膿栓は扁桃腺摘出手術で溜まらなくなる
口腔ケアアンバサダー(社団法人口腔ケア学会認定)の上林登です。
臭い玉(膿栓)がよく溜まる場合は、扁桃腺の手術を行うと出来なくなるので、膿栓や膿汁が原因の口臭の改善に有効です。
ですから、口臭で悩んでいれば、扁桃腺除去手術に関心があると思います。Yahoo!知恵袋をみると「術後、口臭がすごく気になったが、かさぶたが取れると臭いが減った。」とか、「術後、2週間程度は口臭が気になったが、その期間が過ぎると臭いが落ち着いてきた。」などの書き込みがありました。
扁桃はリンパ組織であるため、外部から入ってくる細菌を防御する役割があります。そのため、扁桃が腫れたり発熱症状がありますが、臭い玉(膿栓)が溜まると口臭が発生するので困ってる人が多いです。
慢性扁桃炎で常に膿栓がたまるようになると、口臭がドブ臭いとか、うんちの臭いになります。しかし、口臭原因は臭い玉(膿栓)だけではないので、たとえ扁桃腺除去手術をしても、舌苔(ぜったい)や虫歯・歯周病など口内に原因があれば口臭は治りません。
口臭を治すために、原因となる「口蓋扁桃」の除去手術を検討する人が多いです。ところが、手術にはデメリット(リスク)があり、また手術する場合の目安や費用などが気になるところです。
今回の記事は、扁桃腺手術についてお伝えさせていただきます。ぜひご参考にしてください。
関連記事:口臭の元になる「臭い玉」の原因と対策
扁桃腺摘出手術で臭い玉(膿栓)ができなくなる?
膿栓を取っても取ってもすぐ溜まるのであれば、それはもう扁桃腺を取ってしまうのがいいと思います。
臭い玉(膿栓)ができるのは、一般でいわれている扁桃腺「口蓋扁桃(こうがいへんとう)」です。ですから、この口蓋扁桃を摘出してしまうことで臭い玉(膿栓)はできなくなります。
舌扁桃にできる臭い玉(膿栓)の場合は、粘膜の表面にあるので自然と取れます。だから、口蓋扁桃を手術で摘出すれば臭い玉(膿栓)の問題は解決するようです。
引用:とくなが耳鼻咽喉科
しかし、摘出手術をしたからといって喉が腫れないことはありません。摘出手術によって口蓋扁桃はなくなるので、扁桃が腫れることはありませんが、術後に喉が腫れ完治するまで長い期間がかかったり、その後も喉が腫れたり発熱することは起こるのでご注意ください。
手術は10日弱入院にはなりますが、一回扁桃腺をとってしまえば今までの高い熱やすごくのどが痛くなることはなくなります。
ただし、扁桃腺が腫れることはなくなりますが、のどの粘膜が腫れて熱が出たりのどが痛くなることはおこります。手術でのどの粘膜を全部とる訳ではないので、「全くのどが痛くなることがなくなったり、全く熱が出なくなる」のではありません。
引用:みやはら耳鼻咽喉科
手術するのは怖いものです。その場合は「喉が臭い、喉からの口臭原因と対処法」をご参考にしてください
膿栓と扁桃腺の関係
膿栓は臭い玉とも呼ばれ、喉から口臭がする場合の原因の代表格だと思われています。実際の口臭原因は、膿栓ではなく、膿栓になる前の段階の粘液(膿汁)なのですが、膿栓が口臭原因だと思っている人が多いようです。
膿栓や膿汁は、扁桃腺にある「いんか」という小さな穴の中に出来ます。扁桃腺は細菌やウイルスから身体を守るためにある器官で、「いんか」から免疫が分泌されます。
白血球などの免疫と細菌が戦って死がいができると、いんかの中に、柔らかい耳垢(または固まる前の鼻くそ)のようにたまります。これが膿栓(臭い玉)ですが、良くできる人には特徴があるようです。
⇒⇒ 臭い玉が喉にできる人とできない人の特徴とは?その違いについて教えます
膿栓ができると細菌が増殖するため、さらに免疫が分泌され膿汁ができる。この膿汁ができると、喉がイガイガする、口臭が強くなる、原因となるのですね。
膿栓ができても、食事の時や咳・くしゃみ等で自然に取れてしまうのでご安心ください。
ところが、膿栓が長期にわたり扁桃腺にたまると、口臭の原因になることがあります。
だからといって、無理に膿栓を取るのは危険です。
引用:喉の白い塊って知っていますか?
