口臭対策

気になる口臭の対策は!?セルフチェックと原因を知ることから

口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登です。

歯磨きした後でも口臭が気になっている人が多いですよね。厚生労働省の歯科疾患実態調査(2016年)でも、15歳以上の約10%が「口臭が気になる」と回答しています。

だからといって、「口臭が気になる」全ての人に口臭があるわけではありません。口臭の悩みは主観によるものですので、口臭対策を行なう前にやってほしいことがあります。それは、自身の口臭セルフチェックと口臭の原因を調べることです。

実際に口臭チェッカーで測ってみると、心配していたほどの臭い値でないことが多いですが、起床時や空腹時には口臭(生理的口臭)が強くなる傾向にあり、臭くなる原因の多くは歯磨き不足によるものです。

しかし、歯周病や虫歯など歯科疾患がある場合は、口臭が生臭い(病的口臭)などひどい口臭のことがあります。

このように、口臭原因のほとんどは、生理的口臭と歯科疾患による病的口臭によるものですが、たいていは「ドライマウス」が影響して口臭を発生しています。

口腔環境は唾液の分泌が関係しているので、サラサラ唾液が十分に出ていると、口内が清潔に保たれ口臭が発生しません。しかし、唾液の分泌量が減少すると、嫌気性菌が増えて口臭を発生することになるので、口が乾かないように唾液の分泌を促すことが口臭予防では重要なポイントです。

また、舌の上に舌苔(ぜったい)が厚く付着すると、揮発性硫黄化合物が増えて口臭を発生するようになります。舌苔由来の口臭は全体の6割もある(日本歯科医師会発表)ので、口臭対策するには舌苔清掃などの対策が必要です。

これまでお伝えした原因のほかにも、耳鼻咽喉科疾患が原因になっている口臭や腸内ガスが血中に取り込まれ呼気口臭になったものもありますが、それらは口臭全体の1割にも満たないと言われています。

口臭の9割以上は口内に原因があるので、「臭い玉(膿栓)が原因かも?」と悩む前に、先ずはしっかりブラッシングして、しっかりと歯垢を落とすことが大事です。

今回の記事は、何を行えば効果的な口臭対策になるのかについてお伝えします。ご参考になれば幸いです。

口臭セルフチェックで臭いを確認しましょう

口臭対策をする前に、先ず「口臭がしているかどうか?」を調べられることをおすすめします。というのも、「臭いがしていないだろうか?」と悩んでいる人の大半が、口臭チェッカーで調べてみると口臭値が通常の範囲にあるからです。

口臭チェックは、ビニル袋に吐いた息を嗅ぐなど簡単に行うことができますが、それらの方法では嗅覚が麻痺するため正確性に欠けます。

できれば、簡易口臭チェッカーで測ることをおすすめします。口臭外来で使用する口臭測定器ほどの正確さはありませんが、「口臭がしているかどうか?」程度を調べるには十分です。

※タニタの口臭チェッカーに付属の「取扱説明書」より

レベル0:口臭を感じません。
レベル1:弱い口臭を感じます。
レベル2:口臭を感じます。
レベル3:少し強い口臭を感じます。
レベル4:強い口臭を感じます。
レベル5:非常に強い口臭を感じます。
エラー: 正しく測れませんでした。もう一度はじめからやり直してください。


口臭チェックするタイミングは、起床時、食後、空腹時、就寝前の4回行うのがベストです。

ちなみに、、私も口臭チェッカーで測ってみると、、

  • 起床時…レベル3
  • 歯磨き後…レベル0
  • 食後…レベル1
  • 空腹時…レベル2
  • 就寝前…レベル1

その理由は、口臭の強さは一日24時間を通して一定のことはなく、常に変化するからです。口臭が強くなる時間帯を知ることで、タイミングよく口臭対策することが可能になります。

関連記事>> 口臭チェッカーはあてにならない!正しい使い方は?

