こんにちは、口腔ケアアンバサダー(社団法人 日本口腔ケア学会認定)の上林登です。監修:歯科衛生士 上林ミヤコ
「重曹うがいって本当に効果があるの?」「やり方や安全性が心配…」そんな声が増えています。
重曹は手軽に入手できる反面、濃度や回数を間違えると、歯ぐきや粘膜がしみたり、違和感が出ることもあります。
この記事では、虫歯・口臭予防に役立つ重曹うがいの“安全なやり方”と、やめた方がいいケースまで、歯科医療の視点でやさしく整理します。
「掃除用重曹」との違い、メリット・デメリット、よくある疑問まで“今すぐ安心して始められる”形でまとめました。
【1分結論】重曹うがいは「薄めて・短く・やりすぎない」なら虫歯・口臭予防の“補助”になります
まず確認:避けた方がよい人
- 塩分制限中(高血圧・腎臓病などで医師から指示がある方)
- 口内炎が強い、歯ぐきが腫れて痛い、出血しやすい
- 誤飲が心配(幼児・嚥下が不安な方は見守り必須)
安全な濃度の目安
水200mlに小さじ1/3(約1g)。味の目安はうっすら塩味を感じる程度です(濃くしない)。
回数と時間
まずは1日1回から。違和感がなければ最大でも1日1〜2回まで。1回10〜15秒で吐き出します。
受診目安(早めに歯科へ)
痛み・腫れ・膿・強い出血・しみる悪化がある、または気になる症状が2週間以上続く場合は、自己判断を続けず歯科に相談してください。
口臭対策の“順番”だけ知りたい方はこちら|ブクブク→ガラガラ
重曹うがいとは?市販の「掃除用」とはここが違う
「重曹うがい」とは、家庭で手に入る食用グレードの重曹(炭酸水素ナトリウム)を水に溶かし、うがい液として使う口腔ケア方法です。弱アルカリ性の性質を利用し、食後に酸性へ傾きやすい口の中を整える“補助ケア”として使われます。
重曹(炭酸水素ナトリウム):2NaHCO3 → Na2CO3 + CO2 + H2O
市販されている「掃除用重曹」と「食用重曹」は、不純物の含有量などが異なります。うがいや口腔ケアには必ず食用グレードを使用しましょう。掃除用・工業用は口に入れる前提ではないため、使用は避けてください。
また、ベーキングパウダーは別物です(酸性剤やでんぷん等が混ざっていることが多い)。重曹うがいには使用しないでください。
重曹うがいの5つのメリット
1. 虫歯を招く酸性環境を整える(中和の補助)
口の中は、食事や間食のたびに酸性へ傾きやすくなります。酸性の時間が長いほど、歯の表面(エナメル質)が溶けやすくなり虫歯リスクが上がります。重曹は弱アルカリ性なので、食後に酸性へ傾いた口内環境を中性に戻す“補助”として役立つ可能性があります。
参考:米国歯科医師会(ADA)
2. 口臭ガス(VSC)が気になる時の“整えケア”に
口臭の原因のひとつ「揮発性硫黄化合物(VSC)」は、口腔内の細菌がタンパク質を分解する過程などで発生します。重曹うがいは口腔内のpHに作用するため、環境が整うことでにおいが軽く感じるケースもあります(原因が舌苔・歯周病・膿栓などの場合は別の対策が必要です)。
3. 口のネバつきが気になる時の“流し洗い”に
重曹うがいは、うがいそのものの作用で食べかすや口の中のネバつきを流しやすくし、すっきり感につながることがあります。ただし、歯垢(プラーク)を落とす主役は歯磨きです。重曹うがいは“ブラッシングの代わり”ではなく、あくまで補助として使いましょう。
4. 再石灰化(歯の戻り)を助ける可能性
酸性環境が続くと歯が溶け始めますが、pHが中性へ戻ると、唾液中のカルシウムやリン酸が歯に戻る再石灰化が進みます。重曹うがいで口腔内環境が整うことで、唾液の働きを助ける可能性が期待できます。
5. お財布にやさしい&時短ケア
食用重曹はスーパーやドラッグストアで安価に手に入り、1回数円でうがい液が作れます。10〜15秒で完了するので、忙しい方にも取り入れやすいのが魅力です。
重曹うがいで「虫歯が治った」「歯が白くなる」は本当?
