口が臭い人の特徴7つ 誰でも簡単にできる口臭ケアまとめ

口臭の原因と対策 – 口が臭い人に共通する7つのポイント

口腔ケアアンバサダー(社団法人 日本口腔ケア学会認定)の上林登です。

口臭は多くの人が気になる問題です。自分では気づきにくいものの、周りの人から指摘されると深く傷つきます。しかし、原因さえ分かれば、口臭は予防できる身近な悩みなのです。

実は口臭には、誰にでも起こりうる共通の原因があります。それは生活習慣の乱れや、身体の異常サインなどに起因しています。例えば、歯垢の蓄積による歯周病、舌の汚れ、喫煙、胃腸の不調、糖尿病、ストレス、加齢による唾液分泌の低下などが挙げられます。

口臭は、単に気分を害するだけでなく、対人関係にも深刻な影響を及ぼします。しかし、原因さえ分かれば、それぞれに効果的な対策があるのです。

本記事では、口が臭い人に共通する7つの原因とその予防法について、わかりやすく解説していきます。口臭に悩む人はもちろん、口臭を予防したい人もぜひ参考にしてみてください。適切なセルフケアと生活改善で、口臭から開放されるチャンスがあります。

口臭の原因は、87%が口の中にあることが明らかにされています。 口の中にいる嫌気性菌という種類の細菌 (中略)これが口臭の主たる原因物質です。

引用:口臭の治療・予防 – e-ヘルスネット – 厚生労働省

口臭の原因1 – 歯周病(歯肉炎、歯石)

口臭の最も一般的な原因は、歯周病です。歯周病とは、歯と歯茎の間に溜まった歯垢(プラーク)が原因で起こる歯肉の炎症のことを指します。

歯垢の蓄積が原因

歯垢はむし歯の原因菌だけでなく、口臭の元凶でもあります。歯垢が歯や歯肉に付着して除去されずにいると、歯石化し、さらに進行すると歯肉炎や歯周炎へと移行します。この際、口内に常在する細菌が増殖し、タンパク質を分解することで不快な臭いが発生するのです。

適切な歯磨きと定期検診で予防

歯周病による口臭を防ぐには、正しい歯磨き習慣と定期的な歯科検診が重要になります。歯と歯茎の境目をていねいにブラッシングし、歯間ブラシやデンタルフロスで歯垢を徹底的に除去することが大切です。プロフェッショナルによるスケーリング(歯石除去)で口臔内を一掃すれば、歯周病が改善し、口臭も解消できます。

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予防次第では手に負える口臭の原因ですが、歯周病が重症化すると深刻な口臭問題に発展する可能性があります。自覚症状がなくても、定期検診で早期発見・対策をとることが賢明でしょう。

口臭の原因2 – 舌苔(舌の汚れ)

舌の上に付着する白っぽい汚れ、いわゆる「舌苔」も口臭の大きな原因となります。舌には無数の隙間があり、そこに細菌が巣食うと舌苔ができあがります。

舌の溝に付着した舌苔が発生源

舌苔はタンパク質を分解し、口臭の元となる揮発性硫黄化合物を発生させます。さらに、舌の溝に溜まった古い舌苔が厄介で、ここから強烈な口臭が発生するのです。

朝起きた時の口臭が特に強い人は、舌苔が原因かもしれません。舌の奥まで汚れが溜まり乾燥が進んでいるケースが多いためです。

舌クリーナーによる舌磨きで対策

このような舌苔による口臭は、舌磨きで対策できます。舌専用のクリーナーでこすり落とせば、溜まった汚れが取れて衛生的になります。歯ブラシでも汚れを除去できますが、舌を傷つける恐れがあり、クリーナーのほうが効果的です。

舌の表面だけでなく奥の溝まで徹底的に磨き、再び汚れを溜め込まないよう習慣化することが重要です。規則的な舌磨きで快適な口内環境を保ち、口臭予防に役立てましょう。

口臭の原因3 – 喫煙(タバコのニオイ)

喫煙習慣は口臭の原因になりやすく、看過できない問題です。タバコの有害物質が口腔内に直接侵入し、呼吸に影響を与えるためです。

喫煙習慣が口内に悪影響

喫煙者の口臭が強く感じられるのは、主にニコチンやタールが要因となっています。これらの刺激物質が唾液の分泌を阻害し、乾燥した口腔環境を作り出すのです。その結果、細菌が繁殖しやすくなり、口臭が発生しがちになるというわけです。

