舌が白い(舌苔)

パンをやめると舌苔がなおる!?小麦粉アレルギー(グルテン過敏症)とは

パンをやめると舌苔がなおる

口腔ケアアンバサダー(日本口腔ケア学会認定)の上林登です。

パンを食べるのをやめたら舌苔がなおったと、お客様からご報告をいただきました。パンを食べないようにしただけで舌苔が治ったなんて、始めは信じられませんでしたが、パンの原料である小麦粉について調べれば調べるほど確信に近づいていきました。

実は、このお客様は小麦粉アレルギー(グルテン過敏症)らしいのです。だから、パンなどの小麦粉が舌苔に良くなかったようなのです。

小麦粉アレルギー(グルテン過敏症)は、まだよく分かっていないこともあるようですが、順天堂大学とヤクルトの共同研究では、50人に2人の確率であるそうです。(糖尿病の場合はその7倍)

小麦粉アレルギー(グルテン過敏症)の人がパンを食べると体調を悪くし、様々な病気になり舌苔や口臭もそのうちの一つなのです。

もし、何をしても舌苔が治らない場合には、小麦粉アレルギー(グルテン過敏症)かもしれないので、この記事を読んで確かめられてはいかがでしょう。

今回の記事は、小麦粉アレルギー(グルテン過敏症)と舌苔の関係についてです。舌苔を改善するためのご参考にしてください。

舌苔とは

舌が白くなっている部分を舌苔(ぜったい)といいます。舌苔は、舌乳頭の角化から始まり、舌乳頭の間に細胞のはがれ落ちた死がいや食べかすに細菌が繁殖してできた苔のようなものです。

舌苔には唾液が浸み込むために、口腔乾燥を起こすと唾液の水分が蒸発し口臭が発生します。そのため、舌苔がができると口臭がひどくなるため、舌苔を取りたいという人が多いです。

しかし、舌苔は舌ブラシでこすっても表面が取れるだけで、舌磨きで舌をきれいにすることができないばかりか、舌磨きが舌苔が悪化する原因にもなっています。

舌苔を取り除くことも大事ですが、大切なのは舌苔をできなくすることです。そのためには、先ず、舌苔ができる原因を知ることが重要です。

→ 舌が白い!舌苔の原因と取り除き方

舌苔ができる原因

一般的に舌苔ができる原因といえば、「唾液量の減少」です。唾液には殺菌作用や洗浄作用があるため、口腔を清潔に維持する働きがあります。しかし、唾液が減ると口腔内細菌が増えるので、舌苔が出来ることになるのですね。

唾液が減る要因には、加齢、ストレス、薬の副作用、糖尿病などがありますが、これらは直接舌苔ができる原因ではなく唾液が減るから舌苔ができるのです。

唾液量の減少の他にも、免疫力の低下や抗生剤の使用で舌苔ができることがあります。

この記事を読まれている人であれば、これらが舌苔ができる原因(要因)だということはご存知だと思います。しかし、それとは全く違う「パン」に舌苔ができる原因があると知ったら驚きでしょう。

パンを食べると舌苔ができる

舌苔ができるのは舌に汚れがたまるからです。ですから、ごはんやパンなどの炭水化物は舌に食べかすが溜まりやすいので良くない。舌苔を予防するためには、繊維質の多い野菜をよく食べる必要があると思っていました。

しかし、パンが舌苔に良くないのは、それだけではなかったのです。

パンを止めたら舌苔がなくなった

実は、口臭予防歯磨き粉「美息美人」のお客様で、美息美人を使いながらも舌苔が中々改善しない方がいました。その方が、小麦粉が体に合わない体質(グルテン)の人があるのを知って、もしかしたら自分もと思い、パンを食べるのを止めたそうです。

すると、それまで治らなかった舌苔が一辺に取れてしまったそうなのです。お客様からいただいたメールをご紹介します。

上林さんこんにちは。
いつも美息美人を使用しています、使用して2年以上になりますが改善はしても、なかなか完全には良くならない状態が続いていましたが最近急激に舌の状態が良くなってきたので他の人の参考になればと思いメールしました。

自分が実践した方法は、精製した小麦粉を出来るだけ摂らないということです。
小麦はアレルギーの原因物質としても知られていますが、小腸の粘膜にも悪影響をあたえるらしいです。
そこから、胃腸の状態が悪化して口臭につながったり、また小麦粉を使用した油で揚げた菓子は油の摂り過ぎでアレルギーの原因になったりしているそうです。

それと、小麦粉から作られる菓子やパン類は粒子が細かく、舌の表面に残りやすく、歯と歯茎の間に残って口臭の原因にもなります。
また硬いフランスパンやクッキーなどのお菓子は、飲み込む時に舌の奥の方にキズを作ってしまい、舌磨きと同じような効果で舌の粘膜が荒れ、はがれやすくなり結果、口臭が悪化してしまいます。

