舌が白い時の治し方3選!原因と受診が必要な危険なサイン【専門家監修】

舌が白い人と健康な舌の人の比較イメージ

監修:歯科衛生士 上林ミヤコ/執筆:上林登(口腔ケアアンバサダー)

鏡をのぞいて「舌が真っ白…」と不安になっていませんか?
この記事では、専門家監修のもと「舌が白い時の正しい治し方」と「原因」を、効果的な順序で解説します。

「今すぐきれいにしたい」という方のために、まずは自宅でできる安全なケア方法(治し方)から紹介し、その後に病気のサインを見分ける「30秒セルフ判定」へ進みます。焦って自己流でこすると逆効果になるため、まずは正しい手順を押さえましょう。

※もし口臭も強く感じている場合は、口臭対策の全体像もあわせて確認するとより効果的です。

舌が白い時の治し方・自宅でできる3つのセルフケア

舌が白くなる主な原因は、細菌や汚れが固まった「舌苔(ぜったい)」や「口の中の乾燥」です。病気(後述)でない限り、基本は以下の3ステップで改善します。

① 正しい「舌磨き」で物理的に除去する(※やりすぎ厳禁)

最も即効性があるのは舌ブラシによる清掃ですが、歯ブラシでゴシゴシこするのは厳禁です。舌の表面を傷つけると、さらに汚れが溜まりやすくなる悪循環に陥ります。

安全な舌磨きのポイント

  • 専用の舌ブラシや柔らかいブラシを使う
  • 「奥から手前」へ一方通行で優しくなでる(往復させない)
  • 1日1回、朝の歯磨き前がベスト

👉 具体的なブラシの動かし方や道具の選び方は、下記の詳細ガイドをご覧ください。
舌苔の正しい取り方・即効ケア手順(3〜5分)

上林ミヤコ 歯科衛生士
上林ミヤコ
 

やりすぎは「逆効果」になります

白さを一度に取ろうとして強くこすると、舌の表面(舌乳頭)が傷つき、その傷に細菌が入り込んで余計に白く、取れにくくなってしまいます
あくまで「表面の汚れだけを優しく浮かす」イメージで行ってください。1回で真っピンクにならなくても、毎日続ければ徐々にきれいになります。

② 保湿とうがいで「ドライマウス」を防ぐ

口の中が乾いていると、自浄作用が働かず舌が白くなります。こまめな水分補給に加え、保湿効果のあるうがい薬の使用も有効です。

舌磨きで取れない舌苔に対するアルカリイオン水うがいのイメージ
▲物理的にこすれない場合は、汚れを浮かせる専用のうがい液などの活用も検討しましょう。

上林ミヤコ 歯科衛生士
上林ミヤコ
 

うがい薬の「成分」に注意

舌が白い時は口の中が乾いていることが多いです。この状態でアルコール成分が強い洗口液を使うと、さらに乾燥が進んでしまうリスクがあります。
選ぶ際は「ノンアルコール」や「保湿成分配合」のものを選び、唾液の自浄作用(洗い流す力)を助けてあげましょう。

③ 唾液分泌を促すマッサージと食事

唾液は「天然の洗浄液」です。よく噛んで食べることはもちろん、耳の下(耳下腺)を優しくマッサージすることで唾液の分泌を促し、白い汚れの再付着を防ぎます。

上林登 口腔ケア
アンバサダー
 

「噛むこと」が一番の掃除です

柔らかいものばかり食べていると、舌と上顎(口の天井)が擦れ合わず、汚れがこそげ落ちません。
繊維質な野菜などをよく噛んで食べると、その摩擦と唾液の量で、ブラシを使わなくても自然と舌がきれいになることがあります。

なぜ白くなる?舌が白い(舌苔)の主な原因

治し方を実践しつつ、根本原因を知ることで再発を防げます。主な原因は以下の3つに大別されます。

舌が白い 原因と受診目安の図解(舌苔・生活要因・疾患の関係)

1. 汚れや細菌の蓄積(生理的要因)

食べカス、剥がれ落ちた粘膜、細菌などが舌の表面(舌乳頭)の隙間に溜まり、白く見えます。これが「舌苔(ぜったい)」です。
正常な状態:うっすらと白く、ピンク色が透けて見える程度なら健康です。

2. 生活習慣による乾燥(ドライマウス)

