いろんな舌苔の取り方…メリットとデメリット
口腔ケアアンバサダー(社団法人口腔ケア学会認定)の上林登です。
口臭の6割は、舌についた汚れである舌苔(ぜったい)が原因です。日本口臭学会でも、「舌みがき」などで舌苔を除去すると口臭予防に効果があると発表しています。
舌苔を除去するには、「専用の舌ブラシ」を使って舌乳頭を傷付けないように優しく取らないといけないのですが、舌を磨き過ぎてしまい逆効果になるケースがあります。
舌ブラシによる舌苔除去法には、誰でも容易にできる反面、磨き過ぎるというデメリットもあります。
実は、舌苔を除去する方法は「舌ブラシ」の他にも、スプーンやティッシュを使う方法や、タブレット、マウスウォッシュ、アルカリイオン水などあります。
今回は、これら舌苔除去法をご紹介しながら、メリットとデメリットを説明します。ご参考になれば幸いです。
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舌ブラシで舌を磨く
専用の舌ブラシを使って、優しく磨くのがコツです。
>>正しい舌磨きの仕方はこちら
正しい舌磨きの仕方
①正しい舌磨きの方法は、(嘔吐反射の防止のため)べぇ~と舌を突き出して、舌ブラシを使い舌の後方部から舌の先端に向け優しく磨きます。(舌磨きは2往復程度)
②舌磨きの頻度は、朝の歯磨き時に1回磨くだけで十分です。
・メリット:歯ブラシのように扱いやすい。ドラッグストアや通販で購入できる。
・デメリット:舌みがきをしても白い苔が取れた実感がないため、磨き過ぎる傾向にある。
スプーンで舌苔を掻き出す
インド大陸の伝統的医学「アーユルヴェーダ」の舌ケアは、スプーンの形をしたスクレーパーを使って、舌苔を取り除いていました。そのため、現在も舌苔除去用の「タングスクレーパー」が販売されています。
スプーンやスクレーパーの使い方は、舌の奥から前方にこすり付けながら舌苔を取って行きます。
・メリット:家庭にあるスプーンが使える。
・デメリット:舌乳頭(糸状乳頭)を削ってしまう可能性が高い。
口腔ケアスポンジ(介護用)
口腔ケアスポンジは、介護の現場で使用することが多いです。寝たきりの人や高齢者の場合は舌苔が厚くなりやすいため、毎日、舌を清掃しないと誤嚥性肺炎の危険があるからです。
口腔ケアスポンジの使い方は、舌ブラシで「舌みがき」を行なうのと同じ方法でおこないます。
・メリット:厚い舌苔の場合には、良く取れる。
・デメリット:使い捨てであり、費用対効果は悪い。
タブレットをなめる
舌苔除去用のタブレットの代表的な商品には、江崎グリコの「ブレオ」があります。タブレット(ブレオ)が舌苔を取る理由は「糖と、表面がざらざらとしたタブレットの凹凸が、舐めるだけで、舌苔をこすり落とす」からだそうです。
・メリット:口で舐めるだけで良い。美味しい、いい香りがする。
・デメリット:飴を舐める効果とあまり変わりない。高価。
マウスウォッシュ・マウスリンス
マウスウォッシュやマウスリンスは口内洗浄のための製品で、口臭予防に効果がありますが、舌苔除去には期待しない方がいいです。
・メリット:うがいだけで良いので簡単。
・デメリット:合成界面活性剤など刺激成分が添加されている商品の場合は、舌乳頭の角化を招くかもしれない。
アルカリイオン水
口腔ケア用の「アルカリイオン水」(口臭予防歯磨き粉 美息美人)は、歯みがきとうがいに使用できます。アルカリイオン水は、酸性化した口内を中性にする働きがあるため、舌苔除去効果が期待できます。
舌苔量が多い場合には、コットン(綿花)にアルカリイオン水を湿らせて、舌苔に塗り付けると舌苔が取れやすくなります。
・メリット:うがいで口臭予防ができ、コットン法で舌苔が除去できます。
・デメリット:毎日使用しないと効果が少ない。
まとめ
舌苔の取り方の基本は、舌を傷つけないように優しく舌を磨くことです。そのためには、毛先が硬い歯ブラシやスプーンを使わずに専用の舌ブラシを使うようにしましょう。
専用の舌ブラシを使う場合でも、何度も磨くと逆効果になるので一日2回、ブラシで舌を2往復程度に留めることが大切です。
舌苔除去のおすすめは、アルカリイオン水を用いたうがいと、舌苔にアルカリイオン水を塗布する「コットン法」です。優しく効果が見込めるので、舌苔が取れないとお困りの方におすすめします。