最近、これに気づいて美息美人の使用も継続した結果、一気に舌の状態が改善しました。
今では寝起きでも舌が白いことは全くないです。
是非、舌が白くて困っている人に上林さんから教えてあげてほしいです。

個人差があるので、誰にでも当てはまるものではないと思いますが、、、

パンを食べるのを止めただけで舌苔が治るなんて、当初私も信じられませんでしでした。それで、色々調べたことをお伝えしますので、ご参考にしてくだされば幸いです。

小麦粉が体に合わない体質

精製した小麦粉が体に合わないアレルギー体質を「グルテン過敏症(不耐症)」といいます。グルテンという言葉は、テニスのジョコビッチによって有名になったみたいですね。

セルビア出身の男子テニスプレーヤー、ノバク・ジョコビッチ選手。彼は世界ランク3位で伸び悩んでいたとき、ある簡単な検査でグルテンに過敏な体質を持っていることを知った。

そこで彼は14日間、グルテンを含む小麦食品を一切断った。すると体調がよくなり、パフォーマンスもアップした。2週間後、再びグルテンを含むベーグルを1個食べてみたところ、その翌朝は体のキレが悪く体力が続かなかったという。
「腸管に炎症が起きていたんですね。『リーキーガット』になっていたんです」

普通、小腸の粘膜を覆っている細胞は、1つ1つが規則正しく結びついて並んでいるのだが、グルテンアレルギーがあると、この細胞の結びつきが崩れて緩み、腸管に穴が開く。すると中から毒素が漏れ出し、それが脳へと到達して「キヌレニン」という神経毒性物質を生み出すという。これが『リーキーガット』。

「『キヌレニン』が脳のニューロン(神経細胞)に作用すると、神経伝達物質が出にくくなります。つまり、『キヌレニンがジョコビッチ選手の脳を犯していた』ということです」

ジョコビッチ選手は本格的に小麦食品を除去し、良質なタンパク質や脂質を十分に摂る食生活に変えた。そして世界ランキング3位から1位へと上り詰め、快進撃が続いている。

引用:「いつものパンがあなたを殺す」の翻訳をされている順天堂大学大学院教授・白澤卓二先生の記事より抜粋

パンを食べると舌苔ができるのは

グルテン過敏症(小麦粉アレルギー)の人がパンを食べると、舌苔ができるようです。このことについて、当サイトの監修医であるファストロ滋子医師(腸カビの専門医師)が次のように説明しています。

カビが二形性菌であることと関係しています。条件次第で酵母にも菌糸にも変身するのです。酵母はビール酵母やパン酵母のように、糖などをアルコールと炭酸ガスに分解しながら成長する菌。一方、細長い糸状の菌糸は腸管壁を突き抜け、穴を開けてしまいます。ちなみに菌糸は口腔内でも、口腔粘膜に穴を開けます。

引用:デイリー新潮

カビの菌糸は口腔内に穴を開けるので、舌粘膜を傷付け舌苔の原因になるのですね。

カンジダが舌苔を作る

口腔には、未同定の細菌を含め約700種、腸内フローラに匹敵するほど多種類の常在細菌が生息している。…その細菌密度は糞便のそれよりはるかに高い。

引用:日本大学歯学部 細菌学教室

常在菌の中には、嫌気性細菌やカンジダ(カビ)もあり、共存共栄して調和していて口内フローラとも言われています。カンジダ(カビ)が常在菌だと聞くと驚くかもしれませんが、カンジダは普段はおとなしく悪さをしないカビの一種です。

しかし、何かの理由からカンジダ(カビ)が異常繁殖すると、舌や粘膜に白苔を作ります。舌苔は、カンジダの他にも多くの種類の細菌が集まり構成されているプラークです。だから、厄介です。

カンジダ症

口の常在菌の一つにカンジダ菌という真菌(カビ)があり、この菌は口の中で異常に増えることがあり、口腔カンジダ症を発症することがあります。症状としては口の中にぬぐい取れる白斑を認め、軽度の場合は無症状で経過します。悪化すると、潰瘍や赤みがでてきて粘膜や舌の痛み、味覚異常、口角炎などを引き起こします。

引用:国立病院機構 熊本医療センター

カンジダ症の原因としては、

  1. 体の抵抗力が落ちたとき
  2. 抗菌薬、ステロイド薬などの長期投与で口内フローラのバランスが崩れたとき
  3. 義歯の汚れ

このような時に、カンジダ(カビ)が異常に増殖して起きます。

小麦粉アレルギー(グルテン過敏症)

