歯周病と口臭の関係 – 原因から対策まで徹底解説

歯周病と口臭の真実 – 原因、症状、予防法を知ろう

口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登です。

歯周病と口臭は密接な関係があります。歯周病は、歯肉の炎症や歯の支えを失う原因となる病気で、放置すると重篤な症状を引き起こします。

口臭の原因の一つである歯周病は、歯磨きをしていても匂いが取れないことが特徴です。この記事では、歯周病と口臭の原因や症状を詳しく解説し、効果的な対策法をご紹介します。

適切な口腔ケアと早期治療で、歯周病と口臭の悩みから解放されることができるので、これからの情報を参考に、健康な歯と口臭のない毎日を目指しましょう。

歯周病とは何か?

歯周病の定義

歯周病は、口腔内の細菌が原因で歯肉や歯周組織が炎症を起こす病気です。歯周病が進行すると、歯を支える骨が破壊され、最終的に歯が抜け落ちることもあります。歯周病は、口臭の主な原因となることが多く、歯磨きをしても匂いが取れないことが特徴です。

・引用:日本臨床歯周病学会 口臭について

歯周病の原因

歯周病の原因は、主にプラーク(歯垢)によるものです。プラークは、口腔内の細菌が歯に付着し、食べ物の残りや唾液と混ざり合ってできる薄い膜状のものです。プラークが歯周組織に蓄積されると、歯肉炎を引き起こし、さらに炎症が広がると歯周病に発展します。その他にも、喫煙、ストレス、遺伝的要素、糖尿病、不適切な歯磨き方法などが歯周病のリスクを高める要因となります。

歯周病の進行段階

歯周病は、病状が進行するにつれて症状が悪化します。歯周病は主に以下の3つの段階に分けられます。

  1. 歯肉炎: 最初の段階で、歯肉が赤く腫れ、出血しやすくなります。この段階では、適切な歯磨きとプロフェッショナルなクリーニングで治療が可能です。
  2. 軽度から中程度の歯周病: 歯周ポケットが深くなり、歯周組織が破壊され始めます。この段階では、歯周治療やスケーリング・ルートプレーニングが必要になります。
  3. 重度の歯周病: 歯周病が進行し、歯を支える骨が大きく破壊され、歯がぐらつくようになります。この段階では、外科的治療や再生治療が必要となることがあります。

歯周病は早期発見・早期治療が重要です。歯周病が進行すると口臭が強くなるので、歯周病と口臭の関係を理解し、正しい知識と予防法を身につけることで、健康な口腔環境を維持することができます。毎日の口腔ケアを心がけ、歯周病や口臭のリスクを減らしましょう。

歯周病による口臭の原因

歯周病が進行すると、口臭の原因となる揮発性硫黄化合物(VSC)が増加します。この章では、VSCの概要と、歯周病による口臭の特徴について説明します。

揮発性硫黄化合物(VSC)について

揮発性硫黄化合物(VSC)は、口臭の主な原因物質で、特に歯周病による口臭で重要な役割を果たしています。歯周病菌が歯周ポケット内で増殖し、歯周組織を破壊する過程で、たんぱく質が分解され、VSCが生成されます。VSCは、水素硫化物、メチルメルカプタン、ジメチルスルフィドなどの悪臭成分からなります。

メチルメルカプタンとは?

メチルメルカプタンは、VSCの中でも特に悪臭が強い成分で、歯周病の進行とともにその量が増えることが知られています。メチルメルカプタンは、腐敗臭のような強烈な匂いが特徴で、歯周病による口臭の強さを決定づける要因の一つです。

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歯周病の匂いの特徴

歯周病による口臭は、VSCが主要な成分であるため、硫黄のような刺激的な匂いが特徴です。歯磨きをしてもこの匂いが取れないのは、歯周病が進行して歯周ポケットに細菌が溜まり、VSCが継続的に生成されているためです。歯周病が進行すると、口臭の強さも増すため、口臭が気になる場合は、歯周病の可能性を疑い、歯科医に相談することが重要です。

歯磨きしても口が臭う理由

歯磨きをしても口が臭う場合、いくつかの要因が考えられます。この章では、歯周病菌の繁殖、口腔ケアの不十分さ、その他の要因(舌苔など)について解説します。

歯周病菌の繁殖による口臭

歯周病が原因で口臭が続く場合、歯周病菌の繁殖が主な理由です。歯周ポケット内に歯周病菌が溜まり、たんぱく質が分解されてVSCが生成されるため、歯磨きだけでは匂いが取れません。歯周病が進行すると、口臭も強くなります。

