口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登です。
ドライマウスは、ストレスや薬の副作用などが原因で、唾液の分泌量が低下することから口腔乾燥を起こす病気を言います。一般的な症状としては、虫歯や歯周病になりやすいことや、口がネバネバする、舌が乾き痛くなることです。
TVの「駆け込みドクター」では、ドライマウスの症状について、口が乾く、舌や唇がひび割れしやすい、ほかにも、口臭がする、クッキーなどが食べにくい、飲み込みにくい、会話がしにくいと言っていました。
また、ドライマウスは、ストレスを抱えやすい更年期女性に多いことも特徴です。今回は、ストレスになるドライマウスの症状と原因についてご紹介します。
この記事の目次
ドライマウスによって起きる症状
ドライマウス の主な症状は、唾液が減り口の中が粘つく、ピリピリと舌が痛む、口臭などの症状のほか、クッキーなど乾いた食品を食べられない、食べ物が喉にへばりついてうまく飲み込めない、会話がしづらいことなどがあげられます。
ドライマウスの一番の悩みは口臭かもしれません。口が唾液で潤っている健康な人と比べて、ドライマウスの方の口臭はかなり強いからです。口腔が乾燥すると、細菌が増えて舌苔が厚くなるとか、虫歯や歯周病のほか口内炎もおきやすくなります。
ドライマウスの人は常に舌が乾きパサパサになるため、舌苔(ぜったい)ができて舌が白くなりやすくなります。舌がピリピリしたり味覚障害を起こすなど、ストレスから日常生活に支障をきたすことがあります。また、乾燥から舌にひび割れ(溝)ができる人もあります。
舌苔ができる原因は、、、
1. 唾液の分泌量の減少(加齢、ストレスなど)
2. 薬の副作用(降圧剤、安定剤、睡眠誘導剤など)
3. 胃腸の疾患や不調(便秘、下痢)
4. 喫煙(ヘビースモーカー)、飲酒
ドライマウスの原因
ドライマウスの3大原因は、加齢、お薬の副作用、噛む力の低下です。
ドライマウス自体は病気ではありません。糖尿病、腎臓疾患、薬剤の副作用、ストレス、老化など、さまざまな原因により、唾液が減ってしまうために起こります。特に唾液減少の3大原因は、「加齢」「常用薬剤の副作用」「噛む力の低下」であることが研究によりわかってきました。
ドライマウスの原因は、糖尿病などの病気だけではなく、食生活、ストレス、口呼吸など生活習慣が影響していることが多くあります。
噛む力の低下
番組「駆け込みドクター」の中での説明では、現在人がドライマウスになる一番の原因は、食事の噛む回数が少ないことにあったのです。
唾液は食事の時に出るようになっているのですが、噛む回数が少ないと、その分、唾液量も少なくなります。
ちなみに、1日の唾液の分泌量は、1~1.5リットル。1回の食事のときの噛む平均回数は、弥生時代は約4000回、江戸時代は約1600回でしたが、現在人は、たったの600回しか噛んでないのです。
現在人は江戸時代の人の半分以下も噛んでいないのです。これでは、唾液も少なくなるはずす。
何を言いたいかというと…
現在人は、ストレスや噛む回数の不足から、唾液量が極端に減ってしまったのです。その結果として、舌が白くなったり、口臭で困ることになったのです。
それでは、さっそく直ぐに実行できる「噛む回数を増やす」ことから始められてはいかがでしょうか?
これだけでも、かなり効果があるようです
ストレス
ドライマウスになる原因で多いのは、精神的ストレスによるものです。ストレスがあると、副交感神経が働かなくなるため、唾液の分泌が減少します。ストレスを過剰に感じる場合には自律神経失調症かもしれません。
でも、逆にドライマウス症が治ると、その結果どうなると思いますか?唾液が少ないことが影響して起きている膿栓や舌苔が治るかもしれません。
あなたが困っている口臭や膿栓(のうせん)、そして、舌が白いことのすべてが治ることになるかもしれないのです。それって、すごいことですよね。
糖尿病など生活習慣病
糖尿病、高血圧、腎臓病の人の場合は、ドライマウスになりやすいです。また、それらの病気のお薬の中には、唾液が減少したり体の水分が減るなどすることでドライマウスになることがあります。
糖尿病と口臭の関係については『糖尿病から歯周病になる!?歯ぐきの腫れ、出血、口臭は要注意』をご参考にしてください。
薬の副作用
薬の種類によっては、副作用で唾液の分泌が減るものがあります。
抗コリン作用がある薬を服用すると、唾液の分泌が抑えられてしまいます。
抗コリン薬が含まれる薬の種類には…
- 睡眠剤
- 抗うつ剤、抗不安薬
- 腹痛
- 風邪薬
- アレルギー症状を抑えるステロイド剤
- 血圧降下剤
- 胃酸の分泌を抑える
- パーキンソン病
- 不整脈
- 気管支を広げる薬
- 鎮痛剤
- 利尿剤
副作用が小さい漢方薬などに変えることで改善できることもあります。ドライマウスがご心配な場合には、掛かりつけのお医者さんにご相談されると良いかもしれません。
