ストレスで舌が白くなる原因と対処法
口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登です。
ストレスを感じると、身体に様々な影響が及ぶことが知られていますが、意外にも舌の表面にも影響が出ることがあります。
ストレスは、現代社会において多くの人々が抱える問題の1つです。ストレスを感じると、様々な身体的な症状が現れることがありますが、その中でも舌が白くなる現象は比較的よく知られています。
ストレスを感じると、体内のストレスホルモンであるコルチゾールが分泌され、免疫力が低下することがあります。免疫力が低下すると、口内の細菌バランスが崩れ、舌の表面に細菌や死んだ細胞がたまり、白い舌の現象が生じることがあります。ただし、ストレスが唯一の原因ではなく、口内環境の変化や疾患の影響もあるため、詳しい原因は医師に相談することが重要です。
今回は、ストレスが原因で舌が白くなる現象について、その原因と対処法について解説します。
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ストレスが舌の白さに与える影響
ストレスは、疲労感や睡眠不足などが重なると自律神経失調症を引き起こして、舌苔、口内炎、喉の痛み、胃腸の不調(便秘・下痢)などの原因になります。
- ストレスが分泌させるコルチゾールによって免疫力が低下することで、舌に存在する細菌バランスが崩れることがある。
- 口内環境の悪化によって舌の表面に細菌や死んだ細胞が付着し、舌が白くなる(舌苔)。
ストレスが舌にどのような影響を与えるのかについて、以下に説明します。
舌の色が白くなる
ストレスが原因で舌の表面に舌苔が増えることがあります。これは、ストレスによって免疫系が弱まり、口内に存在する細菌が増殖することが原因です。また、ストレスによって唾液の分泌が減少するため、舌に付着する細菌が洗い流されず、舌の表面に舌苔が形成されることもあります。
口内炎が発生する
ストレスが継続すると、免疫系が弱まり、口内に存在する細菌やウイルスが繁殖しやすくなります。これにより、口内炎や歯肉炎などが発生することがあります。
口臭が強くなる
ストレスが原因で唾液の分泌が減少すると、口の中の細菌が増殖しやすくなり、口臭が強くなることがあります。
ストレスと免疫系の関係
ストレスは、免疫系にも大きな影響を与えます。ストレスが継続すると、免疫系の機能が低下し、病気にかかりやすくなります。ストレスが長期間続くと、免疫系の細胞が損傷を受け、体内で炎症が発生し、慢性的な疾患を引き起こすことがあります。また、ストレスが続くと、糖尿病や高血圧などの生活習慣病を発症するリスクも高くなります。
参考:『自律神経を整える。ストレスに勝つ!』小林弘幸著 Amazon
ストレス以外の舌が白くなる原因
ストレス以外にも、口内のカビ(真菌)や細菌感染、歯周病、口臭、過度のアルコール摂取などが舌の白さの原因となることがあります。
ここでは、ストレス以外の要因について詳しく見ていきましょう。
真菌感染
舌の表面に常在している真菌が異常繁殖することで、舌が白くなることがあります。この症状を口腔カンジダ症と呼び、免疫力が低下したり、抗生物質の使用によって腸内細菌叢が乱れた場合に発症しやすくなります。
関連記事:舌が白いのは口腔カンジダ症!?
口内炎
口内炎ができると、炎症部分が白く膨らむことがあります。口内炎は、口腔内の粘膜に傷がついたり、ウイルスや細菌などが感染したりした場合に発生することが多いです。
歯周病
歯周病は、歯周病菌によって引き起こされる炎症疾患で、歯肉の腫れや出血、歯のグラつきなどが見られます。歯周病が進行すると、歯肉の表面に白い膜状のものが付着することがあります。
ストレスによる白舌(舌苔)の症状
ストレスによって引き起こされる口内の問題の1つに、ストレスが原因で舌が白くなることがあります。舌苔は、舌の表面に白いコーティングが現れる状態です。以下では、ストレスによる白い舌(舌苔)の症状について詳しく説明します。
舌が白くなる理由
ストレスによる白い舌(舌苔)は、ストレスによって引き起こされる免疫反応に起因しています。ストレスが体内に蓄積すると、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌され、免疫系が抑制されます。その結果、真菌や細菌などの病原体が繁殖し、舌の表面に白いコーティングが現れます。
他の口内炎との区別
ストレスによって白くなった舌(舌苔)は、口内炎と混同されることがあります。しかし、舌苔の症状は、他の口内炎とは異なる特徴があります。
舌の表面に白いコーティングがある
- 口の中に痛みや炎症がない
- 舌の表面がざらざらしている
- 口臭がある
一方、口内炎の場合は、口の中に痛みや炎症があり、赤く腫れていることが多く、白いコーティングは見られません。また、口臭もあまり感じられません。
