
溝状舌(こうじょうぜつ)について
口腔ケアアンバサダー(社団法人口腔ケア学会認定)の上林登です。
舌に溝ができていませんか?
舌の中央に縦に深い溝ができて割れていたり、横にひび割れが見えることがあります。
このように、舌に溝ができるのを溝状舌(こうじょうぜつ)といいますが、舌に溝ができると不安になりますよね。溝ができる原因としては、ドライマウスやカンジダなどがあります。
溝状舌は、それ自体は問題になりませんが、溝ができると汚れがたまりやすく、舌苔(ぜったい)が厚く付いて舌が白くなります。
溝があると、舌苔から発生する口臭が強くなるので、歯磨きだけでなく舌清掃も行うようにしましょう。
今回の記事は、「舌の溝」についてお伝えします。ぜひご参考にしてください。
溝状舌(こうじょうぜつ)とは
舌の表面に縦や横に溝ができたものを溝状舌(こうじょうぜつ)といいます。溝状舌については見たことがない人が多く、知恵袋の質問でも「地図状舌」と勘違いしている人もいました。(下の写真の舌中央のひび割れが「溝状舌」で、その隣と奥に見える島状のものが「地図状舌」です。)
溝状舌になる原因には、遺伝的なものと後天的にできるものがあります。
後天的になる原因は、舌の慢性炎症、外傷、ビタミン欠乏などがあり、舌背面に正常な舌ではみられない溝ができます。
舌に溝ができる原因は人によって様々で、ドライマウスによって舌が乾燥し溝ができる場合もあり、その場合は舌がヒリヒリして痛いことも。
症状としては、舌がひび割れて溝ができることから口中が汚れ、舌苔ができる、口臭が強くなるなどが起きます。
溝状舌は先天性?
溝状舌をウィキペディアで調べると…
かんたんに説明すると、「溝状舌は、ほとんどが先天性のもので病気ではないから、安心してください。」というものでした。
しかし、ほとんど「生まれつきの溝状舌」というエビデンスはありません。私のように、突然舌に溝ができたという人が多いからです。
また、溝状舌になる割合は案外多いのですが、自然と治るケースも多く誰にも言わないのかもしれませんね。
文献的には成人の約15%に溝状舌がみられるといわれていますので珍しいものでもありません。
出典:安原歯科医院
舌に溝ができる原因
慢性炎症などによって後天的に発現することもあります。舌に溝ができる原因はまだわかってないようです。
それでも、溝状舌の原因について調べてみると…
外傷や感染、ビタミン欠乏、腫瘍、また全身疾患(メルカーソン・ローゼンタール症候群やダウン症候群)の一症状として現れることがあります
とありました。私もたまに舌に溝ができていることがあります。私の場合には寝不足などで疲労がたまっているときにできやすいようです。疲労したときやお酒を飲み過ぎると、「いびき」をかき口呼吸になります。それで、舌が乾燥するからだと思っていますが、本当の原因は定かではありません。
舌に溝ができると舌苔ができる?
舌に溝ができても、健康な方の場合は特に自覚症状もありませんが、深い溝に舌苔(ぜったい)が入り込むことにより不潔になります。
また、舌苔(ぜったい)や慢性刺激によって炎症を起こすと、痛みや軽度の味覚障害を伴うことがあります。舌苔(ぜったい)については『舌が白い!舌苔ができる原因と取り方』をご参考にしてください。
溝状舌があると、舌の溝に食べかすが溜まり、細菌が繁殖しやすい!
なので、舌苔ができて舌が白くなってしまいます。ですから、溝状舌の人の場合は、舌苔が地図状にできる地図状舌になることもあります。
そして、舌の溝で腐敗がはじまり、強い口臭が発生!
これが、舌に溝ができていると、口臭が発生する理由です。
舌の溝は治るか?
舌の溝が先天的なものであれば、溝をなくすことは、手術でもしないかぎり不可能です。
ネットでは、後天的であっても「治すことはできない」し、予防もできないみたいなことが書かれています。
本当でしょうか?
