こんにちは、口腔ケアアンバサダー(一般社団法人 日本口腔ケア学会認定)の上林登です。監修:歯科衛生士 上林ミヤコ
「膿栓が一度に何個も出てきた」「喉に白い塊がたくさん見える」「巨大な臭い玉が取れない」と、不安になっていませんか。
膿栓が大量に出たという数だけで、重い病気とは判断できません。小さな膿栓が扁桃のくぼみから、咳やうがいなどをきっかけにまとまって外れることがあります。
ただし、発熱、強い喉の痛み、片側だけの腫れ、飲み込みにくさ、出血を伴う場合は、膿栓だと決めつけず耳鼻咽喉科で確認してください。息苦しい、唾液も飲み込めない、口が開きにくい場合は、早急な受診が必要です。
30秒でわかる結論
- 一度だけ大量に出て、痛みや発熱がない:無理に触らず経過を見る
- 巨大で取れない、何度も繰り返す:耳鼻咽喉科へ相談する
- 白いものが広がる、強く痛む、発熱がある:扁桃炎なども考えて受診する
- 息苦しい、唾液も飲み込めない、口が開きにくい:早急に医療機関へ
「ためしてガッテン」で膿栓を知った方へ
2026年8月9日時点では、NHK公式アーカイブから、番組が紹介した膿栓の原因や自己除去法を確認できませんでした。番組名を使った動画や転載情報を見ても、指、綿棒、ピンセット、強い水流で押し出す方法は試さないでください。
膿栓が大量に出た時の30秒判断表
判断で大切なのは、出た個数よりも、痛み、発熱、腫れ、飲み込みにくさなどを伴うかどうかです。

| 状態 | 考え方 | 次の行動 |
| 一度だけ数個出た | たまっていた小さな膿栓が、まとまって外れた可能性があります。 | 痛みや発熱がなければ触らず様子を見る |
| 何度も大量に出る | 扁桃のくぼみや慢性的な炎症などの確認が必要です。 | 耳鼻咽喉科へ相談する |
| 大きな塊が取れない | 奥に埋まった膿栓や、膿栓以外の白い病変も否定できません。 | 押し出さず耳鼻咽喉科へ |
| 痛み、発熱、白い付着物が広がる | 急性扁桃炎など、感染や炎症の可能性があります。 | 早めに受診する |
| 片側が大きく腫れる | 扁桃周囲の炎症などを見分ける必要があります。 | 当日中を目安に受診する |
| 息苦しい、唾液も飲み込めない、口が開きにくい | 強い腫れや深い感染など、緊急性のある状態が含まれます。 | 早急に医療機関を受診する |
膿栓とは?大量に出る原因
膿栓は、口蓋扁桃の表面にある「陰窩」と呼ばれる小さなくぼみにできる、白色から黄白色の塊です。「臭い玉」と呼ばれることもあります。

医学文献では、細胞の残骸、微生物、食物由来の小さな残留物などが扁桃のくぼみに集まり、石灰化して形成されると説明されています。ただし、膿栓ができる詳しい仕組みは完全には解明されていません。
一度に大量に出る理由
小さな膿栓が複数のくぼみにたまっていた場合、咳、くしゃみ、うがい、食事などをきっかけに、同じ時期に外れることがあります。
したがって、「今日、何個も出た」という事実だけでは、その日に急に大量発生したのか、以前からたまっていたものがまとまって外れたのかは判断できません。
何度も繰り返す人で確認したいこと
- 扁桃のくぼみが深い、または大きい
- 扁桃炎を繰り返している
- 喉の異物感や痛みが続いている
- 鼻づまりや口呼吸で、口や喉が乾燥しやすい
- 後鼻漏、鼻水、痰の絡みなど別の鼻・喉症状がある
鼻づまりや後鼻漏は、膿栓の直接原因と決めつけることはできません。ただし、喉の違和感や口呼吸を伴う場合は、膿栓だけを取ろうとせず、鼻と喉を一緒に診てもらう方が原因を整理しやすくなります。
喉に白いものがびっしり見えても、全部が膿栓とは限らない
白い粒が扁桃のくぼみに点在している場合は膿栓が考えられますが、面状に広がる白い付着物や、痛み・発熱を伴う白い部分は、扁桃炎などとの鑑別が必要です。
