口腔カンジダ症について知っておくべきこと
口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登です。
口腔カンジダ症は、誰でもかかる可能性がある口腔感染症で、主にカンジダ・アルビカンスという真菌が原因で発症します。急性型と慢性型があり、口腔粘膜の痛みや味覚障害などの症状が現れることがあります。
この記事では、口腔カンジダ症の原因や症状、治療法、予防策、食生活との関係について徹底解説します。また、患者さん向けのケア方法や、よくある質問にも答えていきます。
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口腔カンジダ症の原因と症状
口腔カンジダの原因とリスクファクター
口腔カンジダ症は、口腔内におけるカンジダ菌(特にカンジダ・アルビカンス)が異常に繁殖することによって発症する真菌感染症です。医学的背景として、カンジダ菌は通常、口腔内の常在菌として存在しますが、免疫抑制状態、糖尿病、長期の抗生物質使用、またはドライマウスなどの条件が揃うと異常繁殖します。
- 副腎皮質ステロイド薬の投与
- 糖尿病や全身衰弱などによる免疫力低下
- 唾液量の減少
- 長期間にわたる抗菌薬の服用
以上の理由から常在菌間のバランスが崩れると、カンジダ菌が異常に増殖します。
口腔粘膜疾患 口腔カンジダ症
口腔カンジダ症の症状
「口腔カンジダ症」は、カンジダ属の真菌による感染症で、特に「Candida albicans」という種が原因となります。私も一時期、この症状で悩んだ経験があります。以下、その症状を具体的に述べます。
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白苔の発生:一般的な舌苔(ぜったい)とは異なり、カンジダ症の白苔は、舌だけでなく、頬粘膜や口蓋、さらには喉の奥にも発生します。この白苔はコテージチーズのような質感で、はがすと下の粘膜が赤くなっていることが多いです。
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痛みや灼熱感:白苔の下の粘膜部分は炎症を起こしやすく、食事の際に痛みを感じることがありました。また、辛いものや熱いものを口にすると特に灼熱感が強くなります。
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金属味や不快な味:私も感じた症状の一つが、口の中に異物感や金属味がすること。食事の味が変わって感じられることもしばしばでした。
口腔カンジダ症は免疫力の低下や長期の抗生物質の使用などが引き金となりやすいです。もし上記のような症状を感じたら、早めに歯科や耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。
急性型と慢性型
口腔カンジダ症には急性型と慢性型があります。急性型は突然発症し、症状が激しいことが特徴です。一方、慢性型は症状が長期間続き、繰り返し発症することがあります。
口腔粘膜の痛みや味覚障害、白苔の付着
口腔カンジダ症の症状には、舌や頬などの口腔粘膜に白い苔(白苔)のようなものが付着します。この白苔は、ガーゼなどで拭くことができ、剥がすと赤く腫れ、場合によっては痛みや味覚障害が発生することがあります。
参考:口腔カンジダの症状の写真
口腔カンジダ症のリスク要因と関連疾患
口腔カンジダ症は、免疫力が低下した状態で発症することが多いため、リスク要因や関連疾患について理解しておくことが重要です。
免疫力の低下が影響
口腔カンジダ症は免疫力が低下しているときに発症しやすいため、治療と並行して免疫力を高める生活習慣の見直しが重要です。また、早期発見が重症化を防ぐ鍵となります。
免疫力が低下する原因としては、加齢、ストレス、栄養不足、睡眠不足などが挙げられます。健康的な生活習慣を心がけ、免疫力を維持することが大切です。
関連疾患
口腔カンジダ症は、以下のような疾患や状況と関連して発症することがあります。
- 糖尿病:血糖値が高い状態は、カンジダ菌の増殖に適した環境を作ります。
- HIV感染症 : 免疫力が大幅に低下するため、カンジダ症が発症しやすくなります。
- ステロイドや抗生物質の長期使用:これらの薬剤は、口腔内の常在菌バランスを崩し、カンジダ菌が繁殖しやすくなります。
- 口腔乾燥症:唾液が不足すると、口腔内の自浄作用が低下し、カンジダ菌が繁殖しやすくなります。
これらの疾患や状況がある場合は、口腔カンジダ症の発症リスクが高まるため、注意が必要です。適切な治療やケアでリスクを軽減しましょう。
口腔カンジダの治療法
口腔カンジダ症の治療には、抗真菌薬の使用が一般的です。さらに、自宅でできる口腔ケアや生活習慣の見直しも重要です。具体的な治療法を詳しく紹介します。
最新の治療法と薬剤
最新の治療法には、局所抗真菌薬や経口抗真菌薬の使用があります。具体的な薬剤名としては、ミコナゾール(ゲル状のものが一般的)やフルコナゾール(経口薬)が挙げられます。これらの薬剤は、カンジダ菌の細胞膜の形成を阻害し、その繁殖を抑える作用があります。
- ミコナゾール: 主にゲルやクリームとして使用され、1日数回、口腔内に塗布します。
- フルコナゾール: 経口薬として処方され、通常は1日1回、決められた期間内に服用します。
治った人の事例