小麦粉アレルギーの人がパンばかり食べると、腸壁に穴が開くそうです。

小麦の主成分はブドウ糖ですが、グリアジンとグルテニンという2つのたんぱく質も含みます。グリアジンとグルテニンは水を含むと、ネバネバとしたグルテンとなります。この「グルテン」が、腸の粘膜を傷つけ、リーキーガット症候群と呼ばれる症状を生みだすといわれています。
リーキーガット症候群とは、腸管壁における過度の浸透状態のことをいいます。腸壁の粘膜に細かな損傷があるため、腸内にあるべき物質が分子レベルで漏れだしてしまう状態のことです。
こうなると、腸は十分に働けず、消化と吸収の作業が妨げられてしまいます。

引用:東洋経済 一般社団法人グルテンフリーライフ協会 代表理事

グルテン過敏症が引き起こす病気

おなかのカンジダ(カビ)が増えると、体調不良を起こします。体調不良は免疫低下を起こし、舌苔の原因になるのですね。

疲れやすい体質や、嘔吐、下痢や便秘を引き起こすような有害物質が体の中で作りだされます。すると、免疫力も低下し、感染症を起こしやすい体質に。さらに、低血糖も引き起こすので、カビの原因である甘いものをよけいに求めるようになるんです

引用:女性自身 「葉子クリニック」院長の内山葉子先生

カンジダ(カビ)の増殖は、不眠や自立神経の乱れも起こすため、舌苔の原因になるのですね。

1. 腸の炎症を引き起こす
2. さまざまな有害物質を発生させる
3. 低血糖を引き起こす
4. 免疫トラブルを起こす
5. 不眠や自律神経の乱れなど、体の悪循環を引き起こす

引用:『おなかのカビが病気の原因だった』(内山葉子/マキノ出版)

腸内フローラのバランスが崩れると多くの病気を引き起こします。

リーキーガットの陰には、ディスバイオーシス(腸内毒素症)が存在します。腸内環境が悪化し、腸内フローラのバランスが崩れた状態のことです。

腹部膨満感、げっぷ/ドライアイ/身体のほてり、傷口が治らない/ぜんそく、アトピー、花粉症/口臭、虫歯、歯周病、舌苔/頭痛、脳のくもり、倦怠感/肛門や膣の刺激、発赤/短期記憶喪失、集中困難/リウマチ、関節痛、筋肉の痛み、しびれ/耳鳴り、めまい/キレやすい/不安感……。

引用:デイリー新潮 オーラル ウェルネス クリニック ファストロ滋子医師

大腸内にカンジダ(カビ)がある人の割合

大腸内にカンジダ(カビ)があるのは、健康な人で50人に2人、糖尿病患者では50人に14人。この数字は多いのか少ないと思うかはあなたの感覚次第ですね。

臨床現場では、大腸内にカンジダが存在する場合があることはわかってきましたが、ほとんど議論されていません。しかし、順天堂大学とヤクルトの共同研究で、健康な人で50人に2人、糖尿病患者は50人に14人、血液中に腸内細菌が見つかりました。原因は私が“腸もれ”と呼ぶリーキーガット症候群です。

引用:デイリー新潮 東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎氏

腸カビは、メタボリックの人に多いそうですので、太り気味の方はご注意ください。

腸カビ診断

「自分の腸内にはカンジダ(カビ)がないだろうか?」と不安ではないですか。

その場合、こちらで腸内にカンジダ(カビ)があるかどうか診断できます。クリックすると診断とタイプ別対処法も分かります。

→ 胃腸が悪いと口臭になる!?腸内フローラを整えると口臭予防できる

これは、あくまでも目安です。正確な診断は有料になります。お問い合わせの際は、「上林(うえばやし)の紹介」とお伝えください。

小麦粉アレルギー(グルテン過敏症)の対策

腸内のカンジダ(カビ)を減らす食事

「カビを増やさない・減らす食事6ポイント」だ。

【1】甘いものを控える!
【2】炭水化物を減らす! 特に小麦製品(雑穀、いも、そばは比較的安心)
【3】GMO(遺伝子組み換え)食品や添加物を避ける
【4】質のよいタンパク質や、新鮮な無農薬の野菜をとる
【5】毎日同じものは食べないようにする
【6】カビが発生しやすい食品を避ける

カビが発生しやすい食品は、「バナナやパイナップルなどの輸入物の果物や、甘味の強い果物」「とうもろこし」「小麦・大麦」「乳製品」「砂糖」「ナッツ類」「コーヒー」「ビール・日本酒・ワインなどアルコールや甘酒・麹類」だ。

引用:女性自身 「葉子クリニック」院長の内山葉子先生

これは、大腸にカンジダ(カビ)を増やさないための食事ですので、そのまま口腔カンジダに当てはまらないですが、私の経験上では、パン、ビール、日本酒は舌苔がよくできます。