| 見え方・症状 | 考えられる状態 | 対応 |
| 扁桃の穴に白や黄色の粒が見える | 膿栓の可能性 | 症状がなければ無理に触らず経過を見る |
| 白い付着物が面状に広がる | 扁桃炎などの可能性 | 発熱や痛みがあれば耳鼻咽喉科へ |
| 片側だけ腫れて強く痛む | 強い炎症などの可能性 | 早めに受診する |
| 白い部分が長く残る、硬い、出血する | 膿栓以外の病変も否定できない | 自己判断せず受診する |
見分け方をさらに詳しく知りたい方は、喉に膿栓や白いものが見える原因と、後鼻漏・扁桃炎との違いをご覧ください。
巨大な膿栓が取れない時は耳鼻咽喉科へ
大きくて自然に外れないものは、自分で押し出さず耳鼻咽喉科へ相談してください。医学文献では、5mmを超える膿栓は比較的まれとされています。
ただし、鏡を見ながら大きさを正確に測る必要はありません。次のいずれかに該当すれば、大きさにかかわらず受診を検討してください。
- 数日たっても残り、異物感が強い
- 飲み込む時に痛い、または引っかかる
- 押すと痛む、血が出る
- 片側だけに大きな塊や腫れがある
- 繰り返し大きな膿栓ができる
- 本当に膿栓か判断できない
医療機関では、まず口と喉を観察し、必要に応じて画像検査などで確認します。大きく自然に出ないケースでは医療処置が検討されることがありますが、膿栓があるだけで扁桃摘出が必要になるわけではありません。
膿栓が大量に出た後、今できる安全な対処
大量に出た後は、残りを探して押し出すのではなく、粘膜を休ませながら症状の変化を確認します。
- 口と喉を水またはぬるま湯ですすぐ
強く何度もガラガラせず、刺激を感じない範囲で行います。 - 出血、痛み、発熱、腫れを確認する
自己処置後に出血した場合は、追加で触らないでください。 - こまめに水分をとる
乾燥感がある場合は、水分補給や室内の加湿を行います。 - 鼻症状も確認する
鼻づまり、後鼻漏、痰の絡みが続く場合は、耳鼻咽喉科へ相談します。 - 繰り返した日時と症状を記録する
診察時に頻度、痛み、発熱、左右差を伝えやすくなります。
塩水うがいを案内する海外医療機関もありますが、濃い塩水は刺激になることがあります。濃度を自己流で濃くせず、しみる場合は水またはぬるま湯にしてください。
指・綿棒・ピンセット・強い水流は避ける
扁桃周辺は傷つきやすいため、見えている膿栓でも無理に押し出さない方が安全です。

- 指や爪で扁桃を押す
- 綿棒でくぼみを何度もこする
- ピンセット、耳かきなどの器具を入れる
- ジェットウォッシャーやシャワーを喉へ向ける
- 出血や痛みがあるのに処置を続ける
- 強い刺激の洗口液を何度も使用する
海外の医療情報には綿棒や低圧洗浄を紹介するものもありますが、鏡では距離や力加減を判断しにくく、膿栓以外の白い病変を傷つける可能性があります。当ブログでは自己処置による押し出しを推奨しません。
安全な扱い方と注意点は、膿栓の安全な取り方と、自分で取らない方がよい状態で詳しく解説しています。
膿栓が取れても口臭が消えない理由
膿栓は口臭に関係することがありますが、取り除けば必ず口臭がなくなるわけではありません。
口臭には、舌苔、歯周病、口腔乾燥、後鼻漏などが重なっていることがあります。特に、膿栓が出た後も朝のネバつき、舌の白さ、歯ぐきの出血が続く場合は、原因を膿栓だけに絞らないことが大切です。
口内の悩みも重なる方へ
痛み、発熱、腫れがなく、舌苔、朝のネバつき、口内の乾燥感も気になる場合は、毎日の口内清掃を見直す余地があります。
