舌苔が取れない原因
口腔ケアアンバサダー(社団法人口腔ケア学会認定)の上林登です。
ブラシで舌を磨いても中々舌苔が取れない、とお困りではないでしょうか。
YAHOO!!知恵袋のQ&Aを見ていると、「2週間ほど舌を磨いても舌苔がとれません。何が原因ですか?」「舌磨きがよくないとのことなので磨いていません。でも口臭が気になります。どうすれば舌苔が取れますか?」というようなご相談がありましたが、口臭原因は舌苔でないケースもあります。
参考:口臭の原因・実態 厚生労働省e-ヘルスネット
私の所への相談でも「舌苔が取れないので口臭が心配です」というケースが多くあります。
舌苔が取れない原因は大きく分けると二つあります。
舌苔が取れないのは、舌苔はただの汚れではないからです。細菌が集まった「プラーク」は、カビのように舌の角化と一体化しています。そのため、舌磨きをしても、舌苔を取り除くことはできないのです。もし、完全に舌苔を取り除こうとすれば、舌乳頭を傷つけて炎症を起こすことになります。
出典:舌磨きで傷ついた舌は何日で治る?傷の治し方はコレ!
もう一つ、舌苔の取れない原因は、心身の健康状態が良くないからです。健康状態は舌に表れるといいますが事実です。健康な人はピンク色の舌をしていますが、病気で発熱すると舌は白くなります。
出典:健康状態がよいと舌の色はピンクになる
舌は胃腸など消化器官の延長上にあり、体の健康状態の影響をまともに受けるからです。消化不良などで胃腸が悪いと舌苔がなおらないのは、そう言う理由からです。
また、精神的ストレスがあると自律神経が乱れて唾液の分泌が減少します。唾液の分泌量が少ないと、口腔乾燥を起こすため舌苔をなおすのは困難です。
しかし、舌苔は口臭の最大原因であり、苔の中には歯周病菌が存在するため、口臭を改善するには舌苔を除去することが大事です。では、どうすればこの厄介な舌苔を取り除くことができるでしょう?
今回の記事は、「舌苔が改善しない理由」について詳しくお伝えします。
舌磨きや舌ケアをしているのに口臭が改善できない場合は、こちらをご参考にしてください。
>>口臭が治らないから辛い!その原因は?
舌苔の原因
舌苔(ぜったい)は、乳頭の間に溜まった、はがれ落ちた細胞、細菌の死がい、食べかすが集まってできたものですが、実はそれだけではありません。舌乳頭の角化と同化しているのです。そのため、舌磨きをしても、完全に舌苔を取ることは不可能です。
>>舌苔の原因について詳しくはこちら
舌苔ができて舌が白くなるのは、次のような時です。
- 病的…胃腸疾患や体の病気によって免疫が低下している時に舌苔はよく付きます。また、胃腸疾患は乳頭が伸びる原因になるため、便秘や下痢などの症状があると舌苔が厚くなります。
- 起床時…寝ている間は唾液が出なく、口腔乾燥して細菌が増えて舌苔ができます。
- 口・舌を動かさない…寝たきりや独居老人は、舌苔が慢性化します。また、口臭不安で会話の少ない人も、舌を動かさないため、慢性的に舌苔が付く傾向にあります。
これらとは関係なく常に舌全体に白苔が付いている場合は、ドライマウスが原因かもしれません。
>>ドライマウスについて詳しくはこちら
常に舌が白いのはなぜ!?
