こんにちは、口腔ケアアンバサダーの上林登です。監修:歯科衛生士 上林ミヤコ
「朝起きると口がカラカラ、そしてイヤなニオイ…」
その原因は、口呼吸かもしれません。
最短回答:口で呼吸すると口の中が乾き、唾液の自浄作用が弱まりやすくなります。その結果、細菌がにおい物質(VSC)を作りやすい環境になり、口臭が強く感じられることがあります(原因は複数重なることもあります)。
今夜やる3つ(3分でOK)
- 就寝前に水分をひと口(口の乾きをリセット)
- 寝室の湿度を40〜60%に寄せる(可能なら加湿)
- 鼻が通らない日は「鼻の通りを整える工夫」を優先(無理に口をふさがない)
受診の目安(早め推奨)
- 鼻づまりが長引く、片側だけ詰まる、鼻水が続く
- いびきが大きい、呼吸が止まると言われた、日中の強い眠気がある
- 歯ぐきの出血・腫れ・痛み・膿がある、強い口臭が続く
注意:マウステープは「鼻が通る人向けの補助」です。鼻閉が強い日や息苦しさがある方、持病がある方は自己判断で常用せず、必要なら医療機関へ相談してください。
この記事では口呼吸が口臭を招く仕組みと、日常・就寝前・就寝中のシーン別対策、さらに鼻呼吸へ切り替える3ステップまで、今日から実行できる形で整理します。
口呼吸が口臭を生む仕組み
唾液の量・質が変わると何が起きる?
口呼吸が続くと口腔内が乾燥し、唾液の自浄・緩衝・抗菌作用が弱まりやすくなります。特に夜間は唾液が減りやすいため、細菌が増えやすい環境に。結果として舌や歯ぐきに汚れが残り、揮発性硫黄化合物(VSC)が増えやすくなります。
VSC(揮発性硫黄化合物)と舌苔の関係
VSCは硫化水素(卵の腐った臭い)やメチルメルカプタン(野菜が腐った臭い)などが代表的です。口呼吸で乾いた舌苔は表面が荒れやすく、嫌気性菌が増えやすいのが問題です。
研究でも、口腔の乾燥とVSCの増加が関連する可能性が示されていますが、口臭は舌苔・歯周病・鼻や喉など原因が重なりやすい点も大切です。
口呼吸の口臭はどんな匂い?よくある2タイプ
口呼吸による乾燥が強いと、におい物質(VSC)が増えやすくなり、次のような匂いとして感じることがあります。
- 硫化水素系:たまごが腐ったような臭い
- メチルメルカプタン系:野菜が腐ったような臭い
ただし「匂いの種類」だけで原因を断定するのは難しいため、次のセルフチェックで乾燥と口呼吸の関与を先に見極めるのが近道です。
セルフチェック:口呼吸と乾きのサインを見極めよう
口の乾きやネバつきが気になる方へ
30秒セルフ診断:唾液うるおいチェッカー
以下の簡易テストで、口呼吸と乾燥の関与を確認しましょう。3つ以上当てはまれば、口呼吸の影響が強い可能性があります。
- 就寝中、口が開いていると指摘されたことがある
- 朝起きたとき舌がヒリヒリする、口が乾く
- 水分をとっても口のネバつきが残る
- ガムを噛むと一時的に口臭が和らぐ
- 鏡で舌を見ると厚い白色〜黄白色の舌苔がある
- 鼻づまりやアレルギーで、口で呼吸しがち
今すぐできる!生活シーン別・口呼吸対策
①日中:姿勢×水分×ガム
- デスクワークは耳・肩・腰を一直線:猫背は気道が狭くなり、無意識の口呼吸につながりやすくなります。
- 1時間にコップ1杯を目安に水分:こまめな水分で口の乾きを軽減し、唾液の働きを助けます(飲み過ぎが負担になる方は少量ずつ)。
- キシリトールガム:咀嚼刺激で唾液が出やすくなります。砂糖入りガムは虫歯リスクが上がるため避けましょう。
②就寝前:鼻の通りを整える+保湿+マウステープ(必要な人だけ)
- 鼻を通しやすくする工夫:鼻づまりがある日は、先に鼻の通りを整える意識が大切です(無理に口をふさがない)。
- 口腔保湿ジェル:就寝中の乾燥が気になる方は、補助として活用できます(刺激が合わない場合は中止)。
- マウステープ:口の開きを抑える補助。鼻が通る人向けです。貼る位置は「上下唇の中央に縦1本」が基本。皮膚トラブルがある場合は使用を控えましょう。
マウステープの注意(ここだけは守ってください)
- 強い鼻づまりがある日は使わない(まず鼻の通りを優先)
- 息苦しさ、動悸、不安感が出たら中止
- いびきが大きい、呼吸が止まると言われる方は、睡眠時無呼吸の可能性もあるため医療機関へ
- 肌が弱い方は低刺激タイプでもかぶれることがあるため、様子を見ながら
③就寝中:寝室環境と睡眠姿勢
