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ストレスによる喉の違和感「咽喉頭異常感症」

咽喉頭異常感症(ヒステリー球)

口腔ケアアンバサダー(社団法人口腔ケア学会認定)の上林登です。

ストレスが原因で、喉に違和感を感じる「咽喉頭異常感症(ヒステリー球)」をご存知でしょうか?

咽喉頭異常感症の症状は、「のどに何かひっかかる感じがする」「のどに何かできている感じがする」「のどがイガイガしたり、ザラザラする」といった感覚がつづくのが特徴です。

喉の違和感の原因についてはあまり分かってなく、そのほとんどがストレスが影響している、と言われています。

自律神経の乱れが起こす「ヒステリー球」は、体の病気や異変で起きる「喉の違和感」とは異なります。

ストレスを強く受けたり、緊張や不安を強く感じてると、喉に違和感を感じやすくなります。ストレスを感じると、自律神経が乱れて交感神経が優位になります。

交感神経が活性化すると、喉の筋肉が収縮して、食道が締め付けられます。食道が締め付けられることで、喉の違和感や圧迫感、飲み込むときの不快感を感じると考えられています。

関連記事:喉の違和感の原因は痰!?ストレス!?痰のからみ解消にはコレ!

咽喉頭異常感症(ヒステリー球)は自律神経の乱れが原因

喉の違和感(ヒステリー球)はストレスが原因だと言われていますが、ストレスが直接、喉に影響を与えるわけではありません。不安や緊張などが多くかかると、自律神経が乱れて喉の筋肉が収縮するからです。

では、自律神経とは何でしょう?

自律神経とは、内臓や血管など自分の意思で動かすことができない神経のことです。自律神経には「体を活動的にするための交感神経」と「体を落ちつかせ休めるための副交感神経」の二つがあります。

このアクセルとブレーキの役割を果たす二つの神経のバランスが乱れると、体に様々な悪い症状を引き起こしてきます。

関連記事:自律神経失調症

自律神経を整えてヒステリー球に対処する

喉の違和感がヒステリー球(ストレス)が原因の場合は、自律神経を整えることが大事です。

自律神経が乱れている時というのは、ほとんどが交感神経が優位になっているためです。ですから、副交感神経の方を活性化する必要があります。

副交感神経を優位にして自律神経を整える方法は沢山ありますので、簡単にできるおすすめの方法を一部ご紹介します。

【自律神経を整える方法】

  1. 朝起きたら、コップ一杯の水を飲む
  2. ガムを噛むと心が落ち着く
  3. ウォーキングやストレッチで軽く体を動かす
  4. 腸内環境を整える食生活を心掛ける
  5. 深呼吸をする
  6. どんな時も笑顔(または笑う)

特に腸内環境を整えると、幸せホルモン「セロトニン」が分泌されるため、ストレスが減少します。ストレスが減ると「喉の違和感」の治癒も期待できます。

関連記事:ストレスが口臭原因かも?口臭を改善するためのポイントについて

ヒステリー球以外に考えられる喉の病気

喉に炎症がおきると痛みや咳などを発症します。風邪やインフルエンザが原因のことが多いですが、たいていは発熱もあります。

痛みはないけれど、喉に異物感や違和感を感じたりすっきりしない場合には、咽頭炎、扁桃炎、胃食道逆流症のほか、咽頭がんや喉頭がん、声帯ポリープなどの重い病気のこともあるので、放置しないで受診することが大切です。

この他にも、新型コロナに感染した場合でも、喉に違和感があったり痛みがあります。最もよくある症状は、発熱・空咳・倦怠感で、時折見られる症状としては、喉の痛み・頭痛・味覚または嗅覚の消失などがあります。

※新型コロナが原因で喉に違和感を感じることがあります。
引用:厚生労働省コロナについて

えへん虫

えへん虫で喉がイガイガすると言っても、人によって状態も違えば原因も異なります。ですので、私の体験だけを読まれて原因を決めつけないでくださいね。

えへん虫で喉がイガイガするのはどうしてだと思いますか?

喉にはせん毛が生えています。せん毛は、喉に入ってくる菌やウイルスを肺に侵入させないように働いています。このせん毛のお陰で、風邪やインフルエンザが予防できるのです。

ところが、このせん毛は乾燥に弱く、動きが鈍くなると菌やウイルスに感染し喉がイガイガするようになります。

喉が痛くなるのは、咽頭に炎症が起きることで起きます。だから、対策として殺菌作用があるうがい薬やのどスプレーを使用します。しかし、それでも喉のイガイガが治らないケースが存在するのです。

【えへん虫の原因】

  • 部屋が乾燥し咳を繰り返すことで喉がイガイガしてくる。
  • 部屋の塵を吸い込み炎症を起こし、イガイガする。
  • 急激な気温の変化で喉が弱る。
  • 塵やほこりのアレルギー。
  • 喫煙による喉の炎症。
  • カラオケなどで大きな声を出し過ぎた。
  • 刺激の強い食べ物の過剰摂取による喉の炎症。
  • 逆流性食道炎で喉に炎症ができている。
  • ストレスや自律神経の乱れ。

以上が、えへん虫の原因です。喉の粘膜はデリケートです。そのため、声を出し過ぎたとか、喉が乾燥した程度でも、簡単に炎症を起こします。その炎症によって、喉がイガイガすることに。

