今すぐできる口臭対策方法

口臭ケア…簡単で効果のある方法

口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登です。

口臭があると周囲の目が気になり、不安な気持ちになりますよね。ネットなどで、お家でも簡単にケアできる方法がいくつか紹介されていますが、実際行ってみると、即効性や持続性に難があり実用的でないことがあります。

今回は、「今すぐできる口臭対策で効果のあった方法」と「あまり効果の期待できない方法」をご紹介します。是非ご参考にしてください。

関連記事:「口臭」に関するQ&A

口臭原因

口臭は歯磨き不足が一番の原因だといわれています。毎日歯磨きをしていても、歯の隙間や、歯と歯ぐきの間にあるポケットにはプラークが付きます。ブラッシングでは、80%~90%しか歯は磨けないといわれているからです。また、細菌が増えると舌苔も増えやすくなります。

それでは、どんなときに口臭は発生するのでしょうか?

それは、口腔が乾燥したときです。唾液の分泌量が少ないと口内細菌が増えます。細菌は細胞の死がいなどのタンパク質を分解して口臭物質VSC(揮発性硫黄化合物)を産生しますが、口腔が乾燥したときに気化して口臭となります。

日本歯科医師会HPのお口のなんでも相談「口臭」より引用

口臭の原因をまとめると…

  • 歯磨きの磨き残しによるプラーク(細菌)
  • 虫歯と歯周病
  • 唾液の分泌不足
  • 舌苔(ぜったい)

今すぐできて効果が出る方法

シャワーで口腔洗浄

口臭が強いのは朝起きてすぐです。睡眠中はほとんど唾液が分泌されないため、口腔が乾燥して唾液が粘つき、舌苔が増え、喉に粘液(痰・膿汁)が付着しているからです。

朝シャンする時に、ついでにシャワーで口内と喉を洗浄すると、夜中に増えた細菌を洗い流すことができます。舌と扁桃を中心に洗浄すると、効果的に口臭を防ぐことができます。体験的には最強の口臭対策ですので、是非おすすめします。

参考:膿栓と舌苔の取り方…シャワーで洗浄

歯科を受診する・治療を受ける

Yahoo!知恵袋の口臭相談には中学生から「家族から口が臭いと言われる」などの質問が多くありますが、口臭の9割は虫歯や歯周病など歯科疾患が原因ですので、一人で悩まずに、先ず歯科を受診するようにしましょう。

関連記事:中学生・高校生の口臭の悩みについて

キウイを舌で転がす

口臭を消すためには、舌苔を除去して、唾液を出すようにしないといけません。お家で簡単に出来て口臭対策ができる方法をご紹介します。

  1. キウイフルーツを、舌に乗せることが出来る大きさに切ります。
  2. 切ったキウイを舌の上に10秒ほど乗せる。その後、キウイで舌苔を拭き取るように撫ぜる。
  3. 軽く水でうがいして、口内を洗浄する。
  4. 小さじ半分の量のはちみつを口に含み、すぐに飲み込まないようにして舌の上で転がす。

参考:キウイ・パイナップルで舌苔を溶かす

これだけで、舌が清掃できて、唾液をいっぱい出すことができ、口臭予防になります。是非お試しください。

今すぐ口臭を消すことはできない!?

周囲への口臭が気になると、スマホで「口臭を消す方法」の動画を見ていませんか。残念ながら、ユーチューブ動画の方法を実践したとしても、期待外れになることの方が多いです。

動画のタイトルは「10秒で口臭を消す」とか「口臭を消す方法」ですが、たいていの内容は「舌磨き」による口臭予防です。

舌磨きは口臭に効果が期待できるといわれていますが、動画では全くと言っていいほどエビデンス(証拠・根拠)がありません。他人のブログや動画を見た内容をコピーしただけのものですので、鵜呑みにしてはいけません。