口臭原因を明確にしましょう

口臭原因を大きく分けると、誰にでも起きる「生理的口臭」と、虫歯や歯周病などが原因になって起きる「病的口臭」、そして、膿栓(臭い玉)などが原因の「耳鼻科疾患による口臭」の3つです。
(※この3つ以外が原因の口臭もあるが、ほんの数パーセントです。)

>> 口臭原因について詳しくは

口臭を感じる場合には、原因の9割は口腔内(歯科疾患)にあるので、口臭が気になったら、歯科で検査をしてもらいましょう。レントゲン撮影と歯周ポケットの深さを調べることで、大抵の歯科疾患が見つかります。虫歯や歯周病だとわかれば、治療を受けるようにしましょう。

また、舌苔の量が多いとか、舌苔の色が黄色い場合は、口臭が強くなるので、舌清掃など舌苔ケアを行うようにしましょう。

舌苔対策>> 舌の奥の舌苔が取れない!効果的な取り方とは

歯磨きしても口が臭い場合には、次のようなことが原因になっているかもしれません。

【その他の口臭原因】
1, 膿栓(臭い玉)
2, 膿汁
3, 副鼻腔炎
4, 胃腸
5, ストレス(自律神経失調症など)
6, ドライマウス(口腔乾燥症)
7, 薬の副作用 


参考記事>> 口臭原因は口臭の種類で分かる!どぶ臭?酸っぱいにおい?生臭い?

口臭対策

口臭原因が分かったとしても、「口臭はどうすれば治るでしょう?」という問いに答えることができなければ、あなたの口臭を解決できませんよね。

口臭には事実以上に悩む「自臭症」と、本当に臭い「病的口臭」があります。自臭症の場合は、カウンセリングを受けることも必要になるかもしれませんが、病的口臭の場合は歯磨き方法を工夫するなどすることで匂いを改善することが可能になります。

今からご紹介する中で、自身に合った方法を実践してみてください。

一番のおすすめはブラッシング!

口臭対策商品には、市販のタブレットやマウスウォッシュがありますが、口臭を対策する上で最も効果があがるのは「歯磨き」です。

どんなグッズを使っても、いい加減にしかブラッシング出来てなければ、歯をきれいにすることはできません。歯垢の磨き残しがあると口臭が起きるようになります。

それでは正しい歯磨きとはどういうものでしょうか?

【正しい歯磨き】
1, 自分の歯と歯ぐきに適した歯ブラシを使用する。
2, 歯ブラシだけではなく、狭い隙間は歯間ブラシやワンタフトブラシを使用して磨く。
3, 鏡を見ながら歯磨きをおこなう。
4, 就寝前には10分以上時間をかけて歯磨きをする。朝の歯磨きは5分以上。

>> 現役歯科衛生士が教える「正しい歯磨き」の仕方

歯磨きを丁寧にして、可能な限り歯垢を除去すると、口臭を改善させることが可能です。

舌苔を除去する

舌苔を取り除くと口臭が軽減しますが、舌磨きをしてもすぐに舌苔は着いてしまいます。その理由は、舌苔ができるのは胃腸の調子やドライマウスが影響しているからです。

舌苔対策のコツは…
1, 専用の舌ブラシで軽く舌を磨く。(磨き過ぎない)
2, ストレスを軽減し、自律神経を整える。(唾液分泌を増やすため)
3, 舌をよく動かすなどして唾液量を増やす。
4, 胃腸の調子を整える。

>> 舌の奥の舌苔が取れない!効果的な取り方とは

唾液を出す

唾液量が少ないと口腔が乾燥して、硫黄化合物がガス化し口臭となります。また、健康で十分に唾液が分泌されていると、口内の汚れが洗浄されるため細菌の繁殖を予防できます。

ですから、口臭をしないようにするには、唾液を出すことが重要なのです。

【唾液を出す方法】
1, お口の体操、舌の運動。
2, 十分な水分摂取。
3, ストレスを軽減する。
4, リラックス状態をつくる。
5, 唾液腺マッサージ

うがいで口臭を予防する

うがいには、口臭予防効果があります。クチュクチュとうがいするだけでも、食べかすなど口内の汚れを洗い流すからです。

喉から口臭を感じる場合には、ガラガラと喉うがいをするようにしましょう。膿栓や膿汁がある場合には、喉うがいが効果的です。

水やお茶を飲む 

うがいと同様に、水やお茶を飲むことが口臭予防に効果を発揮します。口中と喉が乾いた時には口臭が起きるので、水で潤すと匂いを抑えることができるからです。

また、うがいをしにくい環境でも、ペットボトルを持参していると容易に水を飲むことができます。

小まめに水を飲むと口内環境を清潔に維持できるため、簡単でおすすめな方法です。

食べ物で口臭対策をする

食べ物で口臭を抑えることは難しいですが、タバコやニンニクを食べることを止めるだけで口臭をしないように予防できます。

喫煙すると口がニコチン臭になるので、口臭を予防するためには、出来る限り喫煙するようにしましょう。
また、ニンニクやニラなどの臭い食材をよく食べる人も、控えるようにすることが大切です。