先に大事な結論です。重曹うがいは治療の代わりにはなりません。痛みがある虫歯、しみる悪化、穴がある虫歯は、歯科治療が必要です。
一方で、食後の酸性時間を短くできれば、唾液の働き(再石灰化)を助ける可能性はあります。ここを「良くなった」「治った気がする」と感じる方がいますが、あくまで予防と補助の範囲です。
また「歯が白くなる」目的で濃くすると、歯ぐきや粘膜への刺激が増えやすくなります。白さを目指すなら、歯科のクリーニングや専用ケアを優先してください。
【HowTo】失敗しない重曹うがいの作り方
濃度の早見表(迷ったらここ)
| 水の量 | 重曹の目安 | メモ |
| 100ml | 小さじ1/6(約0.5g) | より薄めで試したい人向け |
| 200ml(コップ1杯) | 小さじ1/3(約1g) | 基本の目安 |
| 500ml | 小さじ5/6(約2.5g) | 作り置きはせず当日中に(推奨) |
| 1L | 小さじ1と2/3(約5g) | 濃くしすぎないこと |
※重曹の重さは製品で差があります。迷ったら薄めを選びましょう。
準備するもの
- 食用重曹:小さじ1/3(約1g)
- 水:200ml(コップ1杯)
- 清潔なコップとスプーン
作り方(30秒で完成)
- コップに200mlの水を注ぎます。
- 食用重曹を小さじ1/3加え、よくかき混ぜて溶かします。
- 口に含み、10〜15秒ほど「クチュクチュ」うがいをして吐き出します。
- 仕上げに水で軽くすすいで終了です。
※重曹水は必ず飲み込まず、うがい専用としてお使いください。
※作り置きは避け、作ったらその都度使うのがおすすめです。
正しいうがい手順と頻度
- タイミングの目安:食後、歯磨き後、寝る前など。
- まずは1日1回から。違和感がなければ最大1日1〜2回まで。
- 短時間(10〜15秒)で吐き出し、何度も繰り返しすぎない。
- しみる、ヒリつく、知覚過敏が出たらすぐ中止。
必ず知っておきたい3つの注意点
- 「食用重曹」以外は使用しない
掃除用・工業用重曹、ベーキングパウダーは口腔ケアに不向きです。必ず食用グレードを選びましょう。 - 濃度・回数を守る(濃くしない・やりすぎない)
濃すぎる、回数が多すぎると、歯ぐきや粘膜がしみたり、違和感につながることがあります。迷ったら薄めで、1日1回から始めましょう。 - 持病・服薬がある方、痛みや腫れがある方は自己判断を続けない
高血圧・腎臓病などで塩分制限がある方は医師に相談を。
歯ぐきの腫れ、痛み、出血、膿、口内炎の悪化がある場合は、重曹うがいで様子見を続けず歯科を受診してください。
著者の一言アドバイス
重曹うがいは「濃すぎない・短く吐き出す・やりすぎない」の3ルールが安全のカギです。
少しでもしみる・ヒリつく・違和感が出るなら無理をせず中止し、刺激の少ない“薄めて流す洗浄ケア”に切り替えると楽になることがあります。心配な症状がある時は、早めに歯科で相談してください。
美息美人のアルカリイオン水と重曹うがいの違い(効果・デメリット比較)
| 項目 | 美息美人(アルカリイオン水) | 重曹うがい |
| 主成分 | アルカリイオン水 | 炭酸水素ナトリウム(食用重曹) |
| pHの考え方 | 薄めて使い、口の中を“こすらず流す”補助洗浄 | 弱アルカリ性(約8.3)。濃度管理が重要 |
| 口臭ケア | タンパク汚れをゆるめて流しやすくし、すっきり感が出やすい | 環境を整える補助。原因が歯周病・舌苔などの場合は別対策も必要 |
| 刺激 | 薄めて使う前提で、刺激が少ない設計 | 濃度や頻度を誤ると、しみる・違和感につながることがある |
| 安全性の注意 | うがい用途で吐き出す前提。体調や粘膜状態に合わせて調整しやすい | 誤飲や塩分制限がある方は注意。掃除用重曹は不可 |
| コスト | やや高め(手間が少なく継続しやすい) | 非常に安価 |
やさしい解説&ポイント
- 美息美人は、こすらず薄めて流す洗浄ケアとして、刺激が苦手な方でも続けやすいのが特徴です。
- 重曹うがいは、酸性に傾きやすい口の中を整える補助になりますが、濃度と回数を間違えると違和感につながることがあるため、薄めで短時間が基本です。
まとめ
迷ったときは「刺激の少なさ・続けやすさ」を優先して選ぶのがおすすめです。
重曹うがいも正しく使えば役立ちますが、合わないサインが出たら無理をしないことが大切。
「無理なく続けられるケア」こそが口臭・虫歯予防の近道です。
▶アルカリイオン水で虫歯予防と口臭ケア:作り方・使用方法を解説
よくある質問(FAQ)
- Q. 重曹うがいは毎日やってもいいですか?
- A. まずは1日1回からがおすすめです。違和感がなければ最大でも1日1〜2回まで。しみる・ヒリつくなどが出る場合は回数を減らすか中止してください。
- Q. 子どもや高齢者でも使えますか?
- A. 誤飲がないことが前提です。幼児や嚥下が不安な方は必ず見守り、難しそうなら無理に行わないでください。基礎疾患がある場合は医師に相談を。
- Q. 他のうがい薬やマウスウォッシュと併用しても大丈夫?
- A. 併用は可能なことも多いですが、刺激が強いものを重ねると口の中が荒れることがあります。短時間に何度も繰り返すのは避け、様子を見ながら調整してください。
- Q. 掃除用重曹でも代用できますか?
- A. できません。掃除用・工業用は口に入れる前提ではないため、必ず食用グレードを使用してください。
- Q. 重曹うがいで知覚過敏っぽくなったら?
- A. すぐに中止してください。症状が続く場合は歯科で相談しましょう。無理に続けるのはおすすめしません。
まとめ|安全に続けるコツと代替策
重曹うがいは、正しい濃度とやり方を守れば、虫歯・口臭予防の補助になります。
ただし、濃すぎる・飲み込む・頻繁に行うなど、間違った方法はリスクにつながることがあるため、薄めで短時間が基本です。
もし刺激を感じる場合や毎日のケアで不安な方は、刺激の少ない“薄めて流す洗浄ケア”を選ぶのも一つの方法です。
自分に合ったケア方法で、毎日気持ちよく口腔ケアを続けましょう。
参考・引用リスト
- 重曹うがいの手順と注意点 – EPARK歯科
- 虫歯予防に効果的な重曹うがい – 新潟西歯科クリニック
- 重曹うがいの危険性 – Veritas歯科クリニック
- 重曹うがいと唾液pHの研究(PubMed)
- IL-1βに関する研究(PubMed)
口臭対策に興味がある方は、こちらの記事もおすすめです。





