臭い玉(膿栓)

喉に白い臭い玉(膿栓)ができたことで困っている人が多いのではないでしょうか。でも、臭い玉(膿栓)は取っても何度でもできるし、人によってできる原因が異なります。ですので、自分の臭い玉(膿栓)ができる原因をよく知って対策することが重要です。
こちらでご紹介している記事をお読みいただければ、臭い玉(膿栓)の悩みを解決できると思います。

臭い玉(膿栓)とは

膿栓(臭い玉)を指の上にのせる

膿栓(臭い玉)は、扁桃(へんとう)の穴に粘液(免疫)と細菌の死がいが集まってできた米粒大の固まりです。 ですから、膿栓が出来ると、喉がイガイガしたり、喉から鼻に抜ける口臭を感じるようになります。

引用:口臭の元!臭い玉(膿栓)ができる4つの原因と取り方

臭い玉(膿栓)が出来る場所

臭い玉(膿栓)ができると、喉に白い玉が見えることがありますが、一般的には扁桃(へんとう)の陰窩(いんか)という穴の中にかくれているために見えないことの方が多いのです。詳しくは『膿栓が見えない?膿栓のできる場所はここ!直接取るのは危険』をご参考にしてください。

臭い玉(膿栓)ができた時の症状

えへん虫

臭い玉(膿栓)は見えていないのに、喉にイガイガなど違和感を感じたり喉から鼻にかけて下水臭がすることも。喉がイガイガしエヘン虫がよく出る場合は、『エヘン虫が暴れる原因とだまらす方法はコレ!』をご参考にしてください。

臭い玉(膿栓)が口臭原因!?

臭い臭いと鼻をつまむ女

ところが、ある日くしゃみや咳をした時に、臭い玉(膿栓)が口に飛び出してくることがあります。初めて異様な形の臭い玉(膿栓)を見たり、ひどいニオイを嗅ぐことで、口臭が気になるきっかけになる人が多いです。

臭い玉(膿栓)が臭くなるのは…

細菌の死がいの固まりである膿栓(のうせん)に細菌が繁殖し腐敗を起こすからです。だから…膿栓(のうせん)は臭い!

引用:口臭原因!膿栓(のうせん)についての基礎知識

本当は膿汁(のうじゅう)が口臭原因になっている

粘液のイメージ

膿汁(のうじゅう)というのは聞きなれない名前かもしれませんが、膿汁は膿栓の元となる粘液です。

膿汁ができると、喉に痰がへばりつくような感じになり違和感を感じることがあります。また、膿汁は唾液に混じり、舌の奥に舌苔(ぜったい)をつくる原因になる。この二つのことによって、強い口臭を発生する原因になります。

口臭の元である膿汁(のうじゅう)は、扁桃(へんとう)から分泌される粘液(免疫物質)に細菌の死がいなどが混じり膿化したものをいいます。

膿汁(のうじゅう)は、だから臭い!それに、固まると臭い玉(膿栓)になる悪質な液体なのです。

引用:膿汁(のうじゅう)が本当の口臭原因!膿汁は膿栓より臭い!

臭い玉(膿栓)や膿汁ができる原因

膿栓のできる仕組みの図

臭い玉(膿栓)や膿汁は、喉にばい菌が増えることで扁桃(へんとう)の陰窩という穴にできるのですが、次のようなことがあると、更にできやすくなります。

  1. 口呼吸で喉が乾燥する
  2. 唾液が少ないため、喉が洗浄できない
  3. 後鼻漏で喉に細菌が増える
  4. 蓄膿症
  5. 鼻炎
  6. 咽頭炎、喉頭炎
  7. 逆流性食道炎

引用:膿栓(臭い玉)は取ってもすぐできる!予防の仕方はコレ!

