歯周病の治し方

歯周病を治したい女性

日本歯周病学会会員、口腔ケアアンバサダーの上林登です。

一度歯周病になると中々治らないため、「どうしたら歯周病は治りますか?」というご相談が多いです。

結論から申し上げますと、「初期の歯周病」であれば治り、歯茎も元の状態に戻ります。しかし、「中度」以上になると、破壊された歯周組織は元の状態に戻ることはありません。

だからといって、歯周病をほっておくと更に炎症は広がり、歯を支えている歯槽骨が溶けて「歯が抜ける」ことになるかもしれません。

歯周病を治すためには、病気の原因となる細菌の塊「歯垢」を取り除かなければなりません。そのための基本治療として、歯科医院で専門的に行う「プロフェッショナルケア」と、お家で患者さん自身が行う「ブラッシングケア」が推奨されています。

しかし、歯科治療しても歯磨きをしても、歯周病は治らない人の方が多いのです。どうしてでしょうか?

今回は、「ホームケア(ブラッシング)」を中心にした歯周病の治し方についてお伝えします。

歯周病が治らない原因

 

歯周病の歯

★歯周病が治らないのは、歯周ポケットに溜まる「歯垢」が原因。

歯周病の原因となる歯周病菌(嫌気性菌)の多くは空気を嫌います。歯磨きが不十分だと歯の表面にネバネバした歯垢(プラーク)が付着します。

歯垢は細菌のかたまりで、時間とともにその量が多くなり、唾液が減る睡眠時などの時間帯に細菌は特に増殖します。

歯周病の原因となる歯垢が、歯と歯ぐきの境目の溝にたまると、感染によって歯肉に炎症を起こして「ポケット」ができます。

食べかすが溜まる「歯周ポケット」には、歯垢が付きやすく細菌のすみかとなり、感染はセメント質、歯根膜、歯槽骨へと広がっていきます。

歯周病を治すには

★歯周病を治すには、歯周ポケット内の「歯垢」を除去することが必要です。いわゆる「プラークコントロール」がポイントとなります。

歯周病の検査を受ける

歯周病が軽度~中度であれば、歯茎が腫れたり痛みは心身状態によって変化します。調子が良いと腫れも痛みもないため、歯周病が治ったと勘違いするかもしれません。しかし、ポケット内では感染・炎症が静かに進行します。

ですから、自己判断しないで、先ずは歯科で検査を受け、必要なら治療も受けるようにしましょう。

※検査法…X線検査、歯周ポケットの深さを調べるプロービング検査、

ポケット内をブラッシングする

歯周病を治す、進行を止めるには、歯周ポケットに溜まる「(細菌の塊である)歯垢」を取り除かないといけません。

目で見える「歯の表面」だけではなく、歯肉の溝(ポケット)の中にある、隠れて見えない「歯の表面」も歯垢のない清潔な状態にしておくことが大切です。

しかし、ポケット内や歯間の隙間は、通常のブラッシングでは完全に清掃することは不可能です。そのため、用途によってデンタルフロスや歯間ブラシ、極細毛歯ブラシなどを使い分けて、徹底的にブラッシングすることが必要です。

関連記事>現役歯科衛生士が教える「正しい歯磨き」の仕方

歯石除去と歯のクリーニング(歯周基本治療)

お家でここまでていねいに歯磨きをしても、磨き残しがたまると「歯石」ができてしまいます。歯石は石のように固いため、歯ブラシで取ることはできないため、歯科で専門器具によって「歯石除去」してもらうしかありません。

歯科では、歯石を完全に除去した後、さらにポケット内の歯根の表面を、専門器具を使って滑らかに磨き「歯垢」がつきにくくします。

※プロによる歯のクリーニング「PMTC」とは:ホームケアでは行き届かない部位を中心に、歯面の歯石とプラークを除去・研磨します。スケーラーという器具を使って機械的に歯石を取り除きます。歯面清掃では、歯の表面に付いたプラークや着色を専用機器を用いて除去します。最後にフッ素を塗布します。

歯周病の治療

PMTCとホームケアなどの「基本治療」で歯周病が改善しない場合は、歯周病の原因菌が歯根まで感染している可能性があります。そのようなケースでは、「歯周外科治療」を施すことがあります。

フラップ手術:歯に沿って歯肉をメスで切開して歯から剥離して、歯の根面を露出させ、患部が良く見えるようにします。この状態でスケーリング・ルートプレーニングを行ない、プラークや歯石を徹底的に取り除きます。

歯周組織再生療法

歯周基本治療やフラップ手術でプラークや歯石を除去できれば、歯周病の進行は止まり、歯肉の炎症も改善します。

しかし、歯周病によって破壊され失われてしまった歯肉や歯槽骨は、自然には回復できません。この失われた歯周組織を可能な限り元に戻そうという治療が「歯周組織再生療法」です。

【歯周組織再生療法】

GTR法:特殊な人工膜(メンブレン)を使用。健康保険適用可
エムドゲイン:特殊なゲル状のタンパク質(幼若ブタの歯胚から抽出)を使用。自由診療
リグロス:トラフェルミンというゲル状の薬を使用。健康保険適用可

引用:「歯を抜くしかない」手遅れの歯周病とは?

歯周病はどれくらいの期間で治る?

歯周病が治る期間は、個人差があり、歯周病の程度や歯磨きの努力次第で異なってきます。定期的にPMTC(歯石除去・クリーニング)を行なった場合には、歯肉炎で約2~3週間、軽度歯周病の場合でも歯磨きを丁寧にすれば2~3ヶ月程度で治癒します。

歯周病の治療費は、保険適用(3割負担)の場合、1回あたり「1,800円~2,000円程度」です。歯周病治療では、これに加えて歯石除去などがあるため、合計費用は「3,000円から4,000円」が平均的な相場です。ただし、「歯石除去」だけを行なうと自由診療の対象となるのでご注意ください。

まとめ

歯周病の治し方は、歯周病の程度によって違いますが、基本は「歯磨き」です。お家での歯磨きをどれだけていねいに行なうかで歯周病を早く改善することができます。

また、一度治った歯周病でも、疲労や体調不良があると、歯ぐきが腫れるなどの症状がでることがあります。そうならないためにも、日ごろから歯磨きを励行して歯周病の予防をしましょう。

『関連記事』

歯周病の症状~わかりやすく説明します~

歯周病の口臭、出血、歯茎の腫れに効く歯磨き粉の選び方

歯茎が臭い!歯周病が進行しているかも?治し方はコレ!

自分で歯周病を治す方法!歯磨きで歯肉炎が治った!?

SNSでもご購読できます。