こんにちは、口腔ケアアンバサダー(社団法人 日本口腔ケア学会認定)の上林登です。監修:歯科衛生士 上林ミヤコ
歯科検診で「磨けていませんね」「プラークが残っています」と言われると、まるで自分の努力を否定されたように感じることがあります。
毎日ちゃんと歯磨きしているつもりなのに、なぜそう言われるのか。恥ずかしい、ショック、次回までに何を直せばいいのか分からない。そんな気持ちになる方も少なくありません。
でも、落ち込む必要はありません。多くの場合、それは「歯磨きが下手」という意味ではなく、自分では見えにくい場所に、磨き残しが続いているというサインです。
結論:歯科で「磨けてない」と言われたら、まず見直すのは歯磨きの回数ではなく、毛先が届いていない場所です。
- 今日からやる3つ:①歯と歯ぐきの境目にやさしく当てる ②歯間ケアを1日1回 ③月1回の染色チェックで弱点を見る
- 受診の目安:出血・腫れ・痛み・膿・強い口臭が続く、歯がしみる、ぐらつく場合は歯科へ相談
- 注意:洗口液や歯みがき粉は補助です。基本はプラークを物理的に落とすことです。
「磨いているつもり」を「磨けている」に変えるには、弱点を見える化することが近道です。

この記事では、歯科で「磨けてない」と言われやすい場所、プラークコントロールの基本、今日からできる3STEP、次回の検診までにできる7日間プランを分かりやすく整理します。
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歯科で「磨けてない」と言われても落ち込まなくて大丈夫
歯科で「磨けてない」と言われると、つい「自分の歯磨きは全部ダメなんだ」と感じてしまうかもしれません。
しかし、実際にはそうではありません。歯科で指摘されるのは、歯全体が磨けていないというより、いつも同じ場所にプラークが残っているケースが多いです。
特に、奥歯の内側、歯と歯ぐきの境目、歯と歯の間、ブリッジや詰め物の周囲は、自分では見えにくく、丁寧に磨いているつもりでも残りやすい場所です。
大切なのは、歯磨きの回数をむやみに増やすことではありません。どこに残っているのかを知り、その場所に合った道具と磨き方に変えることです。
プラークコントロールとは?毎日たまる歯垢を減らす習慣
プラークとは、歯の表面に付着する軟らかい細菌のかたまりです。歯垢とも呼ばれ、食べかすや唾液中の成分、細菌が混ざり合って歯の表面に付着します。
プラークは放置すると、虫歯や歯ぐきの炎症、歯周病、口臭の原因になることがあります。また、時間がたつと石灰化して歯石になり、歯ブラシでは取りにくくなります。
プラークコントロールとは、このプラークを毎日のケアで減らし、増えすぎないように整える習慣のことです。
ポイントは、強くこすることではありません。歯ブラシ、フロス、歯間ブラシ、必要に応じた歯科でのクリーニングを組み合わせて、口の中を清潔に保つことです。
歯科で「磨けてない」と言われやすい場所

歯科で指摘されやすいのは、歯の表面全体ではなく、毛先が届きにくい場所です。まずは、次の表で自分の弱点を確認してみましょう。
| 場所 | 残りやすい理由 | 見直すポイント |
| 歯と歯ぐきの境目 | 毛先が浅く当たりやすい | 力を抜いて小刻みに動かす |
| 奥歯の内側 | 見えにくく、ブラシの角度が合いにくい | 口を少し閉じ気味にして角度を変える |
| 歯と歯の間 | 歯ブラシだけでは届きにくい | フロス・歯間ブラシを1日1回使う |
| 詰め物・ブリッジ周囲 | 段差やすき間に汚れが残りやすい | 歯科で道具の選び方を確認する |