耳鼻科疾患があるときには、治療をうけて先ず病気を治すことが大事です。また、口呼吸などによって口腔乾燥を起こしているときには、それらを改善することも大切です。

臭い玉(膿栓)の取り方

膿栓を綿棒で取る

綿棒などを使用して、ご自分で臭い玉(膿栓)を取ろうとする人がいますが、喉を傷つけたりばい菌が感染するかもしれないので、おすすめできません。安全に臭い玉(膿栓)を取る方法は耳鼻科で除去してもらうのが良いと思います。しかし、耳鼻科では、高熱が出ているなど悪化しているケースを除いて取らない医師が多いようです。まずは耳鼻科で相談されてはいかがでしょう。

耳鼻科では、イソジンなどのうがい薬でうがいを行うように勧められることが多いです。イソジンのようなうがい薬には、喉のばい菌を殺菌する効果がありますが、臭い玉(膿栓)を取るのは難しいかもしれません。

うがいを行うだけであれば、水によるうがいでも代用できます。

引用:うがいで膿栓(臭い玉)を効果的に取る5つのポイント

臭い玉(膿栓)の予防

息をはく女性

喉に細菌が感染しても、異常増殖しなければ、いずれ喉はきれいになります。それは、食事や飲み物、唾液が喉の細菌を洗い流すからです。そして、免疫作用によって喉が清潔になります。これが健康な人のからだ。

ところが、この除菌作用が働かない人がいます。除菌できなければ、慢性的に喉が不衛生状態になる。そして、膿汁(のうじゅう)ができるのです。

ところが、この除菌作用が働かない人がいます。除菌できなければ、慢性的に喉が不衛生状態になる。そして、膿汁(のうじゅう)ができるのです。

臭い玉(膿栓)ができやすい人の特徴は、口呼吸や唾液が少ないこと。そして、喉にばい菌が増えやすい環境にあることです。

ですから、臭い玉(膿栓)ができないように予防するためには、口呼吸を鼻呼吸になおすことも大事ですが、毎日、のどうがいを行い清潔を保つようにしなければいけません。常に喉がきれいな状態であれば、臭い玉(膿栓)や膿汁は予防できます。

引用:のどの膿を予防する方法!これで膿栓(のうせん)と膿汁(のうじゅう)はなくなる

喉が臭いのはがん?膿栓との違いと初期症状チェック・受診目安を整理

喉の奥の臭いに不安を感じる女性

こんにちは、口腔ケアアンバサダー(社団法人 日本口腔ケア学会認定)の 上林登 です。監修:歯科衛生士 上林ミヤコ

結論:喉の臭いだけですぐにがんとは限りません。多くは膿栓(臭い玉)や炎症、後鼻漏などが関係します。
ただし、下の赤旗サイン一定期間つづく場合は、早めに受診して確認しましょう。

根拠(公的・医療情報):

受診を急いだほうがいい赤旗サイン:

  • 声のかすれ3週間前後つづく
  • 飲み込みづらさ/痛み2週間以上つづく、または強くなる
  • 血痰が出る、または原因不明の体重減少がある
  • 片側の扁桃の腫れがつづく/首のしこり大きくなる

※上の症状がある場合は、自己判断で様子見せず耳鼻咽喉科で相談してください。

安全な膿栓の取り方・完全ガイド

喉が臭くなる主な原因とは?まず疑うべき4つの要因

1. 膿汁や膿栓(臭い玉)|最も多い原因

喉が臭い時の主な原因は膿汁(のうじゅう)で、口蓋扁桃のくぼみに食べかすや細菌が固まった白〜黄の小粒が膿栓(のうせん)です。
強烈な硫黄臭(ドブ臭・腐った卵臭)を放つため、自分でも気付きやすいのが特徴。

喉が臭い原因の膿汁について詳しくはこちら

2. 口腔内の衛生不良|歯周病・舌苔との関係

歯周病菌や舌苔内の嫌気性菌は揮発性硫黄化合物(VSC)を産生し、喉まで臭いが逆流します。

  • 舌苔が厚い人ほど喉臭リスクが高い
  • 毎日の歯磨き+フロス+やさしい舌ケアでバイオフィルムを除去

やり過ぎずに落とすコツは
舌苔セルフケア完全ガイドをご覧ください。

3. 副鼻腔炎・後鼻漏|鼻〜喉にたまる膿と悪臭

慢性副鼻腔炎や後鼻漏で膿性粘液が喉へ流れ込み、生臭い悪臭を生じます。

  • 黄色〜緑色の鼻水・鼻づまりが長引く場合は要注意
  • 耳鼻咽喉科で抗菌薬・ネブライザー治療など

詳しい治療法は
副鼻腔炎・後鼻漏の治療法まとめを参照。

4. 逆流性食道炎など消化器系トラブル|胃酸逆流による刺激臭

食後や就寝中に胃酸が逆流すると、酸っぱい刺激臭が喉に残りやすくなります。

  • ゲップ・胸やけ・喉の灼熱感がセットで起こる
  • 消化器内科でPPI・漢方薬などを処方
  • セルフ対策:就寝3時間前までに食事/高脂肪食・アルコールを控える