歯周病で臭い場合の対策法

歯周病の特徴は口臭というくらい、歯周病になると口臭に悩むことになります。歯ぐきが腫れると、歯磨きしても直ぐに口が生臭くなるからです。

歯周ポケットができると、中に膿がたまり口臭を発生します。このようなケースでは、歯周病用歯磨き剤が有効です。

やり方…
1,一通り歯磨きを行った後に、ワンタフトブラシでポケット部を清掃します。
2,ワンタフトブラシの先に歯周病用歯磨き剤を少量付けて、ポケットに歯磨きを塗布する。
3,歯磨き剤が取れないよう、うがいはしない方が良いです。

この方法は、就寝前に行うとより効果があります。

>> 自分で歯周病を治す方法!歯磨きで歯肉炎が治った!?

最強の口臭対策

歯磨きしても口臭が直らない場合には、口臭菌が歯、歯茎(ポケット)、舌苔、喉、のすべてに繁殖している可能性が高いです。

そのため、歯磨きだけ、舌磨きだけ、というように一つだけ対策しても口臭を抑えることは不可能です。

これら全ての部位を対策するには、①歯磨き、②舌清掃、③喉うがい の3つのケアを毎日の習慣にする必要があります。

その場合におススメなのが、口臭予防歯磨き粉「美息美人」のアルカリイオン水です。アルカリイオン水を使用すると、歯垢を落とす、舌苔を溶かす、喉の膿を除去するなどが容易にできるからです。

口臭対策・口臭ケアに効く歯磨き粉の選び方

朝起きた時に、口がネバネバする、息が臭い気がする。「もしかしたら口臭がしているかも。」と口臭が気になっていませんか?

口臭が気になると、一番にやろうとするのは「歯みがき」ではないでしょうか。ところが、ドラッグストアやネット(Amazonや楽天)で歯磨き粉を買おうとしても、種類がいっぱいでどれが良いのか迷ってしまいます。

それに、「口臭予防歯磨き粉」と記載されていても、実際使ってみると効かないなんてこともありますよね。

そこで今回は、「口臭ケア」に効く歯磨き粉の選び方についてお伝えします。ご参考になれば幸いです。

この記事は、口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登が書きました。

歯磨きしても口臭が治らないのは?

口臭の9割以上が口内に原因があります。それなのに、「歯磨きしてもすぐに口が臭くなる」という人が多いです。どうしてだと思いますか?

歯周病が原因

歯磨きしても口臭が改善しない場合は、「歯周」病になっているかもしれません。なぜなら、口臭の原因で一番多いのが「歯周病」だからです。歯周病(歯肉炎)になると歯周ポケットができるのが特徴です。ポケットに膿(細菌)がたまるようになると硫黄ガスが発生して口臭が起きるのです。

ですから、歯周病が口臭の原因になっている場合には、ポケット内の膿(細菌)を清掃しないといけません。ところが、歯ブラシで狭いポケットの中をブラッシングすることは困難であるため、口臭も治らないケースが多いのです。

そのため、歯周病が疑われる場合は、早目に受診することが大切です。もちろん、歯科治療だけにまかせるのではなく、お家でのブラッシングケアも併用することも大事なことです。

舌苔が原因

意外かもしれませんが、口内からの口臭の6割以上は「舌苔(ぜったい)」から発生しています(日本歯科医師会のサイトで発表)。

舌苔は食べかすや細胞の死がいに細菌が繁殖してできたものです。そのため、舌苔が着くと(口臭となる)揮発性硫黄化合物が多量に増えて唾液中に溶け込んでいます。この口臭物質(硫黄化合物)は、口が乾くとガス化して口臭となるのです。

