ぶよぶよ歯茎の治し方
口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登です。
歯茎が腫れてブヨブヨになりお困りですか?歯茎が腫れる原因はいろいろありますが、歯茎がブヨブヨになっている場合は、たいていが歯槽膿漏(歯周病)によるものです。
歯槽膿漏(歯周病)になると、歯茎が腫れる、歯ぐきの色が紫色になり見た目も悪くなります。それに、歯茎を強くブラッシングすると出血をします。
そして、歯槽膿漏(歯周病)は日増しに悪化するので不安になりますよね。だから、すぐにでも歯茎のブヨブヨに腫れたのを治したいのではないでしょうか?
今回の記事は、ぶよぶよになった歯茎の治し方についてお伝えします。
この記事の目次
歯茎がぶよぶよに腫れるのは
若い人の健康な歯茎は、ピンク色で引き締まっている。ところが、歯茎が腫れブヨブヨしていると、見た目が悪いですよね。ブヨブヨに歯茎が腫れている場合には、歯茎の色もピンク色ではなく紫色のような暗い色になっているのではないでしょうか。
歯茎が腫れていると、見た目だけではなく口臭も強くなります。見た目が悪いうえに口臭もするようになれば、いっぺんに老けたような気分になるかもしれません。
ところが、歯茎が腫れていても、ほとんどの人は「痛くない」と言います。歯茎が腫れていれば痛みがあるように思いますが、実は痛くないことのほうが多いのです。(歯周病の程度によっては、何もしていなくても痛い場合もあります。)
歯ぐきが腫れる原因は、歯槽膿漏(歯周病)だけではありません。次のような病気でも歯茎が腫れます。
- 歯茎の腫れる原因
- 歯肉炎・歯周炎
- 根尖性歯周炎
- 歯根膜炎
- 歯髄炎
- 歯根破折
- 口内炎
- 膿瘍(のうよう)
ところが、歯茎がぶよぶよに腫れる症状のケースでは、たいていが歯周病です。
歯周病の症状・原因については…
歯周病が進行しているサイン
歯茎が腫れる原因で一番多いのは歯周病です。
歯周病は進行する病気で初期段階では痛みはほとんなく、歯茎の部分を指で押さえると少し痛みを感じる程度です。
歯肉炎が少し進むと、歯ブラシ時に軽い出血を伴います。この状態をほっておくと、歯肉炎が進み、歯茎がぶよぶよに腫れた状態になります。
この状態を放置すると、歯周炎になり歯槽骨が溶けて歯がぐらついてしまいます。悪化すると、最終的には歯が抜けてしまうので、歯周病は早目に治療とケアを行い、進行を止めることが重要です。
ところが、歯周病はほとんど痛みがないため、知らないうちに進行することが一番の問題です。この進行度合いを目で確認できるのが、「歯茎のぶよぶよ」。
早目に予防すれば、歯周病の進行を止めることができるし、ぶよぶよ歯茎を引き締めることもできます。しかし、膿や血が出ることが多くなっているケースでは、治療をしても再発することが多くなります。
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ぶよぶよ歯茎の治し方
歯科治療で治す
歯周病で歯茎がぶよぶよに腫れている場合には、歯医者さんで治療しないといけません。先ほども申しましたが、歯周病を放置すると悪化するからです。
歯医者さんでは、歯周病の程度によって治療が異なりますが、基本的には、歯周ポケットの中をきれいにする治療になります。
歯科の主な治療は、歯石除去、歯のクリーニング、殺菌になります。歯茎を引き締めるには、これを定期的に受けることが大事です。できれば、2~3か月に一度は受けられることをおすすめします。
歯科で歯石除去やクリーニングを受けると、その後痛みを生じることがあります。歯に付いていた歯石や歯垢が取れたことによって、知覚過敏でしみたり痛むのですが、その場合は、刺激物を食べないようにしたり、ブラッシングを優しくすることが大切です。
歯にしみる痛みは、歯茎が引き締まることで徐々になくなっていきますが、痛みが続くような場合は歯科にご相談ください。
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セルフケア
ブラッシング
歯茎が腫れている場合には、柔らかい毛先の歯ブラシを使用するようにしてください。
歯周病は、歯科治療だけでなおる病気ではありません。毎日のブラッシングケアが重要です。どれだけ歯科で治療を受けてもブラッシングがうまくできていなければ、すぐに歯周病が悪化するのでご注意ください。
ぶよぶよの歯茎の場合に強くブラッシングすると血や膿が出ますが、排膿することで歯茎の腫れは治りやすくなります、だからといって、強くブラッシングすると、歯茎を傷め逆効果になることもあるので、磨き過ぎないようにご注意ください。
効果的にブラッシングするには、歯科衛生士さんから指導を受けられると良いと思います。正しい歯磨き方法について詳しくは、『正しい歯磨き方法と効果的な歯磨きの仕方の違いとは』をご参考にしてください。
ワンタフトブラシ