アレルギー
アレルギー性鼻炎になっている人が多くなっています。アレルギーの原因は、花粉症、ハウスダスト、ダニなどです。アレルギー性鼻炎になると、鼻が詰まり口呼吸になることがあります。特に、夜寝ると鼻が詰まり寝られないので無意識に口呼吸になります。
ところが、この口呼吸をしていることが原因で、口内や喉の乾燥を引き起こすのです。
口呼吸
たとえ唾液が出ていても、口呼吸をしているとドライマウスになります。また、口呼吸は本人が自覚していないこともあります。口呼吸をしていないか家族に教えてもらうと良いかもしれません。
【口呼吸のチェックポイント】
- 口が乾きやすい
- リラックスした状態になると、唇の間から前歯が見える
- 口を閉じて鼻呼吸をすると苦しくなる
- 風邪にかかりやすい
- 鼻が詰まりやすい
- 舌が白くなりやすい
- 起床時、口がカラカラになる
- 長期間、口臭がしている
- いびきをしている
口呼吸の対策としては、歯科でマウスピース(ナイトピース)を作ってもらったり、サージカルテープを口に貼る方法もあります。
こちらの記事「口呼吸⇒鼻呼吸に変えると口臭が消える!?」をご参考にしてください。
シェーグレン症候群
ドライマウスの症状がひどい場合、シェーグレン症候群という病気のこともあります。シェーグレン症候群は難病指定になっていて治療方法はありませんが、ドライマウスの症状を押さえることはできます。
ドライマウスの対処方法
ドライマウスの原因で多いのは、加齢、お薬の副作用、噛む力の低下です。加齢がドライマウスの原因になる理由は、舌や顎の筋肉の衰えから唾液線が刺激されないことにあります。ですから、加齢だからといってあきらめずに、舌と顎を鍛えることが重要です。
ドライマウス症状があるときの予防方法としては、よく噛むこと。そして、ストレスをためないようにすることが最も大切です。ドライマウスの予防と対策について詳しくは、『ドライマウスも口臭も舌苔も無くなる方法とは?』をご参考にしてください。
その他にも、次のように行うこともおすすめです。
1,小まめに水を飲む
(口の乾燥を防ぐほか、唾液の分泌を促します。)水を飲むことは、ドライマウス(口腔乾燥)対策で最も大切なことです。詳しくは、『ドライマウスの対策はコレが一番!いったいどんな方法なのか?』をご参考にしてください。
2,マウスピースを口にはめたり、サージカルテープを口に張り、睡眠時の乾燥を防ぐ。
3,コーヒーや緑茶を飲まないようにする。これらの成分には利尿作用があるため良くありません。
4,お酒を飲まないようにする。アルコール類を口にいれると口腔が乾燥するのでドライマウスを悪化させます。
5,禁煙する。喫煙はドライマウスの原因になるので吸わないことが大事です。
6,お口の体操をする。舌や顎を動かすことで唾液腺が刺激されます。日中もよく舌を動かすことがドライマウス対策に効果的です。
7,舌の乾燥を防ぐ「人口唾液」というものもあります。歯科でご相談されると良いかもしれません。
まとめ
ドライマウスの一番の問題は、「口腔が乾燥することから、口内環境が汚れストレスが生まれ唾液が出なくなる」という悪循環になることです。
元々は、唾液分泌の減少や口呼吸が原因でドライマウスになるかもしれません。しかし、ドライマウスが引き金になり口臭や舌苔などが起きるとストレスがかかります。
精神的ストレスは、唾液の分泌を減少させるので更にドライマウスが悪化するという悪循環を起こすのです。
ですから、ドライマウスを解決するためには、この悪循環をどこかで断ち切ることが必要になります。しかし、唾液を出すための「お口の体操」などがあっても、常に唾液を出すことは難しいかもしれません。
おすすめしたいのは、毎日の口腔ケアで口内環境をキレイにすることです。歯磨きやうがいによって、歯、歯ぐき、舌粘膜、頬粘膜などがキレイになれば、お口の中がスッキリしてストレスがなくなります。
口内のストレスが軽減すれば、サラサラ唾液がよく出るようになります。唾液が出ると口内環境が改善されるため、舌苔や口臭もなくなります。今までの悪循環とは正反対の善循環です。良いスパイラルを作るためには、効果のある口腔ケアを行うことが重要なのです。
効果的に口内環境をキレイにするには、アルカリイオン水を使った歯磨きとうがいが良いです。アルカリイオン水には、プラークなどのたんぱく汚れを分解して除去する働きがあるからです。
おすすめは、口臭予防歯磨き粉「美息美人(びいきびじん)」のアルカリイオン水です。
>>口臭ケアブランド『美息美人(びいきびじん)』が舌苔を溶かして取る仕組み
もし、あなたがドライマウスによる口臭や舌苔で困っていたとしても、この簡単な方法を実行することで、改善することが可能になります
もし、舌が白いとか口臭が気になる場合には、こちらの記事「舌が白い人は舌苔です。舌苔を取り除く7つの方法とは?」をご参考にしてください。