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魚臭症「トリメチルアミン症」とは?

口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登です。

今回は、魚臭症(ぎょしゅうしょう)についてご説明します。

魚臭症とは

魚臭症(ぎょしゅうしょう)という「病名」を耳にするのは初めてかもしれません。

魚臭症(ぎょしゅうしょう)は、学名を魚臭症候群・トリメチルアミン尿症といい、食べ物を摂取し消化の過程で発生するトリメチルアミンが分解されずに、息・汗・尿といっしょに排出されるため、口臭や体臭の原因となります。

通常は、肝機能の酵素のはたらきにより匂いはなくなりますが、遺伝子異常(先天性異常)により酵素がなく代謝されずに口臭、汗や尿に体臭として起こる病気です。

トリメチルアミンは魚の腐った臭いがするため、一般的には「魚臭症」といわれています。

魚臭症を発症させる食べ物

昭和薬科大学によると、、現時点では魚臭症の治療法はなく、臭いの原因物質であるトリメチルアミンを発生させるトリメチルアミンオキシド、レシチン、コリンを含む食べ物を避けることが望ましいとされています。

それらの物質を多く含む物としては、魚介、肉、卵、乳製品があります。以下の食べ物の摂取量は控えるほうが良いでしょう。

【摂取量を控えるもの】
・穀類:麦芽・胚芽・オートブラン(ふすま)入り小麦粉
 ケロッグシリアル: オールブラン、胚芽入シリアル全般
・豆類:大豆、インゲン、エンドウ、そら豆
・野菜:アブラナ科(芽キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー)→特にコリンの多いもの
・卵:全卵、卵黄
・肉類:内臓肉(レバー、腎臓、心臓)、ベーコン(調理後にコリン含量増)
・魚類:タイ、タラなどの海の魚一般(上記食材以外)、イカ、タコ、エビ、カニ含む
・豆類:ナッツ類(アーモンド、カシューナッツ、ピスタチオなど)、菜種油、マヨネーズ

引用:魚臭症候群,魚臭症,トリメチルアミン尿症,Trimethylaminuriaの日本におけるホームページ

魚臭症に問題の少ない食べ物

魚臭症のケースでも、食べても問題が少ないと言われているのが、お米や小麦粉などの穀類、いも、野菜、果物、卵白、オリーブ油などです。

【摂取しても比較的問題がないもの】
・穀類:白米、スパゲティー、小麦粉、パン
 ケロッグシリアル:ココアクリスピー、コーンフレーク、ライスクリスピー
菓子類:イングリッシュマフィン、ポテトチップ、プレーンビスケット、パイ
・イモ類:さつまいも
・野菜:トマト、かぼちゃ、玉ねぎ、レタス、ニンジン、セロリ、キュウリ
・果物およびジュース:りんご、バナナ、グレープフルーツ、ぶどう、キウイ、メロン、オレンジ、桃、すいか、イチゴ
・牛乳:牛乳、ヨーグルト、バター、チーズ
・卵:卵白
・肉類:脂身
・魚類:カツオ赤身、サケ、マグロ
・油脂:オリーブ油、サラダドレッシング(卵黄含まず)

引用:魚臭症候群,魚臭症,トリメチルアミン尿症,Trimethylaminuriaの日本におけるホームページ

まとめ

魚臭症は先天性のものであり、臭いが気になる人のほとんどは別に原因があります。

また、幼児期に魚臭症だと診断されても、食事制限をおこなうと年齢とともに臭いは改善されることもわかっています。

症状が気になる場合は、大学病院などの専門病院を受診されることをお勧めします。

関連記事>>口臭がうんこくさい!?原因と治し方について

加齢臭はおやじだけではない!女性が臭うのは何歳から?効果的な対策ポイント5つ

加齢臭はどんな臭い?原因と消臭対策は?

口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登です。

今回は加齢臭(口臭と体臭)についてです。

加齢臭を心配している人はたくさんおられます。加齢臭は「おやじ臭」といわれるように男性特有の臭いのように思われています。しかし、加齢臭は男性だけではなく女性からも出る臭いなのです。

男性でも、加齢臭がするようになると周囲の反応が気になるのですから、女性の場合にはなおさら気になっているかもしれませんね。

加齢臭といえば、中年のおやじだけが対象に思われています。でも、食生活の習慣や体質的な問題から、最近では若い人でも加齢臭がしていることがあるようです。

それに、男性と女性では、加齢臭が強くなる年齢にも違いがありますし、人によって臭くなる体の部位が異なります。ですから、しっかりと加齢臭対策を行うには、加齢臭について理解することが重要です。

今回の記事は、加齢臭の原因と対策方法について詳しくご紹介します。ぜひご参考にしてください。

加齢臭はどんな臭い

「加齢臭はどんな臭いがする?」

でも、枕は臭いし、爪で首の後ろを掻いたあとニオイを嗅ぐと「懐かしいニオイ」がするし。
子供の頃に嗅いだオヤジの加齢臭のニオイと同じです。
だからといって、オヤジ臭かったら、、、妻からは蔑まれ、娘からも避けられます。

引用:加齢臭と口臭には似てる点がある? 

