舌の口内炎とその対策 – 白いできものの原因と治療法
口腔ケアアンバサダー(社団法人口腔ケア学会認定)の上林登です。
舌の口内炎は、痛みや不快感を引き起こす白いできものが特徴で、多くの人が悩まされる症状です。この記事では、舌の口内炎の原因やリスク要因を解説し、予防方法や自宅で試すことのできる治療法を紹介します。
さらに、口臭対策と舌の口内炎の関連性にも触れ、日常生活で気をつけるべきポイントを提案します。正しい知識と対策で、口内炎や口臭を改善し、快適な口腔環境を取り戻しましょう。
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舌の口内炎の概要
舌の口内炎は、舌の表面や周辺に白いできものが現れ、痛みや不快感を伴う口腔内の炎症です。様々な原因やリスク要因があり、適切な対策が求められます。
口内炎の種類と症状
口内炎にはいくつかの種類がありますが、主なものは次の通りです。
- アフタ性口内炎:白いできものが周囲に赤い炎症を伴い、痛みが強い。
- カタル性口内炎:歯ブラシや食べ物による刺激が原因で一時的に発生。
- カンジダ性口内炎:舌や頬の内側に、白い苔のようなものが、点やまだら状に現れる。
- ヘルペス性口内炎:ヘルペスウイルスなどのウイルス感染が原因で、水疱や潰瘍ができる。
症状は種類によって異なりますが、共通しているのは痛み、不快感、発熱や食欲不振などの全身症状です。
白いできものの原因とリスク要因
舌の裏のひだに痛みがある場合、なんらかの原因で炎症が起こっていると考えられます。
引用:EPARK
舌の口内炎における白いできものは、主に「アフタ性口内炎」が原因だと言われています。その原因としては、以下のような要素が考えられます。
- 栄養・ビタミン不足
- 睡眠不足やストレス・疲労
- 歯の噛み合わせが良くない
- 口の中の火傷、義歯(入れ歯)や補綴物(銀歯等)が合っていない
- 全身疾患
- 清掃不良
- 唾液の減少
これらの要因を把握し、適切な予防や対策を行うことで、舌の口内炎による白いできものを軽減または回避することが可能です。例えば、ストレスを軽減する方法を取り入れたり、口腔内の乾燥に対処するために水分補給を心掛けたり、適切な口腔衛生を維持したりすることが効果的です。
また、免疫力を向上させる生活習慣や、アレルギー原因の特定と避けることも重要な対策となります。舌の口内炎を予防し、健康な口腔環境を維持することで、口臭対策にも繋がります。
舌の口内炎の予防方法
舌の口内炎を予防するためには、日常生活での口腔ケアや食生活の改善、ストレス管理と免疫力向上が重要です。ここでは、それぞれの予防方法について詳しく解説します。
歯磨きと口腔ケア
適切な歯磨きや口腔ケアは、舌の口内炎を予防する基本です。歯磨きは1日2回、食後に行うことが理想的です。
炎症を起こしている舌を刺激しないように、舌磨きは止めて、うがいだけに留めましょう。舌の表面の汚れを除去するために、口内洗浄剤やうがい薬を使って口腔内の細菌を減らすことも効果的です。
食生活の改善
バランスの取れた食事は、舌の口内炎予防に役立ちます。特にビタミンB群やビタミンCが豊富な食品を摂取することが重要です。ビタミンB群は、卵や肉、魚、穀物などに含まれており、ビタミンCは柑橘類や緑黄色野菜などに多く含まれています。また、辛い料理やアルコール、カフェインの摂取を控えることで、口内炎の発生リスクを低減できます。
ストレス管理と免疫力向上
ストレスは、口内炎の原因のひとつです。ストレスを解消する方法は人それぞれですが、適度な運動や趣味に没頭すること、十分な睡眠を確保することが有効です。また、免疫力を向上させることも重要で、適切な栄養摂取や運動習慣、ストレス管理などを心掛けることで、舌の口内炎を予防することができます。
舌の口内炎の自宅でできる治療法
舌の口内炎は、自宅でできる治療法がいくつかあります。
- 口内を清潔にする:歯ブラシやデンタルフロスで口の中を清潔にすることが大切です。口の中の細菌数を減らすことによって口内炎の治りを早くします。
