なぜ唾液が臭くなる?原因と解決策を紹介

唾液臭い:原因と対策

口腔ケアアンバサダー(社団法人 日本口腔ケア学会認定)の上林登です。

唾液の臭いが気になることはありませんか?唾液が臭くなる原因はさまざまで、口内の細菌の繁殖や乾燥、食べ物や飲み物、さらには健康状態まで影響します。

この記事では、唾液の臭いの原因を明らかにし、そのチェック方法や効果的な改善策、予防法について詳しく解説します。

唾液の臭いが気になる方、日常生活でできる対策を知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。あなたの口腔環境を改善し、爽やかな息を手に入れるための第一歩を一緒に踏み出しましょう。

唾液が臭くなる原因とは?

口内の細菌の増殖

唾液が臭くなる最も一般的な原因は、口内の細菌の繁殖です。特に嫌気性菌と呼ばれる細菌が、口腔内の食べかすや死んだ細胞を分解する過程で悪臭を放つガスを生成します。

これらの細菌は、歯磨きや舌磨きが不十分な場合に増殖しやすく、結果として唾液の臭いが強くなります。定期的な口腔ケアを行い、細菌の繁殖を防ぐことが重要です。

口内の乾燥

唾液は本来、口腔内を清潔に保つために重要な役割を果たしますが、唾液の分泌が減少すると、口内が乾燥し、細菌の繁殖を助長します。口が乾燥することで、唾液の洗浄作用が低下し、臭いが発生しやすくなります。

特に夜間の睡眠中やストレスが原因で唾液の分泌が減ることがあります。こまめな水分補給や口内保湿を心がけることが、唾液の臭いを防ぐ対策になります。

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食べ物や飲み物の影響

特定の食べ物や飲み物も唾液の臭いに影響を与えます。ニンニクや玉ねぎなどの強い臭いの食べ物、アルコールやカフェインを含む飲み物は、口腔内の環境を変化させ、臭いを強くする原因となります。

また、食後に歯磨きを怠ると、食べ物の残りかすが口内で分解され、悪臭を発生させます。食事後の適切な口腔ケアが大切です。

病気や健康状態の影響

内科的な疾患や特定の健康状態も、唾液の臭いに影響を与えることがあります。例えば、糖尿病、胃腸の不調、肝臓の疾患などは、口臭の原因となることがあります。

また、薬の副作用で唾液の分泌が減少し、口内が乾燥することで臭いが強くなることもあります。定期的な健康チェックと医師の診断を受けることで、これらの原因を特定し、適切な対策を講じることが重要です。

唾液の臭いをチェックする方法

自宅でできる簡単なチェック方法

唾液の臭いを自宅で簡単にチェックする方法はいくつかあります。最も一般的な方法は、清潔な手の甲に唾液を少量つけて乾かし、その臭いを嗅ぐというものです。これにより、唾液の中に含まれる臭い成分を確認することができます。

