舌苔原因
口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登です。
舌が白くなると口臭原因になります。そのため、舌を磨いて清掃しているのではないでしょうか?
ところが、舌を磨いても舌苔はとれませんよね。知恵袋でも「舌苔を取りたいけれど取れない!」と困っている質問が多かったです。
なかなか舌苔が取れないのは、、舌苔は、角化した舌乳頭に細菌が付着してできた苔だからです。それだけではありません。唾液の分泌が不足すると、細菌が増殖して舌苔は厚くなります。
☆何をしても舌苔が改善しない場合はこちら>>舌苔が取れない7つの理由
舌苔があると口臭や誤嚥性肺炎の原因にもなるので、舌苔の原因を理解して正しく舌苔を取り除くようにしましょう。
舌苔対策の前に、舌苔の厚みなど状態をチェックしましょう。
>>舌苔の状態をチェック!あなたの舌苔は正常?口臭は大丈夫?
舌苔は細菌のかたまり
舌苔は、細菌や食べかす、はがれた粘膜などが舌乳頭に付着してできた白い苔状のかたまりです。嫌気性菌が唾液中のタンパク質を分解して揮発性硫黄化合物が産まれます。これが、口臭(臭いガス)になります。
舌の表面にある「舌乳頭」は伸びたり削られたりして角化をしますが、長くなると、乳頭の間にはがれた粘膜がたまり、舌苔が厚くなります。
舌苔のつき方は人により様々で、舌の一部だけ、舌全体、奥の方だけに付くなど、舌苔の範囲や量には個人差があります。また、体調などによっても、舌苔が多い時とあまりつかない時があります。
舌苔はどうしてできるの?
舌苔は細菌が増殖することにより舌苔量が増えます。細菌のエサは舌乳頭の角化とタンパク質の汚れですので、(細菌のエサとなる)角化とタンパク質汚れを減らすことで舌苔はできにくくなります。
実は、舌乳頭の角化やタンパク質汚れが溜まる原因は、、そのプロセスはこうです。
- 胃腸など内臓の不調から糸状乳頭が伸びる
- 糸状乳頭がこすれて角化を起こす
- 糸状乳頭が長くなると、乳頭間に汚れが溜まりやすくなる
これだけなら通常は舌苔は厚くなりません。なぜなら、唾液が口内の汚れと細菌を洗い流すからです。ところが、唾液量が少ない、または唾液がネバネバであれば、汚れは溜まり、細菌を増殖させてしまうのです。
舌苔の根本原因は…
- 胃腸など内臓の不調
- 唾液の分泌の減少
更に過剰な舌磨きやストレスが原因となり、舌苔を悪化させているケースがあります。また、免疫の低下している高齢者などでは細菌が増えて舌苔も厚くなる傾向にあります。
舌苔の原因
舌苔が付いて取れない時は、次のことが原因になっているかもしれません。もし当てはまることがあれば、その対策をすると舌苔が取れやすくなります。
- 口の中の清掃不足
- 唾液の分泌量の減少
- 口呼吸
- 薬の副作用
- 胃腸の不調(便秘、下痢、異常発酵、腸炎)
- カンジダ
口の中の清掃不足
舌苔は、舌の表面に溜まる汚れなので、口の中がキレイに清掃できていないとカンジダが増えるため、舌苔がつきやすくなります。歯を磨くだけではなく、適度に舌苔を取り除くことも必要ですが、過度に磨き過ぎないようにすることも大切です。
唾液の分泌量の減少
唾液には、食べカスや細菌などを洗い流す作用や殺菌作用、湿潤作用があります。そのため、唾液量が減ると、細菌が増えて舌苔がつきやすくなります。
【唾液量が減少する原因】
- 舌を動かさない(よく噛まない。会話しない)
- ストレス(不安・緊張などによる自律神経の乱れ)
- 糖尿病など生活習慣病
- 薬の副作用(降圧剤などの薬には、唾液の減るものがある)
- アレルギー
- 口呼吸(口腔乾燥)
- シェーグレン症候群
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口呼吸
口呼吸をしていると口内が乾き、舌苔の原因となります。普段、口呼吸をしていない人でも、寝ている時にいびきをかいていたり、口を開けて呼吸をしていると口の中が乾燥して舌苔がつきやすくなります。
この他にも、喫煙習慣があると、舌苔が改善しにくくなります。
薬の副作用
