舌が白い(舌苔)

舌磨きで口臭撃退!正しいやり方と3つのポイント

舌のケアで健康な息へ:舌磨きの基本と効果的な3つのポイント

口腔ケアアンバサダー(社団法人 日本口腔ケア学会認定)の上林登です。

健康な息を保つための秘訣は、意外にも舌のケアにあります。「舌のケアで健康な息へ:舌磨きの基本と効果的な3つのポイント」では、毎日のオーラルケアに欠かせない舌磨きの重要性と、その正しい方法をご紹介します。多くの人が見落としがちな舌のケアですが、実は口臭の大きな原因となる舌苔を除去し、口内環境を健康に保つ鍵を握っています。

本記事では、舌磨きの基本から、効果を最大限に引き出すための3つの重要なポイントまでを網羅的に解説します。

舌の正しい磨き方、適切な頻度やタイミング、そして選び方に迷いがちな舌磨き用ブラシの選定基準についても触れ、舌磨きがなぜ口臭予防に効果的なのか、その科学的根拠を分かりやすく説明します。正しい知識と方法で舌のケアを行うことで、健康な口内環境を保ち、自信を持って明るい笑顔を向けられるようになりましょう。

舌磨きの必要性を理解する

口臭の主な原因と舌の役割

口臭は誰にとっても避けたい問題ですが、その多くは意外な場所、つまり私たちの舌に起因しています。舌の表面には無数の小さな凹凸があり、これらが食べ物の残りや細菌、死んだ細胞などを捕まえやすい「隠れ家」を形成しています。

これらの不要物が蓄積することで舌苔(ぜったい)が形成され、そこで細菌が繁殖し、悪臭の原因となります。つまり、舌の清潔さは口臭を抑える上で非常に重要であり、日々のケアに舌磨きを加えることが推奨されます。

口臭の原因はほとんどが舌苔です。したがって舌の清掃による舌苔の除去が最も有効な予防法です。
引用:口臭 | Teeths – e-ヘルスネット – 厚生労働省

舌磨きがもたらす健康への利点

舌磨きは口臭予防だけでなく、全体的な口内健康にも多大な利益をもたらします。まず、定期的な舌磨きは味覚を研ぎ澄まし、食事の満足度を高めることができます。また、舌の表面を清潔に保つことで、細菌の繁殖を抑え、歯周病や虫歯のリスクを減少させます。

さらに、舌磨きは唾液の分泌を促進し、その結果、口内の自然な洗浄作用が強化されます。唾液には細菌を中和し、酸度を調節する働きがあり、これによって口内環境が健全に保たれます。これらの効果を通じて、舌磨きは単なる口臭予防を超え、全体的な口の健康に寄与するのです。

毎日のオーラルケアに舌磨きを組み込むことで、健康な口内環境の維持に大きく貢献できます。清潔な舌は、清新な息の保証だけでなく、健康な生活の基盤の一つでもあります。

舌磨きの正しい手順

舌磨きを始める前の準備

  • 適切なツールの選択: 舌専用のクリーナーまたは柔らかい歯ブラシを用意しましょう。舌クリーナーは曲線が舌の形にフィットしやすいため、特に効果的です。
  • 口をすすぐ: 口内を水または口内洗浄液で軽くすすぎ、余分な食べ物の残りや細菌を取り除きましょう。

効果的な舌磨きのステップ

  1. 舌の奥から始める: 舌のできるだけ奥からスタートし、ゆっくりと前方に向かってブラシまたはクリーナーを動かします。あまり奥へ行きすぎると嘔吐反射を引き起こす可能性があるため、快適な範囲で行いましょう。
  2. 優しい圧力をかける: 強すぎる圧力は舌を傷つける可能性があります。優しい圧力で、舌の表面の汚れや舌苔をそっと掻き取りましょう。
  3. 全体的にブラッシング: 舌の両側面も忘れずに磨き、全体的に均一にクリーニングします。
  4. 繰り返し行う: 必要に応じて、数回に分けて繰り返し行い、舌の表面が清潔になるまで続けましょう。

舌磨き後のケア

  • 口をすすぐ: 舌磨きの後、水で口をよくすすぎ、磨き取った細菌や食べ物の残りを洗い流しましょう。
  • 舌クリーナーの洗浄: 使用後の舌クリーナーや歯ブラシは、石鹸と水で丁寧に洗い、次回使用まで清潔に保管してください。
  • 定期的な実施: 最適な口内環境を維持するために、毎日または必要に応じて舌磨きを習慣化しましょう。

