【歯科衛生士監修】電動歯ブラシだけでは不十分?歯医者が使わない理由と正しい使い方

歯磨きしている歯医者と歯科衛生士

歯科専門家の視点:電動歯ブラシの真実と適切な使用方法

口腔ケアアンバサダー(社団法人 日本口腔ケア学会認定)の上林登です。

歯磨きが不十分だと、虫歯や歯周病のリスクが高まります。そこで手軽で効果的な電動歯ブラシが注目されていますが、一方で歯科医からは「正しい使い方を理解していないと逆効果になる」という指摘もあります。

本記事では、歯科医師や歯科衛生士の専門家の見解を踏まえ、電動歯ブラシの真実や適切な活用法について解説します。

電動歯ブラシのメリット・デメリット、手動歯ブラシとの違い、種類と特徴、正しいブラッシング方法、バッテリーの扱い方、歯間ブラシとの併用の必要性など、知っておくべき重要ポイントを押さえていきます。

単に電動歯ブラシを使えばよいわけではありません。歯科の専門家からのアドバイスに基づき、上手に電動歯ブラシを活用することで初めて、虫歯や歯周病を予防できるのです。歯の健康を守るためのヒントが満載の本記事を、ぜひ参考にしてください。

この記事は、現役歯科衛生士の上林ミヤコの監修で、口腔ケアアンバサダーの上林登がChat GPT-4で書いています。

歯医者が電動歯ブラシを使わない理由とは?

歯科医が電動歯ブラシを使わない理由は何なのでしょうか。

歯科衛生士監修:電動歯ブラシのメリットとデメリット解説

まず、電動歯ブラシのメリットとデメリットを確認しましょう。電動歯ブラシは高速振動やパルス水流などにより、手動の歯ブラシに比べて歯垢除去力に優れています。

回転や振動によって効率的に汚れを落とすことができ、磨き残しが少なくなるのが大きな魅力です。また、磨く動作が自動化されているため、手が不自由な人でも使いやすいのも特徴の一つです。

一方で、デメリットとしては高価であること、電池や充電が必要なこと、間違った使い方をすると歯や歯肉を傷つけるリスクがあることが挙げられます。電動歯ブラシのパワーを過信して、磨き過ぎたり無理な角度で押し付けたりすると、逆効果となり歯茎を傷め、歯茎下がりを起こす可能性があるのです。

なぜ歯医者は手磨きをおすすめするのか?

このような理由から、歯科医は一般に手動の歯ブラシを推奨する傾向にあります。手磨き歯ブラシであれば、患者自身が磨き方を自在にコントロールできるため、過剰な力が加わるリスクが低くなります。虫歯や歯周病のリスクを軽減するには、正しい知識と技術による丁寧な歯磨きが欠かせません。

つまり、歯科医が電動歯ブラシを使わない最大の理由は、患者が正しい使い方を理解していないために、かえって害になる恐れがあるからなのです。

電動歯ブラシと脳への影響について

また最近では、電動歯ブラシの高周波振動が脳に及ぼす影響についても注目されていますが、一般的には心配する必要はないとされています。

ただし、電動歯ブラシの振動が不快感を与える場合や、特定の医療状態にある場合は、使用を控えるか、歯科医師に相談することをお勧めします。

電動歯ブラシの正しい使い方

歯医者が指摘するように、電動歯ブラシを正しく使わないと逆効果になる可能性があります。そこで、電動歯ブラシを有効に活用するための正しい使い方を解説します。

正しいブラシの選び方と使い方

電動歯ブラシを選ぶ際は、自分の口腔内の状態に合ったものを選ぶ必要があります。歯肉が弱い人は、やわらかめの振動のものを、歯垢がつきやすい人は強めの振動のものを選ぶなど、歯科医や歯科衛生士に相談して適切なものを選びましょう。

使い方も重要です。無理な角度で歯や歯肉に当てないよう注意し、ブラシヘッドは歯に対して45度程度の角度をキープします。強めに押し付けすぎないことも大切なポイントです。

歯磨き粉と電動歯ブラシ:最適な組み合わせは?

電動歯ブラシを使う際の歯磨き粉の選び方にも注意が必要です。市販の一般的な歯磨き粉には、研磨剤が含まれています。電動歯ブラシの高速振動と合わさると、強すぎる研磨効果で歯の表面を削ってしまう可能性があります。

歯科医からは、できれば電動歯ブラシ専用の低研磨タイプの歯磨き粉を使うことが推奨されています。一般的な歯磨き粉を使う場合でも、振動の弱いタイプの電動歯ブラシを選ぶなど、配慮が必要になります。

歯科衛生士指導: ブラッシングの基本手順とポイント

次に、電動歯ブラシを使ったブラッシングの手順を確認しましょう。歯科衛生士の指導に基づく基本的な手順は、以下の通りです。

1. 歯ブラシの電源をONにする
2. 歯と歯茎の境目から少し歯茎側に当てて、歯並びに沿って動かす
3. 1カ所10回程度ブラッシングし、計2分かける
4. 上下顎、左右すべての部位を行き渡らせる
5. 最後に舌の清掃は、専用の舌ブラシを使い手動で行う

