知覚過敏の歯磨き粉でしみなくする方法!

知覚過敏用の歯磨き粉について

口腔ケアアンバサダー(社団法人口腔ケア学会認定)の上林登です。

知覚過敏とは、虫歯でもないのに冷たいものがしみる、歯ブラシが当たるとツーンと痛みが走る、症状のことです。歯がしみて痛い時は、知覚過敏歯磨き粉を使って即効で治したいですよね。

知覚過敏の痛みを抑える成分として有効なのは、薬用成分の硝酸カリウムと乳酸アルミニウムです。

出典:LION

知覚過敏で歯科を受診すると、歯医者さんからは、たいていシュミテクトなどの知覚過敏歯磨き粉を使うよう、勧められます。軽度であれば、知覚過敏の歯磨き粉を使用するだけで症状が緩和されるからです。しかし、薬用歯磨き粉のデメリットは、効果が続かないことです。

症状が悪化しないためには、歯科を受診することが大事ですが、多忙ですぐには治療を受けられない場合には、シュミテクトなどの知覚過敏に効く薬用歯磨き粉を使うようにしましょう。

今回は、知覚過敏歯磨き粉「シュミテクト」の効果的な使い方をご紹介しますので、ご参考にしてください。

歯がシミて痛いのは?

知覚過敏の痛みは、歯の表面のエナメル質が薄くなることで歯の中にある神経と歯の表面の距離が近くなり、冷たいモノや歯ブラシなどの刺激が伝わり神経が過敏に反応することで起こります。

症状としては、「キーン」とした鋭い歯の痛みが多いですが、一時的で数秒から長くても一分程で治まります。

知覚過敏になる原因:加齢や過度なブラッシングによる歯ぐきの退縮、歯周病、歯ぎしり、食いしばり、噛み合わせた時の歯へかかる力、酸性の飲食物により歯の表面のエナメル質が溶かされるなどによって、歯がシミて痛くなると考えられています。

知覚過敏は象牙質の露出と管の開口が主な原因であり、これらの管を封鎖するか、神経の感受性を減らすことにより治療することが可能です。

原因 : 知覚過敏は、露出した象牙質に対する熱的、化学的、または機械的刺激によって引き起こされる痛みです。象牙質が露出する主な原因は、歯茎の後退、セメント質の損失、または歯の摩耗です。歯磨き時の力のかけ過ぎ、酸性の飲食物の過剰摂取、あるいは特定の歯科治療によっても知覚過敏が発生することがあります (Bartold, 2006)

歯がしみる症状をなくすには

知覚過敏の治療法には化学物質やレーザー療法が含まれ、患者の状態に応じて適切な治療法を選択することが重要です。

治療方法 : 知覚過敏の治療には、歯の神経終末の感受性を減少させる方法や、象牙質の管を封鎖する方法があります。封鎖にはフッ化物、ストロンチウム、オキサレート、カルシウムリン酸塩、アルギニンカルシウムカーボネート、ナノハイドロキシアパタイト、グルタルアルデヒドなどの化学物質、またはレーザー療法が用いられます。非侵襲的なホームケア療法から始め、それが効果がない場合にのみ、より侵襲的な歯科医院での治療を検討することが推奨されます (Loveren et al., 2015)

歯の象牙質に加わる刺激を象牙細管に伝わらないようにすることで、歯がしみる症状をなくすことが可能になります。

知覚過敏症状が軽度の場合には、硝酸カリウムが配合されている「シュミテクト」などの歯磨きを使用することで、外からの刺激をシャットアウトすることが可能です。

しかし、シュミテクトなどの知覚過敏用歯磨き粉を使用しても痛みがが治まらない場合は、他の原因も考えられるので、必ず歯科医院を受診するようにしましょう。

診断した結果、シュミテクトでは効果が見込められない知覚過敏の場合、露出した象牙質にレーザーを照射したり、象牙質の露出部位をコンポジットレジン(樹脂)などのコーティング剤で覆うことによって、刺激の伝達をシャットアウトする治療方法が一般的です。

知覚過敏歯磨き粉を使っても効かない場合は?

知覚過敏歯磨き粉のデメリット

軽度の知覚過敏であれば、薬用歯磨き粉を使用することで症状が緩和されます。しかし、途中で、知覚過敏用の歯磨き粉を使うのをやめてしまうと、症状が悪化することがあるので、続けて使用することをおすすめします。

薬剤ペーストの塗布:知覚過敏が治らない場合は、薬剤ペーストをしみる歯に塗布して象牙細管を塞ぎますが、長期期間の効果は期待できません。

レジンやセメントを詰める:これでもしみる場合は、歯の内部に炎症を生じているので、歯を治療し、コンポジットレジンやセメントで細菌が入らないよう修復します。

この他にも痛みが治まらないケースがあります。この場合に考えられるのは、虫歯、ホワイトニングの後の痛み、歯を削る治療を行なった後、のほか、歯にひび割れを生じていることが原因かもしれません。

