結論:
「のどに白いできもの」は、膿栓(臭い玉)・急性扁桃炎の白苔が代表例です。
高熱・強い痛み・片側の腫れ・飲み込みづらさがあるときは早めに耳鼻咽喉科へ。
痛みや熱が乏しい場合は、まずうがい・保湿・水分補給で様子見。ただし強引な自己除去はNGです。
こんにちは、口腔ケアアンバサダー(日本口腔ケア学会認定)の 上林登 です。
監修:歯科衛生士 上林ミヤコ
のどの奥に白いポツン…びっくりしますよね。痛みや熱がなくても、不安になる気持ち、よく分かります。
この記事では、膿栓か扁桃炎かの見分け方、受診の目安、やってよい自宅ケアと避けたい行為を、やさしく整理しました。
大丈夫。落ち着いて、一緒に最善の対処を選んでいきましょう。
のどに白いできもの…まず確認する3つのサイン
のどの奥に「白い点・白い塊(できもの)」を見つけたら、まずは次の3点をチェックしてください。
- 発熱:37.5℃以上が続く?(高熱+強い痛みは扁桃炎を疑います)
- 痛み:つばが飲めないほど強い?(片側だけが強く腫れるのも要注意)
- 息苦しさや声の変化:呼吸困難・よだれ・くぐもった声は至急受診
発熱や強い痛みがなく、白い粒が時々「ポロッ」と出る程度なら、膿栓(臭い玉)の可能性が高めです。いっぽう、高熱・強い痛み・白い苔(白苔)が扁桃に広がる場合は、急性扁桃炎などの感染症が疑われます。
原因の見分け方(写真が苦手な方にもやさしく)
膿栓(臭い玉)
- 見た目:扁桃のくぼみに白〜黄の小さな粒。時に自然に出る。
- 症状:痛みは軽い/なし。口臭や違和感が主。
- 対処:強引に取らない。うがい・保湿・水分で様子見。気になる場合は耳鼻科で洗浄/吸引。
急性扁桃炎(白苔)・溶連菌咽頭炎など
- 見た目:扁桃が赤く腫れ、白い苔(白苔)や膿が付着。
- 症状:高熱・強いのど痛・首のリンパ節腫れ・全身倦怠。
- 対処:自己判断で放置せず、耳鼻咽喉科で検査(迅速検査等)と治療へ。
アフタ性口内炎・カンジダ
- 見た目:白い膜や小潰瘍が口蓋・咽頭に点在。
- 症状:ヒリヒリ痛むが高熱は少ない。
- 対処:刺激を避け、痛みが強い/長引くなら受診。
自宅で「やってよいこと/やめておくこと」
やってはいけないこと:
・綿棒・指・ピンセットで押し出す/扁桃に強い水流を直当てする
・粘膜をこする・動画の真似で器具を使う
→ 粘膜損傷・炎症遷延のリスク。除去が必要なら耳鼻咽喉科へ。
やってよいこと(膿栓・軽症時のサポート)
- ぬるま湯(食塩水でも可)のガラガラうがい:扁桃表面の汚れを流し、違和感を軽減。
- こまめな水分補給・加湿:粘膜を乾かさないことが回復の近道。
- 鼻呼吸:口呼吸が続くと乾燥→再発リスク増。意識して切り替えを。
やめておくこと(悪化リスク)
- 綿棒・指・金属ピンセットで押し出す:粘膜損傷・出血・炎症遷延。
- 強い水流を直に当てる:奥へ押し込む/傷つけるリスク。
- 「あるある動画」の模倣:器具は医療用を安全視野下で使用すべき。
何科を受診?受診のめやす
のどの症状は耳鼻咽喉科が基本です。下記のいずれかがあれば早めに受診しましょう。
- 38℃前後の発熱+強いのど痛、つばが飲めない、食事が摂れない
- 片側だけの強い腫れ、開口しづらい、くぐもった声
- 呼吸が苦しい・よだれが出る・悪化が続く・再発の反復
うつる可能性があるケースにも注意
溶連菌など細菌性の扁桃炎は、家族・学校・職場での接触後に発症することがあり、検査で確認し適切な治療を行います。自己判断で抗菌薬を飲み残すのはNGです。
受診の判断フローチャート
次の順でチェックし、該当する最も上の行動をとってください。
- 呼吸が苦しい/よだれが出る/開口しづらい/くぐもった声 → 速やかに医療機関へ(耳鼻咽喉科・救急)。
- 38℃前後の発熱+強いのど痛+白い苔(白苔)、または片側だけの強い腫れ・つばが飲めない → 当日〜翌日に耳鼻咽喉科を受診。
- 37.5〜38℃の発熱+のど痛が48時間前後続く/悪化 → 48時間以内の受診を目安に。
- 痛み軽微・発熱なし・白い粒が時々出るだけ → 1〜2週間、うがい・保湿・水分で経過観察。
ただし長引く/反復する/違和感が増すなら耳鼻咽喉科で鑑別。 - 子ども・高齢者・妊娠中・基礎疾患がある → 迷ったら早めに相談。