また、コップに息を吹きかけて、その中の臭いを嗅ぐ方法も有効です。市販の口臭チェッカーを使用することで、より正確な結果を得ることも可能です。

手の甲に唾液をつける方法

  1. 清潔な手の甲に少量の唾液をつけます。
  2. 数秒間乾かしてから、その部分の臭いを嗅ぎます。

コップに息を吹きかける方法

  1. 清潔なコップに息を吹きかけます。
  2. 数秒間待ってから、コップの中の臭いを嗅ぎます。

市販の口臭チェッカーの使用

市販の口臭チェッカーに息を吹きかけて、数値で結果を確認します。

これらの方法を用いることで、唾液の臭いを簡単にチェックすることができますが、あくまで目安と考え、必要に応じて専門家の診断を受けることをおすすめします。

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専門家に相談する際のポイント

唾液の臭いが気になる場合、専門家に相談することが効果的です。以下のポイントを押さえておくと、診断や治療がスムーズに進みます。

  1. 症状の詳細を伝える:唾液の臭いが気になるタイミングや状況を具体的に伝えます。例えば、「朝起きたときに臭いが強い」「特定の食べ物を食べた後に気になる」など。

  2. 生活習慣を共有する:日常的な口腔ケアの方法や頻度、食生活、ストレスの有無など、生活習慣に関する情報を共有します。

  3. 既往歴や服用中の薬を伝える:過去に経験した病気や現在服用している薬についても伝えることで、医師が原因を特定しやすくなります。

  4. 自宅でのチェック結果を報告する:自宅で行ったチェック方法とその結果を報告することで、より詳細な診断が可能になります。

  5. 専門的な検査を受ける:必要に応じて、歯科医師や内科医による専門的な検査を受けることで、正確な原因の特定と適切な治療が可能です。

これらのポイントを押さえて相談することで、唾液の臭いの原因を的確に把握し、効果的な対策を講じることができます。

唾液の臭いを改善するための方法

口腔ケアの見直し

唾液の臭いを改善するためには、まず口腔ケアを見直すことが重要です。口腔内の清潔を保つことで、細菌の繁殖を防ぎ、唾液の臭いを軽減することができます。

定期的な歯磨き

毎食後に歯を磨く習慣をつけましょう。歯垢や食べかすをしっかりと取り除くことが大切です。

フッ素入りの歯磨き粉を使用することで、虫歯予防にも役立ちます。

舌の掃除

舌苔(ぜったい)が原因で臭いが発生することがあります。専用の舌ブラシやスクレーパーを使って、優しく舌を掃除しましょう。

口臭除去には、舌の清掃が効果的です。

・引用:口臭外来 鶴見大学歯学部附属病院

デンタルフロスや歯間ブラシの使用

歯と歯の間の汚れや歯垢を取り除くために、デンタルフロスや歯間ブラシを使用しましょう。

定期的な歯科検診

歯科医師による定期的な検診を受けることで、虫歯や歯周病の早期発見・治療が可能です。

食生活の改善

食生活の改善も唾液の臭いを軽減するためには重要です。口内の環境を整えるために、バランスの取れた食事を心がけましょう。

バランスの取れた食事

栄養バランスの良い食事を摂ることで、口内環境を整えることができます。特にビタミンやミネラルを含む食品を積極的に取り入れましょう。

水分補給

こまめに水を飲むことで、唾液の分泌を促し、口内を清潔に保つことができます。

臭いの強い食べ物の摂取を控える

ニンニクや玉ねぎなどの臭いの強い食べ物を控えることで、唾液の臭いを軽減できます。

生活習慣の改善

生活習慣の見直しも、唾液の臭いを改善するためには欠かせません。ストレス管理や規則正しい生活が重要です。

ストレス管理

ストレスが原因で唾液の分泌が減少することがあります。リラクゼーション法や趣味を通じて、ストレスをうまく管理しましょう。

規則正しい生活

規則正しい生活リズムを保つことで、口内の健康を維持することができます。十分な睡眠をとることも大切です。

禁煙

喫煙は唾液の分泌を減少させ、口内環境を悪化させます。禁煙することで、唾液の臭いを軽減できます。

市販の製品の活用

市販の製品をうまく活用することで、唾液の臭いを効果的に改善することができます。

口臭予防ガムやキャンディ

キシリトール入りのガムやキャンディを噛むことで、唾液の分泌を促し、口内を清潔に保つことができます。

洗口液やマウスウォッシュ

抗菌成分を含む洗口液やマウスウォッシュを使用することで、口内の細菌を減少させ、臭いを軽減します。

口臭チェッカー

市販の口臭チェッカーを使用して、自分の口臭の状態を定期的にチェックし、必要な対策を講じましょう。