加えて、タバコの発がん性物質が歯茎を刺激し、歯周病のリスクも高めてしまいます。喫煙習慣は、口臭の直接の原因になるだけでなく、その他の口腔トラブルにもつながるのが問題です。

禁煙が最善の解決策

喫煙者の口臭対策としては、禁煙が最善の解決策と言えるでしょう。一時的な対症療法では根本的な改善は期待できません。タバコの害から解放され、清潔で健康的な口腔内環境を取り戻すことが何よりも重要なのです。

禁煙は容易ではありませんが、口臭やそれ以外の健康リスクを避けるためにも、是非とも実行に移すべきでしょう。専門家のサポートを受けながら、確実に生活習慣を改善していきましょう。

口臭の原因4 – 胃腸の問題(消化不良)

ストレスや食生活の乱れから、胃腸の調子が悪くなると、それが口臭の原因になることがあります。消化不良が続くと、胃の中で発生した臭いが血中に溶け込み、結果的に口から漏れ出すからです。

食生活の乱れが臭いの元

胃酸が過剰に分泌されたり、胃腸の蠕動運動が低下すると、食べ物が長く胃に留まり発酵します。この際、タンパク質が分解されて揮発性硫黄化合物などの臭い成分が生まれ、それが口臭となるのです。

特に朝食を抜きがちな人は、空腹時に胃酸のみが出て胃液が口に溜まりやすい状態です。睡眠中に細菌の繁殖した口から、臭いが逆流しているケースも多いでしょう。

バランスの取れた食事が大切

この消化器系の問題による口臭は、食生活の改善で解決できます。規則正しく三食しっかり食べ、特に朝食は抜かずに胃腸を労わることが重要です。バランスの良い食事で消化を助け、発酵を防ぐことで口臭が改善されるのです。

胃腸の調子が悪ければ、ストレスからの解放なども心がける必要があります。生活リズムを整え、適度な運動で消化を促進させましょう。そうすれば、口臭の原因である消化不良からも開放されるはずです。

口臭の原因5 – 糖尿病(高血糖値)

糖尿病が原因で口臭が生じる場合があります。血糖値が高い状態が長く続くと、口腔内の環境が酸性化し、細菌が繁殖しやすくなるためです。

血糖コントロール不良が一因

糖尿病患者では、血糖コントロールが不十分なために、尿やからだから特有のフルーツ様の臭いが発生しがちです。この悪臭は、ケトン体といわれる物質が関係していると考えられています。

ケトン体は、インスリンが不足すると脂肪が異常燃焼し、生成される物質です。血中に多量のケトン体があると、呼気から強い臭いが発生するのです。また、高血糖が続くと、唾液の分泌も低下し、細菌の繁殖を助長します。

生活習慣改善で糖尿病予防

こうした糖尿病に起因する口臭は、血糖値のコントロールさえできれば予防が可能です。食事療法や運動療法、薬物療法などで生活習慣を改善し、血糖値を正常範囲に保つことが大切です。

糖尿病は、放置すれば合併症のリスクも高まります。健康的な生活リズムを身に付けることで、病状を改善させられるだけでなく、口臭の予防にもつながるのです。自覚症状があれば、早めに医師に相談を。適切な治療をすれば、口臭の悩みも解消できるはずです。

口臭の原因6 – ストレス(自律神経の乱れ)

日頃から高ストレス状態にあると、それが口臭の原因になる可能性があります。ストレスは自律神経の働きを乱し、唾液の分泌量を低下させるためです。

ストレスが唾液分泌に影響

唾液には、細菌の繁殖を抑制する働きがありますが、ストレスで分泌量が減れば、その機能が低下します。すると、口腔内の細菌が活発化し、臭いの元となる揮発性硫黄化合物を生成しやすくなるのです。

また、ストレスにより免疫力が低下すると、口内炎やう蝕、歯周病などのトラブルにもつながります。体調を崩せば、細菌が繁殖しやすくなり、結果として口臭が増す悪循環に陥る可能性があります。