舌苔を完全に取り除くためには、腸を健康にし、自律神経を整え、サラサラ唾液を多く分泌するようにすることが大切です。この3つのことを行なわないで、舌を磨いたり口内を洗浄しても、すぐに舌苔は着きます。
舌苔は舌磨きしてもきれいに取り除くことは不可能です。何故なら、舌苔は腸の不調と口腔乾燥が強く影響しています。そのため、舌苔を除去するには、①腸をきれいにして腸内環境を整える。②自律神経のバランスを整える。③サラサラ唾液を多く分泌させる。ことが大切です。
引用:舌苔を取る裏ワザ6つ
芸能人の舌がピンクできれいなのは、職業柄よく喋るからです。また舌をよく動かすことによって、唾液の分泌や血流が良くなり、舌粘膜がピンク色になっていると考えられます。たとえ芸能人でも、疲労や体調不良、ストレスなどが多くなった時には、免疫が低下して舌苔が付きます。
何をしても舌苔が改善しない場合には、ドライマウスが影響しているかもしれません。
【舌苔の慢性化原因】
- 舌の磨き過ぎ…糸状乳頭が長くなったり、口腔乾燥を起こす。
- ラウリル硫酸ナトリウム・合成界面活性剤使用…口腔乾燥の原因になる。
- ストレス…交感神経側に傾き、唾液が減少して粘つく。
舌苔が取れない原因
中々、舌苔が取れない原因について詳しくご説明します。
免疫の低下
誰でも一度は、舌苔ができて舌が白くなったことがあるのではないでしょうか。
私の舌が白くなった経験をご紹介しますと、、
健康状態が良く、普段は舌のきれいな私ですが、たまに舌が白くなる時があります。舌が白くなるのは決まって、友人と夜遅くまでお酒を飲んだ翌朝です。
どうしてだと思いますか?
私の舌が白くなったのは、お酒を飲み過ぎたことで体調不良と口腔乾燥の両方を起こしたからです。舌苔は免疫が低下するとすぐにできます。白くなった舌がいつまでも治らない場合は、免疫低下が原因かもしれません。
飲酒のほかにも原因があります。それは、寝不足、食べ過ぎ、飲み過ぎ、いびき(口呼吸)。これが私の舌が白くなる時の原因でした。
このようにして体調不良になると舌苔はできるため口臭がしますが、健康になると舌苔は自然と取れてなくなるものです。
舌磨きのし過ぎ
舌苔対策のために舌磨きは一定の効果がありますが、舌磨きをし過ぎると、粘膜を損傷し口腔乾燥を起こすため舌苔には逆効果になります。
舌磨きだけで完全に舌苔を取り除くことは不可能です。その理由は、舌苔は糸状乳頭の角化から出来たものだからです。
舌の表面には、食べカスのほかに粘膜の上皮細胞の死がいや細菌が溜まって舌苔ができるため、舌が白く変色したように見えます。
乳頭の間にたまったものであれば、舌ブラシや歯ブラシでブラッシングすれば、舌苔が取れるはずです。ところが、舌磨きをしても、舌苔は取れませんよね。
その理由は、、舌乳頭の角化上皮に舌苔がびっしりくっついて一体化しているからです。たとえて言うと、カビの菌糸が床に根を張っているような状態です。
そのため、舌磨きをしても舌苔を完全に除去することは不可能なのです。
>>糸状乳頭が長くなると舌苔が厚くなる!?
ドライマウス
唾液の分泌が少ないとか口呼吸の場合には、舌苔ができやすくなります。意外かもしれませんが、合成界面活性剤など添加物の多い歯磨き粉を使っていると舌苔をなおすことは困難です。刺激成分が舌を乾燥させ細菌が増えるからです。
舌の筋肉が衰える「低位舌」になると、ドライマウスになり舌が白くなりやすいのでご注意ください。
>>低位舌トレーニング
ドライマウス体質の場合には、たとえ舌磨きや舌ケアを行っても舌苔を改善することは困難ですが、口臭をなくすには、唾液量を増やすようにすると効果があります。
薬の副作用
薬の種類によっては、唾液の分泌量が低下する薬があり、副作用が原因で舌苔が治らないケースもあります。
抗うつ剤、鎮痛剤、血圧降下剤、抗ヒスタミン剤、抗パーキンソン剤などの薬物には、唾液の分泌が低下することが認められているので、服用されている場合は、かかりつけ医にご相談ください。
