舌苔予防
口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登です。
口臭原因の6割が舌苔(ぜったい)による生理的口臭だと言われていますので、口臭を防ぐには、舌苔をつかないように予防することが大切です。
口臭を予防するには、舌ブラシなどで舌苔清掃を行なうことも有効ですが、舌苔はすぐに溜まってしまうため、根本的な舌苔予防にはなりません。
舌苔をつかないようにするには、ストレスを軽減したり生活習慣を改善するなどの対処が必要になります。
舌苔が出来る主な原因は、①胃腸の不調、②ストレス、③唾液の分泌低下、④免疫低下です。これら舌苔の原因を改善することで、舌苔を予防できます。
引用:舌苔がすぐにたまる原因
今回の記事は、舌苔の予防方法をご紹介します。舌苔がとれないとお困りでしたらぜひご参考にしてください。
関連記事:舌をピンクにする!?健康なピンク色にするための方法について
舌苔の原因
舌苔とは、舌の表面に付いた苔のことをいいます。舌苔が厚くなると口臭も強くなる傾向にあります。
舌苔(ぜったい)は、食べかすやはがれ落ちた細胞に細菌が集まってできた固まり「プラーク」です。そのため、口臭原因になります。
舌苔がよくできる人がいます。反対にいつもピンクで綺麗な舌の人もいます。この違いは何だと思いますか?
舌苔がよくできる原因がわかれば、舌苔ができないようにできます。舌苔がよくできる原因は色々ありますが、特に多いのは次の2つです。
- ドライマウス(唾液分泌が悪い)
- 免疫低下(胃腸が弱い、ストレス、睡眠不足、偏った食事、体調不良など)
参考:舌の奥に舌苔がたまる原因
【舌苔が着く原因】
- ドライマウス(口呼吸。唾液の分泌が少ない。)
- 水分摂取が少ない。
- 柔らかい食べ物を良く食べる。(菓子やハンバーグなど)
- 歯磨きをていねいにしない。(就寝前に歯磨きをしないなど)
- 会話しない。運動しない。
- 舌の上に溝ができている。舌乳頭が異常に長い。
- 食べ過ぎ、飲み過ぎが多い。(喫煙や飲酒も含む)
- 不安やイライラなどストレスが多い。
- 夜寝られない。
- 加齢で内臓が弱ってきている。
- 降圧剤、睡眠誘導剤などの薬の副作用。
- 内科疾患。
引用:舌が白いと口臭になる!舌磨きのポイントは粘膜を傷つけないこと
舌苔の予防方法
これまで、舌苔ができて舌が白くなる原因と、どれだけ努力しても舌苔がなおらない原因についてお伝えしました。
じゃあ、どうすれば舌苔(ぜったい)ができなくなるでしょう?次の12の項目を取り入れることで舌苔をできなくすることが可能になります。
【舌苔をできなくする方法】
- よく噛んで食べる
- よく喋る
- ていねいに歯磨きする
- 暴飲、暴食、喫煙をしない
- 小まめに水を飲む
- 乳酸菌を摂取する
- リラックスを心掛ける
- 軽い運動をする
- 鼻呼吸をする
- 舌に保湿ジェルを塗布する
- 良く寝る
- 健康的な食生活にする
舌磨きをやめる
間違っても舌磨きを行ってはいけません!
舌磨きをすると、乳頭は簡単に削れてしまい、傷つきます。すると、傷の部分に細菌が繁殖し、もっと舌苔(ぜったい)がができてしまいます。
もし、舌磨きをしていたら、今すぐ止めた方が良いです。じゃあ、どうすれば?
