こんにちは、口腔ケアアンバサダー(一般社団法人 日本口腔ケア学会認定)の上林登です。監修:歯科衛生士 上林ミヤコ
30秒でわかる結論
口内炎があると、潰瘍部分から臭いが生じる場合があるほか、痛みで歯を十分に磨けない、食事や会話が減って口が乾くなどの理由で、口臭が一時的に強くなることがあります。
- 今日すること:刺激を避け、患部をこすらず、口の中をやさしく清潔にする
- 避けること:しみる洗口液、強い舌磨き、辛い・酸っぱい・熱い食品
- 受診目安:2週間治らない、硬い、広がる、出血する、発熱や飲み込みにくさがある
「口内炎ができてから息まで臭う気がする」「歯みがき粉やマウスウォッシュがしみて、どうケアすればよいか分からない」と不安になっていませんか。
口内炎がある日の口臭対策では、強く殺菌したり患部を磨いたりする必要はありません。大切なのは、刺激を減らす、患部以外を清潔にする、乾燥を防ぐという3つです。
この記事では、口内炎で口臭が強くなる理由、しみる日の対策、歯科・口腔外科を受診すべきサインを順番に解説します。
口内炎で口臭が強くなるのはなぜ?
口内炎ができたからといって、必ず強い口臭が発生するわけではありません。ただし、次の要因が重なると、一時的に臭いが強くなることがあります。
1.口内炎などの潰瘍性病変から臭いが生じることがある
口内炎は、口の粘膜に炎症や潰瘍ができた状態です。日本歯科医師会は、口内炎などの潰瘍をつくる病変も口臭の原因になり得ると説明しています。
ただし、口臭が強いからといって、口内炎だけが原因とは限りません。舌苔、歯周病、むし歯、歯間の汚れなど、別の原因が重なっている場合もあります。
2.痛みで磨き残しが増える
頬の内側、舌、歯ぐき付近に口内炎があると、歯ブラシが当たるのを避けるため、周囲の歯や歯ぐきを十分に磨けないことがあります。
その結果、食べかすやプラークが残り、細菌が臭いのもとになる成分をつくりやすくなります。患部を直接こする必要はありませんが、痛くない部分まで磨かなくなるのは避けたいところです。
3.口の乾燥で汚れが流れにくくなる
痛みのために食事や会話が減ったり、口を開けている時間が増えたりすると、口が乾きやすくなります。
唾液には、食べかすや細菌を洗い流し、口の中を清潔に保つ働きがあります。唾液が減ると舌苔や汚れが停滞し、臭いを感じやすくなります。
大切なポイント:口内炎の大きさと口臭の強さは必ずしも一致しません。小さな口内炎なのに臭いが強い場合は、舌苔、歯ぐき、歯間、乾燥も一緒に確認しましょう。
口内炎がしみる時の口臭対策3つ
対策1.辛い・酸っぱい・熱い刺激を避ける
まず、口内炎に触れると痛みが強くなる刺激を減らします。
- 香辛料の強い料理
- 柑橘類や酢など酸味の強い食品
- 熱い飲み物や料理
- アルコール飲料や喫煙
- アルコールや強い香料を含み、使用時にしみる洗口液
「口臭を消したいから」と、しみるマウスウォッシュを我慢して使う必要はありません。刺激を感じる製品はいったん休み、水かぬるま湯で軽くゆすぎましょう。
対策2.患部を避けて、歯と歯ぐきをやさしく磨く
患部を歯ブラシや舌ブラシで直接こすると、痛みや傷が悪化するおそれがあります。一方、口全体の清掃をやめると、磨き残しによる口臭が強くなりやすくなります。
次の順番で、できる範囲のケアを続けてください。
- 食後に水かぬるま湯で軽くゆすぐ
- やわらかめの歯ブラシを使う
- 口内炎を避け、歯と歯ぐきの境目をやさしく磨く
- 痛くない範囲で奥歯や歯間部の汚れを落とす
- 舌に口内炎がある間は、強い舌磨きを休む
完璧に磨こうとして無理をするより、患部を守りながら、汚れがたまりやすい場所だけでも清潔にする方が現実的です。
対策3.少量の水分をこまめにとる
口の乾燥を防ぐため、水や刺激の少ない飲み物を少量ずつとりましょう。一度に大量に飲むより、口が乾く前にこまめに補給する方が続けやすくなります。
- 寝起きや会話前に水を飲む
- 食後に水で軽く口をゆすぐ
- 口呼吸になっていないか確認する
- 室内が乾燥している場合は加湿する
- 甘い飲料を水分補給代わりに何度も飲まない
症状別|しみる日のケア早見表
| 状態 | まず行うこと | 避けたいこと |
|---|---|---|
