よだれ臭い布団のニオイを消す方法|なぜ臭う?即効の落とし方と再発防止

こんにちは、口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登です。

枕や布団が「よだれ臭い」。洗えない日や梅雨どきは、ほんとうに困りますよね。本記事は「よだれ臭い 布団」の今すぐ消す方法と、再発させない運用術をまとめました。あわせて、「よだれがなぜ臭う?」もやさしく解説します。

クリックできる目次

いちばん先に読む:今日すぐニオイを抑える応急処置(外に干せない日もOK)

① 今すぐ消す
カバー交換→送風→拭き取り
② 洗える/洗えない判定
素材&洗濯表示で判断
③ なぜ臭う?
就寝中の乾燥×VSC

手早い3ステップ:カバー交換→送風乾燥→消臭ケアの順

  1. カバー交換:カバー/シーツを外し、替えを装着。外したカバーは洗濯へ。
  2. 送風乾燥:濡れ面に扇風機/サーキュレーターで風を当てて水分を飛ばす(直射日光よりまず)。
  3. 拭き取り:ぬるま湯で湿らせたタオルを「押し当て」てタンパク汚れを移す(こすらない)。必要に応じて酸素系漂白剤を規定量で薄め、目立たない所で色落ちテスト後に軽く押し当てる。

やりがちNG:半乾き・熱風当てすぎ・塩素系の安易使用

  • 半乾きはニオイ戻りの元。内部まで乾かし切ることを最優先。
  • タンパク汚れに高温は固着リスク。基本はぬるま湯で。
  • 塩素系漂白剤は色落ち・劣化の原因。基本は酸素系を選択。

子ども/介護で量が多いときの即対応(シミ拡大を防ぐコツ)

  • まず乾いたキッチンペーパーで「押さえて」水分を回収→ぬるま湯タオルで再度押し当て。
  • 厚手の敷きパッドは部分洗い→送風を先に。広範囲は無理せず後日本洗い/クリーニングへ。
  • 夜間は予備のカバー/パッドを常備してローテーション。

洗える?洗えない?素材と洗濯表示で判定するチェック

洗えることが多い素材と条件(カバー・敷パッド・化繊)

  • 綿/化繊のカバー・敷パッド:洗濯表示を確認し、ネットに入れて弱コース。
  • 中綿がポリエステルの枕:表示で「液温40℃・弱」等があればOK。単体で優しく洗う。

注意が必要な素材(羽毛・低反発・ラテックス・ウレタン系)

  • 羽毛:タグの可否表示を厳守。迷う場合は専門クリーニングが安全。
  • 低反発/ラテックス/ウレタン系:水を吸い劣化・硬化の恐れ。基本は洗わず、陰干し+清潔なカバー運用で。

判定に迷ったら「桶/手洗い禁止」「ドライ記号」などをチェック。曖昧なら無理をせずプロへ
参考:新しい洗濯表示(消費者庁)

枕/布団/マットレスで手順が変わるポイント

  • :中材によって可否が異なる。洗える場合も短時間でしっかり乾燥が必須。
  • 掛け布団:家庭洗濯可能でも容量/乾燥の確保が課題。コインランドリー活用も。
  • マットレス:基本は洗えない。カバー清潔+陰干し+プロテクターで運用。

本洗いで落とす:酸素系漂白剤を使ったタンパク汚れ対策

前準備:洗濯表示確認・ぬるま湯・規定量の基本

  • 洗濯表示で漂白剤の可否・水温を確認。
  • 酸素系漂白剤は規定量ぬるま湯(目安40℃前後)で完全に溶かす。
  • 色柄/金具は目立たない所でテストしてから作業。

落とし方の基本フロー(浸ける→叩き出す→十分乾燥)

  1. 前処理:よだれ跡をぬるま湯で湿らせ、タオルを押し当てて汚れを移す(こすらない)。
  2. 浸け置き:酸素系漂白剤の溶液に表示時間どおり浸す。強揉みはNG。
  3. すすぎ:十分にすすいで薬剤を残さない。
  4. 乾燥:内部まで乾くよう送風/面替えを丁寧に。ニオイ戻り防止の肝。

使い方の実例:オキシクリーン日本公式「使い方」(衣類のシミ・消臭など)

におい戻りを防ぐ乾燥のコツ(風・時間・厚みへの配慮)

  • サーキュレーターで両面から送風。途中で面を入れ替える。
  • 部屋干しは除湿機/エアコンドライ併用で時間短縮。
  • 厚みのある中材は、軽く押して水気が出ない状態まで乾燥を。

失敗しないためのNG集(熱湯固定・強揉み・塩素系の色落ち)

  • 熱湯:タンパク汚れの固着リスク。
  • 塩素系漂白剤の安易使用:色落ち/金具腐食/繊維劣化の原因。
  • 強いこすり洗い:生地傷みや中材崩れにつながる。

よだれが「なぜ」臭う?——口呼吸×乾燥×VSC(揮発性硫黄化合物)

