“危険な歯磨き粉を避ける”ための完全ガイド:安全な製品選びと避けるべき成分のすべて

この歯磨き粉は危険だから買ってはいけないとアピールする歯科医師

 

歯磨き粉の選び方:危険を避け、安全性を重視するためのガイド

口腔ケアアンバサダー(社団法人 日本口腔ケア学会認定)の上林登です。

毎日使う歯磨き粉ですが、実はその中には危険な成分が含まれているものもあります。それらを避け、安全なものを選ぶためにはどうすれば良いのでしょうか。

試しに「クリニカ歯磨き粉危険」とググってみると、薬用歯磨き粉の危険性について述べている記事が沢山出てきました。歯磨き粉に限らず薬剤には「副作用」があるので、成分と説明書の内容を確かめることも大事です。

この記事では、危険な歯磨き粉を見分ける方法と、安全性を重視した歯磨き粉の選び方を詳しく解説します。さらに、買ってはいけない歯磨き粉の「商品名」や、安全性が確認されているおすすめの歯磨き粉もランキング形式で紹介しています。健康な口腔を保つためにも、ぜひ最後までお読みください。

歯磨き粉選びの重要ポイント

歯磨き粉を選ぶ時のポイント

歯磨き粉を選ぶ時には、以下の情報をもとに、自分の口内状況やニーズに合わせて適切な製品を選ぶことが重要です。

1,歯磨き粉の選択基準

  • フッ素濃度 :  歯磨き粉のフッ素濃度は年齢によって異なります。例えば、2歳以下は500ppm、6歳から14歳は1000ppm、15歳以上は1000〜1500ppmが推奨されています​​。フッ素入りの歯磨き粉は虫歯予防に効果的ですが、子どもが大量に摂取すると健康リスクがあります​​。
  • 成分 :  歯磨き粉には様々な成分が含まれています。研磨剤や発泡剤、フッ素、抗菌成分などがあり、それぞれの成分が口腔衛生に異なる効果をもたらします​​​​。

2,特定のニーズに対応する歯磨き粉 :

  • ホワイトニング効果 :  歯の着色を落とし、白い歯を保つための成分が含まれています。ポリリン酸ナトリウムや重曹が配合されている製品が一般的です​​。
  • 歯周病予防 :  歯周病予防には殺菌効果に優れた成分が配合されている歯磨き粉が適しています。例えば、イソプロピルメチルフェノール(IPMP)が含まれている製品など​​。

3,子ども用の歯磨き粉 : 小さな子どもにはフッ素濃度が低い歯磨き粉を選ぶべきです。また、フルーツ味の製品は子どもに人気があります​​。

4,避けるべき成分 : 一部の歯磨き粉には人体に有害な成分が含まれている可能性があります。例えば、ラウリル硫酸ナトリウムは避けた方が良いとされています​​。

5,形状による選択 : 歯磨き粉にはペーストタイプ、ジェルタイプなど異なる形状があります。ジェルタイプは歯や歯茎を傷つけにくい特性がありますが、着色汚れは落ちにくいです​​。

6,研磨剤 : 研磨剤は歯の表面を清潔に保ち、汚れを取り除くために使用されます。適切な量で使用された場合、研磨剤は安全であり、歯を保護することができます。しかし、過度の研磨剤は歯のエナメル質を損傷する可能性があるため、研磨剤の含有量と種類を確認することが重要です。

安全な歯磨き粉の要件

安全な歯磨き粉とは、①子供にも安全であり、②低研磨性を持ち、③毒性やアレルギー反応を引き起こす可能性が低いものです。以下は、安全な歯磨き粉を選ぶ際の重要ポイントの研究報告です。

  1. 子供向けの安全性 : 子供向けの歯磨き粉は、中性であり、清掃と研磨の効果があり、良い香りと味があり、冷却と消毒効果があるべきです。また、無害で治療および予防効果があることが重要です。しかし、長期間の使用で誤って飲み込むことが安全な歯磨き粉はまだ存在していません。特に健康上の問題を持つ患者や神経精神疾患を持つ患者には個別のオーラルヘルスプログラムの開発が必要です (Abdrashitova, Gaynullina, & Morozova, 2022)