アルコールは、種類よりも飲みすぎが一番悪いのですが。他にも、甘いケーキやアイスクリームも舌苔がよくできますね。(個人差があります。)

内山先生は他にもさまざまな原因を挙げている。まず、甘いものや炭水化物の多量摂取だ。これらはカビのエサになってしまうので、増殖の一因となる。また、パンやチーズ、麹漬けの食品、一部のアルコール類も取りすぎはNG。これらに共通しているのは「発酵食品」ということ。

本来は体に良いものだが、多量摂取は腸内のカビに悪影響を与えてしまうことがある。同様にキノコ類も取りすぎは控えよう。また、サプリメントの過剰摂取もNG。吸収しきれなかった成分がカビのエサになりかねないのだそうだ。

引用:ダ・ヴィンチニュース

腸と舌は似ているので、舌苔ができる食事と酷似しています。だからといって、口腔フローラは人によって違うため、そのまま当てはまらないと思ったほうがいいです。

それよりも、色々試して自分が食べると舌苔ができるモノを知っておくことが大事です。

舌苔を改善する方法

今回の記事は、舌苔の原因の一つとして小麦粉アレルギー(グルテン過敏症)があると言いました。小麦粉アレルギー(グルテン過敏症)の場合には、グルテンフリーの食事療法などが必要になります。

しかし、舌苔は厄介です。それだけで治ることはないでしょう。その理由は、舌苔には唾液量の減少が大きく影響するからです。舌苔を改善するためには、唾液量を増やす対策も必要です。

→ 唾液が臭い!ネバネバ唾液とサラサラ唾液の違い

そして、もう一つ大切なことがあります。それは、舌苔ができるのは口内環境が悪いからです。口内に汚れがたまり口内細菌が増えることから舌苔ができます。

だから、舌苔ケアが大事です。舌苔のケア方法は次のようにしないといけません。

1、 健康な舌の色で舌苔が薄い場合には、舌磨きはしない方がいいです。
2、 厚い舌苔が付いている場合には、軽く舌を磨くと口臭予防になります。ただし、強く磨きすぎると舌粘膜を傷つけてしまい、口腔乾燥や口臭の原因になるのでご注意ください。
3、 舌の磨き方は、舌ブラシを使って舌の奥から優しく2回程度なぜるように磨く。(歯ブラシは毛先が硬いのでよくない)
4、 舌磨きの頻度は、舌苔が付いている時だけにする。一日、朝と夜の歯磨きの時だけで十分です。
引用:舌苔のケア方法。完全に除去する必要はないってホント!? 

舌苔をできないようにするには、口内をきれいにしないといけません。その方法がこれです。

→ 歯磨きしても口が臭い?口臭の原因と対処はこれ!

 

ベロが白いのは病気!?舌について調べてわかったこととは?

ベロ(舌)が白いのは

「ベロ(舌)が白い!」と悩んでいるのでは?

舌が白いといっても、体調が悪くなり舌が白くなっている場合もあれば、病気で白くなっていることもあります。また、癌化する恐れのある白板症で舌が白い場合もあるので、自己判断しないで病院で診断を受けられることをおすすめします。

舌が白くなる原因で多いのは、舌苔(ぜったい)ができることですが、舌苔の原因も症状も様々です。舌苔が厚くびっしりと付いている場合には、ドライマウスを改善することも必要になります。

今回の記事は、ベロ(舌)が白い時に考えられる病気などについてお伝えします。是非ご参考にしてください。

※2018年9月27日に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の部分も修正して2019年7月9日に再度公開しました。

舌が白くなる病気

舌を診察する医師

舌が白くなると「癌や病気かもしれない?」と不安になるかもしれませんね。舌癌になることはほとんどありませんが、「白板症(はくばんしょう)」の場合は、癌化する可能性もあるので、軽んじてはいけません。

舌が白くなる原因は、いくつかありますのでご参考にしてください。

風邪をひいたり暴飲暴食や睡眠不足によって、健康な人でも舌は白くなります。その場合は、休養して体調がもどれば舌はピンク色になるので心配ありません。
ところが、
常に舌が白い(厚い舌苔)ときには、舌ブラシで舌を磨いてもピンクになることはないでしょう。それは、舌が白くなる原因が違うからです。
引用:舌が白くなる原因が何なのか知っていますか? 

白板症(はくばんしょう)

白板症
引用:東京医科大学 口腔外科学分野

白板症は、頬粘膜、舌、歯肉に見られる病変をいいます。白板症から癌になるのは10%です。そして、舌癌になる部位で多いのは、舌の縁と裏側ですので、固く白い病変が見つかったら早目に検査を受けるようにしてください。

(舌などの口腔粘膜は)将来がんになりやすい組織ということもでき「白板症」と「紅板症」がこれにあてはまります。このうち白板症の癌化率はわが国では約10%とされています。
引用:九州大学病院 がんセンター

口腔癌(舌癌)について詳しくは⇒ 舌がん?それとも口内炎?見分ける方法と注意点とは?

