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口がまずい、口の中が苦い、その原因は?

「口がまずい」「口の中が苦い」などの味覚障害でお困りではありませんか?

腎臓疾患や糖尿病などの病気でない場合は、亜鉛不足によって舌の味を感じる「味蕾」の数が不足することで、味覚に異常をきたします。そのため、「舌に変な味を感じる」というような症状をおこします。

味覚障害の原因はさまざまですが、口の不快症状は更年期の女性でドライマウスの人に多いです。唾液の分泌が減るのは、ストレスや自律神経が関係しているともいわれています。唾液量が減ると舌に苔が付き口臭の原因にもなります。そのため、「口が苦い」人の舌を見ると、舌が白くなっているケースがよくあります。

心の病気や体に熱がある場合には、漢方薬が効くこともありますが、口が不快になる原因は、薬の副作用もあるので、自己判断しないでかかりつけ医に相談するようにしましょう。

虫歯や歯周病で口内細菌が増えると口がまずくなるので、定期的に歯科検診を受けることも大切です。

また、耳鼻科疾患で後鼻漏があり、喉や口内に細菌が増えて口がまずいこともあります。その場合は耳鼻咽喉科を受診しないといけません。糖尿病などの持病がある場合は内科に相談するようにしましょう。

口の苦みや不快感を和らげるためには、口腔ケアや自律神経を整えることもいいことですが、漢方が効くケースもあるので、薬局で味覚障害について相談されてはいかがでしょう。

今回の記事では、「口の不快」を解消するために、不快原因と対策についてお伝えします。是非ご参考にしてください。記事は口腔ケアアドバイザーの上林が書きました。

寝る前に歯磨きを忘れたから朝口の中が気持ち悪い

口が苦いのは何の病気?

口に何も入っていないのに「口が苦い」場合は、「自発性異常味覚」が多いです。味を感じる舌の味蕾に問題がおきて味覚異常をおこす症状をいい、口の中が苦いほか、酸っぱい、甘いと感じることも。

ほとんどの味覚障害は、唾液の分泌が減ることから舌が乾燥する「ドライマウス」が原因になっています。

しかし、口が苦いときには、腎臓や肝臓の病気が原因になっていることもあるのでご注意ください。また、ストレスが影響して自律神経失調症から味覚障害になっている人も。

口が苦くなる病気には…風邪、腎臓疾患、肝臓疾患、糖尿病、逆流性食道炎など。

味覚障害の原因

口が苦いし口臭がする

口が不快に感じる原因にはどんなものがあるでしょう。

  1. ドライマウス
  2. 亜鉛、ビタミンB、鉄分などの不足
  3. 口腔アレルギー症候群
    野菜や果物などを食べたときに、唇が腫れる、舌やのどに違和感やかゆみ、痛みを起こすアレルギー症。
  4. 口腔心身症
    原因不明で口の中がネバネバ、ザラザラするなどの不快感や、味覚の異常を訴える病気です。舌がピリピリする舌痛症の場合もあります。
  5. 喫煙

ドライマウス

ドライマウスは病気?

口が不快に感じるのは、唾液が粘つき変な味がする状態です。この状態になると、多くの人が「口が気持ち悪い」と感じます。

このように不快になる大元の原因はというと、一番に唾液の減少が関係しています。唾液の分泌が少なくなると、口の中で粘つきます。

ドライマウスで唾液が少ないと、細菌が増えるため味も悪くなります。そして、口臭もします。それでは、どうして唾液が減るのでしょう?

→ ドライマウスは口臭をひどくする!改善する鍵は菌にある

唾液が少ない

薬の副作用で唾液が出ない
  1. ストレス
  2. 水分不足
  3. 加齢による唾液腺の働きの低下
  4. 薬の副作用(降圧剤、抗うつ剤、安定剤、睡眠薬など)

これらが唾液が減る主な原因ですが、その中でも、ストレスによる唾液不足が増えているようです。

ストレスが原因

「口が不快」になると、いろんな心配をするかもしれません。「口が不快なのは、変な病気だからなのでは?」、「もしかしたら、自分では分からないところで周囲に「口が臭い」と迷惑をかけているのでは?」などと心配をするかもしれません。