舌磨きが良くない理由は、『舌磨きはしないほうがいい!?舌磨きのメリット・デメリットと正しい舌ケアの方法を解説』をご参考にしてください。
唾液を出す
唾液には抗菌力が備わっているので、唾液が充分に出ていれば、舌苔(ぜったい)が出来ることはありません。
たとえ、少し舌が白くなったとしても、唾液には、直ぐに白くなった舌を元に戻す力があります。
ところが、、、唾液は、加齢や精神的ストレスから減少しますので、唾液の分泌を増やすことは容易ではありません。
じゃあ、どうすれば?詳しくは『歯磨きしても口がネバネバする原因8つ!唾液の粘つき改善方法はこれ!』をご参考にしてください。
舌を上顎にこすりつける
上あごの粘膜は舌よりも硬く、ごつごつとしています。舌を上あごにこすりつけることによって、舌の表面についている舌苔が取れます。舌苔がすべて取れるのではなく、取れるのは舌の表面にある舌苔だけです。
これを繰り返すことで舌苔の減少が期待できるし、舌を動かすことで唾液の分泌を促す効果も見込めます。しかし、舌を上あごにこすり付けてみると分かりますが、思うように舌苔が取れないことにガッカリするかもしれません。
だからといって、舌を上あごにこすりつける方法を否定するわけでもありません。毎日、舌を上あごにこすりつけることで、舌の筋肉が鍛えられ、唾液腺の刺激になるため、唾液の分泌が活発になります。
唾液がよく出ると舌苔の予防になり、最終的には口臭予防になるのでおすすめします。
ガムを舌でころがす
舌を上あごにこすりつけるのが難しい人の場合は、ガムや小さく切った昆布を口にいれ、舌で転がすようにするといいです。
先ほどの舌を上あごにこすりつける方法と同様に、ガムや昆布を舌の上で転がす方法には、舌苔を取る効果もありますが、唾液も促進できるのでおすすめします。
勘違いしないでほしいのですが、ガムで舌苔をくっつけて絡めとることはできません。ガムを噛むのは唾液を出すためです。ですから、ガムの味がしなくなってからも噛むようにしてくださいね。
免疫力を高める
舌苔(ぜったい)を作っているのは細菌です。そして、その細菌たちをコントロールしているのは、口内からの唾液と分泌物。
これらには、免疫力があり口内が不衛生にならないように守る力があります。ところが、仕事や生活で疲れがたまるとか、不安によるストレスがかかると、免疫力が低下します。
免疫力が低下すると、風邪などにも感染しやすくなりますが、それだけではありません。舌の上の細菌も増えることに。これが、舌苔(ぜったい)が治らない理由です。
ですから、舌が白くならないようにするには、心身を健康にし免疫力を高めることが大切です。
口呼吸を鼻呼吸にする
口呼吸で多いのは、喫煙と睡眠時の開口です。
口呼吸をしていると舌が乾燥し舌苔ができるだけでなく、いつまでたっても舌苔がなおらないかもしれません。睡眠時に開口やいびきをしている場合には、歯科や呼吸科でご相談されてはいかがでしょう。
水を飲む
水または白湯を飲むことで舌苔を予防できます。
舌苔は、舌の上に細菌や汚れがたまることでできます。それでも、舌苔ができない人がいます。その理由は、唾液がよく出ているからです。唾液によって舌が綺麗に洗浄されているのです。
ところが、ドライマウスで唾液が少ないと細菌や汚れがたまり舌苔ができることに。
ですから、舌苔がよくできる、舌苔がとれない人の場合には、水や白湯を小まめに飲まれることをおすすめします。胃腸が弱い場合には、白湯を飲むことで胃腸が元気になりますよ。
歯磨きとうがい
舌苔(ぜったい)ができないようにするには、口腔内を常に清潔にしておくことが重要です。歯磨きケアが不十分で口腔内が不衛生になっていれば、舌が白くなります。
口腔を清潔にする実証済みの良い方法があります。
それは、口臭予防歯磨き粉「美息美人(びいきびじん)」のアルカリイオン水で歯磨きとうがい。
舌苔(ぜったい)をを作る細菌は酸性環境が好きですが、アルカリ性が苦手です。
だから、弱アルカリの唾液に細菌をコントロールする作用があるのですが、唾液の代わりとして、美息美人のアルカリイオン水を使います。