  2. 低研磨性 : 歯磨き粉の安全性と効果には、研磨剤の種類が影響します。ベーキングソーダ(重曹)を含む歯磨き粉は、低い研磨性を持ちながら効果的な汚れ除去を実現します。ベーキングソーダは歯のエナメル質や象牙質に比べて相対的に硬度が低いため、歯に対する傷みが少ないです (Hara & Turssi, 2017)

  3. 毒性とアレルギー反応 : 歯磨き粉は、化学物質を含むことがあり、これらが口腔組織に有害な影響を与える可能性があります。臨床試験において、様々な商用歯磨き粉が培養細胞に対して異なる程度の毒性を示しました。また、歯磨き粉にはアレルゲンとなる成分も含まれており、使用者にアレルギー反応を引き起こす可能性があります (Ghapanchi et al., 2015)

人気のある製品の安全性

歯磨き粉を選ぶ時、テレビCMでよく見る人気製品を基準に選んでいませんか。歯磨き粉選びで重要なのは「人気製品」ではなく、自分の口内状況やニーズに合った歯磨き粉を選ぶことが重要です。また、気になる成分が含まれている場合は、無添加の歯磨き粉を検討するのも良いでしょう。

以下に人気のあるクリニカアドバンテージ、クリアクリーン、システマの3製品をご紹介しますので、参考にしてください。

  • クリニカアドバンテージ:フッ素が高濃度で配合されており、虫歯予防に効果的です。また、味の種類が豊富で、使用感にも好評が多いです。
    ただし、高濃度フッ素(1450ppm)配合 のため、6歳未満のお子様へのご使用はお控えください。

  • クリアクリーン:フレーバーのバリエーションが幅広く、家族みんなで使える製品です。無水ケイ酸(研磨剤)、ラウリル硫酸ナトリウム(発泡剤)、サッカリンナトリウム(香味剤)、モノフルオロリン酸ナトリウム(フッ素)などの成分が含まれています。

  • システマEXハミガキ:システマは安価でありながら、薬用成分IPMPと薬用成分LSS(ラウロイルサルコシンナトリウム)が口腔細菌をしっかり殺菌し、歯周病や口臭を予防するのが特徴です。さらに薬用成分フッ化ナトリウム(フッ素)配合で歯質を強化してムシ歯を予防します。

これらの歯磨き粉の安全性が危惧される理由は、共通してフッ素濃度や薬用成分の強さにあります。これらの歯磨き粉成分は、厚労省管轄の薬機法には触れませんが、年少の子供や口腔粘膜の敏感な人には不向きだと思われます。健康を意識するのであれば、使用期間を一時的にしたり、体に優しい成分(無添加歯磨き粉など)に変えることが望ましいです。

危険な歯磨き粉とは?

危険な歯磨き粉とは、人体に有害な可能性のある成分を含んでいたり、適切な衛生管理がなされていない商品のことを指します。毎日のケアに使うアイテムだからこそ、その成分や製造プロセスには十分な注意が必要です。

・関連:歯磨き粉使用時に舌が痛む?原因解明と効果的な対策法

危険な歯磨き粉の成分と特徴

危険な歯磨き粉には、しばしば以下のような特徴が見られます。多くの場合、トリクロサンやフッ化物などの化学物質が含まれています。これらの物質は、一部の研究で健康への悪影響が指摘されています。また、適切な衛生管理がなされていないと、製品に微生物が繁殖する可能性もあります。

注意!これらの成分が含まれている歯磨き粉は避けた方が良い

ここでは、「買ってはいけない歯磨き粉」の情報を提供します。以下の成分が含まれている歯磨き粉は、健康に対する潜在的なリスクが指摘されているため、選択を避けることを推奨します。

  • チタン酸化物(TiO2): 歯磨き粉を白くするために添加される無機化合物です。皮膚に対する外用では吸収されないとの研究結果が多い一方で、口腔内の粘膜による吸収については研究が行われていません。吸入すると発がん性があるとの指摘もあります​1​。

  • トリクロサン: 殺菌剤として多くの消費者製品に添加されています。トリクロサンによる内分泌(ホルモン)の混乱や抗生物質耐性菌の出現につながる可能性があると、動物実験により指摘されています​。

