舌奥 ぶつぶつは正常?【画像で判定】有郭乳頭・舌扁桃の見分け方|何科・受診目安

有郭乳頭(舌奥のぶつぶつ)の写真図解

鏡を見て「舌の奥にイボがある!」と驚きましたか?

結論から言うと、あなたが今見ているそのボコボコは、ほとんどの場合「正常な身体の一部」です。
慌てて病院に行く前に、まずは3秒でできるセルフチェックで「正常なもの」か「注意すべきもの」かを見分けましょう。

【画像判定】その「ぶつぶつ」はこれと同じですか?

舌の奥にあるぶつぶつは、主に「有郭乳頭(ゆうかくにゅうとう)」と「舌扁桃(ぜつへんとう)」という正常な組織です。

舌奥のぶつぶつの見分け方|舌扁桃と境目の有郭乳頭(横弓状)を図解

パターンA:V字に並ぶ大きめの粒

正体:有郭乳頭(正常)

  • 舌の奥と手前の境界線にある
  • 「ハ」の字(逆V字)に整列している
  • 左右対称である
  • 元々あるが、鏡で舌を突き出して初めて気づく人が多い
パターンB:奥にある細かい凹凸

正体:舌扁桃(正常~軽度の炎症)

  • 舌の付け根(さらに奥)にある
  • ボコボコとしたカリフラワー状
  • 風邪気味のときに少し腫れることがある
  • リンパ組織の一部で病気ではない

※画像イメージ:ビバ歯科・矯正小児歯科等の解剖図を参照

病院へ行くべき「危険なサイン」は3つだけ

逆に、以下のような特徴がある場合は「正常ではない」可能性があります。この場合は、自己判断せず受診を検討してください。

⚠️ 要注意な症状(レッドフラグ)

  1. 左右非対称:片側だけが明らかに大きく腫れている
  2. 硬いしこり:触ると石のように硬い、出血する
  3. 2週間ルール:口内炎だと思っても2週間以上治らない

※国立がん研究センターでも「2週間以上続く変化」を受診の目安としています。

心配な場合は「何科」に行く?

もし上記の「危険なサイン」に当てはまる場合、あるいは「どうしても心配で安心したい」場合は、以下の診療科を受診してください。

症状 おすすめの診療科
舌や口の中だけが気になる
(しこり、変色、長引く口内炎)
歯科口腔外科
(または耳鼻咽喉科)
喉の痛み、発熱がある
(飲み込みにくい、風邪っぽい)
耳鼻咽喉科
(または内科)
子供(発熱+赤い舌)
(いちご舌・溶連菌の疑い)
小児科

【現場の視点】「病気じゃない」のに違和感がある理由

口腔ケアアンバサダーとして活動していると、「舌の奥に何かできている(気がする)」という相談をよく受けます。
実は、その多くは「咽喉頭異常感症(いんこうとういじょうかんしょう)」、別名「ヒステリー球」と呼ばれる状態の可能性があります。

  • ストレスや疲労で自律神経が乱れ、喉が締め付けられる感覚になる。
  • ✅ 気になって鏡を見ると、元々あった「有郭乳頭」を見つけてしまい、「これが原因だ!」と思い込んでしまう。

この場合、ぶつぶつは正常な組織なので、取ったり治療したりする必要はありません。
「これは癌ではない」と医師に診断されるだけで、安心して違和感が消えるケースも非常に多いです。
一人で鏡を見て悩むより、一度専門医に「正常です」と言ってもらいに行くのも、立派な解決策ですよ。

ストレス等で「喉に違和感がある」ため、鏡を見て正常な乳頭(ブツブツ)を「エヘン虫だ!」と勘違いしている方も少なくありません。そんなときは、えへん虫が続くときの対処法と受診目安 もあわせて読んでみてください。

まとめ:舌の奥のぶつぶつとの付き合い方

  1. まず鏡で形を見る:左右対称でV字に並んでいれば、それは正常な「有郭乳頭」の可能性大。
  2. 2週間様子を見る:痛みがあっても、2週間以内に引いてくれば口内炎や一時的な炎症です。
  3. 迷ったら口腔外科へ:片側だけのしこりや、2週間以上続く異変はプロに見せましょう。

過度な心配はストレスになり、かえって喉の違和感を強めてしまいます。正しい知識で、冷静にチェックしてみてくださいね。

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参考文献・引用

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