生活習慣改善と治療の詳細は
逆流性食道炎の予防と治療をご参照ください。

喉の臭いは「がん」のサイン?関係性をわかりやすく整理

臭いだけでがんを疑う必要が低い理由

咽頭がん・喉頭がんは比較的まれで、初期から臭いだけが強く出るケースは多くありません。多くの場合は、喉の違和感や声のかすれ、飲み込みづらさなどの症状が複合して現れます。

がんを疑うべき5つの初期症状チェックリスト

  • 喉の違和感・異物感が2週間以上続く
  • 声のかすれ・しゃがれ声が改善しない
  • 片側の扁桃や頸部リンパ節が腫れ、徐々に大きくなる
  • 飲み込み時の痛みが耳まで響く
  • 痰や唾液に血が混じる/原因不明の体重減少

該当があれば耳鼻咽喉科で内視鏡検査を受けましょう。

がん由来の臭いの特徴と成り立ち

進行すると腫瘍の壊死などにより腐った肉のような悪臭を伴うことがあります。ただし初期段階では臭いのみが前面に出るのは稀です。「臭い+他症状」の有無を見極めましょう。

豆知識:臭い玉と扁桃がんの違い

項目 膿栓(臭い玉) 扁桃がん
見た目 白~黄の粒状塊が扁桃のくぼみに付着 不規則なしこりや腫瘤、扁桃自体の膨張
症状 強い硫黄臭が主で痛みは少ない 痛み・違和感・出血・嚥下障害など多様
発生部位 口蓋扁桃のくぼみ 扁桃表面〜周囲組織
痛みの有無 ほとんど痛みなし 進行で強い痛みを伴うことがある
対処法 ぬるま湯うがいで自然排出を促す 早期は内視鏡手術/進行時は放射線・手術

自宅でできるセルフチェック&応急対処法

鏡とライトで喉を観察する手順

明るい場所で口を大きく開け、スマホライトや小型LEDで喉を照らして扁桃周辺を確認。白〜黄の粒が見えれば膿栓、扁桃自体の腫れや左右差があれば炎症・腫瘍の可能性も考慮します。

膿栓の安全な扱いとNG行動

膿栓は無理に取り除こうとせず、まずは自然排出を待つのが基本。自然排出を待つときは、外れやすい瞬間(朝・食後・入浴後など)があります。詳しくは膿栓が取れるタイミングを確認してください。

気になる場合はぬるま湯うがいや弱い流水での洗浄で様子見を。

爪・金属器具・強い水圧での洗浄は厳禁。痛み・腫れ・赤みがあるときは自己処置を避け、耳鼻咽喉科へ。手順と禁忌は 安全な膿栓の取り方・完全ガイドで。

口腔ケア・うがい・水分補給でニオイを抑える

歯磨き+やさしい舌ケア後、塩化セチルピリジニウムなどのマイルドな洗口液で30秒うがい。さらに水やノンシュガー緑茶をこまめに飲み、乾燥を防ぎましょう。詳しくは 口臭対策マニュアルへ。

不安を感じたら?専門医による検査と治療の流れ

耳鼻咽喉科で受けられるファイバースコープ検査

最も一般的な一次検査が経鼻ファイバースコープ。喉頭・咽頭を直接観察でき、膿栓の隠れ場所や腫瘤の有無を短時間で確認。局所麻酔スプレーで痛みは少なめです。

CT・MRI・生検など追加検査の概要

所見に応じてCT/MRIで範囲を評価し、必要なら組織生検で良悪性を判定。多くは外来・日帰りで実施可能です。

早期発見時の治療選択肢と予後

早期(ステージI〜II)であれば、放射線単独や内視鏡手術が選択されることが多く、良好な治療成績が期待できます。進行すると治療が長期化しやすいため、早期受診が要です。