歯の痛みが止まらない場合は、放置すると炎症が悪化する恐れがあるので、放っておかずに受診することが大切です。

知覚過敏に効果のある歯磨き粉

知覚過敏用の薬用歯磨き粉には、一定の効き目はありますが、すぐに効くと言うものではありません。

【歯科医院専売品】
システマセンシチイブ(LION)

【市販の歯磨き粉】
アース製薬|薬用シュミテクト
ライオン|デントヘルス 薬用ハミガキ しみるブロック
ライオン|システマ ハグキプラスS(知覚過敏)ハミガキ
花王|ピュオーラGRAN(グラン)知覚過敏症状ケア
花王|クリアクリーンプレミアムしみる歯のケア

市販の薬用歯磨き粉の成分は、ほとんど同じで効き目も大差はありませんが、購入される前に、薬剤師さんに相談して成分をチェックするといいでしょう。

●「硝酸カリウム」「乳酸アルミニウム」…痛みをおさえる効果があります。

●「フッ素(フッ化ナトリウム)」…削れた象牙質の補修になる

●研磨剤なしの歯磨き粉を選ぶなら、「リン酸」「カルシウム」「キシリトール」配合のオーガニックの歯磨き粉…アパタイト成分などによってエナメル質(歯質)を強化する

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知覚過敏歯磨き粉を塗ってしみなくする方法

軽度の知覚過敏であれば、自宅での歯磨きの時にシュミテクトなどの知覚過敏歯磨き粉を使用することで、一定の効果がみられますが、使い方を一工夫すると、即効性のある(しみなくする)効果を発揮させることができます。

薬用成分は、知覚過敏の部位に直接塗布することで効果があります。そのためには、まず、どの部分が痛いのかを知る必要があります。

患部をチェックする

歯科でエアー(空気)を当てると痛みの部分が分かりますが、(できなく)お家でチェックする場合は、冷たい飲料を飲むとか、甘いチョコレートを口に含むと痛みが発生します。ピンポイントで患部をチェックする方法としては、歯ブラシの毛先を歯に当てて「痛み」を感じる部分を覚えておく。

患部に歯磨き粉を塗る

痛みを感じる部分が分かったら、その部分に薬用歯磨き粉を塗りつけます。塗り方としては、ワンタフトブラシや歯間ブラシを用いて、その先端に、薬用歯磨き粉を米粒の半分程度の量を付けて、直接患部に塗布します。

歯磨き粉を付けたあとは、薬剤が流れて行かないように、ゆすがないことがコツです。歯磨き剤のぴりぴりする刺激が我慢できない場合は、唾を吐くか、軽く水で1~2回ゆすぐようにしましょう。

効果を高めるには夜歯磨きを行う

日中は唾液がたくさん分泌されるため、薬用成分が洗い流されてしまい、効果も低下しがちです。
薬用成分の効果が高くなる時間帯は、夜です。就寝中は唾液がほとんど出ないため、歯磨き粉の薬用成分が歯の表面に止まるからです。ですから、就寝前の歯磨きの仕上げに、シュミテクトなどの歯磨きを塗ることをおすすめします。

知覚過敏歯磨き粉で治った:私の体験談

私は数年前から知覚過敏に悩まされていました。冷たい飲み物や甘いものを食べるたびに、歯に鋭い痛みが走り、日常生活に支障をきたしていました。しかし、薬用歯磨き粉を使用することで、この問題から解放されました。

知覚過敏の原因となる部分を特定した後、医師のアドバイスに従って、ワンタフトブラシの先に薬用歯磨き粉を米粒半分程度付け、直接患部に塗布しました。最初は歯磨き粉の刺激に少し苦しみましたが、そのままゆすがずにしばらく放置することで、徐々に症状が軽減していきました。

この方法を続けること数週間、知覚過敏による痛みはほとんど感じなくなりました。今では、冷たいものも甘いものも恐れずに楽しめるようになり、本当に感謝しています。この経験を通じて、私は知覚過敏に悩む人々に一つの希望を伝えたいと思います。薬用歯磨き粉の正しい使い方を理解し、継続することが、歯の痛みを克服する鍵です。

まとめ

患者さまの中には、歯がしみて痛いからと、ブラッシングを控える方もいらっしゃいますが、そうすると口腔内の衛生状態が悪くなり、歯周病の進行を早めてしまい、結果として知覚過敏を悪化させます。
また、初期の知覚過敏は痛くなってもすぐに治ってしまうため、我慢でき、放置されがちです。気になる症状がある場合は早めに歯科医院を受診し、ブラッシング指導を受け、原因を見極めて適切な治療を受けられることをおすすめします。

知覚過敏の症状が初期または軽度であれば、口臭予防歯磨き粉「美息美人」でうがいすると予防できます。ホタテ貝殻パウダーを主成分とする「美息美人」のアルカリイオン水は、(カルシウム・リン)アパタイトから成るため石灰化を促進し、歯を強くする効果があるからです。無添加の歯磨き粉で知覚過敏を予防したい人におすすめです。

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