こんにちは、口腔ケアアンバサダー(社団法人 日本口腔ケア学会認定)の 上林登です
このページでは、口腔カンジダにイソジン(ポビドンヨード)をどう安全に使うか、どこまで効果が期待できるかを、結論 → 安全な使い方 → NG行為 → しみる日の対処 → 受診目安 → 家庭内の配慮の順にやさしく解説します。
最終更新:2025-09-30|監修:歯科衛生士 上林ミヤコ
結論:イソジンは殺菌うがい=補助療法で、単独で完治を狙う使い方は推奨されません。刺激・乾燥リスクを避けるため短期・最低限で使い、痛みや範囲拡大・再発があれば受診が最短です。
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結論:イソジンは補助、長期連用・高濃度はリスク
なぜ単独治療はNGなのか(作用と限界)
イソジン(ポビドンヨード)は広範な微生物に作用する消毒薬です。いっぽう口腔カンジダの根治は原則「抗真菌薬(処方)」の領域(例:ミコナゾール付着錠/経口用ゲル)。うがい薬のみで粘膜深部まで十分にコントロールするのは困難で、かえって長期化することがあります。
使わない/注意する場面(甲状腺・アレルギー・授乳/乳幼児 等)
ヨウ素過敏症、甲状腺疾患、授乳中・乳幼児などは自己判断での頻回使用を避け、医師・薬剤師に相談。うがいができない小児は使用不可。詳細は各製品ラベルの「禁忌/相談事項」を確認してください。
安全な使い方(濃度・回数・時間・期間)
希釈と含嗽の目安:製品ラベル遵守が基本(原液不可)
希釈はラベル遵守が大前提。代表例として「1回2~4mLを水約60mLに薄め、1日数回うがい」が示されます(シリーズや濃度で差があるため必ず表示確認)。原液使用や自己流の高濃度は粘膜刺激・乾燥の原因になります。
1日の回数と期間:急性期のみの短期運用
短時間うがい×最小回数を守り、急性期のみ短期で使用。5~6日で改善しない/悪化する場合は中止して受診が原則です。
他ケアとの組み合わせ:保湿うがい・歯みがきの順序
基本の流れは保湿うがい→必要時に短時間イソジン→保湿で締める。歯みがきはいつも通りやさしく、舌は「軽くなでる」まで(強擦は不可)。
やってはいけないこと
原液塗布・綿棒直塗り
粘膜障害・びらんの原因。直塗りは厳禁です。
長時間/頻回のうがい(刺激・乾燥の悪化)
長引く含嗽は刺激・乾燥を招き、治癒を遅らせます。短時間・最低限が鉄則。
舌や粘膜の強擦(剥離→びらんの悪循環)
白苔を「削る」発想は禁物。無理に剥がすと赤いびらんや痛みが増え、再発リスクも高まります。
乾燥/しみる日の対処
まず保湿うがいに切り替える・間隔を空ける
しみる日は頻度・濃度を下げるか、保湿うがいへ一時切替。イソジン後に水で軽くすすいでもOK(刺激感の緩和に有用)。口唇保湿・加湿・こまめな水分補給も併用。
痛みが強い/広がる日は使用を中止して受診へ
強い痛み、範囲拡大、繰り返す場合は使用を中止し、受診へ切り替え。5~6日で改善しない場合も中止→受診が最短です。
迷ったら:市販での限界と受診の目安
受診に切り替えるサイン(厚い白苔・広がる・再発・基礎疾患)
厚い白苔+痛み、広がる/再発、乳幼児・高齢者、授乳中の乳頭痛、糖尿病、吸入ステロイド/抗菌薬使用、免疫低下などの背景があるときは早めに受診を。
何科に行く?(耳鼻科/口腔外科/歯科)
のど側の違和感・範囲が広い→耳鼻咽喉科。義歯の当たりや口腔処置→歯科・口腔外科。迷うときは最寄りの耳鼻科が入口になります。
家庭内での配慮
タオル・食器・歯ブラシの共用回避
共有物は分け、使用後は洗浄・乾燥。洗面台やコップは清潔に。
キス・スキンシップ再開の目安
症状が消退し、医師の指示が出てから。不安が残る間は控えます。
義歯・マウスピースの毎晩洗浄と湿潤保管
毎晩外して洗浄→流水で十分すすぐ→翌朝まで湿潤保管。合わない・痛い場合は調整を。
関連ガイド
よくある質問(FAQ)
イソジンだけで治せますか?
いいえ。イソジンは殺菌うがい=補助で、完治目的は原則推奨されません。痛み・広がり・再発・基礎疾患がある場合は受診を。
どの濃度・何回までが安全?
濃度・回数は必ず製品ラベルに従うのが基本。一般的には「水約60mLに2~4mL」等の目安が示されます。しみる日は頻度/濃度を下げるか中止し、受診を検討。
しみる日はどう調整する?
保湿うがいへ切り替え、間隔を空けます。痛みが強い/広がる/長引く場合は使用を中止し、早めに受診してください。
著者の一言アドバイス:「濃く・長く」は逆効果。短時間・薄め・最小回数で様子見→改善が乏しければ受診。清潔と保湿のほうが回復は早道です。
日常ケアのヒント:乾燥しにくい口内環境づくりは再発防止に役立ちます。編集部で試した口臭ケア『美息美人』のやさしい使い方はこちら(公式監修ページ)をご覧ください。