正しい手順で舌磨きを行うことで、口臭の予防と全体的な口内健康の向上に寄与します。毎日のケアに舌磨きを取り入れることで、より清潔で健康な口内環境を実現しましょう。

舌磨きの3つのポイント

正しいブラシの選び方

  • 舌専用ブラシを選択: 舌の表面は敏感なため、柔らかくて平らなデザインの舌専用ブラシを選ぶことが大切です。これにより、効果的に舌苔を除去しながら、舌を傷つけるリスクを最小限に抑えられます。
  • 素材と形状に注目: ブラシの毛は柔らかめを選び、舌の形状にフィットしやすい形状のものを選ぶことが重要です。また、衛生面を考慮して、定期的に交換できるものや清潔に保ちやすい素材のものを選ぶことが望ましいです。

舌磨きの頻度とタイミング

  • 1日1回が理想: 舌磨きは毎日行うのが理想的ですが、過剰に行うと舌の表面を傷つける原因になり得るため、1日1回を目安にしましょう。
  • 朝の口腔ケアに含める: 起床後、朝の口腔ケアルーチンの一環として舌磨きを行うことが推奨されます。これにより、就寝中に蓄積された舌苔を効果的に除去し、一日をさわやかな息でスタートできます。

・関連記事:舌磨きは今すぐやめて!?代替の方法で口臭対策

舌磨きの際の注意点

  • 優しく磨く: 舌は非常に敏感なため、優しく磨くことが重要です。力を入れすぎると舌を傷つけたり、不快感を引き起こしたりする可能性があります。
  • 舌の奥まで注意して磨く: 舌の奥は特に舌苔が溜まりやすい部分ですが、 嘔吐反射を引き起こす可能性があるため、慎重に磨きましょう。舌の奥を磨く際は、できるだけ 嘔吐反射を避けるように注意深く行うことが大切です。
  • 定期的な交換: 舌ブラシも歯ブラシと同様に、定期的に新しいものに交換することが重要です。使用による摩耗や細菌の蓄積を防ぐため、3ヶ月に1回の交換を目安にしましょう。

以上のポイントを守ることで、効果的かつ安全に舌のケアを行うことができ、口臭予防と全体的な口腔衛生の向上に繋がります。

・出典:舌苔を効果的に取り除く方法とその重要性

舌磨きによる口臭予防の効果

口臭予防への直接的な効果

舌磨きは口臭予防に直接的な効果をもたらします。多くの場合、口臭の主要な原因は舌の表面に蓄積した細菌や食べかすです。これらは舌苔と呼ばれ、不快な臭いの源となります。

定期的な舌磨きにより、これらの細菌や食べかすを効果的に除去することができ、結果として口臭が軽減されます。また、舌磨きは口内環境を清潔に保つことにも寄与し、新たな細菌の繁殖を抑制します。

長期的な健康への影響

舌磨きの習慣は、口臭予防だけでなく、長期的な口腔内健康にも良い影響を与えます。口内環境を清潔に保つことで、歯肉炎や歯周病などのリスクを低減することができます。

これらの疾患は放置すると歯の損失や全身の健康問題につながる可能性があります。したがって、舌磨きは口臭予防だけでなく、歯と歯茎の健康を維持し、全身の健康にも寄与する重要な習慣です。

舌磨きのよくある質問と誤解を解消

舌磨きは毎日行うべきか

  • 個人の状態による: 舌磨きの必要性は人によって異なりますが、一般的には毎日行うことが推奨されています。特に口臭が気になる人や舌苔が多く見られる人は、毎日のケアが有効です。
  • 過度な頻度は避ける: 舌はデリケートな部分なので、過度に頻繁に磨くと舌の表面を傷つける原因になります。1日1回程度を目安にし、舌の状態を見ながら調整しましょう。

舌磨きによる痛みや不快感の対処法

  • 正しい方法で磨く: 舌磨きに痛みや不快感を感じる場合は、使用しているブラシが硬すぎるか、力を入れすぎている可能性があります。柔らかいブラシを使い、優しく磨くことを心がけましょう。
  • 痛みが続く場合は専門家に相談: 通常、舌磨きによる軽度の不快感は数日で改善されることが多いですが、痛みや不快感が長期間続く場合は、歯科医師や専門家に相談することをお勧めします。これにより、舌や口内に他の問題がないか確認できます。

まとめ:舌磨きで健康な口内環境を

定期的なケアの重要性

舌磨きは、口臭予防と全体の口内健康の維持に不可欠な日常的なケアです。舌の表面に蓄積される細菌や食べかすは、放置すると口臭の主な原因となり、場合によっては歯周病や虫歯を引き起こすこともあります。したがって、毎日のブラッシングとフロッシングに加えて、舌のケアを習慣にすることが重要です。