患者数が多いのは白板症ですが、癌になりやすいのは紅板症のほうです。

多いのは白板症ですが,がんになりやすいのは紅板症です。紅板症の半数以上はすでにがんです。
引用:日本歯科大学 松戸歯学部附属病院

カンジダ症

口腔カンジダ症か舌苔か

カンジダ症の症状は、舌が真っ白になり、白い苔が頬にも出来るのが特徴的ですが、舌に黒いカビがはえることもあります。

カンジダ菌(真菌)は常在菌のため、普段は害はありませんが、身体の抵抗力が低下したり、抗生剤を長期間に渡り続けることで、異常増殖し害を起こすことになります。

若い人がカンジダ症になることは少なく、老人に多いのも特徴です。

こちらの記事「舌がヒリヒリするのは口腔カンジタ症かもしれない。舌が白いかチェックしてください」もご参考にしてください。

舌癌

舌がんの見分け方

舌の病気といえば、舌癌をイメージするかもしれません。それほど、舌癌を発症する人が多くなっています。

口腔にできる癌の90%が舌癌です。男女比は、約2:1と男性に多いです。これは喫煙と関係あるともいわれていますが、最近では女性に喫煙者も多いので男女の比率は変化してくるかもしれません。

舌癌の特徴

舌がんの原因はまだ明らかではありませんが、飲酒・喫煙などの化学的な慢性刺激や、歯並びの悪い歯が常に当たる機械的な慢性刺激などが誘因と考えられています。
早い時期から頸部リンパ節に転移して急速に進行する極めてたちの悪いタイプがあるのもひとつの特徴です。
出典:伊勢赤十字病院

口内炎を舌癌と間違える人が多いのですが、舌癌は舌の裏側の縁にできることが多いのが特徴です。また、口内炎は数日で自然と治るものですが、2週間以上も治らない場合には舌癌が疑われることもあるので、そのような場合は早めにお医者さんで診てもらうことが大切です。舌癌について詳しくは、『舌にガンができた?それとも口内炎?見分ける方法と注意点とは?』をご参考にしてください。

舌痛症

舌が痛くない舌苔の取り方を教えてほしい

舌痛症(ぜっつうしょう)で舌が白くなるわけではありませんが、舌痛症の多くはドライマウスが関係しています。(神経性の舌痛症もあります。)

舌が乾燥することで痛みを伴うことがありますそのため、舌がピリピリと痛む時には舌痛症が疑われます。舌痛症は、更年期の女性に多く、舌に不安を持ち緊張した時に痛みを覚えることがあります。

他にも、入れ歯や矯正装置の金具などが舌によく当たることで、舌に炎症が起きることもあります。

こちらの記事「舌がヒリヒリするのは口腔カンジタ症かもしれない。舌が白いかチェックしてください」もご参考にしてください。

アフタ性口内炎

口内炎の形は楕円形で、その色は白いというよりも黄白色に近い色です。

舌の先端の口内炎2

症状は、通常、痛みまたは灼熱感で始まり、1日か2日のうちに潰瘍が形成されますが、水疱はできません。痛みはその小さなアフタからは想像できない程強く、4日から7日間続きます。潰瘍は、唇やほおの内側の軟らかでゆるい組織や、舌、口底、軟口蓋、咽喉に発生します。その潰瘍は浅く、赤く縁取られた円形または楕円形のアフタで、黄灰色をしています。ほとんどの潰瘍は小さく(直径が約1センチメートル以下)、2~3個の集まりで発生し、普通は10日以内に自然に消えて、傷あとは残りません。大きなアフタ性潰瘍ができることはまれです。しかし、形がいびつな大きな潰瘍ができると治るまでに数週間かかり、傷あとが残ります。重症になると発熱、頸部リンパ節の腫れ、疲労感が現れます。
出典:メルクマニュアル医学百科

義歯性口内炎

義歯で舌が痛くなる

義歯を入れていると、口内炎ができやすいかもしれません。特にクラスプなどが付いている部分症義歯の場合には、舌側に違和感を感るため、無意識に舌がクラスプの先端に触れてしまいます。

その繰り返しによって、舌に発赤、炎症、潰瘍ができ、痛みを感じることがあります。この場合は、義歯を外して様子をみることをおすすめします。義歯を外すことで、普通は自然に治りますが、治らない場合は、お医者さんに診てもらってください。

また、義歯の裏には汚れがたまりやすいし、レジン症義歯の場合には義歯部分にもばい菌が増殖します。そのため、口内炎になりやすいです。

予防のためにも、就寝時は義歯を外し専用の洗浄剤につけておくことをおすすめします。

ドライマウス症

舌が白いから口臭がする

病的な舌とはどういう状態かというと、舌苔(ぜったい)が厚く着いた状態を指します。

舌の奥から前方にかけて真っ白。この白いものの正体は何だかご存じですか?