ストレスが多い
意外かもしれませんが、ストレスが多いと舌苔は改善しません。不安や緊張が多い生活が続くと、自律神経が乱れて交感神経が優位になり唾液が減少するからです。
自律神経の乱れは、免疫を低下させて嫌気性菌が増殖します。そして、舌苔が厚くなり口臭も強くなるので、ストレスにご注意ください。
カンジダなどの病気
舌苔は病気ではありませんが、口腔カンジダ症になると舌や頬に白い苔のようなものが付着します。これは舌苔とは異なるものなので、無理にはがすと赤くなり痛みを伴うのでおやめになってください。
他にも、風邪や内臓の病気になっていると、体の免疫が下がっているので舌が白くなります。また、シェーグレン症候群のような唾液の分泌が低下する病気もあるので、口腔や目の乾きなどがひどい場合は、病院を受診するようにしましょう。
口内の不衛生
寝たきり状態になると、口腔清掃が不十分になりやすいですよね。口腔内に嫌気性菌が増えると、必然的に舌苔もできるので、舌清掃をしてもすぐに苔がついてしまいます。
同様の理由から、矯正装置や義歯、ブリッジを入れていると、細菌で口腔が汚れて舌苔が付きやすくなるので、ていねいな口腔ケアを心掛けないといけません。
歯周病
歯周病と舌苔は関係がないように思うかもしれませんが、嫌気性菌の歯周病菌が舌苔を形成するという報告があります。
歯ぐきが腫れているとか、歯ぐきの色が悪いなど、歯周病が疑われるようでしたら、歯科治療を受けるようにしないといけません。
歯周病が治ると、今までの舌清掃だけで舌の苔も減少していくと思われます。それでも改善しない場合は、他に原因があるかもしれません。
分厚い舌苔の除去方法
舌苔の原因が、ストレスや免疫低下、ドライマウスの場合には、それらを改善することが大切ですが、舌苔量が多いと口内環境が悪化しますので、舌苔が厚い場合には舌清掃も必要です。舌苔が減ると口臭予防になるので、舌の状態をみて舌苔ケアを行なうといいです。
関連記事:舌苔をキレイに取る裏ワザ
舌苔にアルカリイオン水を塗る
舌苔が分厚く溜まっている場合は、舌磨きをしても除去できないので、無理に取らないようにしてください。
タンパク質から成る分厚い舌苔は、アルカリイオン水で溶かすことができます。コットン(綿花)にアルカリイオン水を湿らせて、舌苔に塗布します。
たったこれだけですが、毎日続けることで、舌苔が減っていくので口臭も軽減されます。
舌磨きで舌苔を除去する
舌苔を取ると言っても、ゴシゴシと舌を磨いてはいけません。過剰な舌磨きで舌を傷つけてしまうと逆効果になるのでご注意ください。
「舌苔の取り方」は次のように優しく磨くのが基本です。
- 舌ブラシ、もしくは柔らかい歯ブラシを使用して、舌の奥から優しくなぜるように磨く。(磨く回数は同じ所は3回まで。頻度は一日2回が限度。)
- 舌がひりひりして痛いとか乾燥がひどい場合は、舌用保湿ジェルを塗布し、指を使って舌をこする。
カンジダによる舌苔はアルカリイオン水でうがい
カンジダが原因で舌苔が分厚くなっている場合は、抗真菌薬を使用しますが、長期使用ができないので、そのようなケースにアルカリイオン水を使うと有効です。
舌苔が厚い場合は、無添加の口臭予防歯磨き粉「美息美人」のアルカリイオン水でうがいを行うのがおすすめです。アルカリが舌苔のタンパク質を溶かすので取れやすくなります。
>>美息美人(びいきびじん)のカスタマレビューはこちら
まとめ
胃腸が悪いとかドライマウスであると、舌苔が分厚くなりやすくなります。厚い舌苔が付着すると、舌磨きで完全に取ることは不可能ですので、磨き過ぎないように気を付けましょう。
舌苔が多少あっても健康には影響しませんので、過度に心配する必要はありません。しかし、口腔乾燥がひどく舌苔がびっしりと付くと、口腔環境を悪化させ口臭が強くなります。
そのような場合には、アルカリイオン水でうがいしたり、コットンで舌苔ケアを行なうと口臭予防が期待できます。