  • ラウリル硫酸ナトリウム(SLS): 合成界面活性剤、洗剤、変性剤として使用され、歯磨き粉では発泡剤として使用されています。しかし、SLSは口腔内を刺激し、内蔵の毒性や口内炎の原因となる可能性が指摘されています​。

  • フッ化物(フッ素): 虫歯予防のために添加されますが、過剰摂取による急性毒性や虫歯予防効果の不十分さが問題視されています​​。

出典:フッ素の安全性に関する質問主意書 衆議院第102回国会質問

これらの成分を含む歯磨き粉は避け、安全性が確認されている歯磨き粉を選択することで、健康的な口腔環境を保つことができます。また、製品を選ぶ際には、自身の口腔状況やライフスタイルを考慮することが重要です。

以上が「買ってはいけない歯磨き粉」に関する情報です。口腔ケアに関しては、健康にも影響を及ぼす重要な要素です。

避けるべき歯磨き粉の例

具体的な例としては、製品ラベルに「トリクロサン」や「ラウリル硫酸Na」が記載されているものは注意が必要です。これらの成分は、過剰に摂取すると健康に悪影響を及ぼす可能性があります。また、製造国や製造元が明記されていないもの、衛生状態が確認できないものも避けるべきです。

避けるべき歯磨き粉の例として、ライオン「クリニカ」、サンスターGum、シュミテクトの3製品を紹介します。

クリニカの特徴は「予防歯科」の3つのポイント(フッ素を歯に残す、細菌を増やさない、歯垢を落とす)に加えて、知覚過敏の痛みを防ぐ優れた歯磨き粉です。しかし、次のような危険性のある成分が含まれていることをご存知ですか?

【クリニカハミガキの危険成分】

  • 合成界面活性剤(ラウリル硫酸Na):発がん性
  • 湿潤剤(プロピレングリコール・PG):溶血作用、接触性皮膚炎、発がん、染色体異常を起こす危険性があるとされている。

引用:カラーダ「化粧品添加物「保湿剤」の危険性・安全性とは?」

【Gumの危険成分】

Gumの香味剤にサッカリンナトリウムが使用されているため、一部で危険性が指摘されています。サッカリンナトリウムは人工甘味料の一種で、発がん性があるとされています。しかし、厚生労働省から食品添加物として認可されているので、安全性に問題ありません。

・出典:福岡県薬剤師会

Gumを子供に使用する場合は、こども用歯磨き粉シリーズを使うと安心です。

【シュミテクトの危険成分】

シュミテクト歯磨き粉は、フッ素を配合しています。フッ素は虫歯予防に効果的な成分ですが、過剰摂取による急性毒性や虫歯予防効果の不十分さが問題視されています。特に子供用の歯磨き粉に多く含まれているため、注意が必要です。

危険な歯磨き粉(ラウリル硫酸Na含有)商品名一覧

危険な歯磨き粉とは、特に人体への有害性が指摘されている「ラウリル硫酸Na含有」の歯磨き粉のことです。この成分は危険視されているので、出来れば避けた方が良いでしょう。

あなたの健康を守るために「ラウリル硫酸Na含有」の歯磨き粉の一覧を以下にご紹介します。購入する際のご参考にされてはいかがでしょう。

※以上の並び順は、危険ランキングの順位ではありません。

歯磨き粉に含まれる研磨剤

歯磨き粉に含まれる無水ケイ酸は、主に研磨剤として使用されています。歯の表面の汚れやプラークを効果的に取り除くために添加されています。無水ケイ酸自体は、適切に使用された場合には安全とされています。しかし、過度に強く歯を磨いたり、非常に粗い研磨剤が含まれている歯磨き粉を使用すると、歯や歯茎にダメージを与える可能性があります。

歯磨き粉に使用される研磨剤としては、無水ケイ酸以外にも様々な成分があります。以下は、一般的に使用される研磨剤の成分のいくつかです:

  1. 炭酸カルシウム:自然に存在する石灰石から作られ、汚れやプラークを物理的に取り除くために広く使用されています。
  2. 重曹(炭酸水素ナトリウム):穏やかな研磨作用があり、歯を白くする効果も期待されています。
  3. ジカルシウムリン酸:研磨剤としてだけでなく、カルシウムの補給源としても使用されることがあります。
  4. リン酸水素カルシウム:研磨効果があり、歯を清潔に保つのに役立ちます。
  5. ケイ酸塩:粒子が細かく、穏やかな研磨作用を提供します。

