口臭対策

口臭原因を一発で特定|臭い別チェック表と“今すぐ”対策

口臭の原因はどこ?——8割は口の中。舌苔/歯周病が主因【図解】

こんにちは、口腔ケアアンバサダー(社団法人 日本口腔ケア学会認定)の上林登です。
監修:歯科衛生士 上林ミヤコ

はじめに:なぜ「原因×対策」のペアが大切なのか?

まず結論

  • 口臭の大部分は口腔内由来。主因は舌苔(ぜったい)と歯周病
  • 朝・空腹・緊張で強くなる口臭は多くが生理的(一時的)。
  • 便臭・甘い果実臭・アンモニア臭などは医科受診の目安(糖尿病・腎/肝障害・耳鼻/消化器疾患など)。

根拠:厚生労働省 e-ヘルスネット、日本歯科医師会、第一三共ヘルスケア ほか(末尾「参考文献」参照)

30秒セルフ判定(Yes/Noチャート)

口臭原因タイプ早見表

  1. 朝/空腹/緊張で強い・口が乾く → 生理的口臭 が有力
  2. 歯ぐきの腫れ/出血、むし歯痛、舌が白い → 口腔内(歯周病/舌苔/むし歯)
  3. 胸やけ/逆流、鼻づまり/後鼻漏、のど違和感 → 口腔外(消化器/耳鼻/代謝)
  4. 周囲は気づかないのに自分だけ強く気になる → 心因性

内臓が原因の口臭の見分け方と受診ラインはこちら

1分でわかる!口臭タイプをセルフ診断

今すぐチェックする

臭い×原因×対策 1画面マトリクス(VSC連動)

においのヒントから、疑う部位と「最初の一手」を素早く特定できます。

においの表現 主なガス(VSC) 疑う部位/原因 最初の一手 受診の目安
卵が腐ったよう 硫化水素(H₂S) 舌苔/プラークの増加 舌清掃(やさしく1日1回)+フロス 改善乏しければ歯科
玉ねぎ/キャベツ系の刺激臭 メチルメルカプタン(CH₃SH) 歯周病(ポケット内の嫌気性菌) 歯科での歯周治療+セルフケア強化 出血/腫脹あれば早めに歯科
生ごみ/海苔のよう ジメチルサルファイド(DMS) 舌苔/慢性炎症/口腔乾燥 保湿になる生活改善+うがい 長引くなら歯科
甘い果実臭(アセトン) ケトン体 糖代謝異常(糖尿病など) 水分/食事調整(応急) 内科へ(要検査)
アンモニア/魚臭 アミン類(TMAなど) 腎/肝障害、TMAU 口腔ケア+体調観察 内科へ(要検査)
便臭・膿っぽい臭い 混合 副鼻腔炎/後鼻漏/扁桃炎 など 鼻/喉の加湿・洗浄 耳鼻科へ

タイプ別の原因と「最短ルート」

生理的(朝・空腹・マスク/緊張)→ 時短ケア

唾液が減ると細菌が増え、VSCが増産されます。まずは「水分・噛む・鼻呼吸」。朝・会議前などは次の即効ケアを。

  1. 常温の水をひと口含んで10秒ほどゆすぐ
  2. キシリトールガムを2〜3分噛む
  3. 鼻呼吸に切り替える(口閉じ→鼻から3回深呼吸)

詳しくは → 寝起き口臭のない人は何をしている?

病的(口腔内:歯周病/むし歯/舌苔)→ プロ×セルフの黄金比

歯周病はメチルメルカプタンが増えやすく、舌苔と相乗して臭いが強まります。歯科のプロケア(歯石・バイオフィルム除去)と、家庭での「弱い力×一方向×低頻度」の舌清掃を組み合わせます。

  • 舌ブラシは奥→手前に一方向、1〜2ストローク/日まで
  • しみたら即中止 → 舌ケアは48時間お休み(再炎症防止)
  • 出血や腫れ、冷水痛が続く時は歯科で診断を