唾液量の減少の原因で意外と多いのが、服薬している薬による副作用です。
抗うつ剤、鎮痛剤、血圧降下剤、抗ヒスタミン剤、抗パーキンソン剤など多くの薬に唾液分泌低下の副作用があると報告されています。
胃腸の不調
胃炎などによって胃腸に障害が起こると、舌乳頭が伸びて汚れがよく溜まるようになります。下痢や便秘が続き胃腸の調子が悪い時に、分厚い舌苔がつくのはそのためです。
胃腸が不調であると、舌ブラシで除去しても直ぐに舌苔は付着してしまいます。
舌苔の取り方
先述しましたが、舌苔は適度に取り除くことが望ましいです。ここでは、舌苔の取り方のポイントと注意点についてご紹介します。
正しい舌磨きの方法
舌粘膜はデリケートなので、舌苔を完全に除去しようと何度も磨いたり、固いブラシでゴシゴシ磨くと舌を傷つけてしまい逆効果(舌苔と口臭の原因)になります。舌磨き専用の舌ブラシを使い、優しく磨くようにしましょう。
うがいにマウスウォッシュやマウスリンスを使う人がいますが、市販の商品にはアルコールが添加されているものが多く、舌を乾燥させる原因になります。マウスウォッシュなどを使用される場合はノンアルコールのものを選ぶようにしましょう。
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舌磨きのやり方とポイントは、次の方法を参考にしてください。
1、 鏡を見て、舌の白くなっている部分を確認します。
2、 舌ブラシを水道水で洗う。(1回動かす度に洗う。)
3、 舌ブラシを(舌苔のついている部分を)舌の奥から手前に向けてゆっくりと動かします。この時、往復して磨かないようにしましょう。
4、 舌磨きは、優しくなぜるように磨いてください。強くゴシゴシと磨いてしまうと、舌がひりひりしたり、味蕾を傷つけ味覚障害になるので、磨き過ぎないように気をつけましょう。
※同じ個所を磨くのは3回までにしてください。
5、 舌の奥は、舌苔が付きやすい部分ですが、奥にブラシを入れると嘔吐反射しますので、無理に磨かないようにしましょう。
6、 一日の舌清掃は、朝と就寝前の2回がベストです。
乾燥対策
口腔が乾燥すると舌苔の原因になります。舌を動かす「お口の体操」や、唾液腺マッサージを行い唾液の分泌を促進しましょう。また、乾燥する季節は、室内に保湿器を置いて保湿することも大事です。
口腔乾燥が激しい場合は、市販の舌に「舌用保湿ジェル」を塗るといいでしょう。ガムを噛む、キャンディーを舐めて唾液を出す方法もありますが、砂糖は虫歯になるのでご注意ください。
舌苔対策のまとめ
舌苔を取るには、舌苔除去だけではなく免疫を高めるために体質を改善することも必要です。詳しくはこちらの記事をご参考にしてください。
>> 舌をピンクにする!?健康なピンク色にするための方法について
舌磨きの注意点
一般的な舌苔を取り除く方法は「舌磨き」ですが、舌の磨き過ぎに注意しましょう。
舌が白くなり対策しても治らない場合に考えられる原因は、、
①過剰な舌磨きによって舌に傷が付いた。
②舌乳頭が長くなり汚れが溜まりやすくなった。
舌を磨く方法は、専用の舌ブラシを用いて、舌の奥から前方に優しく数回なぜるように磨くのがコツです。
なかなか取れない舌苔の除去法
胃腸の不調などが原因で慢性的に舌苔が付いている場合には、舌磨きだけではなく、舌のケアも行いましょう。
1, 舌磨きのあとに、舌に保湿ジェルを塗り粘膜の乾燥を防ぐ。
2, お口の体操などで舌をよく動かして唾液の分泌を促す。
3, アルカリイオン水や重曹水で「うがい」をして、口内を酸性化させない。
4, 胃腸に不安がある方は、「漢方薬」や「ビオフェルミン」などを服用する。
頑固な舌苔の対策にはアルカリイオン水による舌ケアと「うがい」がおすすめです。
>>口臭ケアブランド『美息美人(びいきびじん)』が舌苔を溶かして取る仕組み
舌苔対策で実績のある方法をご紹介します。
歯磨きと舌清掃を行った後、コットン(綿花)にアルカリイオン水(美息美人)を湿らせてから舌に塗ります。
たったこれだけですが、この方法を毎日続けると、舌苔の減少が実感できると思います。ぜひ一度お試しください。