指先で確認しながら丁寧に行うことが重要です。電動歯ブラシは磨き残しが少なくなる半面、ムラができやすい傾向もあるためです。さらに、歯間部分はブラシが入り込めないので、電動歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやフロスとの併用が不可欠となります。

このように、電動歯ブラシには適切な使い方があり、それを守ることで虫歯や歯周病の予防につなげられます。歯科クリニックで正しいブラッシング方法を学び、日々の習慣に取り入れていきましょう。

電動歯ブラシと普通の歯ブラシ、どちらがよいの?

歯垢除去や歯磨きの効率を考えると、電動歯ブラシは手動歯ブラシに比べてメリットが大きいように思えます。しかし一方で、正しい使い方を守れなければ逆効果になるリスクもあります。そこで、歯科医の見解を基に、両者の違いや適した使用者について確認しましょう。

歯科医が見る電動歯ブラシと手動歯ブラシの違い

電動歯ブラシと手動歯ブラシの最大の違いは、歯垢を除去する「動き」にあります。手動歯ブラシは自分の手の動きで汚れを取り除きますが、電動歯ブラシは高速振動で、口腔洗浄器はパルス水流で、機械的に汚れを落とします。

この「動き」の違いが、二つの歯ブラシの長所と短所を生み出しています。手動歯ブラシは、自分の歯茎や口内の状態に合わせて動作をコントロールできるメリットがあります。

一方の電動歯ブラシは、機械の力で効率的に歯垢を除去できる半面、間違った使い方をすると歯茎を傷つけるリスクもあるのです。

向いている人と向いていない人: 電動歯ブラシの適正な使用者について

歯科医からは、電動歯ブラシの適正な使用者について次のようなアドバイスがあります。

・子供や高齢者は誤った使い方をしがちなので、手動歯ブラシがベター

・指先が不自由な人は、電動歯ブラシの方が使いやすい

・知的障害がある人は、動作を理解できず電動歯ブラシは向かない

・口腔内が清潔な人は電動歯ブラシで効率的な歯垢除去ができる

つまり、正しい使い方を理解し実践できる人が電動歯ブラシに適しており、そうでない人は手動歯ブラシを選ぶべきだと歯科医は指摘しています。

歯科医推奨: 理想的なケア(オーラルケア)を目指して

歯科医が推奨しているのは、電動歯ブラシと手動歯ブラシを上手く併用することです。自宅では手動歯ブラシで丁寧に磨き、電動歯ブラシは歯科クリニックでの指導の下、定期的なメンテナンスとして使うのが理想的です。

また、電動歯ブラシに頼りすぎずに、歯間ブラシやフロス、洗口液の利用など、総合的なオーラルケアを心がけることが大切だと歯科医は説きます。

歯科医の見解を踏まえると、歯ブラシは手動と電動の長所を理解して、自分に合ったものを選び、上手に併用していくことが賢明な方法といえるでしょう。それが虫歯や歯周病のリスクを減らし、健康な口腔内を維持するためには不可欠なのです。

特に歯周病の予防には、電動歯ブラシによるブラッシング後に、口腔洗浄器のパルス洗浄を行うと効果的です。

電動歯ブラシの種類と特徴

電動歯ブラシには様々な種類があり、動きの違いから得られる効果も様々です。自分の口腔環境に合った適切な電動歯ブラシを選ぶことが重要になります。

振動タイプ〜音波タイプまで:各種電動歯ブラシの動き

主な電動歯ブラシのタイプと動きの特徴は以下の通りです。

【振動式】
ブラシ先端が高速で左右や前後に振動する。振動数は数千~2万回/分程度。歯垢は振動で取り除かれる。弱めの振動なので安全性が高い。

【回転式】
ブラシヘッドが円を描くように回転する。回転数は数千~1万回/分。振動式より強めの動きで歯垢除去力が高い。

【音波振動式】
超音波振動でブラシを高速振動させる。振動数は数万~30万回/分と高速。歯面の汚れを徹底的に落とせる。

【パルス水流式】
ブラシの先端からパルス状の高圧水流を出し、歯垢を排出する。水流の刺激で歯周ポケットの汚れも落ちやすい。

このように、電動歯ブラシの動きによって得られる効果は異なります。強すぎる動きは歯茎を傷つけるリスクもあるため、自分の口腔状態に合わせて適切なタイプを選ぶ必要があります。

インプラントケアに最適な電動歯ブラシの選び方

インプラントを入れている人は、インプラント周囲の歯茎の清掃が特に重要となります。インプラント周りにプラークが付着すると、歯周病が進行しやすくなるためです。

そのため、インプラントケアには高い歯垢除去力がある音波振動式や回転式の電動歯ブラシが適しています。一方、振動が弱めの振動式は力が足りないでしょう。

また、剛毛よりも極細で柔らかいブラシヘッドを選び、優しく丁寧に磨くことが大切です。電動歯ブラシとプラスでインプラント専用のブラシやケアグッズも併用するとより良いでしょう。