基礎は → 舌苔の治し方(安全ガイド)日本歯科医師会:口臭

病的(口腔外:胃食道逆流/後鼻漏/扁桃・代謝)→ 何科へ・赤旗

胸やけ・酸っぱい逆流感は消化器、鼻づまり・ねばい鼻汁/痰は耳鼻、強い便臭や膿臭は扁桃/副鼻腔炎のサイン。甘い果実臭(アセトン様)、アンモニア臭、魚臭(TMA様)は内科での評価が必要です。

詳しくは → 後鼻漏の原因と治療法ガイド第一三共ヘルスケア:口臭の症状・原因

心因性(自臭症)→ セルフモニタリングと相談先

「自分だけ強く臭う気がする」「指摘はないのに不安が消えない」場合。口臭日記(時刻/場面/体調/口腔ケア)を1〜2週間つけ、必要に応じて口臭外来・心理カウンセリングと連携しましょう。

参考 → ストレス口臭の原因と解決法

シーン別:今すぐ弱める(5パターン)

朝(起床直後)

  • 水をひと口→10秒ゆすぐ
  • 舌はこすらず、軽いうがい→ガム2分
  • 朝食はたんぱく質+発酵食品を少量

空腹時(作業中)

  • 無糖飲料を常温で小まめに
  • キシリトールガム or 無塩ナッツを少量
  • 口が乾くなら鼻呼吸スイッチ(3回)

会議・商談の直前

  • 水→10秒うがい→ガム2分の順
  • 舌ブラシは直前にしない(刺激で逆効果)
  • ミントは一時的。根本は後述のケアを

デート前(近距離会話)

  • ニンニク・アルコールは4〜6時間前まで
  • 保湿スプレーより水+ガムの方が安定
  • 不安が強い時は深呼吸30秒で緊張ケア

マスク着用時(こもる臭い)

  • 不織布を新しいものに交換
  • 会話の合間に「鼻呼吸3回」リセット
  • マスク内は乾燥しやすい→小まめに水分

受診目安(赤旗チェック)

  • 甘い果実臭(アセトン様)、めまい/意識低下を伴う → 内科(糖代謝)
  • アンモニア/魚臭、むくみ/倦怠/黄疸など → 内科(腎/肝)
  • 便臭・膿臭が強く長い/鼻・のど違和感 → 耳鼻咽喉科
  • 歯ぐき出血/腫れ/動揺、冷水痛が続く → 歯科(歯周/むし歯)
  • セルフケア30日で改善乏しい → 歯科→必要に応じて内科/耳鼻へ紹介

今日からの5習慣(再発させない)

  1. 水分:1.5〜2ℓを目安にこまめに(常温の水・緑茶)
  2. 鼻呼吸:就寝前の軽い口閉じテープ、日中は「鼻で吸う」意識
  3. 睡眠:就寝1時間前はスマホ断ち→副交感神経を優位に
  4. 食習慣:発酵食品/ポリフェノール、就寝前2時間の飲食は控える
  5. 刺激物を控える:喫煙・アルコール・唐辛子/にんにくは場面に応じ調整

関連 → 20代女性に多い口臭を知っていますか?

よくある質問(FAQ)

Q1. 歯磨きだけで口臭は防げますか?

A. 不十分なことが多いです。舌苔や歯周ポケット内の細菌は歯磨きだけでは落ちにくく、フロスや歯間ブラシ、やさしい舌清掃、定期的なプロケアを組み合わせることが基本です。なお、ていねいに磨いているのにニオイが続く方は、具体的な1週間セルフケアをこちらでまとめています。 → 「歯磨き後もニオイが気になる方の1週間セルフケアガイド」

Q2. 舌ブラシは毎日して良い?

A. はい、ただし1日1回・一方向・弱い力・1〜2往復が上限。痛み/しみる/出血が出たら舌ケアは48時間お休みし、再開は最小回数から。

Q3. 「内臓が原因」かは、どう見分けますか?

A. 口腔ケアを続けても改善せず、上記の赤旗臭(果実臭/アンモニア臭/魚臭)や全身症状がある時は、内科で検査しましょう。

Q4. 会議やデート前、今すぐ弱めるには?

A. 水ひと口→やさしいうがい10秒→キシリトールガム2分→鼻呼吸に切り替え、で一時的なVSCを抑えやすくなります。

Q5. 何科から受診すべき?