口臭予防歯磨き粉

アルカリイオン水などの口臭予防歯磨き粉を使用することで、効果的に口内を清潔に保つことができます。

これらの方法を組み合わせて実践することで、唾液の臭いを改善し、爽やかな息を保つことができます。

唾液の臭いを予防するための対策

日常的な予防策

唾液の臭いを防ぐためには、日常的な予防策を取り入れることが重要です。以下の方法を実践することで、口内を清潔に保ち、唾液の臭いを予防することができます。

  1. 定期的な歯磨き:毎食後に歯を磨き、口内の清潔を保つことが大切です。フッ素入りの歯磨き粉を使用することで、虫歯予防にもなります。
  2. 舌の掃除:専用の舌ブラシやスクレーパーを使って、舌苔を取り除きましょう。これにより、唾液の臭いを防ぐことができます。
  3. デンタルフロスや歯間ブラシの使用:歯と歯の間に残った食べかすや歯垢を取り除くために、デンタルフロスや歯間ブラシを使いましょう。
  4. こまめな水分補給:水分をこまめに摂ることで、唾液の分泌を促し、口内の乾燥を防ぎます。
  5. バランスの取れた食事:栄養バランスの良い食事を摂ることで、口内環境を整えることができます。特にビタミンやミネラルを含む食品を積極的に取り入れましょう。
  6. キシリトール入りガムの咀嚼:食後にキシリトール入りのガムを噛むことで、唾液の分泌が促進され、口内を清潔に保つことができます。
  7. 禁煙と節酒:喫煙や過度の飲酒は口内環境を悪化させるため、禁煙や節酒を心がけましょう。

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定期的な歯科検診の重要性

唾液の臭いを予防するためには、定期的な歯科検診が不可欠です。歯科医師の診察を受けることで、早期に問題を発見し、適切な対策を講じることができます。

  1. 虫歯や歯周病の早期発見:定期的な歯科検診により、虫歯や歯周病を早期に発見し、治療することができます。これにより、口内環境を良好に保つことができます。

  2. 専門的なクリーニング:歯科医院でのプロフェッショナルクリーニングを受けることで、普段のブラッシングでは取り除けない歯石やプラークを除去できます。

  3. 口内の健康状態のチェック:歯科医師は口内の健康状態を総合的にチェックし、必要な指導やアドバイスを提供します。

  4. 予防歯科のアドバイス:歯科医師から日常の口腔ケアに関する具体的なアドバイスを受けることで、唾液の臭いを防ぐための効果的な対策を実践できます。

  5. 病気の早期発見:唾液の臭いの原因となる可能性がある内科的な問題についても、歯科医師から適切な専門医への紹介を受けることができます。

これらの予防策を実践することで、唾液の臭いを効果的に予防し、健康的な口腔環境を維持することができます。定期的な歯科検診を欠かさず受けることが、長期的な口腔健康の維持に繋がります。

唾液の臭いと関連する健康問題

口臭全般との関係

唾液の臭いは口臭全般と密接に関連しています。口臭の主な原因は、口腔内の細菌が生成する揮発性硫黄化合物ですが、唾液が少ない場合や口腔内が乾燥している場合、これらの細菌が増殖しやすくなります。結果として、唾液の臭いが強くなり、全体的な口臭が悪化することがあります。

  1. 細菌の繁殖:唾液には抗菌作用があり、細菌の繁殖を抑える効果があります。唾液が不足すると、細菌が増えやすくなり、口臭が強くなります。

  2. 自浄作用の低下:唾液は口腔内の自浄作用を担っており、食べかすや細菌を洗い流します。唾液の分泌が減少すると、この自浄作用が低下し、口臭が発生しやすくなります。

  3. 口内の乾燥:口内が乾燥すると、細菌が活発になりやすく、口臭の原因となります。特に睡眠中は唾液の分泌が減るため、朝起きたときに口臭が強くなることがあります。

消化器系の病気との関連

唾液の臭いは、消化器系の病気とも関連しています。特定の消化器系疾患は、口臭や唾液の臭いを引き起こすことがあります。

  1. 胃食道逆流症(GERD):胃酸が食道に逆流することで、口腔内に酸味や苦味が残り、口臭が発生することがあります。この症状は、唾液の臭いにも影響を与えることがあります。

  2. 胃潰瘍や胃炎:胃の健康状態が悪化すると、消化不良や異常発酵が起こり、口臭が発生します。これも唾液の臭いに影響を与える要因です。

  3. 腸内環境の悪化:腸内の悪玉菌が増えると、腸内ガスが口腔にまで達し、口臭が発生することがあります。腸内環境を整えることで、唾液の臭いも改善する可能性があります。