発熱なし(~37.4℃) | 発熱あり(37.5℃~) | |
---|---|---|
痛みなし | 膿栓の可能性高め。 刺激NG・うがい+保湿で経過観察。 違和感が持続/悪化なら耳鼻科相談。 |
ウイルス性~細菌性の咽頭炎も考慮。 悪化/長引くなら耳鼻科受診。 |
痛みあり | 軽度炎症・口内炎・膿栓周囲の刺激など。 数日で改善しなければ耳鼻科で鑑別。 |
急性扁桃炎(白苔)や溶連菌を要注意。 つばも飲めない/片側の強い腫れは早めに受診。 |
※呼吸しづらい・よだれ・強い倦怠・「片側だけの強い腫れ」などはすぐ受診。
再発を減らす生活ケア(やさしく続けるコツ)
うがいの基本
- ぬるま湯(食塩水なら水200mLに塩ひとつまみ)でガラガラうがい:朝晩+食後を目安に。
- 勢いをつけすぎない:強い水流や激しいうがいは粘膜刺激となるため控えめに。
- うがい後は口内の保湿を意識(こまめな水分摂取)。
乾燥を防ぐ
- 室内加湿(目安40〜60%)と、こまめな水分補給。
- 長時間の口呼吸を避ける:マスクやスカーフで外気の乾燥を緩和。
- 就寝時ののど保湿:加湿器の活用、乾燥が強い日は温かい飲み物で就寝前にうるおす。
鼻呼吸への切り替え
- 舌の位置を意識:上あご(口蓋)に舌先を軽くつけ、上下の歯は当てずに唇を閉じる。
- 鼻炎・鼻づまりがある場合は耳鼻咽喉科での治療を検討(鼻呼吸化で再発予防に寄与)。
- 就寝時の「口閉じテープ」は鼻づまり・皮膚トラブル・睡眠時無呼吸が疑われる方は使用を避ける。
生活・環境の見直し
- 喫煙・大量飲酒は粘膜を傷めやすいため控える。
- 辛い・酸が強い・熱すぎる飲食は症状がある間は控えめに。
- 十分な睡眠とストレスケア:免疫を整え、再発リスクを下げる土台づくり。
- 口腔清掃:歯磨き+デンタルフロス/歯間ブラシ。舌ブラシは1日1回、やさしく1〜2往復。
よくある質問
Q. のどに白いできもの…何科を受診すればいい?
A. 基本は耳鼻咽喉科です。高熱・強い痛み・片側の腫れ・飲み込みづらさがあれば早めに受診を。
Q. 痛みも熱もない白い粒は様子見でも大丈夫?
A. 多くは膿栓で、まずはうがい・保湿・水分で様子見OK。ただし長引く/悪化は受診を。
Q. 自分で取ってもいい?
A. 強引な自己除去は粘膜損傷や悪化の原因。必要なら耳鼻咽喉科での洗浄・吸引が安全です。
Q. うつる可能性は?
A. 溶連菌など細菌性の扁桃炎は家族内・集団でうつることがあります。検査・治療が必要です。
Q. 再発を減らすには?
A. うがい+保湿+鼻呼吸の徹底、就寝時の加湿、口腔清掃の見直しが役立ちます。
まとめ(不安の解除と次の一歩)
- 「白いできもの」は膿栓と扁桃炎の白苔が代表。高熱・強痛・片側腫れ・嚥下困難は早めに耳鼻咽喉科へ。
- 痛みや熱が乏しい軽症は、うがい+保湿+鼻呼吸で様子見を。無理な自己除去はNG。
- 原因ごとの詳しい対処は、関連ページでやさしく解説しています。気になる方は以下も参考に。
参考・出典
- 扁桃咽頭炎:症状・診断・警戒サイン・受診の目安(MSD家庭版): MSD Manuals
- 扁桃咽頭炎の臨床・検査・治療(MSDプロ版): MSD Manuals
- 溶連菌咽頭炎:Centor/McIsaac、検査・抗菌薬適正使用(厚労省 手引き 第三版): 厚生労働省
- うがい等の自宅ケア・白苔(国内耳鼻科による概説): 協愛医院
- 膿栓は病気そのものではない/自己除去より耳鼻科推奨(国内医療・製薬サイト): わかもと製薬 / ホワイトエッセンス
- うがいで膿栓が外れやすくなる可能性(患者向け解説): Cleveland Clinic / NHS / HWE Clinical Guidance
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- 仕上げはお水でうがい:最後に水でしっかり口内をすすぎ、汚れを洗い流す。
- ※奥歯や舌の奥まで行き渡るように、ゆっくりと時間をかけてケアする。
- ※のど奥が気になる方は、仕上げにうがいを追加するとより効果的。
※強い痛み・高熱・片側腫れなど「受診サイン」がある場合はセルフケアより医療機関の受診を優先してください。