうか?
唾液が十分に出るようになれば、今まで苦いと感じていた口がスッキリします。そのためには、精神的ストレスと口内のストレスを無くすことが重要です。
口内環境を改善するためには、歯磨き粉「美息美人(びいきびじん)」がおすすめです。