膿栓や膿汁を作り出す扁桃腺は、免疫力の低い子どもの健康を守るためにあり、成人すると必要のないものです。ですから、喉の違和感や口臭で困ると、扁桃腺を手術で切除したいと思っても不思議ではありません。
扁桃腺手術の目安
扁桃がよく腫れる人
扁桃腺の摘出手術を考えている方のために、扁桃腺摘出手術が必要な場合についてご説明します。
少し前までは、大人の扁桃腺肥大のケースの場合は、耳鼻科のお医者さんはすぐに「扁桃除去手術」を勧めたようですが、最近の傾向は「繰り返し扁桃腺が腫れる人」が手術する対象になっています。
扁桃が腫れる、よく発熱するなどの症状がなければ、そのままにして様子を見ることが多いようです。
扁桃は、細菌やウイルスを食い止めてくれる免疫の役目をはたしています。健康な時には、免疫力が高く細菌をやっつけるために炎症が起こりません。ところが、抵抗力が落ちて細菌の感染力が勝つと扁桃に炎症が起きます。これが扁桃炎です。
扁桃炎になると、扁桃が赤く腫れたり喉が痛くなったり発熱します。この扁桃炎になる回数が一年に3~4回ある人の場合には、日常生活に支障がでないように扁桃摘出手術をすすめられるようです。
年に何度も点滴治療している人
年に何度も入院して点滴治療を行っている場合は、腎臓の病気の原因が扁桃腺に潜んでいることがあります。このようなケースはすぐに手術を受けたほうがいいみたいです。
ずばり「年に数回入院して点滴治療(ばい菌を殺す薬を血管から入れる治療)」をしている方、是非手術を受けましょう!
引用:みやはら耳鼻咽喉科
口臭だけでは手術してもらえないかも
口臭がするからとか臭い玉(膿栓)ができるという理由だけでは、扁桃摘出手術はしてもらえないかもしれません。しかし、喉からひどい口臭がするとか、多量の臭い玉(膿栓)ができる場合は、扁桃炎のサインかもしれません。臭い玉(膿栓)ができていなくても、喉に痰のような膿がへばりついている場合は、扁桃腺炎になっているかもしれません。詳しくは、『喉の奥がネバつくのは膿汁が原因だった!?膿汁を出なくする方法とは?』をご参考にしてください。
口臭やのどの違和感がひどい場合は、一度耳鼻科にご相談されてはいかがでしょう。
扁桃腺手術のメリットとデメリット
扁桃腺手術のメリット…扁桃腺をとると、扁桃炎を起こさなくなります。膿栓もできなくなるため、口臭の改善になります。
扁桃腺手術のデメリット…免疫機能が低下するリスクが高まります。そのため、風邪やインフルエンザ、コロナに感染しやすくなります。
扁桃腺免疫の常識に一石を投じる報告がオーストラリア・デンマーク・米国の共同研究から発表されており、その内容は、子供の時に扁桃腺をとったグループがとっていないグループに比べて上気道感染(いわゆる風邪)にかかるリスクが約3倍増加するというものです。
引用:こにし耳鼻咽喉科
扁桃腺手術をする前には、お医者さんに「デメリット」についてご相談されることをおすすめします。
扁桃腺切除手術の方法
扁桃腺切除手術
扁桃腺切除手術といっても、最近ではメスは使わず、扁桃をレーザーメスで焼き切るのが主流のようです。また、全身麻酔で行うので手術中の恐怖や痛みはありません。
現在扁桃腺手術の主流(80%以上)は「口蓋扁桃若しくはアデノイド摘出術」と呼ばれるもので、これは肥大した扁桃腺をレーザーメスで焼き切るという手術になります。
レーザーを用いた手術はメスを入れる手術に比べると体にかかる負担は少ないのですが、後咽頭から上気道部にかけての広範囲を切除するため術後麻酔から覚めてからの痛みは強くなる傾向があります。オペは全身麻酔で行なわれます。
手術当日の処置
手術当日は朝から絶食で水も飲めません。手術着に着替えてストレッチャーに載せられ手術室で麻酔を受け、意識がなくなったら手術開始となります。
扁桃凝固術
比較的軽い慢性扁桃炎や膿栓症の場合には、高周波やラジオ波による扁桃凝固術を行なう病院もあるので、医師にご相談ください。
扁桃凝固術のメリットは、局所麻酔の日帰り手術で済み、術後の食事制限などもあまりなく、術後の痛みや出血も少ないことです。
手術日前までの過ごし方
耳鼻科で診察をしてもらい、手術の説明を受けます。
手術日まではレントゲンを撮ったり、全身状態に変更がないかどうかを検査するために一般的な血液検査が行なわれる場合もありますが、前日までは日常生活を送る事が出来ます。
前日の夜からは絶食とし、水も基本的には飲めなくなります。
通常は手術当日までは外来でのフォローとなりますが、発熱を起こし点滴による抗生剤投与が必要な場合などは手術の数日前から入院する場合もあります。