50歳女性のケースでは、彼女は糖尿病の診断を受けており、口腔内の白い斑点と痛みを訴えて来院しました。診断の結果、口腔カンジダ症と判明し、ミコナゾールゲルを処方されました。治療開始から1週間後には症状が改善し、2週間後には完全に消失しました。このケースは、糖尿病患者における口腔カンジダ症の早期発見と適切な治療の重要性を示しています。
自宅での口腔カンジダの治し方
口腔カンジダは症状の軽い場合、自宅での対処が可能なこともありますが、重症化したり、他の健康問題がある場合は医師の診察が必要です。自宅での治し方について以下の方法を試すことができますが、改善が見られない場合や症状が悪化する場合は医療機関を受診してください。
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良好な口腔衛生: 正しい歯磨き法を実践し、必要に応じてデンタルフロスや口腔洗浄液を使用して口腔内を清潔に保ちます。
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食習慣の改善: 糖分の多い食事を控え、プロバイオティクスを含む健康的な食事を摂ることで口内環境を改善します。
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喫煙の中止: 喫煙は口腔カンジダのリスクを高めるため、喫煙をやめることが推奨されます。
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ストレスの管理: ストレスは免疫系に影響を与えるため、ストレスを管理し、十分な休息をとることが大切です。
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口内の乾燥対策: 口内が乾燥しやすい場合は、水分をこまめに摂取し、加湿器を使用するなどして口内の湿度を保ちます。
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入れ歯の適切な管理: 入れ歯を使用している場合は、毎日の清掃と定期的な消毒を行います。
口腔カンジダ症の予防方法:日常生活でできる対策
口腔カンジダ症を予防するためには、日常生活での口腔ケアが重要です。歯磨きのポイント、唾液腺のマッサージ、ガムの咀嚼、保湿剤の使用など具体的な対策を紹介します。
口腔衛生の維持
口腔カンジダ症の予防には、適切なブラッシングやデンタルフロスの使用、定期的な歯科検診など、口腔衛生の維持が重要です。
イソジンによるうがい
イソジンなどの抗菌剤を含むうがい薬を使用することで、口腔内のカンジダ菌の繁殖を抑えることができます。
さらに予防効果を上げるためには、アルカリイオンの美息美人(びいきびじん)で歯磨きとうがいを行なうことをお勧めします。
免疫力の向上
免疫力を向上させることも、口腔カンジダ症の予防に役立ちます。適度な運動やバランスの良い食事、十分な睡眠などで免疫力を高めましょう。
口腔カンジダ症に関するよくある質問
写真で症状を確認できる?
口腔カンジダの写真を参考にして症状を確認することはできますが、最終的な診断は専門家に任せるべきです。自分で判断せず、疑わしい症状があれば歯科医師に相談しましょう。
ChatGpt4の無料アプリ「AI舌診断アプリ」で自己診断することも可能です。
うつるリスクはある?
「口腔カンジダはうつるの?」と心配する人がいますが、そもそもカンジダ菌は常在菌なので誰でも持っています。カンジダによる症状が起こるのは免疫力が低下した時です。
口腔カンジダ症は感染症ですが、健康な免疫力を持つ人には通常うつりにくいとされています。ただし、免疫力が低下している場合は感染のリスクが高まるため、注意が必要です。
関連:口腔カンジダ感染、実はうつる?キスや家族との接触、そのリスクと真実
口腔カンジダ症と食生活の関係
口腔内環境に影響を与える食品
砂糖や精製された炭水化物を多く含む食品や、発酵食品は、口腔内環境に悪影響を与えることがあります。これらの食品はカンジダ菌の繁殖を促進するため、摂取を控えることが望ましいです。
カンジタ菌の細胞活動には糖代謝が不可欠で、特に砂糖の様な単純糖質を好んで増殖します。砂糖をあまりとらなくてもカンジタ症の症状がみられる人は、加工肉やファストフード、出来合いの総菜等の中の糖質の影響を受けていることも考えられます。
健康的な食生活でリスクを軽減
バランスの良い食事や、ビタミン・ミネラルを十分に摂取することで、免疫力を向上させ、口腔カンジダ症のリスクを軽減することができます。
口腔カンジダ症の患者さん向けケア
口腔ケアのポイント
口腔カンジダ症の患者さんは、特に口腔ケアに注意を払うことが重要です。歯磨きやデンタルフロスを使ったケアを日常的に行い、定期的な歯科検診を受けましょう。また、口腔内を清潔に保つため、コットン(綿花)を使用して舌苔(ぜったい)を除去することも効果的です。
舌を清掃する場合には、指に湿らしたガーゼを巻き付けて、舌をやさしく撫でるようにケアをすることが推奨されています。
喫煙やアルコールの影響
喫煙やアルコールは口腔内環境に悪影響を与え、カンジダ菌の繁殖を促進することがあります。口腔カンジダ症の患者さんは、喫煙やアルコールの摂取を控えることが望ましいです。
まとめ
口腔カンジダ症は、誰でもかかる可能性がある口腔感染症です。症状や原因、治療法、予防策を理解し、適切なケアと食生活を心がけることで、悩みや問題を解決できるようになります。また、疑わしい症状がある場合は、歯科医師に相談しましょう。
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