呼吸器系の病気との関連

呼吸器系の病気も、唾液の臭いに影響を与えることがあります。特に上気道や肺の問題は、口臭の原因となることがあります。

  1. 副鼻腔炎(蓄膿症):副鼻腔に膿が溜まると、口腔内に悪臭が広がります。これが唾液の臭いにも影響を与えることがあります。

  2. 気管支炎や肺炎:気管支や肺の感染症は、痰や唾液の臭いを悪化させることがあります。特に慢性化した場合、口臭が強くなる傾向があります。

  3. 扁桃腺炎:扁桃腺に炎症が起こると、膿がたまりやすくなり、これが原因で口臭が発生することがあります。唾液の臭いにも影響を及ぼすことがあります。

これらの健康問題が唾液の臭いにどのように影響を与えるかを理解し、適切な治療や予防策を講じることで、口腔内の健康を維持し、唾液の臭いを改善することができます。

唾液臭いに関するよくある質問と回答

唾液の臭いは正常ですか?

唾液そのものは基本的に無臭です。しかし、口腔内の環境や健康状態によって、唾液に臭いがつくことがあります。以下のポイントを考慮することで、唾液の臭いが正常かどうかを判断できます。

1,一時的な臭い

特定の食べ物や飲み物(例:ニンニク、玉ねぎ、アルコール)を摂取した後に唾液が一時的に臭うことがあります。これらは通常、時間とともに消えます。

2,口腔ケアの影響

適切な口腔ケアが行われていない場合、唾液に臭いがつくことがあります。定期的な歯磨きや舌の掃除が重要です。

3,健康状態の影響

内科的な疾患(例:糖尿病、胃食道逆流症)や口腔内の問題(例:虫歯、歯周病)がある場合、唾液の臭いが異常になることがあります。この場合は、専門医の診断を受けることをお勧めします。


通常、適切な口腔ケアを行い、健康な生活を送っていれば、唾液に強い臭いがつくことはありません。もし持続的な臭いが気になる場合は、専門家に相談することをお勧めします。

よだれの匂いを消す方法はありますか?

よだれの匂いを消すためには、いくつかの効果的な方法があります。これらの方法を実践することで、口腔内を清潔に保ち、唾液の臭いを軽減することができます。

1,定期的な口腔ケア

毎食後に歯を磨き、舌もきちんと掃除することが重要です。デンタルフロスや歯間ブラシも使用して、歯と歯の間の汚れを取り除きましょう。

2,十分な水分補給

こまめに水を飲むことで、口内を潤し、唾液の分泌を促進します。これにより、口内の乾燥を防ぎ、細菌の繁殖を抑えます。

3,バランスの取れた食事

栄養バランスの良い食事を摂ることで、口内環境を整え、唾液の臭いを軽減することができます。特にビタミンCやカルシウムを含む食品を積極的に摂りましょう。

4,口臭予防ガムや洗口液の使用

キシリトール入りのガムを噛むことで、唾液の分泌が促され、口内を清潔に保つことができます。抗菌作用のある洗口液を使用することも効果的です。

5,ストレス管理

ストレスが原因で唾液の分泌が減少することがあります。リラクゼーション法や趣味を通じて、ストレスをうまく管理しましょう。

6,禁煙と節酒

喫煙や過度の飲酒は口内環境を悪化させるため、禁煙や節酒を心がけましょう。


これらの方法を実践することで、よだれの匂いを効果的に消すことができます。持続的な改善が見られない場合は、専門家の診断を受けることをお勧めします。

唾液の臭い:まとめ

唾液の臭いは、口内の細菌の繁殖、乾燥、食べ物や飲み物、健康状態など、さまざまな要因によって引き起こされます。適切な口腔ケアと生活習慣の見直しが、唾液の臭いを改善するための基本です。

今後の対策と予防のポイント

  1. 定期的な口腔ケア:毎食後の歯磨き、舌の掃除、デンタルフロスの使用。

  2. 水分補給:こまめな水分摂取で口内の乾燥を防ぐ。

  3. バランスの取れた食事:栄養バランスを考慮し、ビタミンやミネラルを含む食品を摂取。

  4. ストレス管理:リラックス法や趣味でストレスを軽減。

  5. 定期的な歯科検診:歯科医による定期的なチェックとクリーニング。

これらの対策を日常生活に取り入れることで、唾液の臭いを効果的に予防し、健康な口腔環境を維持することができます。

※この記事は、現役歯科衛生士(上林ミヤコ)が監修しております。

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