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歯にヒビ!?歯根破折の症状と原因

口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登です。

歯にヒビが入ることがあります。前歯の場合はひびが見えますが、歯と歯の間や奥歯の歯根にひび割れが入っても、初期では気づかないかもしれません。当初は歯がシミるとか歯が浮く感じがしますが、それだけでは歯にヒビが入ってるとは思わないですよね。

ヒビが入った歯に神経があれば、ズキッという強い痛みや、感染が進むとズキズキと痛みが続くようになります。神経を抜いている歯の場合には、歯根まで破折することがあり、歯ぐきが腫れて膿が出るようになります。

歯のひび割れや亀裂は自然に再生することはないので、放置するとひび割れが大きくなり、虫歯も悪化するのでよくありません。早目に治療しましょう。

再石灰化では、歯のヒビを補修することはできない。Google

(わたしの体験)10年以上も前のことですが、歯根にヒビが入り、その部分から細菌が感染し歯根膜炎(歯周病)になったことがあります。

参考:歯根破折画像 Google

治療を続けても完治することはなく、最終的には抜歯することにもなりました。それだけならまだしも、治療しているにもかかわらず抜歯するまで、ずっとひどい口臭に悩まされることに。

私の場合、いつ歯(歯根)にひび割れができたのかも分かりませんでした。歯科では特殊な接着剤(セメント?)でヒビを補修したのですが、ばい菌が根っこにまで感染していて、何度治療しても、腫れと痛みが再発したのです。そのため、歯医者さんも私も治療をあきらめて抜歯。

ところで、この歯根のヒビ割れが起きる原因は、いびき・歯ぎしり・食いしばりですが、ピーナッツやさきイカなど固い食べ物が好きな人にも多いようです。

もし、歯根のヒビ割れが心配の場合には、今回の記事がご参考になると思います。ぜひお読みください。

歯のヒビ割れに気づかない

歯根が破折しても、中々気づくことはありません。

【歯根破折の初期症状】

  • 歯に違和感がある・むずむず感
  • 歯を叩くと響く、歯が浮いた様な感覚がある
  • 歯茎に白いできものができる
  • 口臭

口臭予防歯磨き粉「美息美人」(びいきびじん)を使いだしてから、ずっと、口臭もなかったのですが、ある日から再び口臭がしだしたのです。

えっ? どうして? 美息美人(美息美人」を使っているのに、どうして?

歯医者さんで診てもらうと、

「奥歯の歯根にヒビ(ひび割れ)が入っていますね。」

怪我もしていないのに、どうして歯にヒビが?
それよりも私にとって問題だったのは、歯のヒビと口臭がどう関係しているかでした。

歯医者さんの説明によると、ヒビが入った所からばい菌が入り込み、歯根の先端に膿がたまった膿がでているから臭いとのことでした。

参考:膿の袋

歯医者さんによると、(レントゲン撮影しても)歯根の小さなヒビは分かりにくいとのことでした。根っこが大きく破折していればレントゲンで見えるが、ヒビ程度では分からないそうです。だから、私のように、治療していても治らないことがあるのです。

歯にヒビ割れが入る原因

どうして歯根にヒビが入ったのか?

それは、歯ぎしりと、固いものをよく食べるからです。歯根破折で歯科を受診する患者は、50歳以降の男性に多く見られるようです。歯根破折は中高年特有の症状と聞くとショックでした!

ブリッジの場合には、歯根にひび割れができやすいです。ブリッジの場合は、支台歯に歯が抜けている分の圧もかかるためです。そのため、毎日の食事のときの積み重ねでひび割れが入ることがあるようです。

【歯に亀裂が入る原因】

①いびき・歯ぎしり・食いしばりによって、集中して歯に力がかかる。
②ブリッジの支台歯に多くみられる。
③咬み締める回数が多い。
④固い物を好むことで歯根破折につながる。