| 歯みがき粉がしみる | 使用量を減らすか、水だけで患部以外を磨く | 強い刺激を我慢して使う |
| 洗口液がしみる | 水かぬるま湯で軽くゆすぐ | アルコールの強い洗口液を使い続ける |
| 舌に口内炎がある | 舌磨きを休み、歯と歯ぐきの清掃を優先する | 舌ブラシで患部をこする |
| 口が乾いて臭う | 水分補給と鼻呼吸を意識する | 甘い飴や飲料だけでごまかす |
| 痛くて食べにくい | 刺激が少なく軟らかい食事を選ぶ | 食事や水分を極端に控える |
口内炎だけが原因とは限らない|口臭の見分け方
口内炎が治るにつれて口臭も軽くなるなら、口内炎や一時的な磨き残し、乾燥が関係していた可能性があります。
反対に、口内炎が治った後も臭いが続く場合は、次の原因も確認しましょう。
- 舌が白い:舌苔や口腔乾燥
- 歯ぐきから出血する:歯肉炎や歯周病
- 特定の歯間だけ臭う:歯間の汚れ、むし歯、歯周ポケット
- 朝や緊張時に強い:唾液の減少
- 鼻づまりや喉の粘液がある:鼻や喉の問題
原因を一つに決めにくい場合は、次の診断記事で確認できます。
歯科・口腔外科を受診する目安
一般的なアフタ性口内炎は、7~10日程度で自然に軽くなることが多いとされています。ただし、見た目だけで原因を正確に判断することはできません。
次の場合は歯科・歯科口腔外科へ相談してください
- 2週間以上治らない
- 少しずつ大きくなる、数が増える
- 触ると硬い、周囲にしこりがある
- 出血、ただれ、しびれが続く
- 同じ場所に何度も繰り返す
- 歯、被せ物、入れ歯が同じ場所に当たっている
- 強い痛みで食事や水分がとれない
- 発熱、強い腫れ、飲み込みにくさがある
高熱、顔や首まで広がる腫れ、息苦しさ、急に悪化する飲み込みにくさがある場合は、通常のセルフケアで様子を見ず、早急に医療機関へ相談してください。
舌にできた口内炎の原因や、舌がんとの見分け方を詳しく確認したい方は、次の記事も参考にしてください。
口内炎が落ち着いた後の口臭予防
痛みが軽くなったら、口内炎ができた時だけ対処するのではなく、普段の口内環境を見直しましょう。
- 就寝前の歯みがきを丁寧に行う
- 歯間や奥歯の磨き残しを減らす
- 舌を強くこすらない
- 口呼吸や口の乾燥を見直す
- 同じ場所に歯や入れ歯が当たる場合は歯科で調整する
上林登からの一言
これまでの口臭相談では、痛みや違和感があるのに「もっと強く磨けばよい」と考え、舌や粘膜をこすり続けている方がいます。口の中に傷がある時は、汚れを放置するのでも、痛みを我慢して磨くのでもなく、患部を避けてやさしく清潔を保つことが大切です。
よくある質問
口内炎に口臭スプレーを使ってもよいですか?
患部にしみる場合は使用を中止してください。口臭スプレーは臭いを一時的に覆うものが中心で、口内炎の治療にはなりません。まずは水分補給と、患部を避けた口腔清掃を優先しましょう。
口内炎の時に塩水や重曹でうがいをしてもよいですか?
自己流で濃く作ると粘膜を刺激する可能性があります。しみる時は水かぬるま湯を基本とし、薬を使いたい場合は歯科医師、医師、薬剤師へ相談してください。
口内炎が何度もできるのは栄養不足ですか?
栄養状態が関係する場合はありますが、それだけとは限りません。歯や義歯による刺激、疲労、全身疾患、薬の影響なども考えられます。繰り返す場合は歯科・口腔外科で原因を確認しましょう。
まとめ|しみる日は強く磨かず、患部以外を清潔にする
口内炎があると、潰瘍部分の影響に加え、痛みによる磨き残しや口の乾燥が重なり、口臭が強くなることがあります。
- 辛い・酸っぱい・熱いものや、しみる洗口液を避ける
- 患部をこすらず、歯と歯ぐきをやさしく清潔にする
- 水分をこまめにとり、口の乾燥を防ぐ
2週間以上治らない、硬い、広がる、出血する、飲み込みにくい場合は、口臭対策用品で様子を見続けず、歯科または歯科口腔外科を受診してください。
口内炎が落ち着いた後も、舌苔・ネバつき・口臭が気になる方へ
美息美人は口内炎を治療する商品ではありません。水に溶かし、うがいと歯・舌のやさしいブラッシングに使用する口臭予防歯みがきとして、毎日の口内清掃を補助します。痛みや出血がある間は無理に使用せず、症状が落ち着いてから、ご自身に合うかを確認してください。
参考情報