喉を健康に保つ5つの生活習慣&予防策

禁煙・節酒でリスクを下げる

喫煙・多量飲酒は咽頭・喉頭領域のリスク因子。完全禁煙と節酒を目標に。

口腔内の保湿と定期クリーニング

唾液は天然の抗菌・自浄作用。水分摂取、キシリトールガム、無糖の緑茶などで保湿し、歯科のプロフェッショナル・クリーニングを半年に一度目安に。

バランスの良い食事・睡眠で免疫力アップ

ビタミンA・C・E、亜鉛などを意識し、7時間前後の睡眠で粘膜の修復力を保つ。

定期的な耳鼻科・歯科検診のすすめ

「異常なし」も安心材料。特に50歳以上や喫煙歴のある方は年1回の内視鏡チェックを。

ストレス管理で唾液分泌を促す

深呼吸・軽い有酸素運動・リズム運動・ガム噛みなどで副交感神経を高め、乾燥と臭いを抑制。

よくある質問(FAQ)

Q:喉が臭いだけでがんの可能性はありますか?

A:臭いのみが原因でがんというケースは多くありません。まずは膿栓や口腔内のトラブルを疑います。声のかすれ・嚥下痛・血痰が2週間以上続くなどの赤旗があれば受診を。

Q:膿栓とがん由来の臭いはどう違いますか?

A:膿栓は硫黄臭(腐った卵のような臭い)が典型で、痛みは少ない傾向。一方、がん由来の臭いは腫瘍壊死に伴う腐敗臭を呈し、痛みや嚥下障害など他症状を伴うことが一般的です。

Q:どの科を受診すればよいですか?

A:喉奥の臭いが気になる場合はまず耳鼻咽喉科へ。逆流性食道炎が疑われる場合は消化器内科も選択肢です。

まとめ|正しい知識で不安を手放し、早期発見につなげよう

喉の臭いだけで過度に怯える必要はありません。気になる症状が2週間以上続く・強くなる場合は、ためらわず専門医へ。
HowToは安全な膿栓の取り方・完全ガイドへ。

著者の一言アドバイス
喉の不快感や臭いに気づいたら、まずは無理せずセルフケアを。日々のうがいと水分補給、鼻呼吸の習慣で喉の回復力は上がります。症状が続く・強まるときは早めに専門医へ。

臭い玉が“ない人”の特徴|できにくい体質の共通点と予防

臭い玉がない人の特徴イメージ画

こんにちは、口腔ケアアンバサダー(社団法人 日本口腔ケア学会認定)の 上林登 です。監修:歯科衛生士 上林ミヤコ

【結論】臭い玉が「ない人」に見える理由

臭い玉(膿栓)は誰にでも作られる可能性がありますが、次の条件がそろうと自然に外れやすく、小さく保たれやすいため「ない人」「できない人」「出ない人」のように見えることがあります。

  • 唾液がよく出て乾燥しにくい
  • 鼻呼吸が中心で口呼吸になりにくい
  • 口腔ケアが丁寧で舌苔やプラークが少ない
  • 鼻炎や扁桃炎が慢性化していない
  • 喉に炎症が起こりにくい生活習慣が続いている

つまり健康な喉環境が維持できている人ほど、臭い玉は「できにくい体質」に近づくということです。

Q. 一度も臭い玉が出たことがないのは異常ですか

A. 異常ではありません。小さく作られて自然に外れたり、炎症が少なくて作られにくい人も多くいます。

ただし、早めに受診の目安(当てはまる場合)

  • 発熱、強い喉の痛み、片側だけ強い腫れがある
  • 飲み込みづらさが続く、血が混じる、口が開けにくい
  • 強い口臭や違和感が「急に」悪化して2週間以上続く

目安:まず耳鼻咽喉科(のど・鼻の評価)。口の中の出血や歯ぐきの腫れが強い場合は歯科も併用します。

10秒チェック(当てはまるほど「できにくい側」)

□ 鼻呼吸が多い □ 口が乾きにくい □ 鼻炎や後鼻漏が少ない
□ 喉が荒れにくい □ 歯間ケアもしている(フロス等)

「臭い玉が全く出ないのは体質なのか」「自分もできにくい人なのか」という相談はよくあります。膿栓は誰にでも作られる可能性はありますが、できにくい人には共通点があります。