角化して白く見える糸状乳頭は、じゅうたんのような構造をしていて、もともと口の中の汚れを取り込みやすいものです。しかし、普通は抗菌物質である唾液が出ているために、糸状乳頭の状態は安定していて、これほど真白くなるようなことは起こりません。

ところが、唾液の量が減るとか、口呼吸などにより口腔内が乾燥すると、食べかすなどの汚れが舌に付着しやすくなり、菌が繁殖しやすくなってしまいます。厚い舌苔がびっしりと出来る場合の原因は、ドライマウスが多いですが、他にも次のようなことが原因になります。

厚い舌苔ができる原因

  1. 過度の唾液不足
  2. 口呼吸、いびき
  3. 口腔カンジダ症
  4. 溝状舌(こうじょうぜつ)
  5. 免疫異常
  6. 糖尿病など内科疾患
  7. 舌の磨きすぎ
  8. 喫煙
  9. シェーグレン症候群。シェーグレン症候群について詳しくは、『シェーグレン症候群って何?治療方法はあるの?』をご参考にしてください。

舌に着いた細菌が増殖すると、糸状乳頭は角化傾向を強め乳頭も厚くなります。その隙間には食べかすや細菌の死骸が溜まりやすく、肉眼で見ても真っ白い状態になります。これが舌苔(ぜったい)です。

この舌苔(ぜったい)が出来た状態になると、口腔内はいろんな細菌でいっぱいになります。そのため、虫歯や歯周病にもなりやすく、歯周病が何度も再発するリスクも高まります。

それどころか、舌苔(ぜったい)が出来ると口臭も強くなるので、なんらかの対策が必要といえます。詳しくは『舌が臭い、口臭がするそれは舌苔が原因です。舌苔を取り除く方法とは?』をご参考にしてください。

溝状舌

舌の溝

出典:徳島大学がん診療連携センター

舌の表面に多数の溝ができている状態を溝状舌といいます。溝の数や深さは人によって様々ですが、溝ができると舌苔ができるために白くなります。

溝には、食べかすや細菌がよく溜まるので、溝がある場合にはより舌のケアが必要になります。

症状が悪化して病気になることはほとんどないので、溝状舌を過剰に心配する必要はありません。溝状舌について詳しくは、『溝状舌(こうじょうぜつ)には舌苔が付き物!?溝状舌を治す3つの方法とは?』をご参考にしてください。

地図状舌

地図状舌

地図状舌

出典:徳島大学がん診療連携センター

地図状舌は、自覚症状がなく舌がピリピリするくらいです。

原因も分かっていなく、風邪などで体調不良を起こしたことがきっかけでなることもあります。ストレスや不規則な生活習慣によって免疫力が低下することが原因になることもあるようです。

特に予防方法がなく、ほっておくことで治ることが多いようですが、診断を受けるほうが安心です。

舌が白いのは体調が悪いから

生理で舌が白くなった女性

舌が白くなると嫌ですよね。ところが、いつまでも舌苔が取れない場合には、「病気かもしれない」と不安になるかもしれません。

舌苔自体は病気ではありませんので、少しだけご安心ください。少しだけというのは、舌苔ができるのは体調が悪いからです。

体調は舌苔ができることに大きく影響します。体調不良になると免疫低下をおこし口腔環境が悪化します。胃腸など内臓に不調があるときは、特に舌苔ができやすくなります。

舌苔が出来る原因は人によって様々です。舌苔の原因について詳しくは、『舌が白い人は舌苔です。舌苔を取り除く5つの方法とは?』をご参考にしてください。

だから、体調が悪い時には、何をしても舌苔が取れないのですね。いつまでも舌苔が取れない時は、「体調が悪い」ことがあるので、身体を休養させることも大切です。

健康な舌

舌磨きしない方が良い

舌が白いために、毎日舌磨きを行っていませんか? もし、そうであれば、ちょっと待ってください。

もしかすると、あなたが毎日磨いている舌は、磨く必要がないかもしれません。磨く必要のない舌をゴシゴシと磨くと、舌に傷がつき余計に舌苔ができやすくなります。

詳しくは「舌磨きは絶対にしてはいけない!なぜなら口臭をひどくする原因だからです。どうしたらいいかというと・・・」をご参考にしてください。

そのようなことのないように、健康な舌と病的な舌の違いを知っていただこうと思います。

これが健康な舌です。

健康な人の舌

良くご覧になってください。きれいなピンク色でないことが分かると思います。舌自体はピンク色なのですが、舌の表面に白く膜が張っているような感じです。これが健康な舌です。