そのため、舌苔のケアをしていないと、「歯みがきしても口が臭い」ということに。

また、他にも耳鼻科疾患などが原因で、口臭を起こしているケースもあるので要注意ください。鼻やのどからの匂いが気になる場合は、専門の病院を受診することをおすすめします。

口臭ケアに効く歯磨き粉の選び方

それでは、「口臭ケア」に効く歯磨き粉を選ぶ時のポイントについてお伝えいたします。

歯磨き粉を使用して口臭対策を行なうに当たり、重要なポイントは、①プラーク(細菌)の除去効果が高いこと ②歯周病予防ができること。この二つが最も大事です。

細菌を減少させる効果がある

歯磨き粉を選ぶときに重要なポイントは、プラーク(細菌)が良く取れることです。

歯磨き粉に研磨剤が入っているのはプラークを取りやすくするためですが、歯の磨き方が悪いと歯が削れるリスクも起きるのがネックです。

私からのおすすめの方法は、研磨剤無添加の歯磨き粉を使用して、しっかり丁寧に歯磨きを行うことです。(そのためには、電動歯ブラシやフロス、ワンタフトブラシを使用することも必要。)

※研磨剤無添加の「アルカリイオン」による歯磨き粉には、プラークを溶かす作用がある。

口臭の元となるのは、メチルメルカプタン、硫化水素、ジメチルサルファイドなどのガスですが、これらのガスは口内細菌がタンパク質を分解するときにできるものです。

ですから、効果的に口臭対策を行なうには、口臭原因物質を作っている「細菌」をやっつけないといけません。そのためには、薬剤による除菌方法か、丁寧なブラッシングによるプラーク(細菌)の除去が最も効果があります。

口臭ケアで一番効果があるのは、何よりも「丁寧なブラッシング」だと知っておくことが大事です。

口臭ケアに効く成分が入っている

口臭に効くかどうかは、歯磨き粉の成分表示を見れば分かります。特に、歯周病の場合には、歯周病に効く薬剤が含まれていることがポイントです。

一般的な「歯周病用歯磨き粉」には、グリチルリチン酸などの抗炎症剤や塩化セチルピリジニウムなどの殺菌剤が入っています。

口がネバネバしているとか、歯茎からの臭いが気になる場合は、ブラッシング後に歯周病に効く薬用成分が入っている歯磨き粉(または歯周病用塗布薬)をポケットに塗り付けると口臭を軽減できます。

ただし、歯周病は進行する病気なので、早目の歯科治療をおすすめします。

舌苔ケアに効く歯磨き粉

口臭対策するためには、舌苔ケアを欠かすことはできません。どれだけ歯磨きをていねいに行っても、舌苔がびっしりと着いていれば口臭が消えることはないからです。

市販の歯磨き粉では、舌苔ケア用に開発された「花王のピュオーラ泡ハミガキ」が期待できるでしょう。塩化セチルピリジニウムが、舌の上の口臭菌を殺菌して口臭を予防してくれます。

この他、口臭予防歯磨き粉「美息美人」のように、コットン(綿花)にアルカリイオン水を湿らせて舌苔に塗り込む方法もあります。アルカリイオン水には、舌苔のタンパク質を分解する作用があるので口臭予防が期待できます。

おすすめの口臭対策用歯磨き粉

口臭ケアに有効な歯磨き粉とは、歯周病に効く歯磨き粉と舌苔に効く歯磨き粉です。この二つを対策することで、口臭の改善と予防が期待できます。

・歯周病に効く歯磨き粉としては、個人的には(現在使用中の)シュミテクトカムテクトがおすすめです。

口臭予防歯磨き粉「美息美人」は、口臭対策に大切なブラッシングと舌苔ケアの効果を高めるので、是非おすすめします。

まとめ

「口臭に効く」と謳っている歯磨き粉がありますが、その多くは香料などで臭いをごまかす「マスキング」タイプの歯磨き粉ですのでご注意ください。

また、口臭菌を殺菌する歯磨き粉には「薬用成分」が含まれていますので、毎日使用する場合にはおすすめできません。

口臭対策の基本は、3か月に1回の定期検診(歯石除去とクリーニングなど)を受けることと、毎日のブラッシングケアです。特に歯磨きをていねいに行うことが重要です。

>>買ってはいけない歯磨き粉!成分とその理由