痰・咳が続くときは、耳鼻咽喉科を受診しましょう。

喉の炎症

喉粘膜に炎症が起きると、喉が痛くなったりイガイガします。喉に炎症がおきる主な原因は次のようなことからです。

  • 細菌・ウイルス(風邪、インフルエンザ)
  • 飲酒(アルコール度の強い酒、飲みすぎ)
  • のどの酷使(大きな声を出す、カラオケの唄いすぎ)
  • 乾燥・寒さ(冬季の室内乾燥でのどが乾く)
  • タバコ(過剰喫煙、ニコチン・タールの強いタバコ)

参考:のどの炎症 Google

膿栓

Yahoo!知恵袋の質問に「のどに違和感を感じていて、扁桃に膿栓が溜まっている気がします。膿栓が取れると違和感もなくなりますか?」とありましたが、違和感の原因が膿栓であれば、それがなくなれば違和感もなくなるハズです。

参考:喉に膿汁(のうじゅう)が着くと臭い!?膿汁とは?その原因と対策

しかし、膿栓が取れても喉に粘液が付いていると、違和感は続きます。実は、えへん虫の正体は、膿栓になる前段階の膿汁(のうじゅう)が、喉のイガイガなど違和感の原因になっていることが多いのです。

⇒⇒ 膿栓と舌苔の取り方…シャワーで洗浄

ですから、えへん虫を解消するためには、うがいで予防することが有効です。おすすめなのは、アルカリイオン水で喉うがいする方法です。

ただし、膿栓がよく溜まる場合は、慢性の扁桃炎になっているかもしれませんので、一度耳鼻咽喉科で診てもらうことをおすすめします。

詳しくは、こちらの記事『口臭の元になる「臭い玉」の原因と対策』がご参考になります。

まとめ

のどの痛みや違和感は、精神的ストレスだけが原因ではありません。風邪などから発症する場合や、のどの慢性炎症やアレルギー、喘息などの全身性のものもあります。また、逆流性食道炎など胃や食道に原因がある場合もあるので、自己判断しないで専門病院を受診するようにしましょう。

フッ素の虫歯予防効果や安全・毒性について(歯磨き粉成分解説)

フッ化物配合歯磨き剤について

歯磨き粉に配合される「フッ素」について解説します。歯磨き剤の特徴や効果、作用、安全性(毒性)、注意点についても紹介します。

この記事は、口腔ケアアンバサダー(社団法人口腔ケア学会認定)の上林登が書きました。

フッ素の特徴を要約

【フッ素のメリット】

  • 虫歯を防ぐ
  • 耐酸性を高め歯をかたく丈夫にする
  • 再石灰化により歯の修復を促進する
  • 虫歯菌の働きを抑制する

【フッ素のデメリット】

  • フッ素だけでは虫歯は予防できない(歯磨きと食生活が大事)
  • 子どもが過剰に摂取した場合はフッ素症のリスクがある
  • 一度に多量のフッ素を誤飲した場合は急性中毒のリスクがある

※通常使用であれば、妊娠中・授乳中であっても影響はありません。

★合わせて読んでほしい記事
買ってはいけない歯磨き粉!成分とその理由
フッ素入り歯磨き粉は危険!?
オーガニック歯磨き粉のメリットとデメリット

フッ素とは

フッ化物、フッ素化合物を「フッ素」と呼び、自然界に存在しています。フッ素は歯質を強化し、むし歯菌の活性を弱めます。その結果むし歯を予防する効果があります。

特徴

フッ素の3つの作用によって虫歯を予防します。

  1. 酸により歯から溶け出したカルシウムやリンを補う「再石灰化」を促進します。
  2. フッ素がエナメル質を溶けにくくするため、むし歯になりにくくします。
  3. むし歯菌の働きを弱め、酸がつくられるのを抑えます。

フッ素はむし歯予防の効果が高いため、通常、予防歯科や歯科治療ではフッ素塗布をおこないます。また、ほとんどの市販歯磨き粉にはむし歯予防成分としてフッ素が添加されています。

安全性・毒性・注意点

フッ素はミネラルの一種で、人体や自然界に存在すると言われています。一般的な成人では、約2.6g程度のフッ素が体内に存在しています。魚介類や海草には2~10ppmのフッ素が含まれていて、乾燥したお茶の葉もフッ素を含んでいます。ですから通常の使用では有害性はありません。

フッ素の人体への影響が危惧されていますが、うがいや塗布などでフッ素が「口の中に残る程度の量」であれば、体に影響を与えることはありません。

しかし、フッ素を安全に使うには、歯磨き剤などに記載された用法を守り、長期期間、過剰摂取しないように注意しましょう。

参考記事>>e-ヘルスネット「フッ化物配合歯磨き剤」(厚生労働省)

まとめ

フッ化物配合歯磨き剤は、耐酸性・再石灰化・菌抑制の働きがあるため、むし歯予防の効果が期待されています。

しかし、虫歯の原因となる、プラーク(細菌)を除去するためには、現状では、歯ブラシでこすって取る方法しかありません。あくまでも、フッ素は、むし歯予防の補助ツールだと理解する必要があります。

また、毎日歯磨きしていても、プラークや歯石は残るので、定期的に歯科検診(歯石除去やクリーニング)も受けるようにしましょう。