この記事ではできにくい体質の特徴と予防習慣をわかりやすくまとめます。安全な基本手順は「取り方ガイド」、頻発の見直しポイントは「原因別まとめ」へどうぞ。

結論:臭い玉が“ない人”の特徴7つ

  • 鼻呼吸ができている(口呼吸の習慣が少ない)
  • 唾液量が十分で口腔が乾燥しにくい
  • 口腔清掃が丁寧(歯みがき+舌表面の“なで磨き”)
  • 鼻炎・後鼻漏など上気道の炎症をコントロールしている
  • 扁桃の“くぼみ”(扁桃陰窩)が浅い・凹みが少ない等の個体差
  • 喫煙なし/アルコールの摂りすぎで乾燥させない
  • 就寝直前の飲食を控えめ(寝る2時間前以降は軽めにして、喉の乾燥や違和感を助けない)

膿栓が“できにくい体質”の概念図(乾燥を避け、鼻呼吸、やさしい清掃)

耳鼻科・歯科の公開情報では、膿栓は扁桃のくぼみに老廃物がたまってできるため、乾燥や鼻炎、口呼吸があると“できやすい”ことが示されています。逆にこれらが少ない人は“できにくい”傾向がある、という理解でOKです。(参考:扁桃の膿栓と乾燥・口呼吸の関係(耳鼻科)

パッと比較:できやすい人 vs できにくい人

指標 できやすい人 できにくい人
呼吸様式 口呼吸が多い/いびき 鼻呼吸が中心
口腔の乾燥 ドライマウス傾向 唾液量が十分で潤っている
鼻・喉の炎症 鼻炎・副鼻腔炎・後鼻漏が続く 炎症を治療・コントロール
扁桃の形態 陰窩が深め(個体差) 陰窩が浅め(個体差)
生活習慣 喫煙・飲酒過多・就寝前の飲食 禁煙・節酒・就寝2時間前以降は食べない
お口のケア 歯間清掃・舌ケアが不十分 歯みがき+歯間清掃+“なでる舌ケア”

見えない理由:「ない」のではなく「溜まる前に消えている」

「一度も見たことがないから、自分には無縁だ」と思っている方も多いですが、実は**「作られていない」のではなく、「大きくなる前に無意識に処理されている」**ケースが大半です。

健康な扁桃(へんとう)を持つ人の喉では、以下のような**「自然排出サイクル」**が毎食ごとに機能しています。

【図解】「臭い玉がない人」の喉で起きていること

臭い玉ができるメカニズムは誰でも同じですが、「ない人」は下図のサイクルがスムーズに回転しています。

  1. 【微小な蓄積】 扁桃のくぼみ(陰窩)に、微細な細菌や細胞の死骸が入る。 ↓

  2. 【食事・嚥下】 食事の際、飲み込む動作(嚥下)で喉の筋肉が動き、扁桃が圧迫される。 同時に、通り過ぎる食物や唾液の流れが「摩擦」を生む。 ↓

  3. 【自然脱落】 圧迫と摩擦により、溜まりかけた微細な汚れがポロッと押し出される。

tonsil crypts cross section anatomyの画像

*(参考イメージ:扁桃の陰窩の断面図。くぼみが浅いと、このように内部の汚れが排出されやすくなります)* ↓

  1. 【消失(飲み込み)】 押し出された汚れは、そのまま食物と一緒に食道へ流れ、胃酸で処理される。 (※本人は気づかない)

つまり、「臭い玉がない人」とは、**「汚れが固まって巨大化(視認できるサイズ)する前に、都度捨てることができている人」**と言い換えることができます。

「隠れ臭い玉」のパターン:見えない位置での出入り

もう一つの「見えない理由」は、扁桃の構造によるものです。

扁桃のくぼみ(陰窩)は、表面に見えている穴だけでなく、迷路のように奥深く入り組んでいることがあります。

  • 陰窩が深い・入り口が狭いタイプ: 奥の方で膿栓が形成されているが、入り口が狭いため表面からは見えません。この場合、「見えないけれど、咳をした拍子に強烈なニオイがする」という現象が起こります。

  • 陰窩が浅い・開き気味のタイプ(ない人の特徴): くぼみが浅いため、奥に留まるスペースがなく、上記の「自然排出サイクル」によってすぐに洗い流されます。

「鏡で見ても白い玉がないのに、喉の奥から特有のニオイがする」という場合は、完全に「ない」のではなく、**「見えない奥に潜んでいる」「小さいうちに飲み込んでいるが、ニオイ成分(ガス)だけ漏れている」**可能性が高いと言えます。