寝ている間に起きること:唾液減少→嫌気性菌増→VSC産生

唾液そのものはほぼ無臭です。就寝中は唾液分泌が低下して口腔が乾きやすく、舌苔や歯周ポケットなどの嫌気性菌がタンパク質を分解してVSC(硫化水素・メチルメルカプタン等)を産生。これがよだれに混ざり、朝の強いニオイになります。
参考:日本歯科医師会|口臭 / e-ヘルスネット|口臭の原因・実態

悪化要因:口呼吸・いびき/舌苔・歯周病/鼻・喉の炎症/逆流

  • 口呼吸・いびき:乾燥で菌が増えやすい。
  • 舌苔・歯周病・むし歯:タンパク基質が多いほどVSCが増えやすい。
  • 鼻・喉の炎症/逆流:分泌物や刺激でニオイが強まることがある。

予防とケア:e-ヘルスネット|口臭の治療・予防

朝だけ強い・子どもが臭うのはなぜ?よくあるパターン

  • 夜間の口呼吸+寝汗+よだれ量で枕・布団に移り、乾く過程で臭いが残りやすい。
  • 大人はドライマウス/歯周病が絡むと強まる傾向。

原因の全体像と就寝前ケアは関連記事へ:寝起き口臭・よだれ臭いの原因と対策


再発防止:もう臭わせない運用術

プロテクター+カバー2枚ローテ(洗濯頻度の目安)

  • 防水/防汚プロテクター+枕カバー2枚を基本セットに。週1〜2回でカバー洗濯、プロテクターは月1〜2回を目安。
  • 就寝中に量が多い家庭は、予備を常に準備して夜間の交換をスムーズに。

換気・天日・部屋干しの最適化(季節・天候に合わせる)

  • 晴天:午前の日差し+風で短時間干し→仕上げは室内送風。
  • 梅雨/花粉:除湿機/エアコンドライ×サーキュレーターで確実に乾かす。

寝る前の口内ケア:こすらず薄めて流す洗浄ケア/水分補給

就寝前は、刺激の少ない“薄めて流す”洗浄ケアでタンパク汚れをゆるめて短時間で流すと、こすりすぎによるダメージを避けつつ、朝のニオイ要因を減らせます。仕上げにでうがいして口内をすすぐのがコツ。

鼻呼吸スイッチとマウステープの注意点(安全に試すコツ)

  • 鼻閉がある日は使用しない(安全最優先)。
  • まずは鼻呼吸の通りを作る(寝る前の鼻ケア/姿勢/加湿)。
  • テープは低刺激タイプを短時間から試し、肌トラブル時は中止。

要点まとめ(図解・1画面で復習)

チェックリスト:応急→本洗い→再発防止の順で迷わない

  • 【応急】カバー交換→送風→押し当て拭き。
  • 【本洗い】酸素系漂白剤は規定量×ぬるま湯→表示時間→十分乾燥。
  • 【再発防止】プロテクター+2枚ローテ/除湿送風/就寝前の“薄めて流す”ケア。

よくある質問(FAQ)

消臭スプレーだけでニオイは消せますか?

一時的に和らぎますが、タンパク汚れが残ると再発します。応急後は本洗い→完全乾燥まで行いましょう。

何度洗っても臭い/数日でにおい戻りするのはなぜ?

最も多いのは乾燥不足。内部まで乾き切っていないと臭いが戻ります。両面送風・面替え・除湿併用で乾燥時間を十分に。

乾燥機は使える?羽毛や低反発はどうする?

乾燥機の可否は洗濯表示に従います。羽毛は表示次第、低反発/ラテックスは基本不可。無理せず専門クリーニングを検討。

クリーニング店に出す目安は?家庭ケアの限界線

広範囲のシミ・乾燥に時間がかかる厚物・素材不明・表示が消えた物はプロに相談が安心です。

子どものよだれシミ対策(保育・介護の大量時)

夜は予備のカバー/敷きパッドで即交換→翌日まとめて本洗い。押し当て拭き→送風でシミ拡大を防ぎます。

梅雨・花粉シーズンの部屋干しニオイ対策

除湿機/エアコンドライ×サーキュレーターで乾燥工程を短縮。厚み部分の面替えを忘れずに。


関連読み・原因別の深掘り(内部リンク)


著者の一言アドバイス(保存版)

落とす技術にこだわるより、「臭わせない設計」に切り替えると日々がラクになります。プロテクター+2枚ローテで「汚れてもすぐ交換」、乾燥は風と除湿で確実に、就寝前はこすらず薄めて流す洗浄ケア。この3点を仕組みにすると、梅雨でもニオイ悩みがグッと軽くなります。


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就寝前の“薄めて流す”洗浄ケアは、刺激を抑えつつタンパク汚れをゆるめて短時間で流す発想です。
製品例:美息美人(アルカリイオン水ベース)——タンパク汚れをゆるめやすく、こすらず短時間で終えやすいので、乾燥傾向で粘膜が傷つきやすい方の補助洗浄に向きます。
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参考文献・根拠リンク

寝具ケア(酸素系漂白剤・素材別注意)

歯科・医療(唾液は無臭/乾燥・VSCの機序)