歯茎を引き締めるためには、歯ブラシだけでは難しいです。歯周病菌は歯周ポケット(歯と歯ぐきの境目の溝)にあるので、ワンタフトブラシで磨くと効果的にブラッシングできます。
フロス・歯間ブラシ
歯と歯の間は、歯ブラシで磨くのが難しい。そのため、歯間部の歯茎に炎症が起こりやすいです。この部分の清掃には、デンタルフロスや歯間ブラシを使用します。
歯磨き粉
歯ぐきが腫れている場合には、歯周病菌を殺菌する歯磨き粉を使用されることをおすすめします。歯磨き粉の種類は多くありますので、かかりつけの歯科医院でご相談されてはいかがでしょう。
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マッサージ
歯茎がぶよぶよの場合は、血行が悪いので、マッサージで血流を良くすると効果的です。マッサージ法は、手指を水道水で良く洗い綺麗な指で、何もつけずに歯茎全体をマッサージします。
毎日、朝と夜マッサージすると良いでしょう。
うがい
歯周病になると、嫌気性菌が増殖して口内環境が酸性化します。菌を増えないようにするためには、うがいで口内を洗浄するのがいいです。
うがいに用いる水は、水道水でも大丈夫ですが、できればアルカリイオン水の方が口内を中性にしやすくなります。
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早く治すためには
歯周病は免疫力が低下したときに悪化します。反対に免疫を高めると歯周病は止まります。歯茎の腫れを早く治すためには、食生活を見直す、ストレスを軽減する、運動するなどで免疫アップすることが効果的です。
歯茎がぶよぶよの時にやってはいけないこと
汚れた指で触れない
歯茎が腫れていると触って確かめたいものですが、汚れた指で患部に触れるとばい菌に感染し炎症が悪化するかもしれません。マッサージなどで指で触れるとときには、良く水洗いして清潔な状態で行ってください。
痛みがある場合
歯茎が腫れて痛みがある場合は、我慢しないですぐに歯医者さんを受診することが大事です。痛みがある時は、細菌が増殖して炎症が大きくなっているからです。時間が経てば経つほど症状が悪化することが多いです。
応急処置としては、冷たいタオルなどを頬の当てて冷やすといいです。市販の痛み止め薬もありますが、痛みが治まったからといって放置しないで歯医者さんで診てもらうことが大事です。
注意しないといけないのは、痛みがある時は歯磨きをしないことです。刺激によって痛みが起きることがあるのでご注意ください。
出血する場合
歯茎が腫れると出血したり膿が出るようになります。
歯茎が腫れている患者さんが、歯茎を引き締めようと、強く歯茎や歯との境目の溝を強くゴシゴシとブラッシングすると出血することがあります。歯茎が腫れている場合は、歯茎が弱っているため強く歯磨きを行うと容易に出血します。そのため、歯磨きを控えていませんか?
いいえ、歯磨きを控えるのは逆効果です。歯茎から血が出ているときは、「歯磨きをしたらもっと血が出そう」「刺激を与えると治りが悪くなりそう」という気持ちから、多くの方はブラッシングを控えがちになります。しかし、この判断は正しくありません。歯茎から血が出ているので、歯周病に罹患している可能性があります。歯周病にかかっているとしたら、ブラッシングを控えると逆に進行してしまいます。
引用:東京国際クリニック/歯科 歯茎の出血・膿に関するQ&A
しかし、歯茎から出血していても歯周病だけとは限りません。まれに腫瘍や血液の病気のケースもあるので、出血したときは、どちらにしても歯科を受診されることが大事です。歯茎からの出血原因について詳しくは、『歯茎から出血の9割は歯周病!白血病、更年期障害、糖尿病が原因のことも』をご参考にしてください。
歯茎の腫れがひどくなると、リンゴどころかパンをかじっただけでも、パンに血が付くこともあります。もし、そのような経験をしたことがあれば、「変な病気なのでは?」とご心配されていのではないでしょうか。
まとめ
歯茎の腫れは、ほとんどが歯周病が原因です。痛みがあると歯科にかかりますが、痛みがなく歯茎がブヨブヨと腫れている程度では、歯医者に行かないかもしれません。
しかし、歯茎が腫れている時には歯周病が進行しているので、口臭もひどくなります。手遅れにならないためにも、歯科を受診しいつもより丁寧な口腔ケアを心掛けるようにしてください。
歯茎がぶよぶよにならないためには、歯周病を予防することで可能になります。そのためには、次のようにすると良いでしょう。
- 定期的に歯科検診(必要に応じて治療)
- ていねいな歯磨きケア
- 歯周病予防用の歯磨き剤を使用
- 食後のうがい
- 小まめに水を飲む
- 唾液を出すように努力する
歯磨きは、歯周病の予防効果を高めるために重要です。
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