A. まず歯科(むし歯/歯周/舌苔の評価)。その後、症状に応じて内科/耳鼻科へ連携すると効率的です。

著者の一言アドバイス

こすらず・薄めて・流す」が基本です。焦って強い摩擦に走るほど悪化します。迷ったらいったん舌ケアは48時間お休みして炎症を鎮め、再開は最小から。安全第一でいきましょう。

専門家に相談すべきタイミングと受診フロー

  1. 歯科:歯周/むし歯/舌苔の評価、PMTC、口臭計測
  2. 内科/消化器:胸やけ/逆流、血糖・肝腎機能の検査
  3. 耳鼻咽喉科:副鼻腔炎/後鼻漏/扁桃炎の鑑別
  4. 口臭外来/心理:心因性が疑わしい場合に併診

関連・内部リンク(重複を避けるため“概要→詳しくは”の導線)

まとめ

  • 主因は舌苔・歯周病。まず「水分・噛む・鼻呼吸」で一時改善。
  • 安全な舌清掃は弱い力×一方向×1日1回。しみたら48h中止
  • 果実臭/アンモニア/魚臭・強い便臭は医科受診の合図。
  • 30日で変化が乏しければ歯科→内科/耳鼻へ。

補助的な洗浄ケアとして、アルカリ性で「こすらず薄めて流す」方法は、短時間で摩擦を減らすのに役立ちます(治療の代替ではありません)。

こすらず薄めて流す 補助洗浄ケア

参考文献・公的情報

コンクールFは危険?原液NGの科学的理由と副作用|安全濃度の早見表【歯科衛生士監修】

コンクールf 副作用 危険について心配している男性

最終更新:2025-10-11|監修:歯科衛生士 上林ミヤコ/執筆:上林 登(口腔ケアアンバサダー)

結論:コンクールFは適切に使えば安全です。具体的には水25〜50mL+5〜10滴30〜60秒のブクブクうがい、終了後は水ですすがない——この3点を守ること。違和感が出る日は薄め・短時間に調整し、発疹・呼吸困難・舌/喉の腫れなど赤旗サインがあれば直ちに中止して受診を。

一次情報:メーカー公式PMDA注意喚起学術レビュー

関連ガイド(迷ったら先にこちら)

危険なの?:副作用の全体像と“起こりやすさ”

歯医者さんが患者にコンクールの安全な使用方法について説明するイラスト

コンクールF 副作用 危険」で調べている方へ。コンクールFの有効成分はグルコン酸クロルヘキシジン(CHX)です。副作用として着色(ステイン)・一過性の味覚変化・刺激感/粘膜の違和感が知られ、多くは中止や希釈調整で可逆的です。重篤なアレルギー(アナフィラキシー)は極めて稀ですが、見逃さないことが大切。安全性の枠組みは、レビューNHSの一般向け解説に整理されています。

稀だけどゼロではない:PMDAが警告する重篤例

PMDAは2017年の通知で、クロルヘキシジン含有製剤にショック/アナフィラキシーが起こり得る旨を明記。顔・唇・舌・喉の腫れ、息苦しさ、蕁麻疹、めまい等は救急受診レベルのサイン。使用を直ちに中止し受診してください(一次資料:改訂指示解説資料)。

日本は「低濃度」が前提(海外との濃度差)

海外のCHX洗口液は使用濃度0.12〜0.2%が一般的。一方、日本の家庭用は希釈して使う超低濃度運用です。参考試算として、国内解説では0.0001〜0.002%程度のレンジが示されています(原液濃度や滴下量の前提により変動)。参照:NHSc-gear.net

低濃度比較(目安)

地域/ソース 使用濃度の目安 備考
海外(一般) 0.12〜0.2% 術後や短期使用での運用が多い(医療者の指示に従う)。出典:NHS等
日本(家庭用・希釈) 約0.0001〜0.002%(参考試算) 原液濃度・滴下量の前提で変動。出典:c-gear.netの換算例