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口腔ケアの不十分さ

歯磨きだけでは、口の中のすべての隅々に届かず、細菌が繁殖しやすい環境が続くことがあります。特に歯間ブラシやデンタルフロスを使わずに歯磨きだけで口腔ケアを行っている場合、歯と歯の間に残った食べ物のカスや細菌が口臭の原因となります。

その他の要因(舌苔など)

舌の表面には舌苔(ぜったい)と呼ばれる白っぽいものが付着することがあり、これが口臭の原因となることがあります。舌苔は細菌の繁殖場所となり、VSCを生成させます。また、口の中が乾燥すると唾液の分泌が減り、細菌の繁殖が促進されるため、口臭が発生しやすくなります。このような要因も考慮し、口腔ケアを行うことが重要です。

・関連:舌苔と口臭の関連性:原因、対策、効果的な舌磨き方法を解説

歯周病の臭い対策法

歯周病による口臭を改善するためには、適切な対策が必要です。この章では、正しい歯磨き方法、口腔ケア製品の活用、定期的な歯科健診について解説します。

正しい歯磨き方法

歯周病による口臭対策の基本は、正しい歯磨き方法を実践することです。歯ブラシの角度や圧力、磨く順番を意識して、歯の表面だけでなく歯周ポケットや歯と歯の間も丁寧に磨きましょう。また、歯磨き後に舌ブラシや舌スクレーパーを使って舌苔を除去することも効果的です。

口腔ケア製品の活用

歯磨きだけでは難しい場所にもアプローチするため、歯間ブラシやデンタルフロスを活用しましょう。また、口臭予防効果のあるマウスウォッシュやオーラルケアスプレーを使用することで、歯周病菌の繁殖を抑え、口臭を軽減できます。

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定期的な歯科健診

歯周病の進行に伴う口臭を防ぐためには、定期的な歯科医院の受診が欠かせません。歯科医師や歯科衛生士によるプロフェッショナルなケアで、歯周ポケットのクリーニングや歯石除去が行われ、歯周病菌の繁殖が抑制されます。また、適切な指導を受けることで、自宅でのケアも向上させることができます。

歯周病の手遅れの症状と対策

歯周病が進行すると、手遅れになる前に対策を講じることが重要です。歯周病による口臭は、症状の進行とともに酷くなっていくのでご注意ください。

この章では、歯周病が手遅れになる症状と、その対策について解説します。

手遅れの症状(歯の動揺、歯肉の退縮など)

歯周病が進行し手遅れになると、以下のような症状が現れます。

  1. 歯の動揺:歯周組織の破壊により、歯がぐらつくようになります。
  2. 歯肉の退縮:歯周病の進行で歯肉が炎症を起こし、歯根が露出することがあります。
  3. 歯の喪失:歯周組織の破壊が進み、最終的に歯が抜け落ちる可能性があります。

歯周病治療法(スケーリング、ルートプレーニングなど)

歯周病が進行した場合、以下の治療法が用いられます。

  1. スケーリング:歯周ポケットに溜まった歯石や歯垢を除去する治療です。歯周病菌の繁殖を抑え、炎症を軽減します。
  2. ルートプレーニング:歯の根の表面に付着した歯石や歯垢を除去し、歯周病の進行を防ぐための治療です。
  3. 歯周外科手術:歯周ポケットの深い部分や歯根の露出した部分を手術で修復し、歯周病の進行を抑制します。

手遅れの症状が現れる前に、適切な口腔ケアと定期的な歯科受診を心がけましょう。また、歯周病治療が必要な場合は、早めに専門医に相談することが重要です。

・参考文献:続日本人はこうして歯を失っていく 日本歯周病学会・日本臨床歯周病学会

まとめ

本記事では、歯周病と口臭の関係、原因、症状、対策法を解説しました。最後に、歯周病と口臭対策の重要性と、予防と早期治療の大切さをまとめます。

歯周病による口臭の治し方

  1. 基本はPMTCとブラッシングケア
  2. 歯周ポケットからの臭い対策
  3. 薬用歯磨き粉で対策
  4. 膿の臭い対策
  5. 口臭を消す方法

歯周病と口臭対策の重要性

歯周病は、口臭の主要な原因の一つです。歯周病が進行すると、口臭が悪化するだけでなく、歯の喪失や全身の健康にも影響を及ぼすことがあります。適切な口腔ケアと定期的な歯科受診を行い、歯周病と口臭を予防・対策することが重要です。

予防と早期治療の大切さ

歯周病の初期段階では、自己ケアや歯科医院でのクリーニングによって改善が期待できます。しかし、進行すると手遅れになる前に対策を講じることが難しくなります。歯周病と口臭の予防と早期治療を心がけ、健康な口腔環境を維持しましょう。

口臭の治療・予防

出典:厚生労働省e-ヘルスネット

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