扁桃腺手術の入院期間と費用
扁桃腺手術にかかる期間は、患者さんの術後の経過や病院の方針によって異なってきます。入院期間は、平均すると7日から10日が多いようです。ケースによっては、手術前日から入院する場合もあります。
また、よくあるのは、成人の場合には術後の治癒が悪く、予定よりも1日~2日延長することがあるので、手術前の医師からの説明を良く聞いておくことが大切です。
手術と入院にかかる費用については、入院期間によって違ってきます。入院期間が長くなれば、その分費用が高くなります。
手術と入院にかかる費用の平均は、7日~9日入院した場合、8万円~10万円です。それ以上高い場合でも、高額医療費(高額療養費)が使えると合計から約8万円安くなるようです。高額医療費について詳しくは、『全国健康保険協会 高額療養費』をご参考ください。
引用:りよんの扁桃腺手術体験記
扁桃腺はいくつもある
扁桃腺というと、一般的には喉ちんこの奥、喉の左右にある口蓋扁桃をいいます。しかし、扁桃はこの他にもあり、鼻腔と気道のつなぎ目にあるアデノイドと舌根にある舌扁桃があります。
だから、口蓋扁桃だけ(またはアデノイドだけ)を切除しても膿栓(のうせん)はなくなりません。しかし、口蓋扁桃の穴にできるような膿栓ではなく粘膜に付いているだけなので、食事や唾を飲みこんだだけで取れていきます。
扁桃腺を取るリスク
扁桃腺(へんとうせん)は、細菌をやっつける大切な組織なので、口臭があっても、取ってしまうのはどうかな~?
と不安に思いませんか?
じつは、私の考えも、たとえ膿栓(のうせん)があっても、扁桃腺(へんとうせん)は取らない派です。切るのが怖いというのもあります。
でも本当の理由は…
1、扁桃腺には、口や鼻から入ってくるウイルスや細菌と戦ってくれる大切な役割があるから、取らない方が良い。
※成人には扁桃は必要ないという意見もありますが、扁桃にある陰窩(いんか)からは、ウイルスや菌と戦うために免疫(粘液)が出ているのでは?
2、扁桃腺除去手術にかかる費用が、約17万円。手術後の入院が7日~10日。手術の恐怖に加えて抱えるリスクが多すぎる。
3、過去に扁桃腺を取ったが、膿栓(のうせん)ができると悩んでいる人がいる。(詳しい原因は分からない。)
以上が、私だったら手術までしない理由です。
それに、そこまでしなくても、歯磨き粉「美息美人(びいきびじん)」を使えば、膿栓(のうせん)も口臭も予防できるからです。
美息美人(びいきびじん)は、歯磨き粉「美息美人(びいきびじん)」という名前なので、よく勘違いされてしまうのですが、美息美人で歯磨きだけしても、膿栓(のうせん)は予防できません。
ご存じのように、膿栓(のうせん)が出来る場所は咽喉(のど)です。
ですから、膿栓(のうせん)による口臭を予防するには歯磨き粉「美息美人(びいきびじん)」で作ったアルカリイオン水を使って、咽喉(のど)をきれいにするための、ガラガラうがいを行なわないといけません。
ブクブクうがいだけでは、アルカリイオン水は膿栓(のうせん)に届きません!
膿栓(のうせん)を予防するには、ガラガラうがいが必要です。間違えないようにしてくださいね。
詳しくは『膿栓(臭い玉)の 取れる タイミング | 自然に取れるまで待つ』をご参考にしてください。
ところが、美息美人(びいきびじん)を使っているのに、膿栓(のうせん)が中々改善されない方がおられます。
よくよく伺ってみると、やっぱり!
咽喉(のど)のガラガラうがいしていないことがあります。
早速、小まめにガラガラうがいをしてもらうと、
「膿栓(のうせん)が出ました!」とか、
「口臭がしなくなったみたいで嬉しいです!」と。
もし、歯医者さんにかかっても、口臭が治らない、耳鼻咽喉科でも治らない。もうこうなったら、扁桃腺除去手術をするしかない!
と早合点して行動に移される前に、一度、歯磨き粉「美息美人(びいきびじん)」をお試しされてはいかがでしょうか?
膿栓(のうせん)を取ると一時的に口臭もなくなります。ですから、自分で膿栓(のうせん)を取ろうとするのかもしれません。
でも、膿栓(のうせん)を取るために喉をいじると粘膜に傷をつけ炎症を起こすかもしれません。
そのようなことのないように、扁桃腺除去手術のメリットとデメリットをご紹介させていただきました。
膿栓をできなくするためだけに手術を検討されているのでしたら、まずアルカリイオン水で膿栓を予防されてはいかがでしょう。