| 親知らずまわり | 奥で見えにくく、食べかすが残りやすい | ワンタフトブラシなどを相談する |
同じ場所にプラークが残り続けると、歯ぐきの炎症や口臭につながることがあります。歯科で場所を教えてもらったら、その場所をメモしておくと改善しやすくなります。
セルフケアとプロケアの役割分担
プラークコントロールは、自宅のセルフケアだけでも、歯科のクリーニングだけでも十分とは言えません。
毎日たまるプラークは自宅で減らし、歯石や磨きにくい場所は歯科で確認してもらう。この役割分担が大切です。
| 項目 | セルフケア | プロケア |
| 目的 | 毎日のプラークを減らす | 歯石や難しい場所を確認・清掃する |
| 主な方法 | 歯ブラシ、フロス、歯間ブラシ、洗口液など | スケーリング、クリーニング、磨き方の指導 |
| 頻度 | 毎日。歯間ケアは1日1回が目安 | 状態により個人差。歯科の提案を参考にする |
| 得意なこと | 日々の汚れをためにくくする | 自分では見えない弱点を確認できる |
歯科で「磨けてない」と言われたときは、怒られたと受け取るより、自分では見えない弱点を教えてもらえたと考える方が前向きです。
やってはいけないプラークコントロール
早くきれいにしたいと思うほど、強く磨きすぎたり、洗口液だけに頼ったりしがちです。しかし、間違ったケアは歯ぐきや粘膜への負担になることがあります。
先に確認したいNG行動
- 強い力でゴシゴシ磨く
歯ぐきが下がる、しみる、粘膜を傷つける原因になることがあります。 - 歯間をつまようじで無理に掃除する
歯ぐきを傷つけることがあるため、フロスや歯間ブラシを使いましょう。 - 洗口液だけで済ませる
洗口液は補助です。歯に付着したプラークは物理的に落とすことが基本です。 - 出血や腫れが続くのに自己流で続ける
歯周病や虫歯、詰め物の不具合などが隠れている場合があります。
今日から始める3STEPプラークコントロール
ここからは、歯科で「磨けてない」と言われた方が今日から始めやすい3STEPを紹介します。
STEP1:歯と歯ぐきの境目に毛先をやさしく当てる
歯磨きで大切なのは、力の強さではなく、毛先を必要な場所に当てることです。
特に、歯と歯ぐきの境目はプラークが残りやすい場所です。歯ブラシを強く押しつけるのではなく、毛先が軽く触れる程度の力で、小刻みに動かしましょう。
- 歯ブラシは鉛筆を持つように軽く握る
- 歯と歯ぐきの境目に毛先を当てる
- 1か所につき小さく10〜20回ほど動かす
- 奥歯は口を少し閉じ気味にして角度を変える
磨く時間が短すぎると、どうしても奥歯や歯間にプラークが残りやすくなります。歯磨き時間の目安や順番については、こちらの記事も参考にしてください。
STEP2:フロス・歯間ブラシで歯と歯の間を1日1回ケアする
歯ブラシだけでは、歯と歯の間のプラークは残りやすいです。歯科で「磨けてない」と言われる方の多くは、歯の表面よりも歯間に汚れが残っていることがあります。
歯と歯の間が狭い方はフロス、すき間がある方は歯間ブラシが使いやすい場合があります。ただし、無理に通すと歯ぐきを傷つけることがあるため、サイズ選びは歯科で確認すると安心です。
| 道具 | 向いている人 | 注意点 |
| フロス | 歯と歯のすき間が狭い人 | 歯ぐきに強く押し込まない |
| 歯間ブラシ | 歯と歯の間にすき間がある人 | サイズが大きすぎるものは避ける |
| ワンタフトブラシ | 奥歯、親知らず、ブリッジ周囲が気になる人 | 歯科で当て方を確認するとよい |
フロスや歯間ブラシを使ったときに強い臭いがする場合、歯間にプラークや食べかすが残っている可能性があります。出血や腫れ、強い口臭が続く場合は、歯科で確認しましょう。