その前に、人は他人の臭いに敏感ですが、自身の臭いに鈍感な生き物です。どういうことかというと、嗅覚は慣れてしまうとニオイを判断できなくなるのです。

ですから、自分から加齢臭が出ているか分からないのが普通。そのため、周囲からは「あの人臭い!」と思われていても、当の本人は臭くないから、「自分は大丈夫。」と思っているかもしれません。

では、自分が加齢臭で臭いのかどうかを調べるには、どうすれば良いのでしょう?

臭いがしているかどうかを調べるのは簡単です。枕や着ているパジャマの襟に、鼻を付けてクンクンと嗅いでみれば一目(一嗅ぎ)瞭然です。加齢臭がしていれば臭いし、加齢臭がしていなければ臭くない。

加齢臭の臭いは…こんなニオイ

  • 古本のニオイ
  • ポマードのニオイ
  • ローソクのニオイ
  • チーズのようなニオイ
  • 腐った魚のニオイ

などのように表現されますが、要は「おじいちゃんのニオイ」です。少しイメージできたのではないでしょうか。

加齢臭はどこから臭う

加齢臭が特に目立つのは、頭の頂点と首筋です。これは、その人に近づくと分かる部位だからです。それに、枕や着ている洋服の襟を嗅げば分かるからでしょうね。

でも、加齢臭がするのは、その二つの部位からだけではありません。他の部位からも臭うので要注意です。

加齢臭がするのは…

  • 頭(頭頂部)
  • 首の後ろ
  • 顔のTゾーン
  • 胸元
  • 耳の後ろ周り
  • 背中
  • デリケートゾーン

お風呂で体を洗うときには、特にこの部位をていねいに洗うと良いでしょう。

口臭も加齢臭!?

加齢とともに口臭も強くなりやすい。臭い息を嗅いだ人からは、「オヤジ臭い」と思われているかもしれません。だから、口臭も加齢臭だと考えている人がいます。

でも、口臭は加齢臭ではありません。その理由は、口臭は若い人でも発生するからです。それに、50代、60代以上の人でも、口臭がしない人がいます。何故だと思いますか?

口臭の原因は、9割以上が虫歯や歯周病など口内疾患が原因だといわれています。ところが、歯科治療を受けられていても、舌苔(ぜったい)ができると口が苦くなり口臭がします。舌苔(ぜったい)について詳しくは、『舌苔がすぐにたまる!原因と対処について』をご参考にしてください。

また、喉に膿栓(のうせん)・膿汁(のうじゅう)ができると、喉に痰がからみ違和感を感じたり、鼻に臭いが抜けるようになるかもしれません。膿栓(臭い玉)については、『膿栓、臭い玉が簡単に取れるアルカリイオン水うがいとは?』をご参考にしてください。

そのニオイは、下水や残飯のような嫌な臭いなので、加齢臭と思ってしまうのかもしれません。

この舌苔や膿栓の原因は、唾液不足によるドライマウス(口腔乾燥)が大きく影響しているのですが、唾液不足は加齢とともになりやすいのです。ですから、口臭もまんざら加齢臭(加齢が原因の臭い)なのかもしれませんね。

口臭原因は人によって様々です。口臭原因と対策については、『口臭がドブ臭でもアルカリイオン水うがいで取れるのか?実際にやってみた結果・・・』をご参考にしてください。

加齢臭の原因

加齢臭の元になっているのは、「ノネナール」というニオイ成分です。加齢臭「ノネナール」は、皮脂腺から分泌される脂肪酸「9-ヘキサデセン酸」が、過酸化脂質や皮膚常在菌によって酸化したり分解されることで発生します。

汗をかきそのままにしておくと、ばい菌が臭い成分を作ります。ですから、汗をかいたらそのままにしないで、キレイにふき取ることが大事です。

また、加齢臭「ノネナール」を作っている「パルミトオレイン酸」という脂肪酸は、加齢とともに増加するので、このことが、年齢とともに加齢臭が出る原因のようです。

引用:資生堂 加齢臭って、どんなニオイのこと?

女性の加齢臭

女性も男性と同じように加齢臭がするようになります。その理由は、「ノネナール」が出来れば加齢臭が発生するからです。でも、男性のように臭くないのは、女性はエチケットに厳しいから常に体をキレイにされているからでしょうね。

また、女性と男性では、加齢臭が強くなる年齢が異なります。早い方であれば、30代後半から加齢臭がすることもありますが、一般的には更年期を過ぎた頃から加齢臭が出やすくなります。

加齢臭の対策方法

加齢臭対策で重要なことは、汗や皮脂が分泌される場所を清潔にすることです。対策のポイントをご紹介します。

  1. シャワーや入浴で臭いがする部分を特にていねいに洗い清潔にする。
  2. 加齢臭対策のデオドラント製品を使う。
  3. 汗をかいたら、小まめに汗・油をふき取る。
  4. 小まめに下着や服を洗濯する。
  5. 毎日の食事など生活習慣を見直す。

加齢臭対策の食べ物

日頃の食べ物が加齢臭に悪影響していることをご存知でしょうか。動物性脂肪やリノール酸は体臭を強くします。ですから、加齢臭を予防するために次の食事は控えるようにしましょう。