ストレス解消法の実践を

このようにストレスは口臭の直接的な原因になり得るだけでなく、間接的にも悪影響を及ぼします。対策としては、ストレス解消法を実践し、落ち着いた生活リズムを送ることが何より大切です。

ストレス発散のために、適度な運動を心がけるのもいいでしょう。リフレッシュ効果で自律神経の乱れが是正され、唾液分泌量の改善が期待できます。ストレスマネジメントで口腔内環境を整えることが、口臭予防につながる有効な手段なのです。

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口臭の原因7 – 加齢(唾液分泌低下)

年を重ねるごとに、口臭のリスクが高まる可能性があります。その主な理由は、加齢に伴う唾液分泌量の低下にあります。

年を重ねるごとに口腔が乾燥

唾液にはたんぱく質を分解する働きがあり、細菌の繁殖を抑制する重要な役割を果たしています。しかし、高齢になるほど唾液の分泌が低下し、その機能が衰えてしまうのです。すると、口腔内が乾燥し、細菌がよく繁殖するようになり、ネバネバしたタンパク質が口に溜まりやすくなります。そこから不快な臭いが発生するというわけです。

加齢に伴うドライマウスは、入れ歯の人にも起こりがちな問題です。入れ歯で口腔が傷つけられると、細菌が繁殖しやすくなり、口臭が発生しやすくなるのです。

定期的な歯科検診が重要

このような加齢による口臭リスクを軽減するには、定期的な歯科検診が重要になります。プロの手で徹底的なクリーニングを受けることで、細菌を減らし口腔内を清潔に保つことができます。また、人工唾液の使用なども検討すべきでしょう。

健康的な口腔環境を維持することが、高齢者の口臭予防には欠かせません。自分ひとりでの対処は難しいので、専門家に定期的に口腔ケアを任せることをおすすめします。

まとめ

口臭の原因は歯周病、舌苔、喫煙、消化器系の問題、糖尿病、ストレス、加齢など多岐にわたります。しかし、これらのほとんどは生活習慣の改善によって予防できる身近な問題なのです。

規則正しい食生活と運動、禁煙、ストレスマネジメントなどの生活リズムの見直しを心がけることで、口腔内環境を改善し、細菌の繁殖を抑制できます。定期的な歯科検診と口腔ケアも重要なポイントとなります。

一方で、口臭に関する自覚症状がある場合は、早めに歯科医に相談することをおすすめします。専門家に相談することで、適切な指導と治療を受けられ、素因となる病気の早期発見にもつながるでしょう。

口臭は気になる悩みですが、原因さえ分かれば、それほど難しい問題ではありません。生活習慣の改善と、適切な対処法を実践することで、誰もが口臭から解放されるチャンスがあるのです。

よくある質問とその回答

  1. Q:毎日歯を磨いているのに、なぜ口臭がするのですか?

    • A:歯磨きだけでは口腔内のすべてのバクテリアを除去することは難しいです。舌のクリーニング、フロッシング、口腔洗浄液の使用など、全面的なオーラルケアが必要です。
  2. Q:食事内容が口臭に影響するのですか?

    • A:はい、食事内容は大きく影響します。特に、にんにくやタマネギ、スパイシーな食べ物は口臭の原因となりやすいです。バランスの良い食事と水分補給が重要です。
  3. Q:口臭予防のためには、どのような生活習慣がおすすめですか?

    • A:定期的な歯科検診、バランスの良い食事、十分な水分摂取、適切なオーラルケアが基本です。また、喫煙や過度なアルコール摂取は避けるようにしましょう。
  4. Q:口臭が気になる場合、どのように対処すれば良いですか?

    • A:口臭が気になる場合、まずは歯科医に相談しましょう。原因を特定し、適切な治療やケアが必要です。自宅でのオーラルケアも見直し、効果的な予防法を実践してください。

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参考文献・資料

  1. 口臭 – 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020
  2. 口臭について-日本臨床歯周病学会
  3. 【あなたは大丈夫? その口臭“歯並び”が原因かも!?】-PRTIMES
  4. 口臭の原因になるor対策になる食べ物・飲み物も紹介-わかもと製薬
  5. 【特集】気になる口臭 正しく原因を知って予防とケアを-NHK健康ch
  6. 看護学科学生と歯科衛生学科学生における 口腔内セルフケアの実態-神奈川歯科大学短期大学部

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