歯科衛生士の視点: 電動歯ブラシの適切な交換時期と方法

電動歯ブラシは消耗品です。ブラシ先端の毛がつぶれてくると歯垢除去力が落ちます。そのため、定期的な交換が必要不可欠となります。

歯科衛生士からの一般的な交換の目安は、「3か月に1回」です。ただし、使用頻度が高ければさらに早めの交換が必要かもしれません。

交換時にはブラシヘッド部分のみを取り換え、本体は長持ちさせるのがコツです。本体を無理に振ったり落とさないなど、丁寧に扱うことで、長期間快適に使い続けられます。

このように、電動歯ブラシには用途に合わせて様々な種類があり、特性を理解して最適なものを選ぶことが大切になります。選び方を間違えれば逆効果になりかねません。歯科医や歯科衛生士に相談し、適切にメンテナンスもしながら活用していきましょう。

電動歯ブラシの正しい使い方とメンテナンス

電動歯ブラシを適切に活用するためには、正しい使い方とメンテナンス方法を押さえることが重要です。歯科衛生士の指導を参考に、効率的な歯磨き方法やブラシの手入れなどについて解説します。

歯科医師が教える: 電動歯ブラシの効率的な使い方

まず基本的な使い方ですが、歯科衛生士はこうアドバイスしています。

「ブラシヘッドを歯に対して45度程度の角度で当て、歯と歯肉の境目から少し歯肉寄りに置きます。そこから歯の一部分ずつ、ブラシを10回程度かけるように動かしていきましょう」

この動作を1カ所ごとに行い、上下顎の内側と外側、すべての部位を行き渡らせます。ポイントは強く押しすぎず、丁寧に動かすことです。

また、一般に推奨されるブラッシング時間は2分程度。歯磨き時間が短すぎると、部分的な磨き残しが出る可能性があります。

さらに、電動歯ブラシだけでは歯間部分の汚れは取れません。そのため、歯間ブラシやフロスなどとの併用が必須となります。

電動歯ブラシのバス(充電)や電池の使い方

多くの電動歯ブラシはバッテリー駆動なので、正しい充電や電池の扱いが大切です。

まずバスの場合、必ず本体に付属の専用アダプターを使用しましょう。一般的な携帯電話などの充電器を使うと故障の原因になります。充電はブラシを使わない時に行い、過充電に注意しましょう。

電池式の場合は、メーカー指定のアルカリ電池かリチウム電池を使いましょう。電池残量が少なくなると振動が弱まるので、その際は新品に交換しましょう。使い古し電池は適切に処分することが大切です。

このようにバッテリーに気をつけつつ、クリーニングもしっかり行い、愛用の電動歯ブラシを長持ちさせることが大切です。

歯磨きが十分でない部分のケア: 歯間ブラシとの併用

電動歯ブラシはブラシの動きが大きいため、歯間部分や歯周ポケットの奥まで届きにくい傾向があります。そのため、その部分の清掃が不十分になりがちです。

歯科医師は「電動歯ブラシだけでは不十分で、歯間ブラシやフロスとの併用が欠かせない」と口をそろえています。

歯間ブラシは、サイズに合わせて歯間の奥までぴったり入り込むことができます。また、歯周ポケットの掃除にも適しています。一方でフロスは、前歯の歯間の奥の細かい部分の清掃に効果的です。

このように、電動歯ブラシでの汚れ除去の後に、歯間ブラシやフロスでさらに入念な清掃を行うことが大切となります。手入れを怠らず、理想的なオーラルケアを目指しましょう。

まとめ

電動歯ブラシには手動歯ブラシにはない高い歯垢除去効果がありますが、歯科医は正しい使い方を理解していないと虫歯や歯周病のリスクが高まると指摘しています。

適切な電動歯ブラシの選び方、正しいブラッシング方法、歯磨き粉の使い分け、ブラシヘッドの交換タイミングなど、注意すべき点は多岐にわたります。一方で、電動歯ブラシだけでは歯間部分の汚れは落とせません。歯間ブラシやフロスなどとの併用が不可欠です。

歯科医師や歯科衛生士から適切なアドバイスを受けながら、電動歯ブラシと手動歯ブラシのメリットを上手く組み合わせることが、理想的なオーラルケアを実現する近道といえるでしょう。手軽で効果的な電動歯ブラシを活用しつつ、定期的なプロによる口腔ケアを受けることが大切なのです。

・参考:電動歯ブラシ専用!おすすめの歯磨き粉ランキング&選ぶポイント

歯を傷つけないようにするには、研磨剤無添加の歯磨き粉を使うと安全です。また、液体歯磨きを使うと電動歯ブラシ(替えブラシ)の故障や消耗を長引かすことができます。

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