実は、口臭は個人差があり原因も異なるため、舌磨きだけでは口臭は予防できません。こちらのエビデンス資料をご参考にして、口臭対策をしていただけますと幸いです。

※口臭診断のためのアルゴリズム

口臭患者(38例)内正常(仮性口臭症の疑い9例、口臭恐怖症2例)⇒ ブラッシング後も口臭を認める(26例)⇒ 歯科スタッフによる専門的舌苔除去 ⇒ 舌磨き後も口臭を認める(19例) ⇒ PMTC(プロフェッショナルケア) ⇒ PMTC後も口臭を認める(5例) ⇒ 歯周病の可能性(9例)

引用:「揮発性硫黄化合物測定に基づく口臭診断アルゴリズム設定の試み」鶴見大学歯学部

舌苔後も口臭が治らない場合は、歯科でPMTCを受けたり、歯周病治療とブラッシングケアが必要です。

今すぐ効果があるが効果が続かない方法

今すぐできて効果が期待できる方法ですが、効果の持続性は短いです。

歯みがき

口臭対策の基本は「ブラッシング」ですので、歯磨きをていねいに行なうことが大切です。口臭を防ぐためには、朝よりも就寝前にブラッシングするほうが効果的です。

歯と歯の間に着いたプラークは、フロスや歯間ブラシを使って取るようにしましょう。

引用:現役歯科衛生士が教える「正しい歯磨き」の仕方

舌苔の清掃

舌苔が付いていると口臭を発生させます。舌の白い苔が目立っている場合は、舌ブラシで舌を磨くようにしましょう。

ただし、舌の磨き過ぎは口腔乾燥の原因になるので、優しく磨くようにしてください。

関連記事:舌が白いと口臭になる!舌磨きのポイントは粘膜を傷つけないこと

やってもいいけどあまり効果が期待できない方法

口内環境を整えるには効果的ですが即効性はありません。一応ご紹介します。

舌を動かす

すぐに口臭を消したい時は、唾液を出すのが効果的です。ほっぺの内側の粘膜を舌でこすって口内を洗浄する。

次に、舌を出して上唇から右、下唇、左、上唇、とぐるりと舐める。この方法で唾液が一瞬で分泌されます。

食べ物で唾液を出す

甘い砂糖を食べると唾液が一瞬で出てきます。他にも、酸っぱい梅干しやレモンを食べるイメージをするだけで直ぐに唾液が噴出するので、簡単で最強の方法かもしれません。

ガムは味がなくなるまで噛み続けると、長い時間唾液が出て、口内をきれいに出来るのでおすすめです。

引用:一瞬で口臭を消す方法

水を飲む

簡単に口臭対策するには、水を飲むことです。

水を飲む効果は、①口内を洗浄する、②リラックスして副交感神経が優位になるためサラサラ唾液が分泌する。

深呼吸

口内に口臭ガス(揮発性硫黄化合物)が溜まっていると、会話を始めた(口を開いた)時に一辺に口臭が外に出ます。この息が臭いので、人と会う直前には深呼吸をして口内の空気を循環させるようにしましょう。

深呼吸にはリラックス効果があるので、唾液の粘つきを抑える効果も期待できます。

今すぐ出来て効果があるが、即効性はない方法

口臭を改善するためには、将来もずっと簡単にできる方法が良いと思います。アルカリイオン水を使うと、「うがい」と「ブラッシング」が簡単でできてプラークも良く取れます。

毎日、アルカリイオン水でうがいとブラッシングケアを続けることで口内環境が改善されるので、口臭もなくなって行きます。

参考:Amazon口臭予防歯磨き粉「美息美人(びいきびじん)」

【参照リンク・参考文献】
日本歯科医師会 歯とお口のことなら何でも分かるテーマパーク8020
日本口臭学会 口臭と口臭症に関連する用語
日本口臭学会誌 口臭への対応と口臭治療の指針2014
日本口腔ケア学会

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