ストレスや口呼吸、加齢、薬の副作用などで唾液が減ると、口の中が乾燥し、汚れが定着しやすくなります。
特に「朝起きると舌が白い」場合は、就寝中の口呼吸が原因の可能性が高いです。対策はストレスで白い舌:対処と睡眠ケアをご確認ください。

3. 胃腸の不調や免疫力低下

東洋医学(舌診)でも言われるように、舌は内臓の鏡です。胃腸が弱っていたり、抗生物質を長期服用していたりすると、口内細菌のバランスが崩れて舌が白くなることがあります。

病気が原因?【30秒セルフ判定】と受診目安

多くの場合はセルフケアで改善しますが、中には治療が必要な病気が隠れていることもあります。鏡を見ながらチェックしてください。

まずは30秒セルフ判定(自然光+鏡)

  1. 色:淡紅色が透ける「薄い白膜」か、真っ白で厚みがあるか
  2. 質感:均一か、一部だけ白く盛り上がっているか(スマホ撮影で比較推奨)
  3. 痛み:ガーゼで軽く拭うと出血したり、ヒリヒリ痛むか

受診の目安(赤旗サイン)

※以下の症状が1つでも当てはまる場合は、歯科または口腔外科を受診してください。

  • ケアを続けても2週間以上、白さが変わらない
  • こすっても取れず、痛み・出血・硬いしこりがある
  • 発熱・倦怠感がある、または舌だけでなく白目や皮膚も黄色い

画像で比較:健康な舌と注意すべき白い舌

健康なピンクの舌:淡紅色で薄い白膜が均一に見える基準例
健康な舌:淡紅色が透け、白膜は薄く均一。痛みはない。
厚い舌苔の舌:白〜黄灰色の膜が厚く、表面にザラつきがある例
厚い舌苔:全体が白くザラつく場合はケアが必要。手順は 即効ケア(3〜5分) へ。

症状⇄対処の分岐表(最短ルートだけ)

あなたの症状に合わせて、今読むべき記事(解決策)を選んでください。ここが“解決への最短ルート”です。

症状・目的 読むべき記事(詳細ガイド)
厚い/ザラつき強い × 今すぐ軽くしたい 【手順】即効ケアのやり方(3〜5分)
ヒリヒリ・磨き過ぎが心配/痛みが出た 舌磨きのやりすぎは逆効果?安全な頻度
舌の奥だけ取れない/嘔吐反射がつらい 舌奥だけ残るときの対策(オエッとならない)
こすっても取れない+痛い/出血がある 口腔カンジダの自己対応と受診ライン
黄色っぽい/全身の黄疸が心配 舌が黄色い:見分け方と受診の目安
胃もたれ・逆流+口臭が気になる 胃腸が原因の白い舌:見極めと14日セルフケア
ストレス・睡眠不足で白くなりやすい ストレスで白い舌:対処と睡眠ケア

受診時の科選びガイド

セルフケアで改善しない場合、どの科に行けばよいか迷うことがあります。以下を目安にしてください。

症状 疑われる状態 推奨診療科
こすっても取れない・痛い・白斑 口腔カンジダ症、白板症など 歯科・口腔外科・耳鼻咽喉科
喉の違和感・胃もたれ・胸やけ 逆流性食道炎 ほか 消化器内科
全身倦怠感・皮膚も黄色い 肝機能障害などの可能性 内科(消化器)

自己判定したい方へ

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舌苔チェックはこちら

※医療診断の代替ではありません。

まとめ:白い舌は健康のバロメーター

  • まず実践:やさしい舌磨きと保湿うがいを行う(正しいやり方を確認
  • 要確認:「こすっても取れない」「痛い」「出血」は危険なサイン
  • 解決策:2週間ケアしても改善しない場合は、歯科または口腔外科へ

参考文献・出典

  1. 厚生労働省 e-ヘルスネット「口臭の治療・予防」
  2. 日本歯科医師会 テーマパーク8020「ドライマウス」
  3. 日本歯科医師会「口の中の腫瘍(白板症を含む)」
  4. Tongue coating – characteristics and role in intra-oral halitosis
  5. American Dental Association「Home Oral Care」
  6. 正常な舌は「淡紅色、薄白苔」- SAFEコンソーシアム
  7. 兵庫医科大学病院「舌苔」
  8. 日本歯科衛生士会「舌は体調や清掃状態で変化」
  9. 国立がん研究センター「口腔内のがんに関する情報」