プラークコントロールとは?効果的なプラークコントロールの方法

口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登です。

歯磨き粉のTVCMなどで「プラークコントロール」という言葉を聞くことがあります。虫歯や歯周病のほか口臭などを予防するためには、「プラークコントロール」が必須というわけですが、そもそも「プラークって何?」という人も多いのでは?

それに「プラークコントロール」の仕方って、どうやればいいでしょう?今回の記事では、プラークコントロールについて誰でも分かるようにお伝えします。ぜひご参考にしてください。

プラークって何?

口内の細菌

プラークとは歯垢のことであり、食べかすのことではありません。口腔内にはいろんな種類の細菌がたくさん存在します。それらの細菌は集まってネバネバの塊りとなり、歯にくっつきます。これがプラークです。

プラークは、歯科医師によってバイオフィルムやデンタルプラークとも呼ばれることがありますが、同じものです。

細菌は、食べかすの糖を分解して酸をつくるため、虫歯の原因になります。でも、口臭ガスをつくることは知らない人が多いかもしれません。

細菌は、口に残った食べかすの他、剥離した細胞、白血球、死滅した細菌などのタンパク成分を分解して揮発性硫化物(VSC)をつくります。揮発性硫化物(VSC)は、口臭の元となる臭い成分です。

VSCは毒ガスのため、ガスが歯肉に触れると炎症を起こします。歯肉炎や歯周炎になるのはこのためです。

歯肉炎になると、歯周ポケットが深くなるため、歯磨きも困難になりプラークが増えやすくなります。歯周ポケットには、膿などの液もたまりガス化することで口臭が発生します。

プラークを調べる方法

歯にプラークが着いているか調べる方法は簡単です。

1,目視…歯を磨かないでいるとやがて歯面がザラザラ、ベタベタしてきます。よく見ると、黄白色の粘ついたものが付いています。これがプラークです。

2,プラークチェッカー…歯面にプラークチェッカーと呼ばれる歯垢染色剤を塗布すると、プラークのある部位が赤い色に染まるので、目で確認できます。

この他、科学的に歯周病菌を調べる方法として、歯周ポケット内のプラークや唾液を採取して検査する方法もあります。(※自費診療になります)

プラークコントロールとは

歯ぐきをブラッシング

プラークコントロールとは歯垢である「プラーク」を減らすことです。「 プラーク」の増殖をコントロールすることによって、虫歯や歯周病などを予防するのが目的です。

虫歯や歯周病にならないようにするためには、プラーク(細菌)を除去することが大切だということが理解されたのではないでしょうか。

そのための方法として最も効果的なのが、歯ブラシを使用してブラッシングすること。プラークはネバネバしたかたまりで歯の表面に付着していますが、歯ブラシでゴシゴシと磨くことで除去することが可能です。

ですから、簡単で最も効果的なプラークコントロールは「歯磨き」です。

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ですが、人の歯は複雑に入り組んでいたり、歯肉の中の歯周ポケット部分まできれいに磨くことは困難です。

ですから、そんな時には、歯間ブラシやワンタフトブラシ、フロスなどを使うと便利です。

しかし、自分で行うプラークコントロールには限界があります。そのため、3か月に1回は歯科で歯石除去やクリーニングを行なうなど、専門的なプラークコントロールも大事です。

プラークコントロールは8割で良い

舌を磨く女の子

虫歯や歯周病を予防するためには、プラークコントロールが大切だということが分かったかもしれません。でも、日常生活でそれ程完璧にすることは難しいと不安になったのでは?

ご安心ください。じつは、日本口臭学会の「口臭症治療の指針」の中で「プラークコントロール・レコードで20%以下に維持できるならば、多くの口臭疾患は予防できるといわれている。」と発表されていました。

これは、どういうことかというと、プラークコントロールが8割程度できていれば、虫歯や歯周病になる心配がない。多少、磨き残しがあっても心配ないということですが、そのためには、定期的に歯科検診とPMTC(歯石除去や歯のクリーニング)などのプロフェッショナルケアを受けるようにしましょう。

今回の記事はお役に立ちましたでしょうか?次回もあなたの知らない情報をお伝えしていきますので、お楽しみにしてください。

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