でも、この心配が多くなるとストレスがかかり自律神経がみだれ唾液が出なくなります。これって悪循環ですよね。

それに、過剰に心配することで口の中の感覚が過敏になってしまいます。普段は感じないほどの感じでも、苦い、気持ち悪い、臭い、などと感じることになるかもしれません。

口の不快感をなくすには、心配のし過ぎはよくありません。自律神経の乱れについては、『自律神経失調症と口臭の意外な関係』をご参考にしてください。

口の粘つき

口がネバネバするイメージ

口がネバネバするのは、唾液の分泌が少ないからですが、緊張、不安などストレスによって交感神経が活発になることで粘ついた唾液が出るようになります。

他にも、降圧剤や安定剤、睡眠誘導剤など薬の副作用によっても、粘ついた唾液が出ます。

また、口腔や喉の環境が悪くなり喉(扁桃)から膿汁が出ると、口がネバネバして口臭が強くなります。

口の粘つきについては、『口がネバネバする原因はこれ!粘つきの解消方法はこれ!』をご参考にしてください。

口腔心身症(歯科心身症)

口腔心身症はストレスや自律神経が影響しているため、専門医でないと治療が難しいです。

噛みしめや歯ぎしりから来る、歯の痛み、知覚過敏、歯の動揺、口が開かない、口内炎、口の渇き、舌痛症、等です。それと同時に、患者さんが持っている全身症状は、不眠症、頭痛、肩こり、耳鳴り、めまい、ドライアイ、胃腸の不良等です。

引用:日本橋佐々木歯科クリニック

舌苔(ぜったい)

舌苔ができると、口が苦い、ひりひりする、など口の不快がおきます。舌苔の原因はドライマウスが多いのですが、ドライマウスになる要因は人により様々です。

→ 舌が白い人は舌苔です。舌苔を取り除く7つの方法とは?

後鼻漏

後鼻漏(こうびろう)は、鼻汁が喉に落ちる症状をいいますが、主な原因は副鼻腔炎とアレルギー性鼻炎です。

後鼻漏になると、粘ついた鼻汁が鼻や喉の奥にくっつき気持ち悪くなることがあります。後鼻漏の場合は、口の粘つきや舌苔の原因にもなるので、「いつも口がまずい!」と訴える方もおられます。

→ 後鼻漏が口臭の原因だった!?後鼻漏を市販の薬で治す方法を教えます

胃腸の病気

胃腸が悪くなる原因

これ以外に、口の中が気持ち悪くなり吐き気がするのは、胃腸の病気によるものです。

しかし、お腹の調子が悪いと思っていても、胆のうや肝臓の疾患で吐き気がおきることもあります。また、逆流性食道炎で呑酸が喉につくと吐き気がしたり口臭が強くなることがあります。

ですから、吐き気がする場合には、我慢をしないで内科で診てもらうことが大事です。

口が気持ち悪く感じる場合は、『朝、口が気持ち悪いなら対策はコレ!口が苦い、乾く、臭い、ネバネバする』をご参考にしてください。

ストレス

人前で話す前、緊張度がピークに達すると吐き気をもよおしたことはありませんか?

自分だけかもと思っているかもしれませんが、誰でも極度に不安や緊張が高まると吐き気をもよおします。ストレスホルモンの作用で胃の収縮が起きるために気持ち悪くなるからです。

不安が消え精神が安定すると吐き気もなくなるので、感情コントロールを意識すると良いと思います。

→ その口臭!ストレスが原因かも?

薬の副作用

薬によっては、副作用によって唾液が減少するものがあります。唾液が減ると口の中がねばねばするので気持ち悪く感じます。

【唾液が減る副作用のある薬】

  • 降圧剤
  • 精神安定剤
  • 睡眠誘導剤など

また、薬によっては、味覚障害を起こし口が苦く感じるものもあります。薬を服用している場合は、かかりつけ医にご相談されてはいかがでしょう。

舌痛症

舌痛症は中高年の女性に多いのですが、その原因はよくわかっていません。

舌がやけどをした後のようにひりひりと持続的に痛む舌痛症という疾患は、中高年の女性に多発傾向にあります。

引用:京都大学医学部附属病院 歯科口腔外科

→ 舌が痛い!ヒリヒリする。…何科に行けば良い?お薬は何が良い?