正しい舌磨きの習慣の形成

  • 毎日の習慣: 舌磨きは、朝の歯磨きルーティンの一部として行うことをお勧めします。これにより、一日を通して口内を清潔に保ち、新鮮な息を維持できます。
  • 適切な方法の習得: 舌を傷つけずに効果的に清掃するためには、正しい方法で舌磨きを行うことが重要です。舌専用のブラシまたはスクレーパーを使用し、舌の後ろから前へと優しくブラッシングしてください。
  • 定期的なフォローアップ: 定期的な歯科検診は、口内環境の健康を維持するために不可欠です。歯科医師は、舌の健康状態をチェックし、必要に応じて追加のケアや治療を提案することができます。

舌磨きは、健康な口内環境を維持するためのシンプルで効果的な方法です。適切なケアと定期的な検診を通じて、口臭を予防し、全体の健康を促進することができます。

うがいで舌苔を取る

正しい低位舌の見分け方とトレーニング方法

口腔ケアアンバサダー(社団法人 日本口腔ケア学会認定)の上林登です。

低位舌というのは、、健康な大人が安静状態にある時、舌の先は上顎前歯の付け根(スポット)に接触して、舌全体が上あごについているのが正常ですが、舌が下顎にだらんと下がっている 状態をいいます。低位舌の原因の多くは舌の筋肉の衰えによるものです。

低位舌(ていいぜつ)になると、子どもでは歯や顎のなどの顔周りの成長に悪影響を及ぼし、大人の場合は、いびき、睡眠時無呼吸症候群、口呼吸、ドライマウス、誤嚥性肺炎などの原因になります。

ドライマウス(口腔乾燥)になると口臭の原因になるので、舌の筋肉を鍛えて唾液分泌を促進させることが大事です。十分に唾液が分泌するようになると、舌苔や歯周病の予防にもなります。

低位舌は、トレーニングを習慣にすることで治すことができるので、記事中の「低位舌のトレーニング法」を参考にして改善しましょう。

この記事は、口腔ケアアンバサダー(社団法人日本口腔ケア学会認定)の上林登が書いています。

低位舌(ていいぜつ)とは

低位舌とは、リラックスしているときに舌が下あごに落ちている状態のことを指します。 低位舌は、気道が狭くなることでいびきの原因になるほか、子どもの場合は、上あごが育たず歯並びが悪くなってしまいます。 また、舌の歯を押すことによってすきっ歯にの原因にもなるので、低位舌を直すようにしましょう。

舌の正しい位置

舌の正しい位置は、舌が上あごに触れており、舌先が上の前歯の少し後ろにあるふくらみ(スポット)に触れている状態です。大人でも舌の正しい位置を直すことができるので、低位舌の場合は低位舌トレーニングをおすすめします。

日ごろから正しい舌の位置を意識することが大切です。 舌の位置は癖になっており、意識をしないと元の位置に戻ってしまいます。 気付いたときには下の位置を意識し、上あごのふくらみに舌先がついているか確認しましょう。

低位舌のリスク

低位舌のリスクは以下のとおりです。

  • 舌の側面に歯の跡がついている。
  • いつも口が開いている。
  • 声が小さい。
  • 活舌や発音が悪い。
  • 食事の時にクチャクチャと音が鳴る。
  • よくいびきをかく。

舌の位置を直すことで、歯並びや噛み合わせ、活舌などが改善されます。 舌の位置を直すことにより、これらの問題が軽減される可能性があります。

低位舌の見分け方

見分け方のポイント

低位舌を見分ける方法には、以下のような医学的根拠に基づいたポイントがあります。これらのポイントを確認することで、低位舌の有無を判断することができます。

  1. 舌の位置: 口を閉じた状態で、舌の先が下の前歯の裏側や下顎の床に触れている場合、低位舌の可能性があります。
  2. 舌の姿勢: 口を閉じた際に舌が口腔底に沈んでいるか、舌全体が下がっている状態を確認します。
  3. 発音の特徴: 特定の音、特に「た」「だ」「な」などの発音時に舌が適切に上顎に接触しない場合、低位舌を疑います。
  4. 口腔健康状態: 頻繁な口呼吸や口腔乾燥、そして歯並びの問題が低位舌の兆候として見られることがあります。
  5. 嚥下時の動き: 飲み込む際に舌が正しく上顎に押し上げられず、前方や下方に動く場合、低位舌のサインです。