→ 舌をピンクにする!?健康なピンク色にする7つの方法

普段は、このような舌の状態でも、心身の健康状態によってすぐに舌は変化します。たとえば、寝不足になった翌朝には、次のように舌が白っぽくなります。

パサパサの舌

もしかしたら、あなたの舌もこんな感じでは?
でも、この状態であれば、舌の病気ではありません。身体が疲れているというサインです。休養して元気になればキレイな舌に戻るのでご安心ください。

舌苔が白い

舌の奥に舌苔ができてベロが白い

舌苔(ぜったい)は、舌の表面付いている白い汚れのことを言います。白い苔(コケ)のように見えるので「舌の苔」と書いて、舌苔(ぜったい)と読みます。

この舌苔は何からできているのか調べてみました。

【舌苔の成分】

  • 舌や口の中からはがれ落ちた細胞
  • 連鎖状球菌
  • ぶどう状球菌
  • 食べかす
  • 白血球

舌苔の成分は、どれもタンパク質を多く含むため、細菌のエサとなります。そのため、細菌が集まりプラーク(歯垢と同じ種類)を作ります。これが舌苔の正体です。

口が苦いし口臭がする

舌苔が厚くなると、苔が味覚器官の味蕾細菌を覆うため、味覚障害を起こす人や口が苦いというケースもあります。他にも舌苔が出来ていることで、舌がひりひりするなど舌痛症を訴える人や、口内の不快感からストレスを生じ、口腔乾燥になりやすいのが特徴です。

また、舌苔の中には細菌が多く、口臭原因になるだけではなく、食事の時にむせて細菌が肺に入ってしまうと誤嚥性肺炎を起こすことにもなります。

この他にも、舌苔の細菌には歯周病菌が含まれているので歯周病になりやすく、歯周病になると舌苔が出来やすくなるという相関性もあります。

舌苔が出来る原因

舌の白い(舌苔)が取れない

舌の表面には、細胞のはがれたものや唾液などがたまります。それらの汚れに細菌が繁殖して舌苔が形成されると口臭の原因になるので、舌苔は嫌なものですよね。

この舌苔は誰でもできるかもしれませんが、慢性的に舌が白くなっている場合は、次のことが原因になっているかもしれません。

  • 唾液の減少(加齢、薬の副作用、糖尿病などが原因)
  • 免疫低下(病気になる前の悪い状態、ストレス、胃腸の不調などが原因)

それだけではありません。舌苔が取れない原因になっているのには、意外にもこんなことがあるのです。

  • 舌磨きのし過ぎ
  • 市販の歯磨き粉(合成界面活性剤など刺激成分が含まれる)の使用

舌磨きは絶対にしてはいけない!なぜなら口臭をひどくする原因だからです。どうしたらいいかというと・・・

舌磨きは歯磨きでやってはダメ。コットンにあるものをつけて磨く方法とは?

舌の角質が白い

舌乳頭の角化

舌の細胞がこすれ古くなると角化します。舌に角質ができると白く見えます。

舌は食事や会話をしている時に、上下左右と動いています。食事が歯に詰まった時には、舌で取ることも出来ます。

しかし、この舌の運動によって、舌の粘膜は歯や食べ物に擦れます。これが舌の角化を起こします。この糸状乳頭は、健康な状態でも古くなると角化し白く見えます。(始めの写真の状態です。)そのため、舌苔(ぜったい)と間違えてしまうことが多いのです。

舌を細かく観察してみると、その表面は、細かいビロードのような乳頭で覆われています。その中で、糸状に見えるものは糸状乳頭と呼ばれ、これがあることは病気ではないし、また舌苔でもありません。糸状乳頭の表面=上皮は角質化しているために糸の様に見える事があります。
引用:Dr.HONDA 口臭バイブル 舌と舌苔について

舌の突起が白い

舌のブツブツ

病気ではなく正常な組織なのですが、発見して心配されるのが、「茸状乳頭(じじょうにゅうとう)」という乳頭です。

がんを心配された方のなかで,正常な部分を指摘して心配される方がよくいます。多い場所は「舌の乳頭」「舌の奥と両脇後方にある小突起」「おたふく風邪で腫れる耳下腺(唾液腺)の唾液の出口で,上顎大臼歯の向かいの頬粘膜にある小突起」,多くはありませんが「顎の骨の突起」などで,これらは健康な皆さんのどなたにでもあるものです。
引用:日本歯科大学 松戸歯学部附属病院

ストレスで舌が白い

舌を見られたらどうしよう

意外かもしれませんが、舌が白くなる原因に「ストレス」があります。ストレスは、ほとんどの病気の原因になり、人の健康にとっては最悪なモノなのでストレスがかからないようにすることが大切です。

