口臭と胃腸の関係、治療薬について
口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登です。
口臭と胃腸の関係、そして口臭を治療するために使用される薬について説明します。
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口臭と胃腸の関係
口臭は、口腔内の細菌が食べ物の残りかすなどから発生する硫化水素やメチルメルカプタンなどの揮発性の有機化合物によって引き起こされることが一般的です。しかし、口臭の原因は口腔内だけに限定されるわけではありません。胃腸の問題が原因で口臭が発生することもあります。
胃酸が逆流して口の中に入ったり、胃の中に異物が残ったりすることで、口臭が発生することがあります。また、胃の消化不良や便秘なども口臭の原因になることがあります。胃腸の健康を維持することが、口臭を防ぐ上で重要です。
口臭を治療するための薬
口臭を治療するためには、口腔内の細菌を減らすための口腔洗浄剤や歯磨き粉が一般的に使用されます。しかし、胃腸の問題が原因である場合は、胃腸の治療が必要です。
胃酸逆流を防ぐためには、制酸剤やヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)が使用されます。これらの薬は胃酸の分泌を抑えるため、胃酸が逆流することを防止します。
消化不良や便秘などの胃腸の問題を解決するためには、胃腸薬が使用されます。消化酵素を補う消化酵素剤や、腸内細菌バランスを整えるプロバイオティクス、腸内の水分量を調整する浸透圧薬などがあります。これらの薬は、胃腸の働きを正常化し、口臭を防止することができます。
ただし、薬を使う前には、必ず医師や薬剤師に相談してください。適切な薬の選択と適切な使用方法を指導してくれます。また、薬に頼りすぎないように、バランスよくした生活を送ることが大切です。
胃薬
胃もたれや胸焼け症状の時に、セルベールなどの市販の胃薬を飲んで口臭の治った人も多いです。お薬を購入する前には、薬剤師さんに相談することが大事です。
整腸薬
腸内環境を整えて口臭を改善するには、乳酸菌を摂取すると効果的です。おすすめの整腸薬はこの二つです。
効能:ゆるいお腹と便秘気味を改善
乳酸菌(ビフィズス菌、ラクトミン)と生薬(ゲンノショウコ、アカメガシワ)で腸内環境と腸の動きを整える。
整腸(便通を整える) ・軟便 ・便秘 ・腹部膨満感
3種の乳酸菌(ビフィズス菌、アシドフィルス菌、フェーカリス菌)が小腸から大腸まで広く腸の調子を整える
漢方薬
胃からくる口臭には漢方薬がいいです。腸を整える漢方薬には、「桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)」、下痢や冷え症の方には「桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)」がおすすめです。
口臭を予防するための生活習慣
口臭を予防するためには、以下のような生活習慣が重要です。
歯磨きやフロスをする
口臭の原因となる食べかすや細菌をしっかりと取り除くために、毎日の歯磨きやフロスが必要です。歯ブラシやフロスを使って、歯の表面や歯と歯の間の汚れをきれいにしましょう。
口の中を清潔に保つ
歯磨きだけでなく、口の中を清潔に保つことも大切です。舌や歯茎、口腔内の様子を定期的に確認し、不快な臭いがする場合はマウスウォッシュを使ってうがいをするなどして、口の中を清潔に保ちましょう。
水分をたくさん摂る
十分な水分を摂ることで、口の中の細菌を洗い流すことができます。1日に2リットル以上の水を飲むように心がけましょう。
健康的な食生活を送る
健康的な食生活を送ることも、口臭を予防するためには大切です。食事の際には、野菜や果物、穀物などのバランスの良い食事を心がけましょう。また、アルコールやタバコの摂取を控えることも口臭予防につながります。
まとめ
口臭は、口腔内の細菌だけでなく、胃腸の問題が原因で発生することもあります。口臭を治療するためには、口腔洗浄剤や歯磨き粉、制酸剤や胃腸薬が使用されます。ただし、薬に頼りすぎず、適切な生活習慣を送ることも大切です。定期的な歯磨きやうがい、健康的な食生活、水分の摂取などを心がけ、口臭を予防しましょう。