私の舌の溝は、簡単にできますが、簡単に治ります。これは、どう説明すれば良いのでしょう?
自信をもっていえることは、私の場合、たとえ舌に溝ができたとしても、「ほっておけば知らない間に治っている」ということです。
私の舌に溝ができるときというのは、
- いびきをよくかいた翌日
- 胃腸の調子が悪く免疫力が低下したとき
この2つです。このような時に舌に溝ができ、舌苔もできていることが多いです。
もし、あなたも私と同じような溝状舌であれば、健康になれば治るのでご安心ください。
ときに疼痛を自覚することがありますが、自然に消退する場合が多く、無害であるので、ご心配はいりません。特に、何をしたからといって治るものでもありません。
出典:安原歯科医院
普通は、溝状舌になっても自然に治りますが、舌苔ができるとピリピリするかもしれません。舌に痛みや炎症が生じる場合には、歯科で診てもらうことをおすすめします。
溝状舌の治し方
歯科医院では、先ほどの説明のように「ほっておいても舌の溝はなおるから心配ないです。」と言われることが多いかもしれませんが、舌の溝ができている患者さんにとっては、大問題です。一日も早く治したいのではないでしょうか。
ここでは、ほっておいても治る舌の溝を少しでも早くなおす方法をご紹介します。
後天性の溝状舌ができる原因の多くは、「口腔乾燥」によるものです。唾液の分泌が少ないか、口呼吸によって、舌も乾燥するからです。舌粘膜は毛細血管が張り巡らせているため、水分が多い組織です。口腔が乾燥すると舌にひび割れができるのは当然です。
ですから、舌の溝を治すためには、舌を乾燥させず水分を与える必要があります。その方法としては次のように行うと良いです。
- 口呼吸の場合は、寝るときに唇にテープ(肌にやさしい絆創膏など)を貼ることをおすすめします。
- 鼻炎などで鼻づまりがあり、仕方なく口呼吸になっている場合は、耳鼻科で治療することが大事です。
- ドライマウスがひどく舌が乾燥する場合は、人工唾液を処方してもらうとか保湿剤を塗ると良いです。
- 降圧剤や睡眠誘導剤などの服用で副作用からドライマウスになっている場合は、かかりつけのお医者さんに相談し、副作用の少ない漢方薬にかえてもらってはいかがでしょう。
溝状舌の予防方法
「でも、舌苔をなくしたい。口臭をなくしたい。。。。」
そんなお悩みをお持ちの方がたくさんおられます。
口臭対策としては、舌苔ができないように、毎日、舌をケアすることが大事です。舌苔ができると口臭がするので、舌をきれいにすることが大切です。
あまり知られていないのですが、細菌が増え口腔内が汚れると、唾液の分泌が悪くなります。出たとしても、交感神経の作用によって粘つく唾液。これでは気持ち悪いのは当然です。
反対に口腔内がきれいだと、副交感神経が活発になり唾液もよく出ます。そして、出てくるのはサラサラの唾液。だから、ストレスもなく気分が良い。だからよけいに唾液が出るという良い循環が生まれるのですね。
口腔環境を良くすることは、ドライマウスを改善するためには重要です。ドライマウスが改善されれば、(後天性の)舌の溝もなおります。だから、口臭がでないように舌や喉を専門にケアするには、口臭予防歯磨き粉「美息美人(びいきびじん)」がおススメです。
舌に溝ができる原因がわからないので、予防の仕方もわからないといわれています。
しかし、はっきり分かることは…
- 口腔内を乾燥させないこと
- 健康になり免疫力を高めること
- 常に口腔内を衛生的にすること
舌が乾くとひび割れができます。ですから、ドライマウスの予防が大事です。
また、免疫力がさがると舌苔もできるので、健康を維持することが一番の予防になると思います。
そして、舌苔ができないようにすることで大切なのは、口腔内を不清潔にしないように、毎日、ていねいに口腔ケアを行わないといけません。
舌苔がひどい場合は、『美息美人(びいきびじん)で舌苔を除去する方法…白い舌がきれいに』をご参考にしてください。