「臭い玉がない人」が維持している喉環境と習慣

臭い玉ができない人は、意識的か無意識的かを問わず、「扁桃(へんとう)に汚れを溜めない環境」が日常的に作られています。

これまでの調査で分かっている「ない人」の生活習慣上の共通点は以下の通りです。これらが揃っていると、扁桃の穴(陰窩)があっても、汚れが蓄積する前に自然と洗い流されてしまいます。

  • 常に鼻呼吸である 口呼吸による乾燥がないため、唾液の自浄作用が扁桃まで届いています。

  • 喉が潤っている(水分摂取が十分) こまめに水分を摂る習慣があり、ネバネバした唾液や痰が停滞しにくい状態です。

  • 就寝時に胃の中が空っぽ 食べてすぐ寝ないため、逆流などの影響が少なく、翌朝の口内細菌の増殖(舌苔の発生)が抑えられています。

  • 口内フローラが整っている 丁寧な歯磨きや舌ケアによって、膿栓の原料となるプラークや細菌そのものが少ない状態です。

  • 炎症の慢性化を防いでいる 鼻炎や喉の違和感を放置せず、治療やケアでコントロールできているため、膿栓の元となる「白血球の死骸」が出にくい体質を維持しています。

    炎症の慢性化を防いでいる 鼻炎や喉の違和感を放置せず、治療やケアでコントロールできているため、膿栓の元となる「白血球の死骸」が出にくい体質を維持しています。(参考:臭い玉と鼻・喉の炎症の関係(中立情報)

これらは「元々の体質」も影響しますが、後天的なケアで「ない人の環境」に近づけることも可能です。

📝 具体的な対策を始めたい方へ

「自分はできやすい体質かもしれない」「今ある膿栓をどうにかしたい」という場合は、特徴を知るだけでなく、具体的な除去法と予防アクションが必要です。

即効ケアの使い分け(人前直前は“息だけ”下げる)

精油系洗口液は、舌苔に由来するVSCを一時的に低減できます。ただし効果は持続的ではなく、膿栓そのものを物理的に消すわけではありません。日常の原因対策(乾燥・舌苔・鼻炎ケア)とあわせて、人と会う直前の“息ケア”に限定して使うのが安全です。

よくある質問(FAQ)

Q. 臭い玉が「ない」のは異常ですか?

A. 異常ではありません。小さくて自然に外れて気づかない、そもそもできにくい人の条件に当てはまる、などが考えられます。

Q. 「ないのに口臭」が強いのはなぜ?

A. 主因は舌苔(VSC)・歯周トラブル・副鼻腔炎にあることが多いです。まず舌ケアと乾燥対策、歯ぐきの出血・腫れがあれば歯科受診、鼻づまりや後鼻漏があれば耳鼻科を目安に。

Q. 洗口液で膿栓を“予防”できますか?

A. 息のVSCは一時的に低減できますが、扁桃の“くぼみ”に詰まる現象そのものを止める薬ではありません。日常の乾燥・鼻炎対策とうがいの併用が基本です。

受診の目安

  • のどの痛み・発熱を繰り返す、膿栓が大きく繰り返し出る
  • 黄色〜緑色の鼻汁、強い鼻づまり、ねばつく後鼻漏が続く
  • 歯ぐきの出血・腫れ・歯の動揺など歯周症状が目立つ

上記は専門治療の対象になりやすいサインです。迷ったら受診フローをご確認ください。

参考リンク(中立情報)

著者の一言アドバイス

一般論だけでは、あなたの“におい玉事情”は解けません。 におい玉は体質×生活×乾燥の掛け算。まずは“息だけ下げる直前ケア”と“根本を整える日常ケア”を分けて考えると、ムダが激減します。受診サインがあるときは無理せず専門科へ。

まとめ

「におい玉がない=異常」ではありません。ない人の7条件は、鼻呼吸・潤い・清掃・炎症コントロール・個体差・生活習慣の積み重ね。見えない/ないのに臭いときは、まず舌苔・歯周・後鼻漏を順にチェックしましょう。日常では乾燥と鼻炎のケア、そしてやさしい舌の“なで磨き”。取り方の具体手順は「安全な膿栓の取り方」をご参照ください。


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