一時期、「芸能人は歯が命」というコピーが流行りました。歯が白くきれいだとテレビ映りも良いために、タレントは競って歯を治します。それに昨今は、大型テレビの普及で細部まで良く見えるようになり、口の中まではっきり見えます。そのため、一部の芸能人は、舌をピンク色にするための工夫をしているという噂まで耳にしました。

テレビの影響は大きく、「歯は真っ白」で、「舌はピンク色」という風潮があります。

その証拠に、ドラッグストアの歯磨きコーナーだけではなく、歯科医院の待合室のポスターまでが、「ホワイトニング」。

そして、ドラッグストアには、舌ブラシなどの舌をケアするグッズが沢山陳列しています。あたかも、舌を磨いてきれいにするのは、歯磨きで歯をきれいにするのと同じ考え方です。

歯が白くなることは良いことです。でも、本来は、歯の色は真っ白ではありません。象牙質が薄茶色でエナメル質が半透明色なのに、ホワイトニングで歯が真っ白くなるのは問題かもしれません。

同じように、舌もピンク色や赤色ではなく、表面に薄らと白い膜が張っているのが正常な舌の状態です。

舌苔を取る方法…舌ブラシ

この事実を知らないと、ピンク色の舌にしようと過剰に舌磨きをすることになります。舌をゴシゴシと磨いた結果、舌乳頭が傷つき余計に舌が白くなってしまって困っている方が沢山おられます。

それもそうです。舌が白くなり舌苔(ぜったい)が多くなれば、口臭も強くなります。口臭がひどくなれば、周囲の人にも気を使わなければなりません。

単純に舌が白いだけでは済まされなくなります。このように「舌が白い」からおきるストレスが、最近多くなっています。詳しくは『ドライマウスも口臭も舌苔も無くなる方法とは?』をご参考にしてください。

舌苔が白い場合の対策

舌苔の取り方教えて

少し舌が白くなっている程度であればご心配ありません。この場合には、舌磨きをやめるだけで、糸状乳頭の角化を遅くすることができるからです。

ところが、舌苔(ぜったい)の場合は、これとは違い細菌が繁殖し糸状乳頭が痛んでしまっています。ですから、このまま放っておいても改善することは困難かもしれません。

そのために、行ってほしいことを今からお伝えします。

舌苔を改善するための4つのポイント

よく噛んで食事する女性

  1. 唾液量が減少している原因を改善する
    唾液量が減少する原因は、不安などのストレスや口呼吸のほか、薬の副作用もあります。それらの原因となるものを改善することが重要です。
  2. 良く噛み、良く喋り、良く水を飲む
    積極的に唾液の分泌を促す行動が重要です。
  3. 美息美人(びいきびじん)のアルカリイオン水で歯磨き・うがい
    口腔内に過剰に増えた細菌の死骸や汚れを取るためにアルカリイオン水が有効です。
  4. 正しい舌ケアに変える
    今まで行ってきた舌磨きを改めることが大事です。従来の磨き方では、糸状乳頭の角化を早めて悪化させてしまいます。
    舌のケアは、1日2回歯磨きの後にします。舌ブラシまたは柔らかい毛先の歯ブラシを横に倒して優しく2~3度だけ撫ぜます。これ以上磨いてはいけません。これがコツです。

以上が、舌苔(ぜったい)を改善するための重要なことです。ただし、口臭予防歯磨き粉「美息美人(びいきびじん)」を使用することが基本です。

うがいでスッキリする女性

一般にある歯磨き粉には、合成界面活性剤や発泡剤など刺激の強いものが添加されています。唾液が少ない場合には、添加物がいつまでも付着するため、舌磨きによって糸状乳頭が痛んでいる場合には、余計に悪化するかもしれません。

そのようなことのないように、口臭予防歯磨き粉「美息美人(びいきびじん)」をお勧めします。

まとめ

「ベロ(舌)が白い」といっても、原因は様々です。病気のこともあれば、癌化する白板症や、口内炎の場合もあるので、自己判断しないで病院で診断してもらうことが大事です。

病気でなく、舌の角質が白く見えたり、舌にぽつぽつとある茸状乳頭が白かったり、舌苔で白くなっているケースもあります。舌苔のほとんどは、何もしなくても心配ないものですが、びっしりと厚い舌苔ができている場合は、ドライマウス対策や舌のケアを行うことも必要になります。

【参照リンク・参考文献】
日本歯科医師会 歯とお口のことなら何でも分かるテーマパーク8020
日本口臭学会 口臭と口臭症に関連する用語
日本口腔ケア学会
東京医科大学 口腔外科学分野
九州大学病院 がんセンター
Dr.HONDA 口臭バイブル 舌と舌苔について
日本歯科大学 松戸歯学部附属病院
伊勢赤十字病院