これらのポイントを確認することで、低位舌の有無を見分けることができます。ただし、正確な診断については、医療専門家や言語聴覚士に相談することが重要です。

低位舌による症状

子どの低位舌の場合は「いつも口がポカンと開いている」「発音や滑舌が悪い」「クチャクチャ音をたてて食べる」等の状態が多いのが特徴です。

大人の場合は、舌の縁にギザギザした歯型がついているのが特徴で、舌苔で舌が白くなっていることが多いです。

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関連記事:舌のふちがでこぼこ!歯型の原因と治し方

口臭が気になり舌磨きをされているかもしれませんが、舌をゴシゴシ磨くと粘膜を傷つけるので良くありません。
舌磨きはコットンで磨くのがおすすめです。

低位舌トレーニング

筋肉の衰えた舌は、舌を動かし鍛えることで直すことができます。舌筋の鍛え方としては、食事の時によく噛むなど咀嚼回数を増やすことやよく喋るようにすると良いのですが、舌筋トレーニングを行うことがより効果的です。

舌のトレーニング方法をいくつかご紹介しますので、ご参考にしてください。ただし、トレーニング方法については、医療専門家や言語聴覚士に相談することが重要です。

舌打ちトレーニング

舌打ちトレーニングは、舌先を上あごのふくらみにつけたまま、舌全体を上あごに5秒間吸い付けます。 その後、上あごから舌を離して「ポンッ」と音を立てるようにするのがポイントです。これを10回繰り返します。 このトレーニングを続けると上あごに舌を密着できるようになります。

舌の体操(あっかんべえ)

舌の体操

  1. 舌をべーと突き出す、口にもどす。これを10回。
  2. 舌を出して、上唇、舌唇、右、左、と動かす。これを10回。
  3. なれたら、3セット行なう。

唾液もよく出るようになるので、ドライマウス対策にも良いです。

ガムトレーニング

ガムトレーニングは、ガムを噛んで丸くすることから始めます。その後、 ガムを上あごの膨らんだところに張り付け、舌でガムを押し広げ、奥歯を強くかみしめます。そして、 舌でガムを押し付けたまま唾を飲み込みます。 これを、1日3分行うと効果的で、舌の筋力が鍛えられます。

  1. ガムを柔らかくなるまで噛む
  2. 舌を使って、柔らかくなったガムを上あごに広げて貼り付ける
  3. 舌でガムを上あごに押し付けた状態で、唾をごっくんと飲み込む
  4. 1から3を、複数回繰り返す(やり過ぎて痛くならないようにする)

ガムの舌トレーニング方法はこれだけですが、毎日の習慣にすることで舌筋が鍛えられるだけでなく、唾液の分泌が増えるので口臭予防にもなります。

パタカラ体操

パタカラ体操

よく舌を噛むのは、舌の筋肉が衰えたからかもしれない。この私の仮説があっていたら、すべてが解決するかもしれない?そう思って、パタカラ体操を始めたのです。

朝30分の散歩のときに、「パタカラ、パタカラ…」と早口で、何度も何度も言うようにしたのです。当初は、舌を噛みそうでした。これで、また舌を噛めばシャレになりません。

続けて「パタカラ」と言っていると、苦しくなるので、その時には、深呼吸をします。これを毎日、繰り返していると、始めは「パタカラ、パタカラ、○×※@…」と意味不明な言葉だったのが、はっきりと喋れるようになったのです。

舌の筋肉がついてきたからです。それどころか、舌を動かすことで、唾液の分泌もよくなったようで、口が乾くこともなく一日中、潤っています。唾液の分泌が正常になったので、今まで以上に舌もピンク色になった気がします。

もちろん、ガタガタだった舌の歯型も消えたのです。

いびきと無呼吸症候群は妻に聞かないことには分からないので、今のところ発表できませんが、いずれご報告したいと思います。

私と同じように、口呼吸で口が乾き舌が白くなっているとあきらめているのでしたら、パタカラ体操など舌を動かす体操がおすすめです。

レロレロ法

大きく息を吸って、声を出しながら「レロレロ」と10秒言います。舌を唇の左右に触れながら声をだすのがコツです。なれたら、10秒を2セット、3セットを増やすと良いです。

発声法

発声法

「あいうえお」、「いうえおあ」、「うえおあい」、「えおあいう」、「おあいうえ」、と続けて声にだして言います。

言葉をはっきりと出して言うのがコツです。恥ずかしいかもしれませんので、人のないとことろで行ってください。

まとめ

ジョギング

低位舌は、老化などにより舌の筋肉がおとろえたことが原因です。ですが、舌の運動などを習慣にすることで、舌筋がつけば低位舌が改善されます。

低位舌がなおれば、今までついていた舌の歯型も、自然となくなります。そのためには、舌のトレーニングを習慣にすることをおすすめします。唾液も分泌されやすくなるので、舌苔が減り口臭が改善されることも期待できます。

参考文献:X線VTRによる低位舌を有する成人不正咬合者の嚥下時の舌運動に関する研究…東京歯科大学大学院歯学研究科歯科矯正学講座