歯間ブラシと口臭の関係については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
STEP3:月1回の染色チェックで弱点を見る
自分では磨けていると思っていても、実際には同じ場所にプラークが残っていることがあります。その確認に役立つのが、歯垢染色剤です。
染色剤を使うと、磨き残しが赤く染まるため、どこにプラークが残りやすいかを目で確認できます。
- 歯と歯ぐきの境目が赤く残る
- 奥歯の内側が染まりやすい
- 歯と歯の間に赤い部分が残る
- 同じ場所が毎回染まる
このような場合は、その場所が自分の弱点です。次の日から、その部分に毛先を丁寧に当てるように意識しましょう。
ただし、染色チェックは毎日行う必要はありません。頻繁に使いすぎると、赤く染まった部分を気にして磨きすぎてしまうことがあります。まずは月1回程度を目安に、磨き残しの傾向を確認する使い方がおすすめです。
洗口液や歯みがき粉は補助として使う
洗口液や歯みがき粉は、口の中をさっぱりさせたり、ケアを続けやすくしたりする補助として役立つことがあります。
ただし、歯に付着したプラークを十分に落とすには、歯ブラシやフロス、歯間ブラシによる物理的な清掃が基本です。
「洗口液を使っているから大丈夫」と考えてしまうと、歯と歯ぐきの境目や歯間のプラークが残り続けることがあります。
刺激が強い洗口液でしみる、口の中が乾きやすい、朝のネバつきが気になるという方は、無理に強い爽快感を求めず、刺激の少ないケアを選ぶことも大切です。
次回の歯科検診までにやる7日間プラン
歯科で「磨けてない」と言われた後は、いきなり完璧を目指すより、まず7日間だけ弱点を1つに絞って続ける方が現実的です。
| 日数 | やること |
| 1日目 | 歯科で指摘された場所をメモする |
| 2日目 | 歯と歯ぐきの境目を鏡で見ながら磨く |
| 3日目 | フロスまたは歯間ブラシを1か所だけでも使う |
| 4日目 | 奥歯の内側を意識して磨く |
| 5日目 | 出血や痛みが続く場所を確認する |
| 6日目 | 染色チェックで磨き残しを確認する |
| 7日目 | 続けやすい道具と時間帯を決める |
大切なのは、一度で完璧にすることではありません。毎日同じ場所にプラークを残し続けないことです。
歯科で次に確認してもらうときは、「どこが残りやすいですか?」「歯間ブラシのサイズは合っていますか?」「ワンタフトブラシを使った方がいい場所はありますか?」と聞いてみると、より具体的に改善しやすくなります。
出血・腫れ・口臭が続くときの受診目安
プラークコントロールを見直しても、次のような状態が続く場合は、自己流で様子を見すぎず歯科で相談してください。
- 歯磨きやフロスのたびに出血する
- 歯ぐきが赤く腫れている
- 歯ぐきから膿が出る
- 歯がぐらつく
- 噛むと痛い
- 強い口臭が続く
- 詰め物や被せ物の周囲が臭う
初期の歯ぐきの炎症は、プラークコントロールの見直しで落ち着くことがあります。しかし、進行した歯周病や虫歯、詰め物の不具合がある場合は、自宅ケアだけでは対応が難しいことがあります。
歯周病や口臭が気になる方は、こちらの記事も参考にしてください。
口臭が気になる方は「歯間」と「歯ぐき」も確認する
口臭が気になると、舌や胃腸を先に疑う方も多いですが、歯と歯の間、歯ぐきの境目、奥歯の周囲にプラークが残っていることもあります。
特に、フロスが臭い、歯間ブラシが臭い、奥歯の一部だけ臭う、歯ぐきから血が出るという場合は、歯間や歯周ポケット周辺に汚れが残っている可能性があります。
