銀歯が取れたり虫歯を治療した後に、銀歯にするかセラミックにするか迷われている方のために、銀歯とセラミック歯の値段やメリット・デメリットについてご説明いたします。ご参考にしてくだされば幸いです。
この記事は、口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登が書きました。
銀歯とセラミックは素材が違う
虫歯で歯を削った後は、欠損部を人工的に補う必要があります。修復範囲の大きさによって小さなものから、インレー(詰め物)、クラウン(被せ)、ブリッジ(連結歯)があります。
保険適用の素材としては、金銀パラジウム合金(銀歯)と硬質レジン(樹脂)があります。自費診療の素材には、ゴールド(金歯)やセラミック(陶器)があります。
パラジウム合金に対する金属アレルギー反応を持つ人の割合は2~3割あるそうですので、健康を心配される場合は銀歯を外されて白い歯にやり替えてはいかがでしょう。
保険適用と自費診療では値段が大きく違うのはなぜ?
保険適用の歯(銀歯やレジン歯)と自費診療のセラミック(またはハイブリッド)では、値段に大きな差があります。
値段に差がある理由は、審美性、いわゆる見た目です。自費診療のセラミックの場合は、見た目が自然に近い歯で黄ばみが付かないのが特徴ですが、保険適用の硬質レジン(樹脂)は透明性に欠けたり、歯の色が黒ずむ欠点があります。
銀歯とセラミックの寿命
人口歯(補綴物)の寿命は、支台歯との間に隙間ができて虫歯や歯周病になるため、平均的な寿命は8年ほどです。
虫歯や歯周病になったら、人工歯を外して治療した後に作り替えないといけません。
人工歯を入れてから長期間立っている場合は、外見はきれいでも、銀歯や差し歯の下が虫歯になっているケースがあります。レントゲン撮影をすると銀歯の下の虫歯でも容易に見つけることが出来るので、ご心配ならレントゲン検査をおすすめします。
銀歯とセラミックの値段
・保険適用で「金銀パラジウム合金」のクラウン(被せ)を入れた場合…3割負担の場合、約3,500円×本数(ここに初診料、再診料などが加わる)
・保険適用で「硬質レジン」の差し歯(硬質レジン前装冠)を入れた場合…3割負担の場合、約7,000円×本数(ここに初診料、再診料などが加わる)
・自費診療(保険外)で「セラミック」や「ハイブリッド(セラミックと樹脂を混ぜ合わせたもの)」の歯を入れた場合の値段は、材料や治療方法、補償などに違いがあるため歯科医院によっても大きく差があり一概に比較することはできません。
診療前にしっかりと保険診療との違いなど説明を受けてから、保険にするか自費診療にするか決めましょう。
【自費診療(保険外)の場合の値段の目安】
- セラミック…6万円~13万円
- ハイブリッド(セラミックと樹脂の混合)…3.5万円~7万円
保険適用で歯を白くしたい?
保険適用で前歯を白くすることができます。この場合、硬質レジンという樹脂素材を使うため、表面を白い樹脂にして裏の咬合面が金属の差し歯(被せ)にします。裏が金属であるため、人工歯の破折を防ぐことができます。
奥歯を白くする場合には、レジン(樹脂)にすると破折するためできません。噛み合わせの力が強くかかる人の場合は、セラミックでも破折しますので、銀歯をおすすめします。
奥歯には、レジン(樹脂)のインレーを入れることも可能ですが、樹脂がすり減って虫歯になりやすいのが欠点です。
金属の方が硬くて割れにくいため、保険の範囲で治療するなら銀歯を選択した方がいいですが、どうしても白い歯を希望するのでしたら、自費診療のセラミックやハイブリッドという選択肢もあります。