美息美人は膿栓を治療したり、扁桃から直接除去したりする商品ではありません。水に溶かして、うがいと歯・舌のやさしいブラッシングに使用する口臭予防歯みがきです。自分の悩みに合うかは、美息美人が向く人・向かない人の確認ページをご覧ください。
私がこれまで口臭相談に対応してきた中でも、「臭い玉を取ったのに臭いが残る」という相談は少なくありません。その場合は、膿栓だけでなく、舌苔、歯ぐき、口の乾燥、鼻・喉を順番に確認するようお伝えしています。
膿栓で耳鼻咽喉科を受診する目安
大量に出る状態が繰り返す、巨大で取れない、膿栓か判断できない場合は、耳鼻咽喉科が第一の相談先です。
早めに受診したい症状
- 発熱や強い喉の痛みがある
- 飲み込む時に痛い、飲み込みにくい
- 片側だけ腫れている、違和感が続く
- 白い付着物が広がっている
- 膿栓のようなものから出血する
- 大きな塊が残っている
- 何度も大量に出て生活に支障がある
早急な受診が必要な症状
- 息苦しい
- 唾液や水分も飲み込めない
- 口が開きにくい
- 声がこもる
- 片側の腫れや痛みが急に強くなった
これらは、強い扁桃炎や扁桃周囲膿瘍などでもみられる症状です。夜間や休日に急速に悪化した場合は、地域の救急相談窓口や救急医療機関へ相談してください。
膿栓が大量に出た時のよくある質問
膿栓を飲み込んでしまっても大丈夫ですか?
多くの場合、誤って飲み込んでも大きな問題にはなりません。ただし、むせや息苦しさがある場合は医療機関へ相談してください。
大きな膿栓は自然に取れますか?
自然に外れることもありますが、大きくて異物感や嚥下痛があるものは耳鼻咽喉科へ相談してください。自分で押し出す必要はありません。
膿栓が大量に出ると免疫が落ちていますか?
大量に出たことだけで、免疫低下とは判断できません。繰り返す扁桃炎、発熱、体調不良がある場合は医師へ相談してください。
膿栓が何個あれば異常ですか?
異常と判断する個数の基準はありません。個数よりも、痛み、発熱、左右差、飲み込みにくさ、繰り返す頻度で判断します。
膿栓を取れば口臭は治りますか?
膿栓が臭いに関係していれば軽くなる可能性はありますが、必ず消えるわけではありません。舌苔、歯周病、口腔乾燥、鼻・喉の状態も確認してください。
膿栓は歯科でも診てもらえますか?
口臭や歯ぐきの症状は歯科で相談できますが、膿栓、扁桃、喉の痛み、後鼻漏が中心なら耳鼻咽喉科が適しています。
参考文献・参考情報
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「口・のどの症状」
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報「扁桃疾患の診断と治療」
- American Family Physician:Tonsillitis and Tonsilloliths: Diagnosis and Management
- Healthdirect Australia:Tonsil stones
この記事は一般的な情報提供を目的としており、診断や治療の代わりになるものではありません。症状が強い場合や判断できない場合は、耳鼻咽喉科へ相談してください。
まとめ:大量に出た時ほど、数より症状で判断する
- 一度に複数出ても、痛みや発熱がなければ直ちに重い病気とは限らない
- 白いものがすべて膿栓とは限らない
- 巨大で取れないものは押し出さず、耳鼻咽喉科へ相談する
- 発熱、強い痛み、片側の腫れ、飲み込みにくさは受診の目安
- 息苦しさ、唾液も飲み込めない、口が開きにくい場合は早急に受診する
- 膿栓が取れても口臭が続く場合は、舌苔、歯ぐき、乾燥、鼻・喉も確認する
次の一歩
膿栓を繰り返し、後鼻漏、鼻づまり、口呼吸、口臭も気になる方は、鼻・喉・口のどこから臭うかを切り分ける方法を確認してください。