これらの研磨剤は、歯磨き粉によって異なる比率で配合されており、歯の汚れを効果的に除去し、同時に歯を傷つけないように設計されています。製品選びの際には、研磨剤の種類だけでなく、含有量や粒子の大きさにも注意し、自分の歯の状態や健康状態に合ったものを選ぶことが大切です。

歯科医おすすめの安全な歯磨き粉ランキング

買ってはいけない歯磨き粉とは、健康害のリスクが高い商品のことです

歯磨き粉の選択は、単に口腔衛生だけでなく全体の健康にも影響を与えます。ここでは、安全性と品質に重点を置いた歯磨き粉のランキングをご紹介します。

歯磨き粉の選択は、口腔衛生だけでなく全体の健康にも大きく影響を与えます。(小さなお子様の場合は特に影響があります。)そのため、歯科医が推奨する歯磨き粉、いわゆる「歯科医院専売品」というものがあります。そして、歯科医院ごとに、そこの歯科医が選んだ歯磨き粉が置かれています。

ここでは、安全性と品質に重点を置いた歯科医院専売品の歯磨き粉ランキングを提供します。

安全性が確認されたおすすめの歯磨き粉

以下に、安全性と口腔ケア効果が確認されたおすすめの歯磨き粉をご紹介します。

  • レノビーゴ:0歳から使用できる子供用のフッ素入り歯磨き粉です。歯が出始めた時期から使えるので、虫歯予防効果が期待できます。
  • Check-Up kodomoチェックアップ コドモ:フッ素の滞留性が高く、子供のむし歯予防効果が期待できます。ソフトペースト、低研磨、低発泡、低香味で、小児への安全性を重視しています。また、お子さまに好まれる3つの香味とかわいいキャラクターを採用しているのも特徴です。
  • システマハグキプラスPRO:歯周病用のペーストタイプの歯磨剤です。低研磨・低発泡・低香味で歯と口腔に優しく設計されています。
  • Systema SP-T ジェル:歯周病で弱った部位をやさしくじっくりみがける「無研磨ジェルタイプ」のハミガキです。
  • メルサージュ ヒスケア:知覚過敏用の歯磨き粉ですが、ラウリル硫酸ナトリウムは配合されていないので安心です。

これらの歯磨き粉は、自分の口腔状況やライフスタイルに応じて選べるよう、様々な特性を持つものを厳選しました。一つ一つの商品が提供する特徴や価格を考慮しながら、最適な選択を行うことが大切です。

市販の安全な歯磨き粉

「安全な歯磨き粉」とは危険成分無添加の歯磨き粉です。ところが、ドラッグストアに置かれている商品で完全無添加の歯磨き粉はありません。無添加をウリにしている「シャボン玉せっけん歯磨き粉」でも、石鹸素地などいろんな成分が含まれます。でないと歯磨き粉を製造できないからです。

シャボン玉石鹸歯磨き粉成分 :

成分:炭酸Ca[清掃剤]、水、ソルビトール[湿潤剤]、シリカ[清掃剤]、石ケン素地[発泡剤]、ベントナイト、セルロースガム[粘結剤]、香料(ペパーミント)
※石ケン素地の原料には、植物性の原料油脂を使用しています。

安全な歯磨き粉を選ぶ重要性

毎日の生活の中で、歯磨き粉は口腔衛生を保つために欠かせないアイテムです。しかしながら、危険な成分が含まれている歯磨き粉も市場に存在するため、自分自身と家族の健康を守るためにも、選ぶ歯磨き粉には十分な注意が必要です。

本記事で触れたように、危険な歯磨き粉の特徴を理解し、それを避けるための注意点を学びました。さらに、安全性が確認されている成分を含む歯磨き粉の選び方を解説し、おすすめの製品をランキング形式で紹介しました。

ここでの情報を参考に、あなた自身の口腔状態やライフスタイルに適した安全な歯磨き粉を選んでいただきたいと思います。適切な歯磨き粉を使用することで、健康な口腔環境を維持し、長期的な健康を守る手助けになるはずです。

これからは、体にも環境にも優しい無添加の歯磨き粉「美息美人(びいきびじん)」で口臭予防しませんか。

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