こんにちは、口腔ケアアンバサダー(社団法人 日本口腔ケア学会認定)の上林登です。
監修:歯科衛生士 上林ミヤコ
「ジェットウォッシャーで臭い玉(膿栓)を取っても大丈夫?」そんな疑問にお答えします。本記事では、ためしてガッテンでも紹介された“安全なケアの考え方”を踏まえながら、水圧の選び方や代替方法、再発防止策までやさしく解説します。
- 水圧は弱めから ― 粘膜を傷つけないよう、一番低い設定から始めましょう。
- 喉奥へ直撃させない ― 角度を工夫して間接的に洗い流すイメージで。
- 使った後はうがい+保湿 ― 喉の乾燥を防ぐことで再発リスクを下げます。
※安全性を第一に。膿栓の取り方総合ガイドで詳しい方法もご確認ください。
ジェットウォッシャーとは?
ジェットウォッシャーは、水流で歯や歯間の汚れを落とす口腔洗浄器です。歯ブラシでは届きにくい場所を掃除できるため、歯周病や口臭対策として愛用している方も多いです。家庭用は据え置き型と携帯型があり、製品によって水圧や機能が異なります。
臭い玉(膿栓)にジェットウォッシャーは安全?
結論から言うと、使い方次第で安全にケアできますが、注意が必要です。強すぎる水圧や喉奥への直撃は、粘膜を傷つけるリスクがあります。ためしてガッテンでも「無理に押し出すより、粘膜を傷つけないケア」が推奨されていました。
- メリット:物理的に洗い流せるため、膿栓や汚れを落としやすい
- デメリット:やり方を間違えると痛み・出血・炎症の原因に
▶ジェットウォッシャーを使用すれば、口臭の元になる膿汁(のうじゅう)も除去しやすいです。
安全に使うための3つのコツ
ジェットウォッシャーによる膿栓の取り方は、次のイラストを参照ください。
1. 水圧は最も弱く設定
最初から強くすると粘膜が驚いてしまいます。一番弱い設定で試し、違和感がないかを確認しましょう。
2. 喉奥へ直撃しない
ノズルの先端を喉に向けず、やや斜めから水を当てると、粘膜への刺激を減らせます。
3. 使用後はうがい+保湿
使用後は常温水で軽くうがいし、室内の加湿やこまめな水分補給で喉の乾燥を防ぎましょう。
ジェットウォッシャー以外の安全な膿栓ケア
ジェットウォッシャーによる膿栓除去が不安な方には、以下の優しい取り方がおすすめです。
アルカリイオン水やぬるま湯の「そっとうがい」
アルカリイオン水、または40℃前後のぬるま湯を喉奥にそっと流し込むようにうがいします。強く吐き出す必要はありません。
▶膿栓が見えないのに口が臭い?簡単セルフチェック&対策ガイド
蒸気吸入
洗面器にお湯を入れ、タオルをかぶって5〜10分ゆっくり吸い込みます。粘膜がやわらかくなり、自然に膿栓が外れやすくなります。
耳鼻科での除去
専用器具で吸引するため、安全かつ短時間で除去できます。頻発する場合や喉の違和感が強い場合は受診しましょう。
ジェットウォッシャー製品を選ぶポイント
- 低圧モードがあるかどうか(膿栓ケアには必須)
- 家庭用か携帯用か(使用環境に合わせて)
- メンテナンスのしやすさ(タンクやノズルの洗浄が簡単か)
最新研究|ジェットウォッシャーによる膿栓ケアの効果と安全性
近年、ジェットウォッシャー(ウォーターフロッサー)による膿栓(臭い玉)除去の安全性と効果について、欧米の専門機関から複数の臨床報告が発表されています。
- Harvard Healthによれば、「ウォーターフロッサーは喉の奥にできた膿栓を無理なく洗い流す有効な選択肢」とされています。過度な力や道具を使うより、弱水圧の水流でのケアが安全と報告されています。
- Medical News Today① では、「膿栓の主な原因やセルフケア法」として、ジェットウォッシャーを使った優しい洗浄が推奨されています。
- Medical News Today② でも、「斜め方向から弱い水流を当てる方法が粘膜の損傷リスクを抑える」として、正しい使い方の重要性が強調されています。
- UCLA Healthの耳鼻咽喉科専門医も「水圧を弱め、真横や斜め下から短時間だけ当てることで、喉へのダメージを避けつつ膿栓除去ができる」とコメントしています。
これらの報告からも、「ジェットウォッシャーは正しい水圧・角度で使えば、膿栓ケアに有効かつ安全性が高い」と結論づけられています。強すぎる水圧や長時間の使用は避け、やさしいケアを心がけましょう。
まとめと次のステップ
ジェットウォッシャーは正しく使えば臭い玉ケアにも役立ちますが、やり方を誤ると逆効果です。まずは弱い水圧、直撃を避ける角度、使用後の保湿を心がけましょう。即効ケアから根本ケアまで、関連ページも参考にしてください。
よくある質問
Q. ジェットウォッシャーで臭い玉を取っても大丈夫ですか?
水圧を弱め、直撃を避ければ可能ですが、粘膜損傷のリスクがあるため頻繁には行わない方が安心です。
Q. 水圧はどれくらいに設定すれば安全ですか?
必ず最も弱い水圧から始め、痛みや違和感がないかを確認しましょう。
Q. 使った後に喉が痛くなるのはなぜですか?
強い水流や角度が原因で粘膜が傷ついた可能性があります。症状が続く場合は耳鼻科を受診してください。
Q. 自宅で安全に取る方法はありますか?
ぬるま湯のそっとうがいや蒸気吸入など、粘膜に優しい方法がおすすめです。
Q. 耳鼻科での除去は痛いですか?
専用器具で短時間に除去するため、痛みはほとんどありませんが、軽い違和感を感じる場合があります。
参考文献:
- J-STAGE 日本歯科大学「ジェット水流式口腔洗浄器具の臨床効果」
- 口臭の原因になる臭い玉(膿栓)とは?取り方や予防方法を解説! – WAKANOTE
- 扁桃疾患 – 兵庫医科大学病院
- 扁桃病巣感染症 – 旭医科大学病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
- お口のなんでも相談「口臭」 – 日本歯科医師会