この場合、ミントやタブレットで一時的にごまかすより、まずは歯間ケアと歯科での確認が大切です。
歯磨きしても口臭が残る場合は、次の記事も参考になります。
低刺激の補助洗浄を探している方へ
歯ブラシや歯間ケアが基本ですが、朝のネバつきや口臭が気になる方、刺激の強いマウスウォッシュが苦手な方は、毎日の補助洗浄を見直すのも一つの方法です。
著者として、私はここを大事にしています
口臭ケアでは、強い刺激で一時的にごまかすより、歯・歯ぐき・舌・口の中全体を、毎日無理なく整えることが大切だと考えています。特に、磨きすぎや刺激で口の中が荒れやすい方は、強くこするケアを続けないことも大切です。
美息美人は、刺激が少ないアルカリ性で、口内の汚れをゆるめて流しやすくする補助洗浄です。治療の代わりではありませんが、強くこすらず口内環境を整えたい方の基本ケアとして使いやすいです。
使い方は、次の3ステップです。
- 水180ccに美息美人を1振りする
- うがい+歯と舌のやさしいブラッシングを行う
- 最後に水でしっかりすすぐ
低刺激の補助洗浄を毎日のケアに取り入れたい方は、詳しい使い方をこちらで確認してください。
よくある質問
Q1. 歯科で「磨けてない」と言われたら、歯磨きの回数を増やせばいいですか?
A. 回数を増やすより、まずは磨き残しの場所を確認することが大切です。特に歯と歯ぐきの境目、奥歯の内側、歯と歯の間は残りやすいため、毛先の当て方と歯間ケアを見直しましょう。
Q2. 洗口液だけでプラークコントロールできますか?
A. 洗口液は補助にはなりますが、歯に付着したプラークを十分に落とすには、歯ブラシやフロス、歯間ブラシによる物理的な清掃が基本です。
Q3. フロスが臭い場合は歯周病ですか?
A. 必ず歯周病とは限りません。ただし、歯間にプラークや食べかすが残っている、歯ぐきに炎症がある、詰め物の周囲に汚れがたまっている可能性があります。出血や腫れ、強い口臭が続く場合は歯科で相談してください。
Q4. 歯間ブラシは毎日使った方がいいですか?
A. 歯と歯の間にすき間がある方は、1日1回を目安に使うとよいでしょう。ただし、サイズが合っていないと歯ぐきを傷つけることがあります。初めて使う場合は、歯科でサイズを確認してもらうと安心です。
Q5. 電動歯ブラシを使えば磨き残しはなくなりますか?
A. 電動歯ブラシは便利ですが、当てる場所や角度が合っていないと磨き残しは出ます。道具だけに頼らず、歯科で指摘された場所に毛先が届いているかを確認しましょう。
Q6. 歯ぐきから血が出ても歯間ケアを続けていいですか?
A. 軽い出血が一時的に出ることはありますが、痛みが強い、出血が続く、腫れている、膿が出る場合は歯科で相談してください。自己判断で強くこすり続けるのは避けましょう。
まとめ|磨いているつもりを、磨けているに変える
歯科で「磨けてない」と言われても、落ち込む必要はありません。大切なのは、磨く回数を増やすことより、どこにプラークが残っているのかを知ることです。
- 歯と歯ぐきの境目、奥歯、歯間は磨き残しやすい
- 歯ブラシだけでなく、フロスや歯間ブラシを1日1回使う
- 月1回の染色チェックで弱点を見る
- 出血・腫れ・痛み・膿・強い口臭が続く場合は歯科へ相談する
- 刺激の強いケアが苦手な方は、低刺激の補助洗浄も検討する
まずは今日、歯と歯ぐきの境目、奥歯の内側、歯と歯の間のどれか1つだけでも見直してみてください。
出血・腫れ・痛み・膿・強い口臭が続く方は歯科で確認し、セルフケアで様子を見られる方は、まず7日間、歯ブラシ・歯間ケア・染色チェックを続けてみましょう。刺激の強いケアが苦手な方は、低刺激の補助洗浄も選択肢になります。