以上のように、ストレスによる白舌(舌苔)の症状は、他の口内炎とは異なる特徴があるため、区別することができます。
ストレスで舌が白くなった場合の対処法
ストレスを緩和するために、ストレッチやマッサージ、深呼吸などの方法が効果的です。また、口内環境を整えるために、以下の方法が役立ちます。
・ 歯磨きをしっかり行う
・ 舌クリーナーで舌の表面を清潔に保つ
・ 口腔洗浄剤を使用する
・ 毎食後にうがいを行う
・ 適切な食生活を心がける
以上のような対処法により、ストレスで白くなった舌の原因を取り除き、健康的な口内環境を維持することができます。
ストレスによる白い舌(舌苔)の治療法
白い舌(舌苔)は、まずはストレスを軽減することが重要です。ストレスを軽減する方法としては、適度な運動やリラックスできる環境を作ること、十分な睡眠をとることが挙げられます。ストレスを軽減することで、自然治癒力が高まり、症状の改善につながります。
また、口腔衛生の維持も重要です。適切なブラッシングや歯磨き、うがいを行い、口内環境を清潔に保つことが必要です。歯垢や汚れが残っていると、口内環境が悪化し、ストレス舌白いの症状を悪化させることがあります。
薬の使用については、口内炎やカンジダ症の場合には、抗真菌薬やステロイド薬などの内服薬や外用薬が使用されます。しかし、ストレスによる白舌(舌苔)の場合には、薬の使用による効果が期待できない場合があります。ストレスが原因の場合には、ストレスを軽減し、口腔衛生を維持することが最も効果的な治療法となります。
関連記事:舌が白いのは口腔カンジダ症!?
ただし、症状が長期間続く場合には、医師に相談することをおすすめします。医師による診断や治療が必要な場合には、適切な治療法が選択されます。自己判断で治療を行うことは避け、正しい知識を持ち、適切な対処法を行うことが大切です。
ストレスによる舌苔の予防
白舌(舌苔)は、ストレスによって引き起こされた状態です。そのため、ストレスを軽減する方法や正しい口腔衛生の方法に気を配ることが重要です。また、ビタミンや栄養素を適切に摂取することも大切です。以下では、予防法について詳しく説明します。
ストレス管理の方法
白舌(舌苔)の症状を予防するためには、ストレスを軽減する方法が有効です。ストレスを軽減するためには、以下のような方法があります。
・リラックスする時間を設ける:マッサージ、ヨガ、瞑想などのリラックス方法を取り入れ、ストレスを解消する時間を設けましょう。
・運動する:適度な運動をすることでストレスを軽減することができます。
睡眠を十分に取る:睡眠不足はストレスを引き起こす原因の1つです。毎晩十分な睡眠時間を確保するようにしましょう。
・趣味やアウトドア活動などを楽しむ:ストレスを解消する方法として、自分の趣味やアウトドア活動などを楽しむ時間を作ることも有効です。
正しい口腔衛生の方法
ストレス舌白いを予防するためには、正しい口腔衛生の方法を実践することが重要です。以下の方法を実践しましょう。
・歯磨きをする:朝晩の歯磨きはもちろん、食後にも歯磨きをしましょう。
・フロスを使う:歯の間の汚れを取り除くために、フロスを使って歯を磨きましょう。
・口腔洗浄液を使う:口腔洗浄液を使うことで、口の中の細菌を減らすことができます。
・歯医者に定期的に行く:歯医者に定期的に行き、歯の健康を維持しましょう。
ビタミンや栄養素の摂取について
ストレス舌白いを予防するためには、ビタミンや栄養素を適切に摂取することも重要です。
まとめ
ストレスが原因の白い舌(舌苔)は、舌の表面が白くなります。ストレスによる白舌(舌苔)は、口内炎やカンジダ症などの口内炎とは異なる症状が現れます。白舌(舌苔)を予防するためには、ストレスを軽減する方法や正しい口腔衛生の方法、ビタミンや栄養素の適切な摂取が重要です。
最後に読者に対するアドバイス
ストレスによる白舌(舌苔)は、日常生活でのストレスや不規則な生活、栄養不良などの影響によって引き起こされます。舌が白いと悩まされた場合は、ストレスを軽減することや正しい口腔衛生の方法を実践することが重要です。また、ビタミンや栄養素を適切に摂取することで、健康的な体を維持することができます。
ただし、舌苔はストレスだけが唯一の原因ではなく、薬の副作用や病気が影響していることもあるため、詳しい原因は医師に相談するようにしてください。
最後に、日常生活でのストレスを軽減することや、正しい食生活と口腔衛生の方法を実践することが、健康的な生活を送るために重要です。定期的な健康診断や、歯医者の定期検診も忘れずに受けるようにしましょう。
「舌苔」ができる原因は、いろいろありますが、それらの多くは、歯磨き粉「美息美人(びいきびじん)」で解決できることが多いです。舌苔が取れるとストレスが減るので、是非お試しください。