- 湿度40〜60%を目安に:乾燥すると口の乾きが強まりやすいです。可能なら加湿器、室温は無理のない範囲で調整しましょう。
- 枕の高さを少し調整:気道が確保される姿勢を作ると、鼻呼吸がしやすい人もいます。高すぎると首がつらくなるため注意。
- 横向き寝、または仰向け軽い横向き:いびき・口開きを抑えやすい姿勢です(体に合う向きで)。
口呼吸を改善しても口臭が残るときの3パターン
口呼吸は大きな要因ですが、口臭は複数原因の合算になりやすいです。鼻呼吸に寄せても改善が弱い場合は、次の3つを同時に点検してください。
- 舌苔が主因:乾燥で舌苔が厚いままだと、匂いが残りやすい
- 歯ぐき(歯周病)が主因:出血・腫れ・フロス臭がある場合は歯科優先
- 鼻や喉が主因:鼻づまり、後鼻漏、痰が多いなどがある場合は耳鼻科も視野
鼻呼吸へ切り替える3ステップ
- 舌ポジションの意識
舌先を上あごのスポット(前歯の付け根少し後ろ)に当て、奥舌を自然に上げます。口を閉じやすくなり、鼻呼吸の土台になります。 - ブリージング・スクワット(1日2分)
①肩幅に立つ → ②鼻から3秒吸いながらゆっくりスクワット → ③口を閉じたまま鼻から6秒吐きつつ戻る。
呼吸と姿勢を同時に整える練習です。無理のない回数から始めましょう。 - 口輪筋トレーニング(MFTの入り口)
唇を軽く閉じ「い」の形で5秒 →「う」の形で5秒 ×10セット。就寝前に行うと口が閉じやすくなる人もいます。
トレーニング方法の解説は こちらの記事 で詳しく紹介しています。
治らないときの医療的アプローチ
耳鼻咽喉科での鼻閉評価
アレルギー性鼻炎や鼻中隔弯曲症など鼻の通り道の問題がある場合、セルフケアだけでは改善が難しいこともあります。内視鏡検査などで原因を確認し、必要に応じて治療を受けましょう。
歯科での口腔チェック(歯周病・舌苔)
口臭の原因は口腔内(舌苔・歯周病・虫歯など)が関係するケースが多いです。出血・腫れ・痛みがある方は、早めに歯科でチェックすると切り分けがスムーズです。
口腔筋機能療法(MFT)の活用
MFTは舌・唇・頬の使い方を整えるトレーニングで、鼻呼吸の習慣化に役立つことがあります。効果や継続のしやすさには個人差があるため、必要に応じて専門家と相談しながら進めましょう。保険適用外のケースもあるため、費用・通院頻度を事前確認してください。
よくある質問
Q1. マウステープは毎晩使っても大丈夫ですか?
A. 鼻が通る方の補助として使われることがありますが、鼻づまりが強い日や息苦しさがある方は避けてください。肌が弱い方はかぶれやすいため、少しずつ試し、違和感があれば中止しましょう。
Q2. 口呼吸を続けると、なぜ口臭が強くなるのですか?
A. 口が乾いて唾液の働きが弱まり、細菌が増えやすくなるためです。その結果、細菌が作るにおい物質(VSC)が増え、口臭が強く感じられることがあります。
Q3. 鼻づまりがひどい場合の対策はありますか?
A. まずは睡眠環境(湿度)を整え、鼻の通りを妨げる要因(アレルギーなど)があるなら対策を優先してください。改善しない場合や片側だけ詰まる場合は、耳鼻咽喉科での評価が望ましいです。
Q4. 口呼吸を改善しても口臭がすぐ治らないのはなぜ?
A. 舌苔や歯周病など別の原因が残っている可能性があります。口臭は複合要因になりやすいため、舌・歯ぐき・鼻や喉まで含めて切り分けるのが近道です。
Q5. 歯医者と耳鼻科、どちらを受診すべき?
A. 出血・腫れ・痛みなど口腔内のサインがある場合は歯科、鼻づまりやいびきが主なら耳鼻咽喉科が目安です。迷う場合は、まず歯科で口腔チェックを受けると原因の切り分けがスムーズです。
まとめ&著者から一言アドバイス
今日のまとめ
口呼吸が続くと口が乾きやすくなり、舌苔が残り、におい物質(VSC)が増えやすくなります。
まずは①日中の姿勢と水分 → ②就寝前の鼻の通りを整える工夫 → ③寝室の湿度を3本柱にして、鼻呼吸の習慣へ寄せていきましょう。
著者からの一言
私自身、夜間の口呼吸が続いた時期に朝の口臭に悩んだ経験があります。大切なのは「一発で治す」より、今日から負担の少ない一手を積み上げることです。もし不安が強い場合は、無理に自己判断で抱え込まず、無料相談フォームも遠慮なくご利用ください。
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参考文献




