舌磨きしないほうがいい場合とその理由、代替口臭対策まで解説
口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登です。
舌磨きは、口臭予防や口腔衛生のために一般的に推奨されていますが、実際に「舌磨きをしないほうがいい」という意見も存在します。本記事では、舌磨きのデメリットやリスクについて解説し、適切な舌磨きの方法や頻度、代替策についてもご紹介します。
舌磨きのリスクとデメリット
適切でない舌磨きのリスク
適切でない舌磨きは、舌の表面を傷つけたり、舌の細菌叢のバランスを崩すことがあります。また、過度な力で磨くことで舌表面の乾燥や炎症を引き起こすこともあります。
ベロ磨きのデメリット
ベロ磨きは、舌の表面をこするような動作で行われますが、これにより舌表面の細胞が損傷を受けることがあります。また、舌磨きが過剰になると、舌の感覚が鈍くなることもあります。
日本口臭学会常任理事の本田俊一歯科医師は、「舌を磨くと、それこそ唾液も取ってしまって、口腔内の環境が乾燥することで口臭が発生する」と説明しています。
参考文献:「もう、口臭で悩まない!」日本口臭学会常任理事 本田俊一著
舌を磨きすぎるとどうなる?
舌を磨きすぎると、舌の細菌叢のバランスが崩れ、口臭や口腔内のトラブルが増えることがあります。また、舌表面の乾燥や炎症が起こり、舌の健康に悪影響を及ぼすこともあります。
関連記事:舌磨きで傷ついた舌は何日で治る?傷の治し方はコレ!
舌磨きの効果と頻度
舌磨きには一定の効果がありますが、優しく磨く必要があります。
・参考記事:予防歯科マイスター”天野教授に聞くコロナウイルス感染に対抗する「舌磨き」の重要性について デンタルライフデザイン
正しい舌磨き方法
適切な舌磨き方法は、舌の付け根から先端に向かって、軽くこするように磨くことです。力を入れすぎず、舌の表面に適度な圧力をかけて磨きましょう。
適切な舌磨きの回数
適切な舌磨きの回数は、1日1回から2回です。寝る前や朝の歯磨きと一緒に行うと効果的です。ただし、舌の状態や個人差によって適切な回数が変わるため、自分の口腔内の状況に合わせて調整してください。
ノニオ舌磨きの効果と頻度
NONIO「舌専用クリーニングジェル」による舌磨きは、舌の細菌叢のバランスを保ちながら、口臭の原因となる細菌を効果的に除去することができます。NONIO舌磨きの推奨頻度は1日1回から2回で、適切な使用方法を守ることで効果を発揮します。
舌磨きが必要かどうかの判断基準
舌磨きの必要性の検討
舌磨きの必要性は、舌の色や付着物、口臭の状況などを観察して判断します。白っぽい舌苔が多く、口臭が気になる場合は、舌磨きが必要なサインです。
舌磨きを行わない場合の影響
舌磨きを行わないと、舌の表面に細菌や食物の残渣が付着し、口臭の原因になります。また、舌苔が厚くなることで、舌の感覚が鈍くなることもあります。
厚い舌苔がびっしりと舌に溜まっている場合は、コットン(綿花)にアルカリイオン水を湿らせて、舌を拭くと口臭が予防できます。
・関連記事:舌苔取り方❘コットンで拭く
ためしてガッテンで紹介された舌磨き情報
ためしてガッテンでは、適切な舌磨き方法や頻度が紹介されており、舌の表面を傷つけず、口臭対策に効果的な方法が示されています。
NHK健康チャンネル「【Q&A】舌みがきの適切なタイミングはいつ?食前それとも食後?」(2016年6月9日放送)の中で、鶴見大学歯学部附属病院、准教授の中川洋一先生が「適切な舌磨きのやり方」について話されていました。内容を要約して以下にご紹介します。
- 起床直後や食前に口腔ケア(舌磨きを含む)を行うのが大切
- 舌苔の多くは食事の時に洗い流される
- 食事前の舌磨きは、やり過ぎてしまうので食後がオススメ
- 歯周病や虫歯を予防するためには、毎食後おこなうのが効果的
このことも参考にして、自分に適した舌磨き方法を見つけましょう。
舌磨きに代わる口臭対策
口臭予防の基本的な習慣
舌磨き以外の口臭予防方法として、歯磨きやデンタルフロスの使用、うがい、水分補給などがあります。これらの習慣を継続することで、口臭を抑えることができます。
舌磨き以外の口臭対策の方法
舌磨きを行わない場合でも、食後の歯磨き、デンタルフロスの使用、うがい薬や口内洗浄剤を利用することで、口臭対策を行うことができます。また、口腔内の乾燥を防ぐために水分補給をこまめに行ったり、舌の動きを促すような食べ物(リンゴやセロリなど)を摂取することも効果的です。
アルカリイオン水でうがいを行うと、舌苔のタンパク汚れがよく取れるのでおすすめです。
・参考:アルカリイオン水のうがいは、口臭予防になるのだろうか!?
舌磨きをやめた場合の影響
舌磨きをやめた場合でも、他の口臭対策を継続的に行っていれば、口臭のリスクは低減されます。ただし、舌苔が気になる場合は、適切な方法で舌磨きを行うことが望ましいです。
まとめ
舌磨きに関する疑問や懸念の解消
歯科大学や歯科医師の意見によると、「舌磨きしないほうがいい」という一概な結論は出ていません。適切な方法で行えば、舌磨きは口臭対策に効果的であるとされています。しかし、舌を傷つけたり、過剰に磨くことが問題となる場合もあるため、適切な方法と頻度で行うことが重要です。
記事で提案した代替策や対策の効果
舌磨き以外の口臭対策として、歯磨きやデンタルフロス、うがい薬などの使用が効果的です。適切な方法で舌磨きを行い、また舌磨きが必要ない場合は、他の口臭対策を実施することで、口臭のリスクを低減することができます。
個々の状況に応じた適切な口臭対策の重要性
舌磨きに関する疑問や懸念を解消し、適切な口臭対策を行うことが重要です。自分の口腔内の状況に応じて、舌磨きやその他の口臭対策を継続的に行うことで、口臭のリスクを抑えることができます。
・関連記事:口臭の原因がわからない!?よくある口臭原因と適切な対策方法