口臭が発生するしくみを知れば効率よく対策ができる
多くの人たちが口臭で困っていいます。でも、口臭が発生するしくみまでは知らないのではないでしょうか。
口臭発生のしくみを知らなければ、適切に口臭対策できません。しかし、口臭がどのようにして発生するのかを知れば、予防だけではなく解決することも可能になります。
今回の記事では、口臭が起きるしくみについてお伝えします。ぜひご参考にしてください。
口臭とは
口臭というと、口から発生するニオイのように聞こえますが、実際は口から発生する息だけではありません。
もちろん、口臭は口からも発生しています。虫歯、歯周病、舌苔、唾液、口にこもっているガス、これらが口臭になることが多いかもしれません。
しかし、口臭はそれだけではありません。蓄膿症(副鼻腔炎)などによって鼻から発生する口臭もありますし、扁桃腺炎で膿栓ができることで喉から口臭が発生する場合もあります。
他にも、肺から出る呼気による口臭もあります。この場合は、胃腸で発生したガスが血管に吸収され肺をとおり鼻から吐き出される息が臭います。胃腸で発生したガスが口から吐き出されることはないのですが、そのように誤解されている方も多いので間違えないようにしてください。
口臭が発生する部位については、『口臭原因1位、2位、3位』がご参考になります。
自分で口臭を判断するのは困難
口臭や体臭を感じるのは、鼻と嗅覚です。しかし、人の嗅覚は同じニオイを嗅ぐと麻痺して判断できなくなります。嗅覚はそのように作られています。そうでないと、口臭や体臭がひどい人は、臭くて仕方ありません。
だから、自分の口臭が分からないのが普通です。それなのに、「口臭がしている」と思うのは、脳が嫌な感情体験を記憶しているからです。
たとえば、自分で「口臭がしているかもしれない」と不安に思っているときに、話相手が鼻を押さえたら、「やっぱり口臭がしている」と考えるのが普通でしょう。
そして、その後同じように気にしている時に、周囲の人が咳や鼻すすりをしたとしたら、「口臭がしている」と嗅覚が敏感になり、ささいなニオイでも「臭い!」と感じるのです。
これが、口臭の厄介なところです。気にすぎると、精神的うつを伴う自臭症になる人もあるのでご注意ください。こちらの記事『本当に口が臭いのに自臭症と診断された!口臭がする原因と対策』もご参考にしてください。
細菌が口臭をつくる
身体のニオイはすべて細菌が作っています。細菌がたんぱく質を分解するときにガスを発生するからです。
細菌があるから口臭がするわけです。逆に考えれば、細菌がなければ口臭は発生しません。
人の体には細菌の存在が必要ですので、細菌をなくすことはできませんが、多すぎると問題です。ですから、細菌が増えないようにコントロールすることが、口臭を出なくするためには重要なポイントになります。
詳しくは、『舌の細菌が口臭を発生させる!原因は歯周病菌が舌に感染するから』をご参考にしてください。
一般的な口臭の発生
普通、健康な人の場合には、起きている間絶えず唾液が出ています。唾液には酸素が含まれているために、口臭をつくるといわれている嫌気性細菌が増えることができません。
ところが、口の中には、嫌気性細菌だけではなく好気性細菌もあります。この好気性細菌が唾液中の酸素を消化します。
緊張などで唾液が出なくなると、唾液の酸素が減り一気に嫌気性細菌が増殖します。嫌気性細菌は、唾液や舌に付着したタンパク成分を分解するのですが、この時、ニオイ物質も作りだすのです。口が乾くとニオイ物質が気化し口臭となります。
これが、一般的に口臭が発生するしくみです。緊張や空腹時には交感神経が優位になり唾液が粘つきます。そのため、口腔が乾燥し口臭が発生しやすくなります。
このように、唾液の分泌は自律神経が影響します。ですので、唾液が出ない、粘つくという場合には、ストレスを軽減することが大切です。
楽しいことを行い、よくしゃべり、よく笑うことなどでリラックスすると、副交感神経が働き、サラサラとした唾液が出るようになります。唾液がたくさん出ると口臭もしなくなります。
舌から発生する口臭
口臭原因で最も多いのが舌苔(ぜったい)です。舌の汚れが口臭原因の6~7割を占めるともいわれています。
ところが、この舌苔(ぜったい)はどのようにして出来るのでしょう?また、どうして舌から口臭が発生するのでしょう?
舌の表面は乳頭で覆われています。絨毯のような感じです。ですから、舌には、食べかすだけではなく、細胞の剥がれたもの、血球、細菌の死骸などが付着しやすいのです。
それでも、唾液がたくさん出ている時には、それらの汚れは唾液によって洗い流され嚥下します。だから、健康な人の舌はきれいに保たれるのです。
ところが、ドライマウス症などで唾液が出ないと、舌についた汚れは細菌のエサとなりプラークが増えて舌苔(ぜったい)となります。
口が乾燥すると、プラークから臭い物質が気化して口臭となります。舌苔の対策方法については、こちらの記事『舌磨きをしないで舌苔(ぜったい)を取る方法!舌を磨くと逆効果になるのでご注意ください』をご参考にしてください。
歯周病菌が口臭を発生する
この他にも口臭が発生することがあります。それは、歯周病です。
歯周病になると、歯肉に炎症が生じ歯周ポケットが深くなります。歯周ポケットの中には膿や細菌がたまり悪臭を発生します。歯周病になると口臭が強くなると思ってください。
歯周ポケットができると、一般的な歯磨き程度ではプラークは除去できません。そのことが、歯肉炎や歯周炎が治りにくい原因になっています。
歯周病の対策については、こちらの記事『歯周病の口臭、出血、歯茎の腫れに効く歯磨き粉の選び方』をご参考にしてください。
膿栓(臭い玉)ができ口臭が発生する
蓄膿症(副鼻腔炎)など耳鼻科の炎症をおこすと、喉に細菌がふえ扁桃腺炎になることがあります。詳しくは『鼻の中が臭い!原因不明の場合は蓄膿症に注意、「3割の裏にある後鼻漏」』をご参考にしてください。
喉(のど)に細菌が増えると、膿栓(臭い玉)や粘液(膿汁のうじゅう)が出来、細菌と臭い物質が含まれる粘液が口に流れ唾液に混じります。この唾液が舌や粘膜に付着して、気化し口臭を発します。
膿栓(臭い玉)の対策については、『口臭の元!臭い玉(膿栓)ができる4つの原因と取り方』をご参考にしてください。
今回ご紹介したものが、口臭のほとんどを占めています。口臭を解決するためには、このしくみを知るだけで効率よく対処できることになります。