喉からの粘液

喉に粘液(痰)がたまると口臭が強くなります。

喉の臭い液(膿汁)

あまり知られていないかもしれませんが、「口が不快」になる原因に喉からの粘液(膿汁)が関係している場合があります。粘液(膿汁)は痰と勘違いすることがあります。

喉には扁桃(へんとう)があり、外からの細菌やウィルスが侵入してきたときに抗体物質(粘液:膿汁)が出るようになっています。膿汁については、『臭い玉(膿栓)を取りたい!喉の違和感をなくす方法』をご参考にしてください。

鼻炎や口呼吸の人の場合には喉に細菌が増えやすいため、この粘液(膿汁)が良く出ます。

唾液が多量に出ていると、粘液(膿汁)は胃に流されるのですが、唾液が少ない人の場合には、口に流れることがあります。この粘液(膿汁)が唾液に混じると、口が粘つき変な味がして口臭を発します。

喉口から口臭がする

詳しくは『喉から出る臭い液は膿汁だった。膿汁が出ない方法とは?』をご参考にしてください。

また、粘液(膿汁)が舌に付くことで舌苔(ぜったい)もできるので、さらに口を不快にする原因になります。

では、どのようにすれば、「口の不快」を予防できるのでしょうか?

口が不快なときの対策

病院で治療する

口が不快に感じる場合には、歯科以外にも内科や神経科の病気などが原因のことがあるので、我慢しないでお医者さんの診断を受けることが大切です。

自律神経を整える

ストレスなどによって自律神経が乱れると、唾液が減少し口の粘つき、口が苦い、口や舌が痛い(舌痛症)など不快症状が増します。

不快症状を和らげるためには、ストレスを減らし、自律神経を整えることが大事です。

自律神経を整える方法としては、、、

  • 入浴(半身浴)
  • 深呼吸
  • 水やお湯を飲む
  • 趣味など好きなことをやる
  • 軽い運動

ドライマウス対策

唾液を出す

よくある口の不快の原因は、唾液不足と喉からの粘液(膿汁)です。

ですから、口が不快にならないようにするには、唾液を出すことが大切です。舌を動かすと唾液腺が刺激され唾液の分泌が促されるので、粘液(膿汁)と口臭の予防になります。

舌の体操

唾液を出すようにするには、先ほどお話ししたようにストレスをためないことなどが大切です。唾液を出す方法については、こちらの記事『歯磨きしても口がネバネバする原因8つ!唾液の粘つき改善方法はこれ!』をご参考にしてください。

口腔ケア

そして、粘液(膿汁)が出ないようにするには、常に喉を清潔にして細菌が増えないようにすることです。

そのためには、口内のうがいだけではなく、喉を洗うガラガラうがいを行なうことをお勧めします。

うがいでスッキリする女性

水を飲む

口の渇きを防ぐために小まめに水を飲むことも大切です。

口が不快だとお困りでしたら、是非お試しください。

まとめ

口の不快症状に困っている中高年の女性が多いです。原因が解明されていないために治療も困難です。

しかし、ストレスや自律神経が一部影響していることがわかっているので、好きなことをして自律神経を整えるようにするといいでしょう。

コロナ予防には、うがいと歯磨きを徹底!

口腔ケアアンバサダー(日本口腔ケア学会認定)の上林です。

ところで、「新型コロナウイルスは、口の中で直接感染する」とのYAHOO!ニュースをご覧になられたでしょうか?

2021年6月28日にYAHOO!ニュースに掲載された、アメリカのノースカロライナ大学などの研究チームが発表した内容は、これまでの「新型コロナウイルスは気道(喉・鼻)から肺に達し感染する」という常識を更に発展させた興味ある研究データです。

これが正しければ、新型コロナの予防として、うがいと歯磨きを徹底する、そして、舌の汚れ(舌苔)を清掃する、この3つの口腔ケアによって、新型コロナの重症化リスクを低く抑えることが可能になります。

今回の記事は、コロナの感染の仕組みと、うがいと歯磨きによるコロナの予防方法についてお伝えします。

新型コロナの感染の仕組み

新型コロナの感染経路には、ウイルスを口や鼻から吸いこむ飛沫感染と、ウイルスが付いた手で口や鼻を触ることで粘膜から感染する接触感染があります。

 「飛沫感染」とは: 感染者の飛沫(くしゃみ、咳、つばなど)と一緒にウイルスが放出され、他の方がそのウイルスを口や鼻などから吸い込んで感染することを言います。

 「接触感染」とは: 感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で周りの物に触れるとウイルスがつきます。他の方がそれを触るとウイルスが手に付着し、その手で口や鼻を触ることにより粘膜から感染することを言います。