唾液のように24時間中使うということは出来ませんが、朝晩の歯磨きと日中2回程度のうがいだけで、舌が白くならないようにコントロールできることは、多くのお客さまによって実証済みです。
でも、舌が真っ白いとか唾液も臭い、口が苦い、よく口が乾くという場合には、口臭も強くなっているかもしれないので、早めに対策されることをおすすめします。
良く噛む
咀しゃく回数を増やすことは大切です。顎と舌を動かすことによって唾液分泌を促すことができます。柔らかい食べ物ばかりではなく固い食べ物や繊維質の野菜を食べることも大事です。食事で舌を動かすことで舌苔(ぜったい)がはがれる効果もあります。
良く会話をする
会話をすることで、顎や舌を動かすことができ唾液腺の刺激にもなります。会話をすることは自律神経にも良い影響を与えるので、唾液が出やすくなります。
パタカラ体操のようなお口の体操をすることも舌苔予防になりますが、特にそのような努力をしなくてもよく喋り顎と舌を動かすことでたくさん唾液が出てきます。
会話が楽しいと、副交感神経が活発になるためサラサラとしたきれいな唾液が分泌されます。サラサラ唾液が多量に出ると口内が洗浄され口内環境が改善されます。
このように会話することは舌苔予防になりますが、カラオケで好きな歌を唄うことは、さらに効果があるといわれています。この時気をつけないといけないのは、アルコールを飲まないことと睡眠不足です。
カラオケが舌苔予防になるからと、徹夜で唄ったら翌朝には舌が真っ白になってるかもしれませんよ。
リラックスする
ストレスは、身体の健康に影響します。心配や緊張などストレスが多くなると自律神経に悪影響を与え、唾液が出なくなり口内が乾いた状態になります。唾液がでないと舌が白くなります。逆にリラックス状態の時には、サラサラした唾液が沢山出るようになっています。
運動や趣味など好きなことを積極的に行うことで、唾液の分泌が促進されます。
身体を良く動かす
身体を動かすことは大事です。運動をすると身体の緊張がほぐれます。また、ストレスの軽減にもなるので、唾液が良く出るようになり舌苔(ぜったい)の予防になります。
舌苔(ぜったい)の予防には、身体だけではなく口や舌を動かすトレーニングを取り入れると良いです。(会話やシュガーレスガムを噛むなど)
睡眠を十分とる
体が疲れた時に舌苔が良くできます。舌苔は免疫力の低下が大きく影響しますので、寝不足すると翌朝には「舌が白い」経験をしたことがあると思います。
舌苔を予防するためには、寝不足しないように早く寝て十分に睡眠を取ると良いでしょう。
ところが、寝つきが悪く中々寝られない方がおられます。だからといって睡眠誘導剤を飲むと薬の副作用によって、唾液分泌が減り舌苔が出来やすくなるのでご注意ください。
睡眠誘導剤などのお薬を服用されている場合は、お医者さんに副作用の少ないお薬に変えてもらうなどご相談されてはいかがでしょう。
健康食を摂る
舌苔は健康状態が悪くなるとできます。これは、免疫力が低下することで口腔細菌が増え口内環境を悪化させるからです。
体の健康を作るためにはどんな「食事」を摂るかが重要です。コンビニ食ばかり摂らずに栄養バランスを考えた食事を摂るようにしないと、知らないうちに健康を害してしまい免疫が下がってしまいます。
また、健康を維持するためには、肉と野菜のバランスも大切ですので、肉や揚げ物中心にならないようにすることも必要です。免疫が高まると風邪もひきにくくなり、舌苔と口臭の予防になります。
果物や野菜には、水分が多く含まれそれ自体が舌苔を取る作用があるものも。毎日、新鮮な野菜や果物を食べるようにすると健康になるので舌苔もできにくくなります。
舌苔予防になる食べ物については「舌苔を溶かす食べ物・予防できる食べ物について教えます」をご参考にしてください。
まとめ
口臭を予防するには、舌磨きなどによって舌苔を除去することが必要です。しかし、舌苔はストレスや生活習慣を改善しなければすぐにたまります。
舌苔を予防するためには、生活習慣を改善して自律神経を整えることが大事です。そして、毎日舌苔ケアを行なうことも大切です。