  • 肉類
  • マヨネーズ
  • 揚げ物
  • マーガリン
  • 毎日の飲酒
  • 喫煙

反対に加齢臭予防に良い食べ物は…

  • 野菜(トマト、レンコン、にんじん、ナス、きゅうりなど)
  • 果物
  • 緑茶
  • 大豆食品(納豆、豆腐など)

臭くならないようにするためには、ビタミンCやビタミンEを積極的に摂り活性酸素を減らすことです。

加齢臭対策の石鹸

加齢臭対策で大事なのは、食べ物を選ぶこともあります。しかし、大きく効果を発揮するのは加齢臭ノネラールを洗い落とすことです。そのためには、どんな石鹸を使うかがポイントになるかと思います。

消臭効果を出すためには、普通の石鹸よりも、殺菌効果がある医薬部外品の石鹸を使う方が良いでしょう。普通の石鹸を使用するときには注意が必要です。特に、石油系の合成界面活性剤を含む洗浄力の強い石鹸を使うと、必要な皮脂まで洗いすぎてしまうかもしれません。皮脂を取り過ぎると肌が乾燥するので、かえって臭うことになるのでご注意ください。

ですから、石鹸選びでおすすめなのは、皮膚科を受診してご相談されることです。お医者さんから、あなたの肌に合った石鹸を紹介してもらえます。

加齢臭対策の香水

加齢臭は、香水で消臭することはできません。しかし、香水には嫌な臭いを和らげる効果があるのでおすすめします。でも、香水といっても、いろんな種類の香水があるので、どのニオイの香水が良いのか分からないのではないでしょうか。

香水には相性があります。加齢臭や体臭に相性が良いニオイは柑橘系の香水です。他にも、次のような香水が加齢臭に相性が良いでしょう。

  1. シトラス系香水(柑橘系)
  2. ラベンダー、ローズマリー
  3. 緑茶エキス配合
  4. ヒノキ、杉などのウッディエキス配合(森林の香り)
  5. 加齢臭専用トニック

加齢臭対策のサプリ

加齢臭は、皮脂腺から分泌された脂肪酸がばい菌などによって酸化分解されて発生します。

加齢臭「ノネナール」は、皮脂腺から分泌される脂肪酸「9-ヘキサデセン酸」が、過酸化脂質や皮膚常在菌によって酸化したり分解されることで発生します。

ですから、サプリメントを飲んでも、ニオイの元「ノネナール」を無くすことはできません。でも、サプリメントの種類によっては、ビタミンCやEの不足を補い、抗酸化作用が期待できるものもあります。

加齢臭が染みついた洗濯物を落とす方法

加齢臭「ノネナール」は衣服の繊維に染み込むと、簡単には落とせなくなります。また、繊維に付いた皮脂にばい菌が増え、衣服が黄色くなるなんてことも。それに、加齢臭「ノネラール」の臭いは空気中に広がるのでお部屋中が臭くなるかもしれません。

ですから、加齢臭対策で重要なことは、いかに洗濯物についた臭いを落とすかになります。それでは、加齢臭対策としての洗濯のポイントをご紹介します。

【洗濯のポイント】

  1. 一度着用した衣服はすぐに洗う(同じ服を何日も着ない)
  2. 複数の枕カバーを用意して、毎日洗う。
  3. パジャマもできるだけ毎日洗う。
  4. 加齢臭対策用の洗剤を使う
  5. 洗濯槽をキレイにする(洗濯槽が汚れていると、洗濯物にばい菌が付き臭くなる)
  6. 加齢臭が気になる衣服には、酸素系漂白剤で浸け置き洗いをする。

加齢臭予防まとめ

加齢臭を予防するために大切なことをまとめたのでご参考にしてください。

  1. 毎日、頭と体を洗う。特に頭髪や首筋や脇など臭いが気になる部分をていねいに洗う。
  2. 食事に気を付ける(肉類、マヨネーズ、マーガリンなどを控え、野菜や果物を多く摂る)
  3. 小まめに水を飲み、水分摂取を心掛ける。
  4. 飲酒、喫煙を控える。
  5. ていねいな口腔ケアを心掛ける。効果的な口腔ケアをするには、こちらの記事『正しい歯磨き方法と効果的な歯磨きの仕方の違いとは』をご参考にしてください。
  6. 毎日、適度に運動する。
  7. 香水をつける。

加齢臭を予防するには、体を健康にして酸化させないこと。そのためには、肉類やマーガリン、マヨネーズを控え、ビタミンを多く含む野菜や果物を多く食べる食生活に変えることが大切ですが、毎日運動する習慣をつけて身体を老化させないことも大事なことです。

そして、もう一つ重要なのは体を清潔にすることです。加齢臭を効果的に消臭するには、殺菌効果のある石鹸(ボディーソープ)を使うことが大事です。その上で香水も使うと良いです。

ですが、もっと効果をあげるためには、皮膚科でご相談されることをおすすめします。診察されることで、あなたに合った方法や石鹸を処方してもらえますよ。