私の場合、どれも当てはまっていたのです。

私の歯ぎしりは、無意識のストレス発散だったようで、以前、歯医者さんでマウスピースをつくられたのですが、気になって、寝心地が悪く、まったく使用していませんでした。

歯の亀裂・破折のしやすい食べ物

私の歯根破折の原因は、固いものが好きで、ピーナッツやするめイカなどを酒のつまみにしていたことも大いにあります。

関連記事:「さきいか」を噛むと歯や歯ぐきが痛くなる!その原因と対処法

以下のような硬い食べ物が、危険です。

・豆類 : ピーナツ、アーモンド、油で煎った豆類
・タネ類 : 梅干しのタネ、ひまわりのタネ、トウモロコシのタネなど
・乾燥食品 : 乾燥バナナ、ビーフジャッキー、スルメなど
・氷を噛み砕く、冷凍カズノコ、アイスキャンディー
・カタパン、硬い煎餅やオコシ
・キャラメルやヌガーをよく食べる(特に治療した歯が割れやすいようです。)
・アメを噛み砕く
・鳥や豚の軟骨
・いりこ、煮干しを小さいときから食べている人も歯は折れる可能性が高いようです。

歯医者さんからは、50歳以上で、このような硬い食べ物が好きな人は気をつけてくださいとのことでした。私のように、歯根が破折(ヒビ割れ)する危険があります。

歯のひび割れの治療

歯根破折について調べてみると、こんなことも分かりました。15年程前までは歯周病で歯をなくす人が多かったのですが、最近は歯が極力残せるようになったこともあって歯を割る人が多くなってきとのことです。

歯の根にヒビがはいったり割れたりしたら、歯を抜かなければいけないことが多いそうです。
また、仮に歯がなくなったとしてインプラントを入れても固い物を噛む癖があれば、歯槽骨が壊されて2~5年でどのようなインプラントもダメになるようです。

それどころか、X線撮影でも、歯根破裂は見えない(分からない)ことがあるようです。
そのため、早期発見としての口臭がしたときには、歯科にかかることが大事です。

ヒビが入ったすぐに、歯科治療をうければ、歯根にセメントを詰めただけで治る可能性も多くなるそうですので、口臭を早い時期に感じることは大切なことですね。

小さなヒビは、その箇所を接着補修して、それ以上にヒビが大きくならないようにします。ひび割れから細菌感染し、虫歯が進行している場合は虫歯治療を行います。

まとめ

歯にヒビが入っても(歯根破折)、当初は気づくことは難しいです。ヒビからばい菌が入ると、歯が浮くように感じるとか口臭が起きてきます。初期では治療でひび割れを補修できますが、痛みがないからと歯根破折を放置すると虫歯と歯周炎(歯周病)が悪化して隣の歯にも悪影響を及ぼすことにもなりかねません。

歯にヒビが見えなくても、違和感を感じたらすぐに歯科を受診するようにしましょう。

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歯根膜炎

口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登です。

歯と歯を支える骨の間には、クッションの役割を果たしている「歯根膜」がありますが、虫歯菌などの細菌に感染して歯根膜に炎症を起こすことがあります。

歯根膜炎(しこんまくえん)になると、歯が浮いた感じ、噛むと痛む、歯肉が腫れるなどの症状を起こします。

歯が痛み、歯医者さんで診てもらうと歯根膜炎だったということが多いようです。それほど一般的な病気なのですが、歯根膜炎について知らない人が多いです。

参考:歯根膜炎の画像

歯根膜炎をそのままにしていると、歯根先端の骨が破壊されたり、肉芽腫ができたりします。また、歯根の先に膿の袋ができる根尖性歯周炎になると、鈍い痛みが続いたり、歯茎が膿んで膿がジクジクと出たりします。

症状が悪化しないよう、痛みや腫れがあれば、すぐに治療を受けることが大切です。

参考:根尖性歯周炎の画像

痛みが治まってもばい菌が残っているので、痛みが再発するケースが多いです。その場合は、再度根幹治療を行なわないといけないので、早目に受診しましょう。

今回の記事は、歯根膜炎とはどんな病気かについてお伝えします。ご参考にしてください。

日本人はこうして歯を失っていく 専門医が教える歯周病の怖さと正しい治し方 Amazon

出典:日本歯周病学会 (著), 日本臨床歯周病学会 (著)