※本表は目安であり、医療上の判断・個別指示に優先しません。

原液NGの理由:仕組みと規制の背景

メーカーの明示:25〜50mL+5〜10滴/水ですすがない

メーカー公式は、水25〜50mLに5〜10滴を明示し、使用後は水ですすがないとしています。これはCHXが歯面・粘膜に吸着して持続性を発揮する性質を活かすため。原液使用は想定外です(Weltec製品ページ)。

用途外はリスク増:高濃度・頻回・自己注入は避ける

原液塗布や高濃度連用、歯周ポケットへの自己注入などの用途外は、刺激・誤嚥・アレルギーのリスクを高めます。副作用プロファイルと国内の注意喚起を踏まえ、家庭では推奨されませんレビューPMDA改訂指示)。

副作用の種類と回避策(表)

副作用 起こりやすい条件 予防・対処
着色(ステイン) 色素飲料(コーヒー・紅茶・赤ワイン)/プラーク残存 色素飲料の直後は避ける/定期クリーニング/濃度・頻度を調整
味覚変化・ピリつき 高濃度・長時間・連用時 薄め・短時間へ調整/一時休止→改善なければ受診
まれなアレルギー(アナフィラキシー) 既往アレルギー/高濃度暴露 直ちに中止→医療機関へ(呼吸困難・腫れ等は救急)

根拠:レビューNHS(多くは可逆)。

安全な希釈・使い方(HowTo)

標準レシピ(まずは就寝前1回)

  1. コップに水25〜50mL
  2. コンクールFを5〜10滴(迷ったら5滴)。
  3. 30〜60秒ブクブクうがい。飲み込まない。
  4. 終了後は水ですすがない(残留効果を活かす)。

就寝前を最優先。刺激が気になる日は薄め・短時間で調整(メーカー公式)。

家にある道具換算(目安)

  • 50mL ≒ 紙コップ約1/4弱、25mL ≒ 大さじ1+小さじ2
  • 初回は50mL+3〜5滴/15〜30秒→問題なければ「滴数→時間」の順で標準へ

赤旗サイン/受診の目安

  • 発疹・蕁麻疹・顔/唇/舌/喉の腫れ・息苦しさ・めまい:直ちに中止→医療機関(救急含む)
  • 強い痛み・大量出血・膿:自己判断で濃度を上げず受診
  • 腫れ・口臭が2週間以上続く/妊娠中・持病や服薬がある:主治医・歯科へ相談

根拠:PMDA改訂指示ASCIA(アレルギー情報)

よくある質問(PAA対策)

Q. なぜ原液はNGなの?

CHXは吸着して持続する性質があるため、適正濃度×短時間が基本。メーカーは25〜50mL+5〜10滴を明示、原液使用は想定外。高濃度は刺激・アレルギーリスク増(公式PMDA)。

Q. 子ども・妊娠中でも使える?

子どもは確実に吐き出せる年齢から。妊娠・授乳中は一般に使用可とされますが、体調不良時は控え、心配なら主治医へ(NHS)。

Q. 歯磨き粉と併用の順番は?

界面活性剤などの影響を避けるため、少し時間を空けてからコンクールFを使用すると持続性を活かしやすいと解説されています(NHS)。

Q. 長期使用は大丈夫?

着色・味覚変化などが一部で生じ得ます。濃度・頻度の調整定期クリーニングで多くは対応可能。違和感が続く場合は中止し相談を(レビューNHS)。

他成分との上手な使い分け

目的に応じて、CPC(塩化セチルピリジニウム)やEO(エッセンシャルオイル系)などの選択肢もあります。成分ごとの違いは、マウスウォッシュ比較と選び方で解説しています。

内部リンク(即効ケア→根本ケア→製品ケア)

即効ケア:口臭が気になる前夜にできる対策

根本ケア:舌のケアは“なでるだけ”の理由

製品ケア:マウスウォッシュ比較と選び方

参考文献・一次情報(厳選)


ご案内:就寝前ケアをやさしく続けたい方へ。アルカリイオン水ベースの「美息美人」は、口腔ケアアンバサダー上林登が推奨のセルフケア3ステップ(うがい→やさしいブラッシング→仕上げうがい)と相性の良い処方です。

口臭はアルカリうがいでケアするのがおすすめ