口臭は遺伝しない
口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登です。
yahoo!知恵袋を見ていると、「口臭は遺伝しますか?」という質問が多くありますが、結論から申しますと口臭は遺伝しません。
何故なら、口臭が発生するのは、口腔が乾燥することから起きるからです。唾液の分泌が少ないとか口呼吸をしていることによって、口内に嫌気性菌が繁殖して口臭を発生させているのです。
ストレスをためやすい、疲れやすい、よく噛まない、などの生活習慣の人ほど唾液の分泌が悪くなる傾向にあります。家族の場合には、性格、体質、食習慣が似ているので、それが口臭原因となることがあります。
今回は、口臭と遺伝・体質の関係についてご説明します。
関連記事:口臭の原因がわからない!?よくある口臭原因と適切な対策方法
口臭が遺伝する
魚臭症
口臭は遺伝しませんが、魚臭症(トリメチルアミン尿症)による口臭は、遺伝が関係しているのではないかと言われています。(まだ原因は、はっきりしていません)
口臭体質
- 歯並びが悪い:ブラッシングが難しく磨き残しができる。
- 口呼吸:口腔乾燥の原因になり、舌苔が付きやすい。
- 溝状舌:舌の溝に汚れがたまるため舌苔が付く。
- 糸状乳頭が長い:乳頭の角化と、舌に汚れが溜まることで、舌苔の原因となる。
これらの体質は遺伝していることが多いです。だからといってあきらめる必要はありません。その理由は、努力次第で口臭は予防できるからです。
遺伝体質が口臭の要因
ドライマウス体質
努力しても中々口臭が治らない場合は、その原因は唾液の分泌が少ないドライマウス体質によるものかもしれません。
しかし、病気でないかぎり、唾液が少ないのは改善可能です。というは、唾液が出なくなる多くの原因は、自律神経の乱れだからです。過剰に不安や緊張があるとストレスがかかり唾液は出なくなります。
ストレスは、その人の感じ方で決定されるので、同じストレス要因に直面しても、ストレス度は異なるのです。ストレスの感じ方に問題があったのです。
そして、この感じ方は性格などが影響しているので、遺伝が大きく影響しているかもしれません。だからといって、意識することで直すことは可能です。
口呼吸
口呼吸になるのは、喉、鼻、舌の形が影響していることが多い。体の形は遺伝することが多いです。だから、親が口呼吸だと子どもも口呼吸になることが多い。
でも、口呼吸になると、口臭を起こしやすくなります。口呼吸は、口腔と喉を乾燥するため、舌苔や膿栓を作りやすくなるからです。
だから、舌苔や膿栓を改善するためには、先ず口呼吸を鼻呼吸に変えることが大事。
先天的に糸状乳頭が長い
糸状乳頭は腸内環境が悪くなると長くなり、舌苔が付く原因になりますが、先天的に糸状乳頭が長い人がいます。糸状乳頭が長いと、汚れがたまりやすいのがリスクです。
健康な人では、食事中も後も唾液が出て舌の汚れを洗い流します。しかし、糸状乳頭が異常に長いと汚れが舌に付いたままになってしまうので、毎日舌苔ケアを行なうようにしましょう。
溝状舌
舌の上に溝ができていることがあります。ドライマウスなどで舌が乾燥しても溝ができますが、先天的に溝ができていることがあります。これを溝状舌(こうじょうぜつ)といいます。
溝状舌になると、溝に汚れがたまりやすく、舌苔ができる原因となります。ですから、溝状舌の場合は、とくに舌のケアが大切です
まとめ
口臭は遺伝しませんが、口臭を起こしやすい体質や、食事など生活習慣があります。これは誰もが公平にある口臭要因なので、適切に対処することで口臭を改善することが可能です。
口臭を予防するためには、(唾液腺を刺激するため)よく話をし、(ストレスを発散するため)よく笑い、食べ物はよく噛んで唾液の分泌を促すことが大切です。
関連記事:「口臭」に関するQ&A