ストレスによる口の乾燥と口臭:原因と対策
口腔ケアアンバサダー(社団法人口腔ケア学会認定)の上林登です。
ストレスは体全体に影響を及ぼすと同時に、口の中の状態にも大きく影響します。特に口の乾燥はストレスによって引き起こされ、それが口臭の一因となることがあります。
この記事では、ストレスによる口の乾燥と口臭がなぜ起こるのか、そのメカニズムを解説します。さらに、乾燥した口腔に対する日常的なケア方法と飲食物についても紹介します。これにより、あなたは口の乾燥と口臭を軽減する具体的な手段を身につけることができます。
ストレスが引き起こす口の乾燥とは?
ストレスは、我々の心身にさまざまな影響を及ぼします。日々の生活で感じるストレスは、口の乾燥という現象を引き起こすことがあります。特に長期にわたるストレスは、体内のバランスを崩し、それが口腔内の環境に影響を及ぼすことがあるのです。
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引用:厚生労働省
ストレスの影響
ストレスが高まると、自律神経が乱れ、その結果、唾液腺の機能が低下します。唾液は口腔内を潤すだけでなく、食物の消化を助け、口腔内の細菌の増殖を抑える役割も果たしています。ストレスが続くと、唾液の分泌量が減少し、口が乾燥しやすくなります。
口が乾くメカニズム
唾液の分泌が減少すると、口腔内の細菌バランスが崩れます。通常、口腔内には多くの細菌が存在し、そのバランスが保たれていることで口臭を防いでいます。しかし、口が乾燥すると細菌のバランスが乱れ、悪臭を放つ細菌が増えやすくなります。これが、ストレスによる口の乾燥が口臭を引き起こす原因の一つとされています。
ストレスによる口の乾燥と口臭の関連性
ストレスと口臭の間には密接な関係があります。ストレスが口の乾燥を引き起こし、それが結果として口臭の原因となるからです。
口臭の原因
口臭の主な原因は口腔内の細菌です。これらの細菌は食物の残りかすや死んだ細胞を分解し、その過程で臭いのあるガスを生成します。口が乾燥すると、唾液の分泌量が減少し、細菌の増殖を抑える機能が弱まります。その結果、口臭を引き起こす細菌が増える可能性が高まるのです。
ストレスと口臭の関係
ストレスが長期化すると、自律神経のバランスが崩れ、それが唾液腺の機能に影響を及ぼします。唾液の分泌が減少すると口の中がねばつき、口腔内が乾燥し、口臭の原因となる細菌が増殖しやすくなります。
さらに、ストレス過多の人は呼吸が浅くなり、それも口の乾燥を引き起こす理由です。ストレスが口の乾燥を引き起こし、それが口臭の原因となるメカニズムは、このようにして成り立つのです。
不安やストレス過多の人は総じて呼吸が浅い
引用:東洋経済オンライン
その他の口の乾燥原因
ストレスによる口の乾燥は一般的な現象ですが、その他の健康状態や生活習慣も口の乾燥に影響を及ぼすことがあります。
口が乾く病気とは?
いくつかの病気や状態が口の乾燥を引き起こす可能性があります。
コロナによる口の乾燥
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の一部の患者は、口の乾燥を経験すると報告されています。これは病気の直接的な結果か、または関連する脱水症状の一部として生じることがあります。
・出典:THE Healthy
糖尿病による口の乾燥
糖尿病患者は、高血糖により体内の水分が失われ、結果として口が乾燥することがあります。また、糖尿病は免疫システムに影響を及ぼすため、口腔内の細菌バランスが崩れやすくなります。
・参考:つばさ在宅クリニック西船橋
睡眠中の口の乾燥
寝ている間に口呼吸をすると、口が乾燥しやすくなります。特に睡眠時無呼吸症候群の患者はこの問題に直面することが多いです。
舌だけが乾く原因
舌が特に乾燥する原因としては、舌の炎症、薬の副作用、または特定の自己免疫疾患などがあります。これらの状態は口腔内の感覚を変え、特に舌の乾燥感を引き起こすことがあります。
口の乾燥と口臭対策
ストレスが原因であれ他の病状が原因であれ、口の乾燥と口臭は不快な症状であり、日常生活に影響を及ぼします。ここでは、これらの症状の対策方法を詳しく解説します。
口の中が乾燥しない方法
口の乾燥を防ぐには、適切な水分補給が必要です。また、口腔ケア製品(口腔保湿ジェルや人工唾液)を使うことも効果的です。加湿器を使うことで、特に乾燥する冬の季節に室内の湿度を保つことができます。
口が渇く対策と適切な飲み物
口が渇く感じがするとき、水分補給はもちろん大切ですが、カフェインやアルコール含有の飲み物は逆に口の乾燥を引き起こす可能性があるため注意が必要です。水やハーブティー、果物入りのインフューズドウォーターなどがおすすめです。
口臭を軽減する飲食物とケア方法
口臭を軽減するためには、口腔内の細菌バランスを整えることが重要です。ヨーグルトやチーズなどのプロバイオティクス含有食品の摂取が有効です。また、タバコを控える、適切なブラッシングとフロッシングを行う、舌のケアをするなどの口腔ケアも欠かせません。
まとめ
ストレスは身体に様々な影響を及ぼしますが、その一つとして口の乾燥と口臭があります。ストレスにより体の水分バランスが崩れることで口が乾燥し、それが口臭の原因となります。また、コロナや糖尿病といった病状も口の乾燥を引き起こす可能性があります。
対策としては、適切な水分補給と口腔ケアが重要です。口が乾燥する飲み物を控え、プロバイオティクスを含む飲食物の摂取を心掛けることも有効です。さらに、タバコを控える、適切なブラッシングとフロッシングを行う、舌のケアをするなどの日常的なケアも忘れてはいけません。
口の健康は全身の健康に直結しています。日々の小さなケアが、口臭という大きなストレスを軽減し、より健やかな生活を送るための第一歩となります。
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