引用:厚生労働省HP 「新型コロナ感染症には、どのように感染しますか?」より


【潜伏期間】1〜14日、平均5日程度。
【感染力のある期間】発症の2日前から発症後7〜10日間程度。感染力は発症直後に最も強く、発症後8日で大幅に弱まる。

新型コロナウイルス感染症は、風邪とおなじ呼吸器系(鼻・のど・肺など)の感染症です。…従来の定義

① 鼻・のどの感染
症状は比較的軽いのですが、感染力は強いと言われています。上気道感染後に肺へ感染し、肺炎を生じることもあります。

② 肺の感染
肺炎から重症化すると、呼吸困難を伴い生命の危険が生じます。

新型コロナウイルスは口の中で直接感染する

今回、アメリカのノースカロライナ大学などの研究チームが発表した研究データでは、これまで分かっていた「目、鼻、唇などに付着して、そこから気道や肺などの細胞に侵入して感染する」というだけでなく、「口内、頬の内側、歯茎、舌粘膜にも新型コロナのウイルスが直接感染して増殖してしまう」ということがわかったのです。

たとえ、ウイルスが口内粘膜に感染したとしても、その後、上気道、肺へと感染すると、重症化するかもしれないので、徹底的に口内ケアを行ってウイルス量を増やさないようにすることが大切です。

そのため、口の中のウイルス増殖を防ぐには、「うがい」で口内をきれいにすると良いと言われています。

新型コロナの口内感染は、うがいと歯磨きで予防できる

唾液中のウイルス

新型コロナの口内感染を防ぐためには、うがいによって唾液中のウイルスを洗浄することが有効です。うがいは水だけで十分です。

殺菌作用のあるポピドンヨードを含む、うがい薬(イソジンガーグルなど)を用いると予防効果が高くなりますが、薬用のうがい薬は長期間使用するには不適かもしれません。

歯と歯ぐきに付着しているウイルス

歯と歯ぐきの境目にはポケット(溝)があるため、うがいだけでウイルスを除去することは難しいです。また、歯と歯の間や狭い隙間のウイルスも、うがいで取り除くことは困難です。

しかし、歯ブラシを用いてブラッシングすることによって、このような部位にあるウイルスでも除去することが可能になります。

粘膜のウイルス

ほっぺの内側や歯肉に付いているウイルスであれば、指でなぜてから、うがいを行うとウイルスを洗い流しやすくなります。

しかし、舌の上に付いたウイルスは、指でなぜた程度では取れないでしょう。その理由は、舌の表面は乳頭がいっぱいで絨毯のようにザラザラしているからです。口内では、乳頭と乳頭の隙間に汚れ(舌苔)とともにウイルスがくっ付いているケースが最も多いと予想されます。

舌に付いているウイルスを除去するには、うがいだけでなく、舌ブラシなどを用いて舌磨きをすることも必要です。

コロナ予防に効果的な口内ケアの方法

うがい

口の中に水を含み、クチュクチュとうがいをして、ペッとしたあとで、ガラガラうがいをして喉のウイルスも洗い流す。

うがいは水で十分ですが、アルカリイオン水を用いると、口内を洗浄する効果を高めることが期待できます。

舌苔と口臭を予防できる「美息美人(びいきびじん)」のアルカリイオン水がおすすめ

歯磨き

歯磨きは起床時すぐと就寝前の2回が基本です。就寝中は(抗菌作用のある)唾液がほとんど分泌しなくなるため、寝ている間にウイルスが増殖することが予想されます。

そのため、寝る前にしっかりと歯磨きをするようにしましょう。そして、朝起きたらすぐに歯磨きやうがいをして、口内に増えたウイルスを洗い流すと効果的です。

現役歯科衛生士が教える「正しい歯磨き」の仕方

舌のケア

舌の上にスポンジ状の舌苔(ぜったい)があると、ウイルスがくっつきやすくなります。舌ブラシで磨いて舌苔を除去するといいでしょう。ただし、舌粘膜を磨き過ぎると舌を傷つけるのでご注意ください。

舌苔が厚く、口が乾く場合は、唾液中のウイルスが増えやすくなると考えられるので、こまめにうがいを行うようにしましょう。口の中がきれいになると舌苔も薄くなるので、うがいを行うのは良いことです。

舌苔を予防する12の方法

まとめ

新型コロナの感染拡大を防ぐためには、三密を避ける、マスクをする、消毒、手洗いをすることが大事ですが、今回ご紹介した、うがいや歯磨き、舌清掃などの口腔ケアも取り入れると、さらに予防効果を高めることができるでしょう。