- 軟膏を塗る:ガーゼにケナログ等の口内炎の軟膏を多めに付け、口内炎にガーゼごと保護するように付けてください。30分程度口の中に入れて、取り除いてください。1日3、4回食後歯磨き後に繰り返すと効果的です。
- ビタミン補給:ビタミン不足により口内炎ができることがあります。本来ビタミンは食事から摂った方がいいのですが、口内炎の痛みを早く取るためにサプリメントでまずは補給してください。
市販薬による治療
口内炎に効果的な市販薬はいくつかあります。たとえば、「トラフル」シリーズは、飲む・塗る・春・スプレータイプの5つの治療薬とディリ―ケアのビタミン剤があります。
これらを使用する時は、薬剤師に相談し、症状に応じて選び、使用方法や使用期間に注意して使用しましょう。ただし、市販薬による治療が効果がない場合や症状が悪化する場合は、医師の診断を受けることが重要です。
自然療法とホームリメディ
自然療法やホームリメディも、舌の口内炎の治療に効果的です。例えば、重曹うがいは、口内炎の炎症を和らげ、細菌の繁殖を抑制する効果があります。また、ココナッツミルクを溶かした水を沸かし、うがいに使う方法もあります。
口内炎の症状が改善しない場合の対処法
口内炎の症状が1週間以上改善しない場合や症状が悪化する場合は、専門医の診断を受けることが重要です。口内炎が他の病気の症状である場合もありますので、早期の対処が必要です。医師は、症状に応じて処方薬や検査を行い、適切な治療法を提案してくれます。
口臭対策と舌の口内炎
舌の口内炎は、口臭の原因にもなることがあります。口臭と舌の口内炎の関連性を理解し、日常ケアに取り入れることで、口臭対策にも繋がります。
口臭の原因と舌の口内炎の関連性
口臭の主な原因は、口腔内の細菌によるものです。舌の口内炎が発生すると、細菌が繁殖しやすい環境が整い、口臭が発生しやすくなります。また、口内炎が痛みを伴うことで、十分な歯磨きができず、口腔内の清潔さが低下し、口臭が悪化することもあります。
口臭を防ぐための日常ケア
口臭対策には、以下の日常ケアが効果的です。
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歯磨きと舌ブラシ: 歯磨きだけでなく、舌ブラシを使用して舌の汚れを除去しましょう。舌の汚れは、細菌の繁殖を促し、口臭の原因となります。
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口内洗浄剤: 口内洗浄剤を使って、口腔内の細菌を減らしましょう。ただし、アルコール入りのものは、口内炎に悪影響を与えることがあるため、選び方に注意しましょう。
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水分補給: 口が乾くと、唾液の分泌が減少し、口臭が発生しやすくなります。こまめな水分補給で、口腔内を潤わせましょう。
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定期的な歯科受診: 歯周病や虫歯など、口臭の原因となる病気の早期発見・治療が重要です。定期的な歯科受診を心がけましょう。
これらの日常ケアを行うことで、口臭対策と舌の口内炎の予防・治療が同時に進められます。
まとめ
舌の口内炎は、白いできものが現れる症状で、様々な原因があります。予防方法として、歯磨きと口腔ケア、食生活の改善、ストレス管理と免疫力向上が重要です。自宅でできる治療法には、市販薬や自然療法、ホームリメディがありますが、症状が改善しない場合は医師の診察を受けることが望ましいです。
口臭対策と舌の口内炎の予防・治療は密接に関連しており、日常のケアを適切に行うことで、両方の問題に効果的に対処できます。これらの対策を実践し、健康的な口腔環境を維持しましょう。
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【引用・参考文献】
徳島県医師会 アフタ性口内炎
東京医科歯科大学 癌口腔外科 舌がん治療
北海道大学歯学部 口腔診断内科 舌のひりひりピリピリ
日本口腔外科学会 口腔外科相談室 舌が痛い