歯根膜とは

歯根膜は、歯と歯を支える骨の間にある薄い膜です。食事をした時に、咬合圧が直接骨に負担がかからないようにクッションの役割をします。

また、歯根膜には沢山の神経が通っているので、柔らかい食べ物を噛んでも硬さを感じることができます。食感を感じるのはこの歯根膜のお陰です。

歯根膜炎の症状と治療

症状

歯根膜炎とは、歯髄炎の原因となっている細菌が、歯根膜や歯の骨の一部にまで感染し、炎症をおこす病気です。

急性の場合は、歯茎が赤く腫れて押すと痛みがあり、歯が浮いた感じや、強く噛むと痛みを感じるなどの症状があります。

治療

歯の痛みが激しく根管治療が行えない場合は、冷湿布や抗生物質の内服で炎症を抑えます。

炎症による痛みなどの症状が落ち着いたら、根管治療と終末処置を行います。 この終末処置が不可能な場合は、抜歯することがあります。

歯根膜炎になる原因

歯根膜に炎症が起きた状態を歯根膜炎といいます。
でも、歯根膜炎になる原因は様々です。それぞれの原因についてご説明します。

根管治療後に再発

根管治療をしても根の中に汚れを残したままだと、再感染を起こし炎症を起こすことがあります。治療中に痛みがでることがありますが、これは細菌が入り込まないように圧力をかけて薬を詰めるので、その刺激で2~3日痛みが出ることがあります。痛みが取れない場合は歯医者さんに相談してください。

噛み合わせの不具合

新しく銀歯など被せ物を入れた時に歯の一部だけが高くなっていると、上下の歯を噛み合わせた時、圧力が歯根に集中します。

そうすると、歯根を支えている歯根膜に炎症が起きます。炎症が起きると、歯を叩くとか物を噛んだときに痛みを感じるようになります。

また、そのまま放置していると、歯周炎に発展することがあります。

歯ぎしりや食いしばり

歯ぎしりや食いしばりの癖があると、継続して歯根膜に負担がかかります。そのことで、歯根膜炎になることがあります。

歯ぎしりや食いしばりの癖があると、歯や歯根へ継続的に圧力がかかるため、歯根にひび割れ(歯根破折)が起きやすくなります。ですから、歯根膜炎で痛みや口臭を感じたら、歯根にひび割れが起きるかもしれないと予防することが大事です。

虫歯が原因

虫歯を放置しておくと、虫歯菌が歯髄を食い荒らし、歯(歯根)と骨(歯槽骨)をつないでいる歯根膜(しこんまく)にまで感染し炎症を起こします。化膿し膿が出たり、歯肉が腫れることがあります。

歯周病が原因

歯周病は、当初痛みもなく進行します。そのため、気づいた時には歯が動揺している中程度以上の歯周病になっているケースも珍しくありません。

歯が動くと、食事の度に歯根膜に負担がかかります。また、歯周病菌が歯根膜へ感染し、歯根膜炎を引き起こすことが多いです。

根尖性歯周炎へ発展する

歯根膜炎から更に感染が進めば、歯根の先に膿の袋が出来ます。この膿の袋が大きくなると歯ぐきが腫れ、膿が口に出るので口臭が強烈になることがあります。

歯根膜炎から根尖性歯周炎にまで発展すると、口臭が強くなるので、周囲の人でも口臭を感じるようになります。

根尖性歯周炎は、この部分だけに留まらず、歯根の先から周囲の組織やアゴの骨にまでひろがっていきます。このような状態になれば、抜歯することもあります。

この段階までくると治療にも時間がかかります。口臭が強くなり、歯根膜炎(しこんまくえん)や根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)が疑われるときには、1日も早く歯医者さんに行くことが大事です。